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2004年11月30日

76,77生まれはインターネット時代のエリート世代?

CNET Japan Blog - 梅田望夫・英語で読むITトレンド:インターネット時代のエンジニアの価値を読んで

 7月に、梅田さんの世代論がらみで76年前後生まれに世代の壁を感じると書いたことがありますが。


 その一員の伊藤直也さんが同じ趣旨のことを書いていたので、ますますその思いを強くしました。

改めて振り返ってみると、高林さんや宮川さんや私は年齢がほとんど離れていません。(中略)そして、彼らとよく話題にのぼるのが、ちょうど大学に入学したときにインターネットの波が押し寄せてきたのだということ。


 実は7月以降、私はすっかり76,77世代の研究家になってしまい、ストーカーのように追いまわしていたりしますが、一つ分かってきたことがあります。
 それは、この世代は、別に突然最近目を覚ましたわけではなく、ちゃんと生み出されたんだろうなぁ、ということです。


 この世代の中心と言われている人たちの中には、あのビットバレーの真っ只中を経験している人が多くいます。
 大学時代からネットやアルバイトを通じて、ネットエイジの西川さんやネオテニーのJoiさんなど、時代を切り開こうとしていた経営者を間近に見ていた世代です。
 
 彼らは大学の頃にITバブルを経験し、それを乗り越えた人々を身近に師匠なり反面教師なりとして見ていて。
 更に、それに刺激された同世代の人間が、次々に頭角をあらわすのに更に回りの人間が刺激され、激しい化学反応が繰り広げられていたんじゃないか。

 いわばインターネットの超エリート教育が、自然と発生する場だったんじゃないかなぁと思うわけです。
(って昨日書いていたら、今日伊藤直也さんが「人との出会い、不連続な成長が作るキャリアパス」で、同じ趣旨の話(もっと内容が濃いこと)を書いていました。いや、ほんとかないません。)
 
 
 エリートという言葉は好きではないので、あまり使いたくないのですが、例えばGREEの社長になった田中さんのインタビュー記事で、「GREEをどうするかの意思決定は、僕がする。そういう意味では、株式会社化しようがしまいが、まったく変わらない」という発言からは、親会社や他の投資家に主導権は握らせないという強い決意が伝わってきます。

 そういうところから、ネットバブルにのってアイデアに数億円が投資された時代とは違う経営者の気質を感じてしまうわけです。
 考えすぎですかね。


 ちなみに以前、グロービスの講演で、グロービスの堀さん、ハイパーネットの板倉さん、光通信の重田さんが、実は同世代の起業家仲間で、お互いの成功を励みにがんばっていたという話を聞いたことがあります。

 そういう意味では世代論自体はあまり意味が無いかもしれませんが、同世代の人間に、自分が身近だと感じられる仲間に、チャレンジしている尖った人間がどれだけ多くいるかというのが、非常に重要なことなんじゃないかなぁと思いますね。
 
 
 自分も自分の世代が谷間の世代なんて呼ばれないようにがんばらなければ・・・と思う今日この頃です。

2004年11月29日

好きこそブログの上手なれ

有名ブログ運営者が秘訣を語る「アフィリエイト・カンファレンス」を読んで。

 土曜日にアフィリエイト・カンファレンスに参加してきました。

 はてなの伊藤直也さんの講演に始まり、インターネットマガジンの西田編集長モデレートのパネルディスカッションも、メンバーが個性的な面々で非常に面白かったです。
 なんと言っても200人もの会場で熱気にあふれていて、実に個性的な面々が集まっていましたし、お会いしたかった色んな方にお会いできました。

 まぁ、当日の概要については記事を見ていただくとして、個人的に非常に印象に残ったのは、パネラーの皆さんの話す表情が活き活きと楽しそうなこと。

 
 「ブログ」と「アフィリエイト」というのがテーマだったので、もう少し金儲けのノウハウの話になるのかなぁと思ったら、やっぱり金儲けありきではなく、好きだから続くんだなぁというのが感想でした。

 なにしろ、ネタフルのコグレさんは朝6時に起きて更新に毎日3時間もかけてるそうですし、ことのはの松永さんは、なんとことのは以外にも7つもサイトを運営されているようです。はてなのnaoyaさんもブログを通じて本も書くことになり、転職することになり、今回の講演もすることになったと、金銭以外のメリットを強調されてました。
 まぁ冷静に考えれば当然ですよね、好きでなければあれだけの内容の濃いブログは書けないでしょうから。
 
 
 ちなみに、もう一つ強く印象に残っているのが「見たいもん」のいしたにさんが懇親会で言っていた言葉。

 「ブログとかで最近目立っている人っていきなり出てきたわけじゃなくて、歴史を振り返ると、実は過去にも同じようなことやってたりするんですよね」

 そう言われればそうなんですよね。

 ブログブームもあって、急にいろんな人が出てきたように言われますが、実はそういう人たちって昔からメルマガを書いてたり、ウェブサイトを作ってたり、フォーラムで活躍してたりしてるんですよねぇ。

 そういう意味では、アフィリエイトの普及によって、ようやく好きなことを極めると、ついでに少しお金がもらえるような時代がやってきた、と言った方が良いのかもしれませんね。

2004年11月26日

端末の統合化は進んでいる?進んでない?

誰のためのユーザー中心デザイン?を読んで。

 CNETの森さんの記事を読んで、そうだよなぁ・・・とうなってしまいました。


 記事では、ガジェットやリモコンを例にとって「それぞれに重複する機能はあるものの統合的な製品が登場しないこともあり、ファッションとして持つこと自体の意味合いとは別に、ユーザーの生活を圧迫するようになってきてはいないだろうか。」と疑問を呈しています。

 そういえば、かなり前から個人的には統合端末を待ちつづけています。
 デジタルカメラにしても、MP3プレーヤーにしても、電子辞書にしても、ボイスレコーダーにしても、PDAにしても、ゲーム端末にしても、あれだけ端末が小型化してきているのですから、全てが一つに入った端末が出てきてもよさそうなものです。

 何でなかなか統合されないのでしょうか?
 

 メーカーの方に聞くと、やはり利益の確保が難しいからという答えが返ってくる場合が多いです。
 要はそんな統合端末を欲しがるマニアックな人間は少なく、さらにそのマニアックな人間は統合端末にも先端レベルの機能を欲するので、結局単機能の先端機器を購入してしまうんだとか。

 そういう意味では、携帯電話はやはり出荷台数の桁が違うので、森さんが言う五徳的展開に出やすいそうです。


 逆に携帯電話を中心に考えると、案外端末の統合化は着実に進んでいると言えるのかもしれません。

 例えば低位のデジタルカメラは完全に携帯電話に食われつつあると聞いています。携帯のカメラの画素数が着実に上がっているのを考えると、現在の高機能デジタルカメラの市場も徐々に携帯電話に侵食されるでしょう。

 古い話で言えば、電卓もそうかもしれません。
 昔は飲み会の後に割り勘をしようとすると、電卓を持っている人がヒーローになることが良くありましたが、最近は携帯電話でできてしまいます。飲み会の終わりに電卓を取り出す人は見なくなりました。

 カレンダーや電話帳などのPDA的なものも、携帯電話で済ませる人が増えていると言われています。今度のSH901iには電子辞書機能もついてくるようです。
 

 じゃあ、携帯電話が全てのガジェット市場を飲み込んでしまうか?
 というと、当然そんなことは無く。

 「ビジネス情報備忘録」でも「用事を片付けるためには機能が最適化されたガジェットを使ったほうが、万能ナイフ型のガジェットよりも機能が特化している分、便利・手軽・痒いところに手が届くなどの理由により使い続けると思う。」と書かれていますが、多分そういうことになるのでしょう。

 デジタルカメラで言えば、高機能なカメラを求める人は確実に残るでしょうし、電卓にしても業務用電卓は携帯電話のインターフェースでは無理です。
 多分、いまだに紙のメモ帳を使いつづける人が多いのと同じような話で。

 明確な目的のための特化端末は確実に残り、「あれば良い」とか「あったら良いな」程度のローレベルな端末は、徐々に携帯電話のような必須端末のオプションになっていくのかなぁ・・・と。
 そんな風に感じました。


 そう考えると、多分難しいのは「では各企業はどのように対応していけば良いのか?」という点ですね。
 We all follow United !では、組織の視点から局所最適や組織間のすり合わせについて分析されており興味深いです。

 特化した機能のみにフォーカスしなければ、その業界では生き残れないかもしれないし、かといって統合端末の展開を見据えないと業界自体が縮小するかもしれない・・・実に難しい問題のように思えます。


 まぁ、どちらにしろ、全ての特化端末が欲しくなってしまう「ガジェット好き」の自分の問題が解決されることは当分なさそうですね・・・

2004年11月24日

テキストコミュニケーションの重要性増加中

死んでしまったら私のことなんか誰も話さない: ブログの魅力と可能性を読んで。

 JTPAの「ブログの魅力と可能性」セミナーの内容について丁寧にまとめられていたので紹介します。


 先日サトウさんが取り上げていた「ところで、Blogは何がそんなにすごいのか?」の内容にもつながるところが多いですね。

 なんと「Six Apart社は創業以来黒字だそうです。」という点にも驚いたのですが、個人的に興味深かったのは下記の部分。

パネリスト3人のお話を聞き、また、私自身も含めて、ブロガーとして続いている人の特徴は、「表現したいことは色々あるが、話し言葉より書き言葉での自己表現の方が得意」「シャイ」なのではないか、ということです。

「口べた」「話した言葉が上滑りしている気がして、本当に人に届いているのだろうか、自分をもっと分かってもらいたいといつも思っていた」という言葉に現れているように、話す/聞くコミュニケーションにおけるフラストレーションや苦手意識が強いので、その分、書き言葉で他人に伝えようとしているのかもしれません。

 実は、私は逆に口先のコミュニケーションでこれまで生き抜いてきたタイプなのですが、最近テキストコミュニケーションの重要性を痛感する日々が続いています。

 
 HotWiredの佐々木さんの「活字を読む文化が復権しつつある」という記事でも、「インターネットは文字文化」ということが取り上げられています。

 佐々木さんもメディアの歴史を書かれていますが、もともと人間のコミュニケーションも近距離は音声会話なものの、紙の登場以後、遠方とは手紙でやり取りするという文化が何世紀も続いています。

 その後、電話の登場で遠距離も音声会話が可能になりましたが、実はまだ1世紀程度の歴史でしかなく。
 インターネットの登場で、再び人間のコミュニケーションはテキスト(活字)によるものが主流を占めるようになってきている気がするのです。

 
 最近個人的にコラムやAll Aboutのガイドを始めたり、毎日のようにブログで記事を書いているのは、実はそういう恐怖感から練習を強化しているのが実情だったりします。

 マルチメディアという言葉でネット社会の未来を語っていたときは、音声や動画の未来を中心に語られていましたが、ふたを開けてみるとテキストが中心になっているのですから不思議なものです。


 最近、NTTグループはテレビ電話普及に向けて、再度スマップまで借り出してテレビコマーシャル攻勢に出ているようです。(5年前にはフェニックスというテレビ電話のコマーシャルをたくさん打っていましたが売れなかった)

 はたしてこのままテキスト文化が主流になるのか、音声や動画が復権する時が来るのか注目したいと思います。

2004年11月23日

アフィリエイトと広告の微妙な関係

第四回アフィリエイト・カンファレンス参加表明、求む!を読んで。

 土曜日のアフィリエイト・カンファレンスに行ってこようと思ってます。


 実は個人的にはアフィリエイトを今はやってないのですが(それで参加して良いのかどうかは微妙)今後のアフィリエイトの流れには注目しています。

 実際、アフィリエイト参加者は確実に増加していて、カンファレンスの参加者も初回の数十人から今回はなんと200人だとか。
 和田さんが出された「アフィリエイト徹底活用術」もなんと第四刷に突入。大ヒット中です。
 
 
 先日織田さんにお会いしたときにも、アフィリエイトの流れについての話になりました。
 広告業界の視点からすると、アフィリエイト自体はブランド自体をつくりあげるものではなく、下手をしたらネガティブな影響もあるという認識だそうです。(仕組み自体は、ある程度必須になる流れにあるようですが)

 まぁ実際、人によっては、見ているサイトがアフィリエイトの仕組みで商品を紹介していると知ると「金目当てか」という拒否反応を示す人もいます。(うちの嫁さんなんかはそういう感じでした)

 
 ただ、個人的には、アフィリエイトはもっと主流になって良いと思っています。
 そもそも何かの商品を紹介してそれが売れたのであれば、その人が紹介手数料をもらうのってごく自然な仕組みのように思えるからです。

 大手媒体は、商品を紹介することに対して「広告料」をもらっています。
 これって結局なんだかんだ紹介手数料扱いのはずです。
 まぁもちろん広告にはブランドイメージ向上とか認知度アップとか、効果はいろいろあるんでしょうが、最終的には商品が売れてなんぼ、なはずで。

 そういう意味では、個人で商品を口コミで紹介してくれる人にもある程度の収入があって当然だと思ってしまうわけです。


 ちなみに南さんのB-log Cabin TPでは、なんとiPodやMacのような高価な商品もアフィリエイト経由で売れてるという話も聞いたことがありますし、和田さんもDELLのPCのアフィリエイトが中心だと言ってました。

 個人でも媒体効果を発揮できるサイトの運営者は、大手媒体と同じように扱われても良いように思ってしまいます。

 果たしてこの流れがどれだけ大きくなる可能性があるのか、物販以外のところにも出てくるんでしょうか?

2004年11月22日

誰もが個人の看板で生きる時代は来るか

 先日、メディア産業座談会なるものに混ぜてもらいました。

 まぁ、メディアに関して素人の私が語れることは何も無いのですが、私が興味深かったのは個人の時代という視点です。


 座談会に参加していた面々は、「ネタフル」のコグレさんを始め、「CNET」の渡辺さん、「Ad Innovator」の織田さん、「29man」の渡辺さんと、勤めている会社や仕事内容よりもブログや個人の名前の印象の方が強い、と思うのは私だけでしょうか。

 もちろん社会一般から見て、ブログ界隈の人がどれだけ有名かという議論もあるでしょうが、個人的にはネットやブログの普及によって、個人がより際立つ時代になったように感じています。


 私は典型的な大企業出身者なので、ベンチャーに転職したにもかかわらず、この2年間「仕事は会社の看板でするものだ」と根本的な思い込みをしていました。

 実際には、生まれたばかりのベンチャー企業に会社の看板などというものが存在するわけも無く、相手には自分を信用してもらうしかないのですが、そこは大企業出身者。なんとか会社の看板をあげようと自分を殺した努力をするべきだと思っていたわけです。

 ところが、最近ようやく、なんだか違うぞ?と気がつくようになりました。

 結局、ビジネスの世界においても、大抵のことは個人レベルの信頼や人間関係から始まっていて、自分を信用してもらわないと何も始まらないんだなぁと。
 (実は、それはベンチャーだけでなく大企業でもおんなじなんでしょうが)


 そういう意味では、ブログによる情報発信というのは個人にとって非常に有効なツールになるはずです。

 織田さんはブログ自体が仕事の専門性の象徴ですし、29manの渡辺さんもブログの知識を本業に生かされています。ネタフルも間違いなくコグレさんの本業に好影響を与えているはずですし、私のような一般人でも感じるのですから、多くの人も多かれ少なかれいろんな効果を感じていると思います。


 更に、最近はGREEの田中さんやCNET編集長の山岸さん、FPNにも参加してくれてる佐藤さんにも代表されるように、名前のドメインを取って個人の情報発信の場として明確にブログを活用するケースも増えてきていますね。

 流行の社長ブログだけでなく、個人レベルでも自分個人を会社と見れば自分は「自分会社」の社長。個人で情報発信をして「自分会社」の情報発信をするのは、長期的に非常に重要になってくるんじゃないかなぁ・・・と思ったりもします。
 (トム・ピーターズの「ブランド人になれ!」の世界ですね)


 そこで課題になるのは「大企業の中にいる社員は、どこまで個人の情報発信が許されるのか?」という点でしょう。

 これはブログを書いている多くの方が抱えている課題でしょう。個人名での情報発信が増えたとはいえ、まだまだベンチャー企業が中心なのは事実。
 おそらく私もNTTに残っていれば個人名での情報発信などしていないでしょうし、ブログ自体手を出さなかったかもしれません。

 そういう意味では、今回お会いできませんでしたが、電通のタカヒロさんのようなケースがこれからどれだけ増えていくのか。増えていかないのか。
 はたして日本の企業は個人のブログに対してどのような支援や対処をしてくるのか。

 非常に注目したいところです。

2004年11月18日

グリー株式会社化とSNSのビジネスモデル

GREE Blog: グリー株式会社 会社設立についてを読んで。

 いよいよSNSのGREEも株式会社化するようです。


 GREE開発者の田中さんが、楽天社員でありながら個人でサービスを運営しているのは有名な話でしたが、やはり会員数10万人を超えたサービスを個人運営で続けるのは難しいですよね。

 とくに最近は組織だった開発を続けるmixiに比較してGREEの機能追加のペースが鈍っている点が指摘されることが多かったですから、個人的にGREE派な私としては今後が楽しみです。
 まずはおめでとうございます。
 
 さて、客観的に注目したいのは、やはり株式会社化によるGREEの変化でしょう。


 田中さんはこれで社長になるわけですし、楽天から10%の出資は受けるものの楽天の社員という立場からは退職し、基本的に楽天グループではない独立企業として自力で収益を模索する形になるようです。

 以前、「7万人の町「GREE」を一人で作ってる会社員 を読んで」で取り上げた、GREEの田中さんの「儲からないけど、楽しいからそれでいい」というスタイルは、さすがに儲けるためのモデルを模索するスタイルに変わるでしょう。
(もちろん、独立を決めたからには勝算があるのでしょうね)

 
 個人的には、mixiが公開範囲を設定できるプライベート日記機能など、オンラインコミュニティ機能に注力しているのに比較し、GREEは比較的名刺管理ツール的に使われることが多いように感じています。

 シンプルなPV獲得による広告ビジネスとしてはmixiのモデルの方が実施しやすいはずですが、果たしてそちらを目指すのか。
 それとも以前CNETに取り上げられていたLinkedInのようなビジネスモデルを模索するのか・・・

 ひできさんの「SNSと「弱い紐帯」」に書かれているような視点も重要になってきそうです。

 実に注目したいニュースです。

2004年11月17日

ネット上の議論が半永久的に残ることの価値

 「ネットは新聞を殺すのか」の湯川さんと切込隊長BLOG(ブログ)で、非常に興味深いやり取りがされています。


 まず湯川さんの「日本でネットとリアルの社会が分断されている理由」というエントリから始まり、切込隊長が「メディアとネットに「格差」があるという議論はおかしい」と書き、さらに湯川さんが「切り込み隊長に物申す」と返して、切込隊長の「新聞業界がこの先生きのこるには」という書き込みになり、湯川さんが「超どうでもいい議論の続き」と一度締めている。

 まぁ、素人の私が議論自体に口をはさめることは何も無いのですが、ちょっと違った視点からこのやり取りに非常に感慨深いものを感じてしまいました。


 妙な縁で、私はお二人ともにお会いしたことがあるんですが。
(まぁ湯川さんに会ったのはつい先日ですし、切込隊長に会ったのは5年以上も前なので向こうは覚えてないだろうというレベルですが)

 そのときの印象から言うと、二人は日本全体の中で言うと実は立ち位置は近かったりするんじゃないかと思ったりします。

 
 多分、切込隊長が書いているように背景の違いが視点の違いを生むのでしょう。

 湯川さんは既存メディアの中にいて、ブログを中心とした新しい流れに可能性を感じ、それに対応できない既存メディアに嘆いている立場という視点。
 切込隊長はネットの先端にいて、ネットの最前線で旗を振る人たちの良いところも悪いところも全部見てきて、少しブームに対して引いた立場という視点。
 というのが違いになるのでしょうか。
 
 視点の違いと議論の入り方がちょっとずれると、この二人でさえこういう熱い議論になるんだなぁというのが率直な感想ですが、その議論の過程を自分のペースで読むことができるブログの仕組みというのにも、また改めて今後の可能性を感じてしまいました。


 やはり、これもテキストという状態で議論が残るからだなぁと思っていたら、この記事とちょうど同じタイミングで、Hotwiredの佐々木さんが「インターネットが取材を変える日」で、取材の過程を掲示板に公開したという興味深い逸話を紹介しています。

 佐々木さんが書いているように「かつては週刊誌にしろ新聞にしろ、あるいはテレビ報道にしろ、「書き飛ばし」「報道しっぱなし」が当たり前だった。」ですし、読み手である私たちも一つ一つの記事については怒りを感じたとしても無力感のまますぐに忘れるのが当たり前でした。

 ところがネットにおいては今回の湯川さんと切込隊長のやり取りのような議論が、気が向いたときにいつでも(二人が消さない限り半永久的に)、しかも基本的に無料で振り返れるようになってしまっているわけで。

 湯川さんの「議論は、そこから自分が学ぶため、また相手の学びを手助けするためにするものである。」という信念には私も賛成ですし、ニッチな分野の「論評」の集合体という点においては、やっぱりネットの価値は高いなぁと改めて思わされた一日でした。


 ちなみに、佐々木さんが最後に「だが現状では、インターネットメディアの一般社会への影響力はあまりに低い。」とも締めくくっているのも象徴的です。
 やっぱり切込隊長が書くように数十年スパンなんですかね・・・

2004年11月16日

ソフトバンクというブランドの行く末

ソフトバンク、ブランド統一で社名変更を検討 - nikkeibp.jp - 企業・経営を読んで。

 いやぁ、そう来たかという感じです。


 社名変更って言うのはかなり衝撃のイベントですよね。

 でも、実は通信業界の歴史を振り返ってみると、社名変更とかブランド変更というのは案外頻繁に行われています。

 KDDIが提供する携帯電話ブランドのauは、昔IDOとDDIセルラーグループでしたし、そもそもKDDIもKDDとDDIの合併です。
 Vodafoneに至っては昔Jフォンでしたが、そのまた昔はデジタルホンでした。 
 NTTグループこそ、NTTブランドは変わっていませんが再編成で4社に分かれていますし、最近はNTTドコモは「ドコモ」ブランドとして知られていますよね。


 まぁ、NTTすらもともと電電公社だったわけで、日本の通信業界においてはブランドが10年も維持されれば、実はかなりベテランプレイヤーといえてしまうかもしれませんね。

 どの社名変更やブランド変更も、その度に「なぜ変更するんだ?」と批判の矢面に立たされてきたものですが、こうやって時間がたつと案外綺麗に忘れ去られてしまうから不思議なものです。
 ドコモという社名は決定当時酷評されたと聞いていますが、今や押しも押されぬトップブランドの一つですよね。


 そう考えるとソフトバンクグループにおいては、すでにソフトバンク、Yahoo!、Yahoo!BB、日本テレコム、C&W、さらにホークスという雑多なブランドが混ざり合った集合体になっており、ブランド統一にはちょうど良いタイミングなのかもしれません。
(もうあまり買収する相手も思いつきませんし)


 ただ、一般的な起業家は自分が作り上げたブランドの維持に強くこだわるものです。特に日本では「社名」というのは「家紋」に近いようなものですし。
 ソニーや松下、トヨタや日産などがブランドを維持してここまでやってきたのを考えると、もし「ソフトバンク」ブランドがなくなるとしたら非常に大きな出来事といえるでしょう。


 堀江さんは「エッジ」からライブドアを買収した後、自社の名前を買収先の社名に変えて話題を呼びましたが、今回孫さんがどういう決断を下すのか、そしてその決定は上手くいくのか。
 いまからちょっぴり楽しみです。

2004年11月14日

がんばれ田臥勇太

NBA.com 田臥勇太インタビュー「バースデイソング」を読んで。

 バスケットを知らない人にはあまり興味が無い話題かもしれませんが。


 一度でもバスケをやった人間からすると、日本人がNBAでプレーするというのはものすごいことです。

 よく田臥がメジャーリーグに挑戦した野茂やイチロー、セリエAに挑戦したカズや中田に比較されますが、個人的には今回の田臥の挑戦はチャレンジとしての格が違うと思っています。

 野茂や中田は、国内のプロリーグで実績を残していました。
 そもそも、野球は国技だし、サッカーもJリーグの誕生でレベルが大きく上がってます。
 もちろんレベルの差はあれど、その差はそれほど大きくは無いはずです。


 ところが、バスケはいまだに国内にプロリーグはありませんし、日本はオリンピックにすらまともに出ることができないレベルです。
 スラムダンクの世界では日本人もNBA並にスーパープレイを連発してますが、現実の日本のバスケのレベルはNBAには到底及ばないのが現実なのです。

 
 もちろん田臥は日本ではスーパースターでした。
 その田臥ですら、今でも控えの選手として残るのが精一杯という現実が、この日本と米国のレベルの差をあらわしています。

 ただ、だからこそ私は田臥の挑戦に興奮するんでしょう。


 平均身長2mを超えようかという超人たちの集まりの中で、はたして田臥は、日本人は、どこまでやれるのか?

 中田のようにセリエA初戦でいきなり2得点の大活躍とか、野茂のようなノーヒットノーランとか、イチローのような大記録更新とか、オールスター出場とか。
 それがNBAで田臥に無理なのはわかっているんだけど。

 それでも彼は多くの人に大きな感動と希望をくれています。
 今後もきっと、いろいろなものをもたらしてくれると信じています。


 そういう意味で、自分でも心がけたいと深く感じたのは下記の田臥の言葉

「僕のモットーじゃないですけど、こだわっているところは結果とかじゃなくて、過程。一日一日、自分の中で充実してやれるか――満足じゃなくて、充実させること。それなら、もし結果がダメでも、やってきたことが間違っていないと自分で思えるなら、後悔しないと思うし、後悔することだけが一番嫌いなんで、だから結果とかじゃなくて――。 」

 がんばれ、田臥。
 

日本でマス広告神話の崩壊はいつ始まる?

【波多野blog】 マス広告神話の崩壊を読んで。

 日経ビジネスで「もうCMは売れない-テレビ万能のウソ」という特集が組まれています。


 波多野さんのブログでは下記のようにコメントされています。

「顧客接点、いわゆるコンタクトポイントやタッチポイントについても述べられているが、これらの考え方と費用対効果などを突き詰めると、当然高額なマス広告への投入額は低くなる。とくに、効果測定の困難なイメージ広告などと比べると、ログやコンバージョンレートがわかるネット、ダイレクトマーケティングは広告主からすると理解しやすい。」

 広告主の側からすると、最近の流れは明らかにこの方向だと思います。
 GoogleのAdsenseのようなキーワード広告に代表されるように、ウェブ広告は広告を見た人の行動を最終的な細かいコンバージョンのレベルまで補足することができるので、費用対効果が実に明確です。

 それに対してテレビCMのようなマス広告は、費用が巨額の割に成果が非常に見えづらく、効果測定が困難です。


 AD Innovatorの織田さんがnikkeibp.jpで米国AD TECHのレポートをまとめていますが、このレポートの中でも「今までのマスメディア型の一方向のメッセージの伝達の時代は終わり、企業と消費者間、消費者同士での双方向のコミュニケーションが始まっている」というコメントや、「マスマーケティングは終わった。なぜならマスメディアは終わったからだ」という発言など、米国で脱マスメディアの流れが明らかになっているのが読み取れます。


 ただ個人的には、日本国内では、それほど肌でその変化を感じられていません。
 先週Eビジネス研究会で、@コスメで有名なアイスタイルの吉松社長の講演を聞いてきましたが、その中でも大手化粧品メーカーの広告戦略がいまだにマス中心で動いているという話が出てきました。
 
 先日「ハードディスクビデオと電通の未来 を読んで」にも書きましたが、電通の業績は好調ですし、広告代理店の方々も、結構強気な話をされる方が多いです。


 実際のところ、日本でマス広告崩壊のきっかけは本当に見え始めているんでしょうか?
 どうも素人には良く分かりません。
 
 まぁ結局、「シフト」が始まっているだけなら、全体として大きく変化して見えるまでには数年かかるという話かもしれませんね。
 

 ちなみに、将来の広告の流れを考える上で興味深い記事を二つ見つけたので、メモも兼ねて紹介しておきます。

 一つは、goodpicの「U2が無料で協力するiPodと、FireFoxの25万ドル寄付広告に見る「プロモーションの自由」」で書かれていた「情報の蓄積というだけでなく、実際の商品の購買行動においても「意見交換してみる価値がある」商品が、自然淘汰を生き残っていくのかも。」という視点。
 そもそも口コミ的なものが発生する商品かどうかという、商品自体の価値が重要という話。

 そして、H-Yamaguchi.netの「ゲームにおけるプロダクトプレースメント」で書かれていた「新たな媒体が生まれればそこに広告がつく。きわめて自然な流れだ。ゲームの場合、通常の映像コンテンツに比べてインタラクティブ性が強いため、これからさらに発展し、新たな手法が開発されるだろう。」という視点。
 利用者の視線や興味を拘束できるものであれば、何でも広告になりうるという話。


 こうやって考えれば考えるほど、テレビ広告を中心にマス広告を打てば何とかモノを売ることができたという時代は終わるんだなぁ・・・と思うのですが。

 はたしてテレビCMを中心に10億円投じて力技で知名度を上げようとしている9199.jpはどうなるのか、興味深々な今日この頃です。

2004年11月11日

法律と技術の矛盾とP2PネットラジオMercora

P2Pとネットラジオの融合--合法的音楽共有サービスの可能性 - CNET Japanを読んで。

 この記事に出てくるMercoraは、法律と技術の矛盾をついた実に興味深いサービスです。


 何しろ、Mercoraを使うと利用者全員のPCがラジオの放送局になってしまうわけです。しかも著作権料を支払っている実質公認サービス。

 放送する側としては利用者は曲を決めてオンデマンドで流すわけではないので「ラジオ扱い」なのですが、放送局が何百万にも増えれば、その分その瞬間に聞きたい曲を実質には「オンデマンド」で聞けるようになるというモデルになっています。

 Mercoraについては以前に私もコラムを書いたことがあるのですが、実はCNETの梅田さんに教えていただいたという経緯があります。
 その時に感じたのは、これを日本でやろうとしたらどうなるんだろう?という点。


 ちなみに、タイミングよく、先日P2P関連の勉強会で一橋大学大学院の福島さんの著作権に関する講演を聞いてきました。

 その講演では、P2Pファイル共有ソフトを巡る海外と日本の訴訟問題の違いなどを紹介してくれたのですが、その時に印象に残ったのが米国と日本の法律に対する考え方でした。

 米国を中心として欧米の場合は、違法と適法の線引きとなる考え方が実に明確のようです。
 その線を越えないように事前にプランを立てれば、裁判で負けるリスクもかなり低い。Napsterは最初の出来事だったため裁判で負けましたが、その後に出てきたほとんどのファイル共有ソフトはNapsterの敗訴理由を回避する形で適法の形を取ることができています。
 
 今回CNETの記事で紹介されているMercoraも、そういうコンセプトの土壌から出てきたものと感じます。
 もちろん、Mercoraもこれから訴訟にさらされるリスクはあるようですが、現時点での法律判断としては適法というものです。


 ではMercoraのようなサービスを日本で実施したらどうなるか?
 というと、それは非常にグレーでしょう。

 先日の講演を聴いても、結局、日本では違法と適法の線引き自体が非常にあいまいという印象を受けました。

 全米であれだけブームを巻き起こしているiTunesすら、いまだにサービスを開始することができていませんし。
 Winnyの開発者は、欧米で適法とみなされているものと類似の仕組みを取っているにもかかわらず逮捕されました。

 結局、日本の場合はあとから訴訟を受けるリスクを考えると、Mercoraのような法律と技術の矛盾をついたサービスは始めづらいということになりそうです。(そもそもJASRACに申請が通るのかどうかも不明ですし)
 
 Hotwiredの小倉弁護士のブログでも「汎用的なP2Pネットワークにおいて著作権侵害ファイルを排除するのは難しい(というか事実上不可能)」と、著作権付ファイル専用のP2Pネットワークの提案などをされています。

 本当、こんな感じでは音楽だけでなく、写真にしても動画にしても著作権がらみの新サービスは日本からは生まれそうにないなぁ・・・と思ってしまった今日この頃でした。


 どっちにしても海を越えてMercoraみたいなのを使えてしまうので、日本個別で法律論議をして無理矢理現状を維持しようとしても、事業環境自体が変わってしまうのは時間の問題のような気がするんですが・・・
 
 ちなみに、レコミュニが日本ではMercoraのような役割を果たすのかと期待していましたが・・・どうもK's Diaryの記事なんかを見る限り、現状は厳しいようです。

 なかなか日本の音楽配信関連は難しいですね。

2004年11月10日

始まりも終わりも無いコミュニケーション

On Off and Beyond: AOLの涙を読んで。

 渡辺千賀さんのブログでEconomistのIT特集が取り上げられています。


 AOLのCD-ROMの話も面白いのですが、個人的に気になったのがVoIPについての記事。

電話のように「話し始め・話し終わり」が明快にあるものではなく、ambient communicationとなる、と。常時接続した状態で、話があると、ぱらぱらとテキストのインスタントメッセージのやり取りが始まり、ヒートアップしてくるとワイワイみんなで音声で話し合い、まただんだん静かになる。リアルなオフィスのような状態になるわけだ。


 ブロードバンドで常時接続が当然になると、現在のIMのような始まりも終わりも明確でない隣の席との雑談のようなコミュニケーションが、増えてくるようになるそうです。


 そういえばと思い出したのが、先日取り上げた松村さんの「脳を繋ぐテキストチャット、空間を繋ぐビデオチャット」という記事と、Skypeの初期に導入事例として書かれていたある人のブログ。

 その人は、誰もいないデータセンターに出かけて行って作業することが多い仕事なんだそうですが、それまではトラブルに遭遇したり分からないことが発生するたびにオフィスの同僚に携帯電話で電話をして聞いていたそうです。

 しかしSkypeを使うようになってからは、その同僚とつなぎっぱなし。
 データセンターだから回線状態も良好だし。
 無言で作業をお互い続けながら、質問があるたびに「ちょっといい?」とまるで隣にいるかのように作業を続けることができる、と喜んでいました。

 それを読んだときは「特殊な事例だなぁ」と思っていたのですが、今回のような記事を読むとそうでもなさそうです。
(ちなみに、昔Goodpicの金子さんが「Skypeは友達ルーター」という記事を書いていたのを思い出しました。ちょっと視点は違いますが、イメージは友達ルーターですね。)


 私は昔IT系のコンサルで、フリーアドレスのオフィスで働いていたことがあります。その会社では自分の席が決まっておらず、それどころか自宅作業もOK。
 ただ、もちろん打ち合わせがしたければ会社に出てこざるを得ないですし、そもそも自宅作業を本当にしているかもあいまいだったように記憶しています。

 こういう新しいコミュニケーション手段が増えてくると、ああいう働き方ももっと効率的に支援できそうです。
 先日書いたどこでも仕事ができる未来というのにもつながるのかもしれないなぁとぼんやり思いました。
 

 まぁ、個人的には渡辺千賀さんと同様、「そんなみんなにつながってる状態は鬱陶しいなぁ」と思いますが。

2004年11月 7日

球団買収劇で得をしたのは・・・?

楽天のプロ野球参入が決定を読んで。

 近鉄とオリックスの合併に始まった野球界のドタバタ劇は、結局楽天が新規参入するという形で決着がつきましたね。


 あいかわらず球界自体では、ダイエーや西武のゴタゴタは続いているようですが。
 昔書いた記事を読みながら、結局今回のドタバタ劇で得をしたのは一体誰だったんだろうというのを振り返ってみました。


 まず、旧オーナー陣が得をしていないのは言うまでも無いでしょう。
 1リーグ構想も水泡に帰しましたし、1リーグ化に反対していたセリーグのオーナー陣もあまり良い印象を世間に与えませんでした。

 選手も得をしていません。
 球団数は維持されたので大幅なリストラは回避できましたが、今回パリーグの赤字額にスポットライトがあたったことで、選手の給与水準に疑問符がついたのは明らかですし、なによりシーズン中にストライキというひどい経験をしました。

 そもそも野球界全体があまり得をしていないように思います。
 野次馬としては面白いドタバタ劇を見せてもらいましたが、多くのファンとしては夢を裏切られた気分でしょう。
 そのあたりの話は、大西 宏のマーケティングエッセンスで詳しく分析されています。

 
 さて、では肝心の楽天とライブドアはどうか?
 無料PRによる「知名度」という意味で、両者が大きな得をしたのは間違いありません。
 いまや、楽天とライブドアは、知らない人がいないほどの有名なネット企業になりました。


 しかし長期的なブランディングという観点で見るとどうなんでしょう?

 確かに楽天は参入合戦には勝ちました。

 しかし、今回の楽天は東北宣言が後追いだったこともあり、楽天に対する仙台市民の視線は必ずしも暖かいものばかりではないようです。
(なんでも仙台市民にアンケートを取ったら多くの人がライブドアが良かったと言っていたとか)

 さらに、そこまでして得た球団ですが、果たして球団経営は楽天のブランドイメージにプラスの効果をもたらすのでしょうか?

 何でも初年度は楽天は年間で100敗してもおかしくないと言われています。
 (早速、最初の選手分配で不公平さが明確になりましたし)
 年間の赤字額も想定している程度では済まないのではという話もあります。
 弱小のパリーグ球団は、赤字額以上のブランド効果をあげてくれるのでしょうか?
 どうもそんな気がしません。

(ちなみにトヨタの奥田会長は、「これまで何回も(球団売却の)提案があったが、全国で事業展開する企業は、球団を持つとアンチファンの客が不買運動をする可能性がある。手を出さないのが1番いい。当社は手を出さない」とまで発言しています。まぁ弱小球団ならアンチファンはいないかもしれませんが・・・)


 nikkeibp.jpに掲載されている楽天消費動向研究所での田邊さんの記事によると、プロ野球参入記念セールは結構良い成果を残していそうですが、果たして今後セールをやれるようになるのはいつになるのか・・・

  
 じゃあライブドアのブランドはどうなったのかというと。

 つるの式「ライブドア・堀江社長の自己演出」によると、株価の面で見ると、実は投資家は堀江さんの露出の仕方にNoを突きつけています。

 その後、参入失敗が報じられてライブドアの株価は大幅に反発しましたが、まだ低い水準です。
 単純な知名度向上では、球団運営の赤字を埋めるほど本業に良い影響が出ないという判断でしょうか。 

 ベストジーニスト受賞なり、今回の参入劇での同情的な意見もあって、かなり好意的なファンは増えているようですが、斜めに見る人も増えました。
 
 もちろん堀江さんのTシャツ代ぐらいで、これだけの広告効果を上げられたのは大きいと思いますが、なんだか案外得してないんじゃないかなぁ・・・と思ってしまいます。


 そういう意味では唯一得をしたのは、急にプロ野球が地元にくることになった仙台の野球ファンぐらいでしょうか・・・
 まぁ数年たって振り返ってみないと結局分からない問題かもしれませんね・・・

2004年11月 6日

既存メディアとネット系メディアの役割分担

なんだかブログのおかげで、「ん?この話誰かとしたことがあるぞ」というデジャブに会うことが多くなった気がします。


 先日、Eビジネス研究会のセミナーで、シックス・アパートの関さんと話をしたときに話題に上ったのが、渡辺さんのブログのGoogleとYahooの覇権競争で取り上げられている「LongTail」という視点でした。

 渡辺さんが「需要が一部の商品に集中するのではなく、尻尾に当たる部分が規模は小さいものの売れる傾向が強まっているという話となる。」と書かれているように、ブログや小規模サイトのようなネットメディアの役割が消費行動の変化にも影響を与えるということになるようです。

 関さんの講演でも「今後のブログは家族や一部の友人に向けたものが
増える」という趣旨の話がありましたが、じゃあ、そういうブログにはメディアとしての価値は無いのかというとそんなことは無くて、このLongTailの部分になるんでしょう。
 

 この視点で、既存メディアとネットメディアの位置付けを考えてみると、やはり以前渡辺さんも書いていたような役割分担と考えるのが正しいような気がしてきます。

 実は、そのセミナーでは、インターネットマガジンの西田編集長も講演をされたのですが、帰り道に西田さんと意見が一致したのが「やはり紙は重要」という点。

 もちろんネットが重要になり、重心がうつりつつあるのは間違いないんですが、一覧性や情報の取得効率を考えると紙の重要性がなくなることは当分ないだろう、という話にもなりました。
(もちろん、ネットは新聞を殺すのかの湯川さんが書かれている ように電子ペーパーになったときにはまた話は変わるのでしょうが)


 もちろん、ネット側の情報量や質の向上により、利用者の情報取得行動が変化すれば、当然ネットと既存メディアの力関係は変わるでしょうが、それもいわゆる「シフトする」わけであって、ネットが既存メディアをいきなり消し去るという話ではないんだろうなぁ、と改めて思いました。


 ちなみに、そのときに話題に上ったのが、アスキーの福岡さんが言われていた「雑誌はコミュニティへの定期郵便」という言葉です。
 
 定期的に雑誌という形で、コミュニティに関する情報が送られてくる(実際には店舗で購入する)という行為で、コミュニティの最新情報についていっているという安心感も買えるのでしょう。


 この視点は、結構今後のブログを中心とした世界にも意味があるのではないかなぁ・・・と思います。

 韓国の参加型ニュースサイトであるオーマイニュースも週刊ダイジェスト紙を出したことでようやく収支があったそうですし、muse-A-museによると、Californiaの参加型ニュースサイトもWebと紙の混合モデルのようです。

 日本でも週刊木村剛の月刊木村剛発行しているのも、この流れなのかもしれませんね。
 そういう意味では、既存メディアはすでに紙媒体を持っているわけで、ネットを上手く併用すれば比較的楽なはずですが・・・どうなんでしょう?


 現在、katolerのマーケティング言論の「プロ、アマチュアの垣根の消失がもたらす「喪失」」で書かれていたように、最後の聖域だったメディア・マスコミ市場を取り囲んでいる壁が崩れつつあります。

 この重心のシフトをどう乗り切るかが、ネット系の新興メディアにとっても、既存のメディアにとっても、正念場になるんでしょうか?

2004年11月 4日

P2P ソリューション:高信頼医療情報流通を目指す NICT


2004/11/4にjapan.internet.comに掲載されたコラムです。






ここ数か月のコラムでは、主に音楽配信を中心とした P2P ソリューションを紹介してきました。



ただ、P2P 技術の適用範囲は、もちろん音楽配信だけではありません。



音楽関連のソリューションに比べるとあまり目立ってはいませんが、実はそれ以外の分野でも様々な P2P ソリューションへの取り組みが始まってきています。



今回からは、そのような幅広い分野での P2P ソリューションを紹介していきたいと思います。



まず今回紹介するのは、独立行政法人の情報通信研究機構(NICT)が実施している、 P2P 型の医療情報流通実験です。



■実証実験の概要



情報通信研究機構(NICT)とは、独立行政法人であった通信総合研究所(CRL)と、認可法人であった通信・放送機構(TAO)が統合してできた組織で、日本の通信分野のさらなる発展を支援する目的で設立された独立行政法人です。



NICT では、 2002年4月より「P2P型高信頼情報流通に関する研究開発」を旭川高信頼情報流通リサーチセンターにて推進しており、今回の実証実験はその総括にあたるものです。



具体的な実験内容としては、北海道内の14の病院と、北海道東海大学と旭川高信頼情報流通リサーチセンターを含む、 16の拠点を P2P 型ネットワークシステムで結び、医療情報流通技術についての評価を行います。



ここで対象となっている医療情報とは、電子カルテや医療関係の動画像伝送などの医療データです。



一般的には P2P というと不正ファイル交換のイメージが強いですから、皆さんも電子カルテのような個人情報を P2P で流通させて大丈夫? と思うかもしれませんね。



この実験にどのような特徴があるか見てみましょう。



■実証実験の特徴と今後の可能性



NICT が発表した報道機関向け資料には、下記の2点が特徴として挙げられています。



1.安全性と高速性の両立

医療従事者のアクセス権限証明書によって閲覧範囲を制御し、また医療データを暗号化して各病院に保存することで安全性をまず確保しています。



さらに、暗号化したままで高速検索を行う技術を開発し、安全性と高速性を両立させているようです。



2.異常アクセス等を検出

ハイブリット型 P2P と呼ばれるサーバーを組み合わせた仕組みにすることで、すべての端末のアクセス履歴を収集しています。さらにこれらのアクセス履歴を高速に解析することで、異常なアクセスを早期に発見、防止することを実現しているようです。



つまり、NICT の高度なセキュリティ技術と P2P 技術を組み合わせることで、サーバーのコストを抑えつつ、 P2P 型の弱点とされてきたセキュリティの維持を実現しているわけです。



また、電子カルテなどの個人情報は、サーバーなどで集中管理してしまうと、逆に一部の管理者がすべての患者の情報を閲覧できてしまう、という問題も含んでいます。



そこで、P2P 型で個人情報をあくまで個別の病院で管理しておけば、中央管理コストの低減化と同時に、個人情報のセキュリティ強化にもつながるという考え方もあるわけです。



電子カルテの流通が実用化されると、重複検査や二重投薬を抑制することができ、診療時間の短縮や医療費削減に大きく貢献することができる他、転勤などで病院を変えた患者に対しても継続した治療を行える、などの効果があるようです。



この実証実験は12月下旬まで4か月かけて行われています。成果が出ることを楽しみに待ちたいですね

2004年11月 3日

どこでも仕事ができる未来はどこへ行った?

Log the Endless World: 長野へを読んで。

 CNETの御手洗さんのブログで、興味深い書き込みがありました。


 投稿自体は、御手洗さんの長野出張日記なんですが。
 その記事を読んで、「そういえば、ネットワークを使えばどこでも仕事ができる未来はどこへ行ったんだ?」というのを思い出しました。

 正直な話、実は私はよくこのことを考えます。
 私は小学校から高校を山口県で育ったので、東京の緑の少なさとか満員電車にいまだに慣れないんです。
 

 御手洗さんは下記のように書いています。

「インターネットは有効に利用されれば本当はこうした人たちにも大きなメリットを与えてくれるはずなのですが、当初理想として描かれていたものに近づくどころか、現状を見るとより反対の都市部への一極集中に近づいているような気がしてなりません(その他の経済効率性の問題もあるのでしょうが)。」

 そう、そうなんです。
 インターネットの普及は、地理的弱点を補って、全国どこの企業にも、全国どこに住んでいる人にも、チャンスをくれるはずだったんじゃなかったでしょうか?

 ところが現実的には、東京への一極集中は逆にますます進んでいるように感じられます。
 もちろん、関東以外の地方にも成功しているベンチャー企業はたくさんありますが、典型的なネット企業ですら東京に集まる傾向がしまっているような気がします。

 例えばはてなも東京に移転したそうですし、paperboy&coも東京に重心が移っていると聞きます。

 なんでなんでしょう?

 結局チャンスも人も、ハブに集まってきてしまうということなんでしょうか?

 正直、私も、今ネット関連の面白い仕事をしたければ東京にいるしかない
、と直感的に思ってしまいます。 
 本当は自然が豊かなところで満員電車から離れて生活したいんですけどねぇ・・・

2004年11月 1日

スカイプは電話市場を消滅させる?

 スカイプとライブドアの提携報道以降、スカイプの今後の展開がどうも気になって仕方ありません。


 スカイプのすごさは今更取り上げるまでも無いとは思いますが、CEOのセンストロム氏の「これからの電話はソフトウェアになる」という発言が実に印象的でした。

 今までの電話事業の常識は、あくまでケーブルとセットというインフラ事業でした。
 それがブロードバンド回線が各家庭に引き込まれたことによって、電話はソフトウェアだけで無料で利用できるものになってしまったわけです。

 まぁ、冷静に考えるとメールもメッセンジャーも無料だったわけで。
 良くここまで持ったと考えるのが正しいのかもしれません。


 そんな中ではっとさせられたのがスカイプの経営方針です。

 これまで一般的な通信事業者は全てARPU(Average Revenue Per User)とよばれる顧客一人あたりの収入を指標にしていました。
 例えば携帯電話なら一般の人が支払うお金の平均が月6000円なのか1万円なのか。
 
 つまり、できるだけ全ての人から少しずつでも多くお金を取るというのが指標だったわけです。


 これに対し、スカイプはARPE(Average Revenue Per Employee)を指標とする、とはっきり宣言していました。
 利用者が何人いるかは全く関係なく、社員一人がいくら稼ぐかを指標としているわけです。

 この考え方は、Yahoo!やGoogleにも通じるところがあるんだそうですが、これは既存通信事業者からすると、とんでもないパラダイムシフトになります。
 スカイプからすると既存の電話市場がどれぐらいのサイズだとか、一般的な利用者の月電話料とかは全く興味が無いわけで、自分たちが利益のでるレベルであれば、産業全体のサイズが小さくなってもお構いなしというわけです。


 ちなみに、スカイプには正社員が全世界で70名程度しかいません。 
 日本にはたったの二人です。

 日本の電話市場が数兆円から仮に百分の1、千分の1になろうとも、スカイプからすると全く痛くも痒くもないわけです。
 これを破壊的イノベーションといわずして何を言うのでしょう?

 スカイプによって、電話がメールと同じ無料のコミュニケーション手段になってしまうのも、時間の問題のような気がしてしまいました。

 にもかかわらず、佐々木さんの「Skypeは戦争を巻き起こすか」という記事では、NTTの幹部の「Skype? そんなものには興味はないね。いま最大の危機はソフトバンク。対孫正義攻略が、第一だ」という発言が紹介されていますが、そんなこと言ってると、結構洒落にならないことになるんじゃないかなぁ・・・という気がしてしまいます。

 さぁどうなるんでしょう?
 

 なお、メタミX!の増田さんがスカイプのファンサイトを開設されたそうですので、興味のある人は参加されてみてはいかがでしょう。
   

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