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2006年4月30日

手帳ブログのススメ (大橋 悦夫)

「手帳ブログ」のススメ FPNでもお世話になってるシゴタノの大橋さんが、このたびブログ本を出されました。
 光栄なことに献本を頂きましたので、感想をメモしておきたいと思います。

 副題に「日々の記録から成功を引き出すブログ術」とあるように、この本ではビジネスパーソンがブログを「手帳ブログ」としてビジネスツールとして活用することで、いろんな効果があるというのを教えてくれる本です。

 私も以前に、ブログは自分のために書くべき、みたいは話を書いたことがありますが、タレントや社長みたいにいきなりブログを始めれば読者がある程度ついてくれるという人ではなく、普通のビジネスパーソンがブログを活用するのに、このアプローチは結構参考になるような気がします。

 個人的に改めて気になったのは、自分のブログを読み返すという行為。
 これまで、比較的自分は書き捨てている傾向が強かったので、自分が書いたものを改めて後で読むというのはちゃんとやれていなかった気がします。

 大橋さんにちょっと似てるカワイイキャラの四コマ漫画が、ところどころに散りばめられていて楽しみながら手帳ブログ術を学べる本です。
 ブログを始めてみたいけど、続ける自信がないという方にお勧めですね。

【読書メモ】

■手帳ブログの四つのステップ
 ・記録する
 ・読み返す
 ・やってみる
 ・習慣をつくる

■4行日記(1日5分 奇跡を起こす4行日記)
 1行目【事実】 その日にあったことや自分がやったことを書く(出来事を記録する)
 2行目【気づき】 その事実を通して気づいたことを書く(反省する)
 3行目【教訓】 その気づきから導き出されたことを教訓としてもまとめる(次の行動の標を作る)
 4行目【宣言】 その教訓を活かして、できている自分の姿を描く(イメージを描く)

■週記を書く
 ・1週間分の自分のブログを読み返す
 ・印象に残っているキーワードや話題をピックアップする
 ・今の自分の仕事やライフワークにつながるかどうかを考える
 ・「週記」として書く


【目次】
1日目―ブログをはじめるには何が必要?
~1週間―とにかく毎日書き続ける!
~2週間―書きっぱなしではもったいない!
~1ヶ月―スタート!マイブログ
~3ヶ月―視点を変え、可能性を掘り出す
~半年後―長く楽しく続けるには?


「手帳ブログ」のススメ
大橋 悦夫
翔泳社 (2006/04/20)

2006年4月28日

ページビュー見直し論で考える1ページビューの価値

メディア・パブ: やっぱり変だよMySpace,ページビュー見直し論へ発展へを読んで。

 メディア・パブによると、SNSのMySpaceのPVがMSNを抜いてYahooに追いつこうとしている状況だそうですが、それをきっかけにページビュー見直し議論が活発になるのではという指摘がされています。

myspacevsmsn.png

 何でも、MySpaceが怒涛のページビューのわりに2億ドル程度の売上しかあげられていないそうで、288億PVもあるサイトとしては低すぎるんじゃないの?というのが発端になっているとか。
 まぁ、288億PVとか2億ドルとか言われても実感が湧かないところではあるんですが、まぁページビューが水増しされているという指摘の根拠は確かに想像できます。


 普通のニュースサイトであれば、1記事に対して行われる行為は「読む」というある程度想像できる範囲の「1ページビュー」ですが。
 これがSNSのようなコミュニケーションの発生するサイトの場合は、自分の日記を書いたり、コミュニティに書き込みをしたりという行為の最中も1ページビューにカウントされることになっているはずです。
 
 例えばmixi日記の場合であれば、日記にコメント記入→確認→処理後メッセージ→戻ると、それだけで4ページビュー。
 もちろん、この間に広告に注意が移るのであればその広告の価値は当然あるわけですが、まぁ普通は操作中はあまり視線も寄り道はしませんよね。

 でも、これをAjaxで画面遷移無く実現すると4ページビューが1ページビューになっちゃうわけですから、ページビュー保証のバナー広告で生きている事業者からすると実はAJAXは期待の技術というよりも迷惑な技術かもしれなかったりします。


 もちろん、こういう話はニュースサイトであっても同じで。
 例えば、長い記事を複数ページに分割するか、1ページに出してしまうかというポリシー次第でページビューに与える影響は大きいはず。
 でも、同じ記事を1クリックで読めるニュースサイトと、2クリック必要だったニュースサイトではサイトの価値が半分になってしまうというのも変な話です。
 (もちろん、読みやすさの視点からページ分割は必要だとは思いますが)


 まぁ、それ以前に同じ1ページビューでも、果たしてその相手がたまたま迷い込んできてしまった1ページビューなのか、ターゲットとなる読者の1ページビューなのかで価値は大きく違うはずですし、オンラインショッピングする気満々の人の1ページビューと、暇つぶししているだけの人の1ページビューもまた違います。
 なので、ページビューで見ること自体に意味があるのかというのは昔から議論があったところではあるんですが、じゃあ他に良い指標があるのかと言われるとなかなか悩ましいところですね。

 サイトの滞留時間というのをあげる人もいますが、ブラウザがタブ化している現状だと開きっぱなしというのはよくある話ですから微妙な感じがしますし。
 じゃあJavascriptか何かでマウスがアクティブな状態かどうかを見ておくかというと、何かそれも本末転倒な感じ。


 そもそも昔から、メディアのアテンションの価値を計る仕組みとしては、イベントの動員人数から、新聞や雑誌の販売部数、テレビの視聴率までいろんなものが試行錯誤されてきているわけですが。
 入場料や販売部数の水増し申告なんてのは昔からよくある話でしたし、テレビの視聴率も一部のサンプルを元に決まる仕組みで昔からいろんな批判に晒されてますし。

 インターネットがアテンションを測定しやすいメディアであるのは間違いないものの、所詮、その手の数値なんて、そんなもんだと最初から思って、あくまで一つの指標と割り切って使うべきというところでしょうか。

 
 人によっては、そもそも指標自体がある程度あいまいだから、広告ビジネスは儲かるんだという視点もあるようですが・・・

2006年4月27日

グーグル - Google 既存のビジネスを破壊する (佐々木 俊尚)

グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する  文春新書 (501) 先日感想自体はブログに書いたんですが、読書メモを書いてなかったので改めてメモ。
 
【関連リンク】
グーグルは、破壊者か、全能の神か (tokuriki.com) 
すべてを一度懐疑していく (404 Blog Not Found)
書評「ウェブ進化論」と「グーグル Google」。そしてメディアビジネスの競争構造の変化。 (FIFTH EDITION)
書評:「グーグル 既存のビジネスを破壊する」 (R30::マーケティング社会時評)
「グーグル Google 既存のビジネスを破壊する」佐々木俊尚 (ガ島通信)

【読書メモ】

・「トラストサーチ(信頼検索)」
 グーグルニュースで使われている技術の手法
 記事の内容の充実度や、マスコミがどの程度の陣容で取材をしているか、ホームページにどの程度の人気があるのかといったことを数値化し、信頼度の計測に使っているらしい。
 
・「ニュースという存在自体が、日用品化したニュース速報と、より掘り下げた深い記事とに二極化していくのではないか」オンラインマガジン「スレート」

・ユビキタスというのはもともと「神の遍在」を意味する宗教用語。
「さまざまな人間生活の場面に入り込み、それまで活動していたほかの企業を破壊・排除していく---そんなグーグルの戦略は、確かに本来の宗教的な意味での「ユビキタス」に近いようにも見える。」
 
・駐車場ビジネスの不健全な構造に対する山崎夫妻の思い
 ・多額のキックバックを旅行代理店に払う余裕があるのだったら、そのカネはお客さんにちゃんとリターンするべきじゃないか
 ・駐車場業者の側が、何の営業努力もせずに旅行代理店にぶら下がって生きているのはおかしい。(中略)本当のお客さんをきちんと大事にしないようなやり方は、長続きしないような気がする。

・収益基盤の二重構造
 グーグルには、アドワーズとアドセンスという確固とした収益モデルがある。だからこそ新しいビジネスもどんどん無料で提供していくことができる。
 
・「ブログやSNS、掲示板が闊歩するC2Cインターネットの中では、いまや企業と個人は等価値になり、「権威」の価値は相対的に低下している」

・「世界中のホームページをすべてデータベースに収め、検索可能にするためには、まだ三百年はかかる」(エリック・シュミット、2005年10月アリゾナ州の講演で)
(全世界に存在する全ての情報の量を計算すると、約500万テラバイト)

・ライフログ(人生の記録)
 ありとあらゆる体験をデジタル化し、蓄積する(美崎薫「スマートカレンダー」)
 ライフログには、人間の生き方の根幹に影響を与えるような何かが秘められているようにも思える。


【目次】
第1章 世界を震撼させた「破壊戦略」
第2章 小さな駐車場の「サーチエコノミー」
第3章 一本の針を探す「キーワード広告」
第4章 メッキ工場が見つけた「ロングテール」
第5章 最大の価値基準となる「アテンション」
第6章 ネット社会に出現した「巨大な権力」


2006年4月26日

自分はやっぱりWeb1.0な人間かも、と思う10の瞬間

今日から始める! Web 2.0超入門講座  ~初心者でもよくわかる「これからのWeb」のすべて~を読んで。

 ちょっと前の記事になりますが、INTERNET Watchで、heartlogicの小林さんが「Web 2.0を実感するために、ユーザーが経験すべき10のこと」の改訂版記事を書かれていました。

 確かに、このリストをこなしていけば、なるほどWeb2.0を実感できそうだという良いリストになっています。
 まだ見てない方は是非読んでください、お勧めです。


 ちなみに、このリストを改めて眺めていて個人的に思い出したのが昔書いた世代論の話
 そもそも、当時ブログ三日坊主の繰り返しだった自分が、継続して真面目にブログを書くようになったのは、いまでいうところのWeb2.0的な世代と知り合うようになって、自分とその世代の間の意識の差に気づき「このままじゃネット世代に置いていかれる!」と、ある意味恐怖したのがきっかけです。
 
 あれから、2年。
 
 自分としてはかなり努力してWeb2.0的な人たち、ネット世代な人たちに追いつこうとしてきたつもりですが。
 やっぱり、自分ってWeb1.0的だなーとか、PC世代だなーと思ってしまう瞬間があります。

 そんなわけで自戒の念もこめて、小林さんの真似して「自分はやっぱりWeb1.0な人間かも、と思う瞬間」をリストにまとめてみました。
 

その1:mixiの足跡機能がどうしても気になる
 やっぱり、自分の行動が記録されるという感覚にどうしてもなれることができません。おかげで、気軽にmixi内を見て回ろうとできない自分がいたりします。
 仕事中にmixiにログインするには、当然かなりの勇気が必要です。
(これがモバイルだと意外に気楽に見て回れたりするのですが)


その2:会社のブログと個人のブログは当然別物
 U30世代の人たちは会社のブログと個人のブログが一体化している人が多いようですが、自分はどうしても感覚的に仕事モードとプライベートモードを一緒にすることができず、会社のブログ個人のブログを、別々に立ち上げてしまいました。本音と建前がある人間ということでしょうか・・・
(まぁ、会社でも個人でもブログを持っている方が変という話もあるんですが)


その3:チャットソフトを仕事中は落としてしまう
 もちろんチャットソフトは仕事でも便利ではあるんですが、どうしてもチャットが入るとすぐに返事をしなければいけない錯覚に襲われるので、苦手です。
 おまけにプレゼンス情報を知られるのも、なんとなく苦手なので、ついついチャットソフトは落としてしまい、起動するのをそのまま忘れたりします。やっぱりメールが一番です。


その4:タイムリーにブログの記事がかけない
 自分の筆が遅いのと、考えがまとまるのに時間がかかるせいもあり、他のブログがもりあがっている話題に一周遅れで参加している自分がいます。
 もちろん、参加したイベントのレポートを当日に書くなんて絶対無理です。


その5:タイムリーにトラックバックもできない
 その4の延長ですが、せっかくトラックバックをもらっても、返事を考えている間に、その人のブログが他の話題に移っていて、今更感を感じてしまいトラックバックで上手く議論できたことがありません。
 でも、スパムトラックバックでも喜んでしまう自分がいます。
 

その6:ソーシャルブックマークはプライベートモードで使ってしまう
 せっかくソーシャルブックマークを使っても、自分がクリップした記事一覧を見られるのが何となく恥ずかしいので、ついついブックマーク一覧を非公開にしてしまいます。 
 それなら、ソーシャルブックマーク使う必要ないじゃん、と言われても当然反論できません。


その7:Flickrは写真のバックアップスペースとして使っている
 実は、背伸びしてFlickrの有料アカウント契約をしていたりするんですが、過去の旅行の写真を一通り放り込んで満足してしまい、Flickrの醍醐味らしいソーシャルな機能とか、ブログとの連携機能とかほとんど使いこなせていません。
 これだったら有料ストレージを契約して、そこにコピーしても一緒だったのではと思ったりします。


その8:mixiコミュニティよりMLの方が便利と思ってしまう
 最近、何かとクローズドな活動でもmixiのコミュニティが使われる機会が増えているのですが、それなら別にメーリングリストにすれば良いのに、とつい思ってしまう自分がいます。
 mixiのコミュニティにメール配信機能をつけて欲しい今日この頃です。


その9:Podcastingの録音が始まるとめっきり無口になる 
 ブロガーの集まりや飲み会で、最近よくいきなりPodcastingの収録が始まることがあるのですが、ICレコーダーのスイッチが入った瞬間に超無口になってしまう自分がいます。
 おしゃべりは好きなはずなんですが・・・・あの恐怖感というか真っ白感というのは何なんでしょうか。
 録音中は話を私に振らないで下さい。


その10:いまだにWeb2.0が何か説明できない
 はい、致命的です。


 とりあえず、その6のソーシャルブックマークだけは、最近公開するようにしてみましたが、果たしてそれ以外の壁を乗り越えられるのはいつになるのやら・・・
(そもそも、リスト自体がWeb2.0にほとんど関係無いのでは?という説もありますが)

 自分がWeb2.0に慣れた頃にはWeb4.0ぐらいになってそうで心配です。

2006年4月25日

AERAに取材してもらいました。

aera.jpg AERA 2006年5月1-8日合併増大号の「アルファブロガーって何だ」という記事にインタビューしていただいたコメントが掲載されました。
 (mさん、ありがとうございました。)

 まぁ、私は無難なコメントをしているだけなのでスルーしてもらえればと思いますが、記事自体はライターの松田さんが、コグレさん、橋本さん、磯崎さん、R30さん、きっこさんの5名にインタビューを実施され、それぞれのブロガーの方のお勧めブログを掲載したりと、多面的にブログの動向をカバーした記事になっています。

 AERAのような硬派な雑誌に、ブログについて、しかもアルファブロガーについて取り上げていただけるとは、投票企画を企画した甲斐があったものだと、ひとりでしみじみと勝手な感慨にふけっていたりします。
 記事を読んで、またブログに興味をもってくれる人が増えると良いですね。

2006年4月21日

やっぱりライブドアの技術力は結構すごいらしい

ライブドア、新RSSリーダー「livedoor Reader」ベータ版を公開 - CNET Japanを読んで。

 livedoorから新しいRSSリーダーがリリースされました。
 最初ニュースを見たときは、あれ?ライブドアってBlogリーダーなかったっけ?とか思ってたんですが、どうやら完全にゼロから作り直した模様です。

 宮川さんがブログでべたぼめしてたので、試しに使ってみたのですが、確かに凄いです。

 デザインもお洒落な感じですし、操作性やレスポンスも良い感じ。
 一通り欲しい機能は揃っていますし、レートを使ったフィードの段階評価やピンによるまとめ読み機能など、気合入ってます。
 私は個人的に相変わらずBloglinesを使い続けているんですが、これは乗り換えを真剣に考えさせられる一品です。ただ、ライブドアはいつものIDを取り損なっているのが微妙なんですが。
(ちなみに、処理中のときに人のアイコンが走っていて、失敗するとorzっぽいアイコンになるあたりのセンスを見るかぎり、最近入った最速の人が関わっていそうな感じですがどうなんでしょう。)


 ライブドアショック後、ひとしきりマスメディアから虚業だ何だとバッシングを受けていたライブドアではありますが、以前にITmediaで「こんな時だからこそ安定したサービスを」という記事でも描かれていたように、実は急増するトラフィックを淡々とこなしてきた技術者集団でもあります。

 インスパイア系のサービスが多いイメージもありますが、livedoorフレパがGREEのユーザー数を超えたなんていう話があるのを見る限り、ライブドアショック後もあいかわらずlivedoorIDの登録数は伸びているようですから、今回のlivedoor Readerのような良いサービスを継続して生み出すことができて、USENとの良いコラボレーションができると、案外早くに輝きを取り戻すことができそうな気もしてきます。

 お蔵入りになった球団名「ライブドアフェニックス」のごとく、新生ライブドアがライブドアショックから不死鳥のようによみがえることができるのか、注目したいところです。

2006年4月19日

グーグルは、破壊者か、全能の神か

グーグルGoogle―既存のビジネスを破壊する[R30]: 書評:「グーグル 既存のビジネスを破壊する」を読んで。

 すでに、多くの濃いブロガーの間で書評と議論が展開されていますが、私も話題の「グーグル 既存のビジネスを破壊する」を発売前に読ませていただくことができましたので、自分なりの感想を書いておきたいと思います。

 書籍についての具体的な書評は、冒頭のR30さんをはじめとする論客にお任せするとして。
 個人的な率直な感想としては、この書籍「グーグル」は現在のGoogleの立ち位置を、自分の中で整理するのに非常に役に立つ本でした。


 この数ヶ月、自分なりにずっと引っ掛かっていたのは、書籍の帯にも使われている「Google、破壊者か、全能の神か」というような議論。

 昨年、自分でも「Googleはネット世界の創造神なのか破壊神なのか」とか「Googleが次に破壊する市場はどこか」とか、Googleの破壊を意識した記事を書いたことがあります。
 Googleがあくまで一企業である以上、そういった神学論争的な議論をしても意味がないのは分かっているつもりではいるのですが、そういう議論をしたくなるのがGoogleという会社の特徴でもある気がします。


 今回、佐々木さんの「グーグル」を読んで改めて思うのは、Googleを中心としたネット企業が巻き起こしている、富や情報や既得権の再配分の規模の大きさ。
 既存の大手マスメディアから、駐車場やメッキ工場まで、これまでの価値感を逆さにしてしまうような規模で、これまでの「持てる者」からこれまでの「持たざる者」にパワーのシフトが起こっている感覚があります。
 
 当然、そんな規模のパワーシフトは、持てる者であった既存事業者からすれば破壊にしか見えないわけですが、持たざる者だった小規模事業者や個人からすれば、新たなビジネスチャンスの創造と言えるわけで。
 Googleを中心としたインターネットの未来についての議論が専門家の間で空回りしやすいのは、こういったパワーシフトのどこに自分がいるかで、それに対する視点が全く異なるからというのも大きい気がします。


 まぁ、どうも達観している人からすると、この辺りのパワーシフトの議論というのは本来はインターネット自体がもたらす変化として10年前に議論されていたビジョンだったようですので、ようやく本格化したというところでしょうか。

 そういう意味では、Googleもインターネット全体の中の一企業でしかないわけですが、そのインターネット時代の新しい価値感を体現する象徴として、Googleが実際の力よりも(期待と不安をこめて)大きく捉えられていて、神扱いされやすい感じもしないでもありません。(佐々木さんは司祭という表現をしていましたが、なるほどという感じです。)


 ちなみに、そんなことを考えていて改めて気になるのは、今後Googleの立ち位置はどう変化するのかという点。

 極端な例で例えてしまえば、躍進する過程のGoogleのポジションは、民衆から搾取することで大金を稼いでいた悪代官から富を奪い既存の秩序を破壊することで、民衆に富を還元している弱きを助け強きをくじくロビン・フッドやねずみ小僧のようなもんです。

 そういう意味では、Googleが利用者から人気があって、既存事業者から煙たがられるのは当たり前かもしれません。


 ただ、そのロビン・フッドが統治者の側になったときに、果たして民衆である利用者はどういう反応をするのかというのが個人的には気になります。

 やれBMWやサイバーエージェントがGoogle八分にあったという話であれば、まだまだ強いもの叩きで盛り上がれるわけですが。
 書籍に書かれていたような、Adsense狩りにあってアカウントを問答無用で抹消されたとか、自分のサイトが検索ロジックの変更で検索上位から消えてしまったとかいう話が頻発してくると、Googleに対する改革者としての期待が、統治者への不満や不信のようなものに変わってしまう可能性は十分あるわけで、改革者のポジションがいつのまにか統治者のポジションになってくることは十分考えられます。

 その時に、Googleはどこまで今のビジョンやブランドや立ち位置のようなものを維持することができるのでしょうか?


 まぁ、もちろんまだまだGoogleの「強い者叩き」の対象となる企業はたくさんありますから、まだまだしばらくはGoogleはロビン・フッドのポジションでいられるでしょうし、そもそも日本のインターネット市場の統治者はヤフーですから、また議論は全然別になってくるんだと思いますが。
 なんにしても、ここ数年のGoogleやそのライバルたちの動向からは目が話せそうにありません。


 それにしても、最近ブログで書きたいことはたくさんあるのに、持ち前の筆の遅さも手伝って、全ての話題に乗り遅れている感がある今日この頃です。

 ということで、濃い書評を読みたい方はこちらをどうぞ。

すべてを一度懐疑していく (404 Blog Not Found)
書評「ウェブ進化論」と「グーグル Google」。そしてメディアビジネスの競争構造の変化。 (FIFTH EDITION)
書評:「グーグル 既存のビジネスを破壊する」 (R30::マーケティング社会時評)
「グーグル Google 既存のビジネスを破壊する」佐々木俊尚 (ガ島通信)


グーグルGoogle―既存のビジネスを破壊するグーグルGoogle―既存のビジネスを破壊する
佐々木 俊尚


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Life Hacks Press で GTDを学ぶ

Life Hacks PRESS ~デジタル世代の「カイゼン」術~ Life Hacks Pressは、日本のLife Hack(ライフハック)第一人者である百式の田口さんが、濃い執筆人を集めて執筆したライフハック専用ムックです。
 発売当日に読んだんですが、会社のブログにメモを書いたっきりで自分のブログに感想を書くのを忘れていたのでメモしておきます。

 やはり、このムックのお勧めは何と言っても田口さん執筆のGTD特集です。
 GTD(Getting Things Done)自体は、以前に読書メモも書いた「仕事を成し遂げる技術」というタイトルで日本語版の書籍も出ているのですが、田口さんは以前からこの本が原書に比べて読みづらいというのを嘆いていました。
 そういう意味でも、書籍を読まなくてもこのムックの特集を読めばGTDのポイントは大体抑えることができる濃い特集になってます。

 それ以外にもGoogleの活用術から、プレゼン術やマインドマップ、ブログやソーシャルブックマークの活用法など、いま注目の技をまとめて読むことができますので、お買い得の一冊です。

【読書メモ】(会社のブログへのリンクです)
 GTDとは (1) ストレスフリーになるための3つのポイント
 GTDとは (2) 実践するための5つのステップ
 GTDとは (3) GTDに使えるツール群
 GTD(Getting Things Done)
 

【目次】
巻頭企画 lifehacksベストセレクション―lifehacksとは何かを探る
総力特集 「あれもこれもやらなくちゃ」を解決。今すぐ始めて、効果抜群 GTD―シンプル&ストレスフリーの仕事術
特集2 Gmailも地図も、徹底的に使い倒す Google全サービス活用
特集3 仕事で、生活で、発表の場でプレゼンが簡単にうまくなる
特別企画 図解思考で「脳」を整理 はじめてのマインドマップ
一般記事


Life Hacks PRESS ~デジタル世代の「カイゼン」術~Life Hacks PRESS ~デジタル世代の「カイゼン」術~
田口 元 安藤 幸央 平林 純


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2006年4月14日

無線LAN共有サービスのFONがインフラただ乗り論に火をつけそう

ITmedia News:個人の無線LANを開放、世界中を“サービスエリア”に──「FON」が日本進出を読んで。

 GoogleやSkypeが出資をしたというので話題になった無線LAN共有サービスのFONですが、4月11日に日本参入を発表しましたね。


 Skypeは利用者のPCを活用することで、電話交換機網的なネットワークをインターネット上に形成し、無料の電話サービスを実現しましたが。
 この無線LAN共有サービスのFONは利用者の無線LANをお互いに利用しあうことで、利用者が無料で利用できる面的な公衆無線LANサービスを実現することを目指しているサービスです。

 無料の公衆無線LANサービスと言えば、バッファローが中心に取り組んでいるフリースポットというサービスがありましたが、フリースポットがどちらかというと店舗等の集客目的なのに対し、FONはあくまで利用者同士の協力によるオープンソース的なプロジェクトです。

 何でも、昨年11月にスタートしてから、すでに144カ国に2万9000人が登録をしているとか。
 まぁ、この数字だけ見ても果たして流行っているのかどうなのかはイマイチ判断できませんが、日本国内の登録者は46人との事なので、これから始まるというところでしょう。
(ちなみにフリースポットは、すでに3663拠点あるようです)
 
 
 公衆無線LANサービスと言えば、ヤフーやライブドアがサービス展開をしているもののイマイチ盛り上がらない鬼っ子サービスと化していますが、FONの場合に気になるのはサービスが流行るかどうかということよりも、やはり「インフラただ乗り」問題の行方でしょう。

 すでにUSENが展開する動画配信サービス「GyaO」やIP電話サービス「Skype」のトラフィック急増をきっかけに、通信会社の経営陣からよく発言されるようになっているインフラただ乗り論ですが。
 このFONの場合は、通信会社からするとインフラ自体を勝手に共有されてしまうわけで、GyaoやSkypeのようなアプリケーションよりも、さらに神経を逆撫でされるモデルです。

 もちろん、現状のFONのモデルはあくまで他人のアクセスポイントに無料で接続するには自分のアクセスポイントを無料で開放する必要があるので、FONのおかげで回線契約者やISP契約者が激減するという話では無いのですが、まぁやっぱり自分のインフラを勝手に共有されてしまうのは気に入らない話でしょう。

 また、Rauru Blogによると、バックボーン網の負荷がより深刻な問題になるのではという懸念もあるようですし、そもそも、ISPの規約上、利用者は勝手に自分の回線を他人に提供してはいけないのではないかという話もあるようです。

 まぁ、デジタルガレージの伊藤譲一さんなんかがバックアップして日本参入を発表しているぐらいですから、どこかのISPとある程度水面下で話がついているのかもしれませんが・・・
 注目したいと思います。

2006年4月13日

新しいポストイットノートで改めて付箋紙の良さを知る

postit1.jpg ONEDARI BOYSの企画で、今度はスリーエムさんからポストイットをもらってしまいました。

 ポストイットといえば、もちろんあの黄色とか青色の付箋紙です。
 パソコンとか本とかにぺたぺた張ってはがせるあれです。
 そんなもん、もらわんでも自分で買えよーと思う人も多いと思いますが、なんといっても、今度のポストイットはただの付箋紙ではありません。
 全く新しいポストイットです。

 その名も<ポストイット>ノート
 ケースつきの付箋紙です。
 見た目はこんな感じ。
postit2.jpg

 ミニ・ノートとカード・ノートの2種類があるんですが、その名の通り大き目のポストイットがミニノート形式やカード形式になっています。
 これ、まさにコロンブスの卵ですよね。
 
 これまで私もよく付箋紙をカバンの中に入れておいて、気がついたらカバンの中でバラッバラになっていた、なんて事がよくありましたが、このポストイットノートならそんな心配は不要です。

 なにしろカード・ノートなら名刺入れにぴったりのサイズ。
 早速こんな感じで入れさせていただいてます。

postit3.jpg

 自分の仕事がネット系ということもあり、使うツールもやっぱりネット系、デジタル系がほとんどなんですが、あらためてポストイットを使うとアナログのメリットというのを実感します。

 ちなみに、このポストイットノート。
 スリーエムさんは、なんとココログでブログを開設していたりします

 「俺と100冊の成功本」管理人の聖幸さんから、映像作家の高城さんまでいろんな人がポストイットの便利な使い方を紹介してます。
 やっぱり、アナログのツールって人によって使い方が全然違ったりして面白いです。

 そんなちょっと変わった使い方を見たい方は、こちらもどうぞ。

ポストイットでリアルブックマーク (モテゼミ)
「MiniNote」と「Card-Note」なPost-It(ポスト・イット)(Modern Syntax)
Post-itを使って確定申告対策 (Milano::Monolog)
ポストイット(Post-it)はいつも何かといっしょがいい。(みたいもん!)
Post-itでポストイットキャスティング! (ネタフル)
ポストイット カード型はモバイル絵コンテ用紙だ!! (webdog)
 

2006年4月12日

ブログでテキストコミュニケーションを練習する

 先日「ブログは居酒屋コミュニケーションみたいなもの」という記事で、ブログを書くのに、おおげさな「文章力」なんて必要ないんじゃないかと思う。という話を書いたが、もちろんこれは「文章力は重要じゃない」という話じゃない。

 実は、そもそも自分がブログを一生懸命書くようになったのも、文章を書く練習をするためだったりする。
 もともと自分は、どちらかというと口から先に生まれたような人間なので、文章で説明するよりも、相手に会って直接説明する方が得意なタイプだった。

 何しろ、相手にあって話せば相手の反応も分かるし、それに応じて会話の内容を変えられるが、文章ではそうもいかない。
 メールもメッセンジャーも実は苦手というのが正直なところだった。 


 ただ、現在のところやっぱりインターネットの最大のメリットを得られるのは何と言ってもテキストコミュニケーションだと思う。

 ブログにしろ、メールにしろ、テキストのコミュニケーションであれば非同期で、しかも不特定多数の相手とやり取りをすることが可能だ。
 これが直接会っての会話となると、数人から数十人がせいぜいだし、セミナーで喋っても数百人が限度だろう。

 それに何と言っても現在のところは検索エンジンで探してもらえる唯一のコンテンツだし。

 もちろん、今後ポッドキャスティングとかビデオチャットとかが手軽になればまた状況は変わってくるのかもしれないけれど、とりあえずここ数年のインターネットコミュニケーションの主流はやっぱりテキストコミュニケーションだと思う。


 でも、テキストコミュニケーションは、電話や対面の会話に比べてどうしてもトーンとか、雰囲気みたいなものを伝えるのが苦手。
 相手の顔色を見ながら文章を綴るわけにもいかないし、丁寧な文章と、ぶっきらぼうな文章だと相手の受け取る印象も大きく変わってきてしまうし、それによって相手を傷つけたり、勘違いがおこって喧嘩になったりなんてことになりやすい。
 
 リテラシーという言葉で書いてしまうと、なんだか小難しげな感じだけど。
 そういう意味では、やっぱり今の時代はある程度テキストでコミュニケーションする能力ってのを鍛えるべきなんじゃないかと思う。

 
 そう思ってこの2年ブログを毎週のように書いてきたが、そういう文章力の練習としては、ブログは間違いなく良いツールだと思う。
 メールを同じ数送り続けていたら、多くの人にはスパムメール扱いされるだろうし、かといってテキストファイルで自分のPCにだけ保存していたら、誰の反応も見ることは出来ないし。

 ブログなら、コメントやトラックバック、アクセス数にブックマーク数とさまざまな形でフィードバックを見たり、共感や反感を感ることができるわけで、仮にブログが炎上してしまったり、燃え尽き症候群になってブログに飽きてしまっても、何かしら得られるものはあると思う。
 
 そんな練習ぐらいのつもりでブログを始めてみるのも良いんじゃないかなーと思う今日この頃です。

 もちろん、だからといって2年間ブログを書いてみて、自分の文章力が向上したのかと言われると怪しいところではあるんですが。

2006年4月10日

アテンションエコノミー (Attention Economy) (トーマス・H・ダベンポート)

アテンション! アテンション!という邦題になっていますが、現代は「Attention Economy(アテンションエコノミー」昨年あたりからブログでも話題になっているキーワードです。
(書籍自体を出版したときは、こんなキーワードが流行ると思わずにアテンション!というタイトルにしたんでしょう。今だとドラマの本と勘違いされてしまいそうですが。)

 個人的にも、今年はアテンション・エコノミーというキーワードに注目したいと思っていたのですが、何だか分かったような分かって無いような感じになってしまっているので、改めて本を買って読んでみました。
 

 何でもkwmrさんによると、このコンセプト自体は97年頃から話題になっていたものだそうで、この書籍を読んでも、考え方自体は別にそれほど目新しいものではないことに気づかされます。

 書籍でも「アテンションはビジネスや個人にとって、真の意味での通貨となった」というくだりがありますが、実際、これまでも、テレビ広告の視聴率やバナー広告のPVなんかが、このアテンション通貨にあたる評価指標だったわけで、そういう意味では既にわれわれはとっくにアテンション・エコノミーに生きていたということかもしれません。

 で、その重要性はインターネットの登場により間違いなく増しているわけですが、個人的には書籍に書かれていた「視聴者のアテンションには限りがあり、ゼロサムの戦いになる」というくだりが気になっています。

 情報量が爆発的に増えているのに対しアテンションは有限であるために、企業側はこれまでのような物量投下で無理矢理アテンション獲得を増やすというよりは、ターゲットに対するきめ細かいフォローが必要になってきている気がします。
 そういったシーンではロングテール的な細かいニーズに対応したコンテンツの価値が上がってくるはずで、最近、Google Adsenseによってウェブサイトを持っている個人が、ある程度手軽にアテンションを換金できるようになっているのも当然の流れという感じもしてきます。
 (なんだか上手くまとめることができませんが)

 書籍の中では、広い意味でのアテンション・エコノミーについてだけではなく、その中で生きるわれわれ個人や、組織にとってアテンションがいかに重要かというのを事例と共に説明してますので、アテンションエコノミーというキーワードが、分かったような、分かってないようなという感じになっている方にはお勧めです。

【読書メモ】
■われわれは皆「アテンション・エコノミー」に生きている。
 この新しい経済では資本、労働、情報そして知識は十分に供給されている。
 供給不足に直面しているのは人間のアテンションなのだ。

■今日、アテンションはビジネスや個人にとって、真の意味での通貨となった
 持っていない者は欲しがり、持っている者はいっそう多くを求める。
 交換することも買うこともできる。人はすでに持っているものを維持し、かつ拡大しようと働く。アテンションは他の種類の通貨に変換も可能だ。

■アテンションの不足を頻繁かつ長期間経験するようであれば、心理的にも組織的にも深刻な結果をもたらすだろう。
・毎日200本のメッセージをやりとりする環境では、受ける情報量にホワイトカラー層の71%がストレスを感じ、60%が圧迫感を感じると報告した(未来研究所の調査)

■組織的アテンション欠乏障害の徴候
・決定するときに大事な情報を欠落させやすくなる。
・電子メールやボイスメールなど、単純な情報のやり取り以上のことを考える時間が少なくなる。
・他人のアテンションを引きつけておくことが難しい。
・必要なときに集中力が鈍る。

■「アテンション市場」と呼べるものが組織の内外に存在する。
・他の市場と同じく、このアテンション市場でも人によって取引の上手下手がある
・アテンションには明らかに限界がある。
 1ヶ所で使用されているアテンションを、同時に別の場所に振り向けるわけにはいかない。

■アテンションとは、特定の情報項目に対して知的に注がれる関わりである。
 ・知覚→「周囲からの感覚のインプットの多くをふるいにかける段階」→アテンション
 ・アテンション→「アテンションを注いだ情報に関連した行動を起こすかどうかを決定する段階」→行動
 
■アテンションの6つのタイプ
 ・受動的と能動的 (映画の広告と印刷物の広告)
 ・嫌悪的と魅力的 (死と出生)
 ・顕在的と潜在的 (車の購入とミルクの購入)

■アテンションの最も大事な機能は情報を集めることではなく、情報をふるい落とすことだ。
 人間の脳は驚くほどの受容能力がある。
 問題は1度に1つか2つの行動しかできないことだ。

■マズローの(アテンション)階層
 肉体的生存の必要性が優先順位の上に来る。
 これが満たされたときにのみ、脳は下位の必要事項にアテンションを向ける。
・心理的必要性
・安全の必要性
・「帰属性」と愛の必要性
・尊重される必要性
・知り理解する必要性
・美的な必要性
・自己実現
・卓越すること

■もし自分がアテンションを集めたいなら、人にアテンションを与える必要がある
 自己愛は、個人のアテンションに焦点を合わせるのに、きわめて役立つ要素。
 インターネット・マーケティングで個人化が強い流れになっているのは、そうしたナルシズムと大きくかかわっている。

■押してダメなら引いてみる!
 プッシュ技術:情報がわれわれの前に押し出されると、かつて求めていたものでも急激に興味が冷めていく。
 情報を引き出す行為:望んだ情報を探しクリックしていくことを通じて、人間のアテンションを刺激する。

■掘り出し物
 時間の経過の中で誰かのアテンションを捉え続けたければ、任意性と掘り出し物の要素を盛り込むことが非常に有益。

■情報の集中砲火とアテンションの枯渇状態を考えれば、おそらく将来最も人気を博するであろうテクノロジーは、あなたのアテンションを保存・保護し防衛するものになるだろう。
(それらが実用的に機能するにはあなたのアテンションが必要である。自分が本当に求めている情報は何か、いかにそれが必要かを吟味する時期が来ているかもしれない。)

■ゼロサムの観衆
 視聴者のアテンションには限りがあり、ゼロサムの戦いになる。

■集客力の高さを誇る4つの手法
 ・妥当性 (コンテンツの広さ、深さ、速さ、新鮮さ等)
 ・関与  (双方向性、競争、娯楽性、語り)
 ・コミュニティ(帰属意識だけでなく所有意識を持たせる)
 ・使い勝手(

■アテンション・リーダーシップの4つの要因
・自らのアテンションを絞り込む
・自らに対して妥当な種類のアテンションを引きつける
・自らに従ってくる人々のアテンションを方向づける
・自らの顧客や依頼人のアテンションを管理する

■企業内のアテンションを、見せかけ仕事や日常のエネルギーを消耗する政治的駆け引きから、リアルワークに戻さなければならない
(勤務評定の基準を時間ではなくアテンションに。)

■慢性情報疲労症候群
・経営者の43%が多すぎる情報のおかげで重要な決定が先送りされ、決定能力そのものも影響を受けていると考えている。
・55%の人が、自由に閲覧できるあらゆる情報を持っていても不手際な決断を下すのではないかとの懸念を捨てきれないでいる(1996年のロイターの調査) 

■アテンションを獲得できるメッセージの特性
・メッセージの発信者(信頼・尊敬・影響力・実力・魅力)
・メッセージの背景(個人的、グループに関する、関心を持つテーマ)
・メッセージの内容(簡潔、物語、感覚を揺さぶる、新鮮、珍しい)
・メッセージの受信者の反応(感情が動かされる、影響を考慮できる、大事なものだと確信)

■情報収集技能は正式な訓練によるものではない(アウトセル社調査)
・情報源を検索・収集・評価する訓練を8時間以上受けたことがあるのは、回答者のわずか18%
・回答者の半数以上が、いっさいの正式訓練を受けたことがなかった。
・情報収集に主としてウェブを活用する人の中で、65%がいっさいの訓練を受けたことがない。
→スタッフに検索方法を教えるだけでなく、どういった情報・知識が本当に必要かを判断できるような教育が必要
→電子メール・インターネット・イントラネット上の大切な情報や、紙面上の情報をファイルするシステムや保管技術など、効率的な情報環境を作る方法を提供


■企業におけるアテンションマネジメントの方策例
・企業は従業員について、情報発信の権限を持つ者とそうでない者とを厳格に区別する。
・企業は従業員にとって最もアテンションに値する情報の種類を階層化する。
・企業の管理職は、従業員が就業時間外のアテンションを、どの程度まで仕事関連に振り向けるべきか示唆する。
・就業時間中の従業員が仕事関連以外のことに、どれだけアテンションを振り向けることが認められるか、経営者が指示する。
・企業は従業員に対して、特定の業務内容や情報に振り向けるべきアテンションについて示唆するだろう。
・企業は従業員が仕事に集中できる「情報フリーゾーン・時間」を設ける。


【目次】
ビジネスのあたらしい視点
アテンション、これまでの経緯
アテンションの実験
アメーバから類人猿へ
技術革新抵抗勢力に告ぐ
隠れた説得者
インターネットとアテンション
コマンド・パフォーマンス
絞り込まれた選択肢と世界に広がるリソース
組織図を離れて
たくさんのメールを受信しています
近視眼からユートピアへ


アテンション!アテンション!
トーマス・H・ダベンポート ジョン・C・ベック 高梨 智弘


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2006年4月 7日

YouTubeにみるチープレボリューションの凄さ

ハリウッドの注目を一身に集める「YouTube」とは - CNET Japanを読んで。

 ビデオ共有サイトのYouTubeの勢いが凄いです。
 まだ開設されてから一年ちょっとにもかかわらず、1日の視聴者数が3000万人というお化けサイトになっているそうです。

 
 短期間で急激に利用者を増やしたサイトと言えば、日本では2年で300万人の利用者を獲得したmixiが代表ですが、AlexaでmixiとYoutubeのグラフを比べてみて更にびっくり。

youtube.png

 mixiの急増すら比べ物にならない角度で突き抜けています。

 もちろんグローバルに利用者がいるYouTubeと、日本だけのmixiを比較するのはあまり意味がないんですが、それにしても凄いですよね。

 デジタルARENAで佐藤 信正さんがYouTubeについての詳細の記事を書かれていますが、まぁ何しろ動画が無料で掲載してあるというだけではなく、動画自体は利用者が自由に投稿できて、なつかしのアニメまで山のように揃ってるみたいですから、一日YouTubeで時間をつぶしている人もいるというのも理解できる充実度です。


 それにしても、個人的に凄いと思うのが、これだけの利用者の増加をこなしているYouTubeの仕組み。

 なんつったって動画ですよ。
 ブログとかmixi日記のようなテキストレベルのコンテンツに比べて、はるかにサーバーにかかる負荷は高いはずです。

 おまけに現在のところYouTubeは有料メニューもなく、広告すら貼っていない状態で知る限り収入は無いはずです。
 会社概要をみるとPaypalによって創業され、VCの資本が結構入っているように見えますが、それにしてもこれだけのトラフィックの急増を、それほどトラブルなくさばいているんだからすごいです。
 
 
 個人的には、動画だけは唯一P2P技術のような分散技術が重要になってくると思っていましたが、こうもあっさりとサーバーで提供されるとは、本当にびっくりです。

 Napsterが話題になった1999年には、音楽の配信ですらNapsterの規模のものをサーバーで構築使用とすれば非常にお金がかかって割に合わないという話でしたが、YouTubeは動画ですからね。
 この5~6年にいろんなもののコストが下がってきているということでしょうか。

 もちろん、動画自体Flashを使うことで相当圧縮して小さいサイズにしているようですから、いわゆる普通の動画に比べたら負荷はかなり下がっているんでしょうが、それにしてもサーバーや回線にかかるコストはかなりのものがあるはずです。
 でも、それをGoogleやYahoo!のような大手ネット企業ならまだしも、1年前には無名だったベンチャー企業が実現できてしまっているわけですから、梅田さんが言っていたチープレボリューションの恐ろしさを改めて感じます。


 もちろん、動画の著作権がらみの問題はあいかわらずグレーのままではありますが、米国では、YouTube人気を受けて、似たようなサイトが次々に開設されているようですし、YouTubeが厳しくなれば他のサービスに移るだけでしょう。
 今はまだ画質は悪いですが、この調子で技術が進歩すると個人やベンチャーレベルで、品質の良い動画共有サイトを作れてしまうのも、そう遠い先の話ではないような気がしてきます。

 コンテンツ事業者の側も、ある程度の違法コピーは見込んだ形でビジネスモデルを組んでいかないといけなくなりそうですね。


 まぁ、少なくとも今年は完全に日米共に動画配信元年ということになりそうです。
 せっかく日本もブロードバンド大国なわけですから、この分野では日本発で世界で話題になるサービスに出てきて欲しいところですが・・・どうなんでしょう?

2006年4月 6日

一回のお客を一生の顧客にする法 (カール スウェル)

一回のお客を一生の顧客にする法―顧客満足度No.1ディーラーのノウハウ 3年ぐらい前に、社外取締役の人に薦められて購入した本です。
 (その後デザイン等を一新して再度販売されているようです)

 当時に読んで、何となく分かったような気分になっていましたが、あらためて読み返してみて、自分がいかに基本的な顧客サービスの姿勢がなっていないか考えさせられてしまいました。

 まぁ、日本では「お客様は神様」という表現があるように、アメリカに比べると無料の過剰サービスが基本のような国ではあるので、多くの人はこの本を読んでも当たり前のことだと感じるのかもしれませんが。

 顧客サービスについて悩んでいる方にはお勧めの本です。

■顧客サービスの十戒

1.顧客を呼び戻せ(何をして欲しいかを顧客に尋ね、何度でもしてあげること)
2.スマイルではなくシステムを(あいそ笑いでごまかすな。いつも一度できちんとした仕事ができるシステムを作れ)
3.請求はつねに見積以内に(顧客はあなたが約束を守ることを期待している。その上を行け)
4.顧客に何か頼まれたら、返事はいつでも「YES](それだけ)
5.検査責任者と顧客サービス部門をクビにしろ(顧客に接する従業員は全員が苦情処理係だ)
6.何も苦情がない?それはどこかおかしい(どこが間違っているかを顧客に言ってもらうよう顧客に働きかけろ)
7.すべてを測定すること(野球チームはやっている、それならあなたもやるべきだ)
8.不公平な月給制度はやめろ(能率給は社員にも会社にもプラス)
9.お母さんの言うとおり(マナーが大切。礼儀正しさが対人関係の基本だ)
10.日本人を見習え(イチバンから学び取れ。そして追い越せ)
※利益を出さない限り、この十戒は何の役にも立たない。
 金を儲け、企業が存続しなければ、顧客満足どころではない。


■顧客に尋ねるためのチェックリスト
・顧客の求めるものを推測で決めてはならない。
・顧客がそれを気軽に伝えられるようにしてあげること。(質問は5問以下、できれば3問)そして質問の内容は記者との取引において顧客の観点から見て最も重要な部分に絞ること。
・100%の回答を得る簡単な方法とは支払い時に短い調査を行うこと。
・顧客を困らせてはいけない。もしアンケートに答えたくなければそれでよい。強制しないこと。


■顧客サービスのチェックリスト
1.顧客にとって得になることは何か
2.顧客はこの得になることを簡単に理解できるか
3.このアイデア、プログラム、システムが当社の従業員に与えるインパクトは何か
4.これは既存のシステムにどのような影響を与えるか
5.他社でこれを成功させて例があるか、彼らの経験から我々は何を学べるか
6.難しい点としてどんなことが考えられるか
7.これがライバル会社に差をつけるメリットとなるか
8.コストはいくらか
9.利益に貢献するか
10.それをどの時点で評価するのか


【目次】
1章 何をしてほしいか顧客に尋ねよ…そしてそれを与えよ
2章 いつも優れたサービスを提供するには
3章 従業員と顧客にいかに対応するか
4章 スコアをつけてつねに高い目標を目指す
5章 優れたサービスを支える給与制度
6章 リーダーシップとはやって見せること
7章 イメージづくりが大切
8章 売りやすい商品を開発する
9章 他人のアイデアをどんどん取り入れる
10章 顧客へのメッセージ
11章 顧客を呼び戻せ


一回のお客を一生の顧客にする法―顧客満足度No.1ディーラーのノウハウ一回のお客を一生の顧客にする法―顧客満足度No.1ディーラーのノウハウ
カール スウェル ポール・B. ブラウン Carl Sewell


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R25 ランキングレビューにコラム書きました。

mag_cover.jpg あのR25のRanking×Reviewのコーナーで、コラムを書かせていただきました。
 (mさん、貴重な機会を頂き、ありがとうございました。)

 テーマはなんと「デジタルディバイド」
 通信サービス中心のコラムにまとめてみましたが、R25風のテイストがなかなか出せずにmさんにご迷惑をおかけしてしまいました。

 すっかり報告が遅れてしまったので、今更入手不可能ですが、証拠写真はこちらをどうぞ

2006年4月 5日

Winnyウィルス問題を、政府が本気で解決したいならできること

マスコミと情報収集家が悪化させる「Winny問題」:ITproを読んで。

 ITProに、Winny問題がいかにマスコミの報道とそれによる野次馬の増加で悪いスパイラルになっているかという解説記事が掲載されていました。

 実際、impressの記事によるとWinnyのノード数は12月に約30万ノードだったのが、3月10日には54万ノードにほぼ倍増しているそうで、一連の情報漏えい事件が利用者を増やす結果になっていることが見て取れます。


 先日、「Winnyに関する議論が噛み合わない5つの理由」なんて記事を書きましたが、自分なりの問題解決策を書かずに投げっぱなしにしてしまったので、改めてWinnyウィルス問題を解決するための方法を自分なりに考えてみたいと思います。

 ちなみに以下の案は、あくまで安部官房長官に「Winnyを使わないで」とテレビで発言させるぐらいなら、ここまでやればという趣旨の国家レベルでの強攻策案です、念のため。


 先日の記事に書いた5つの論点は下記の通りです。

1.著作権問題 (コンテンツ事業者 vs Winny利用者)
2.インターネットただ乗り問題 (ISP vs Winny利用者)
3.ウィルス問題 (ウィルス開発者 vs Winny利用者)
4.情報漏えい問題 (システム担当者 vs Winny利用者)
5.ソフトウェア開発の責任問題 (警察 vs 開発者)

 これだけ、問題がこじれると根本的に問題を解決するのは不可能に思えてきますが、シンプルに考えると解決策は簡単です。

 国として「Winnyの利用を禁止する」

 これだけです。

 そもそも、Winny利用者が減れば、コンテンツ事業者もISPもシステム担当者も警察もハッピーなわけで、悲しがるのはウィルス開発者ぐらい。
 議論軸は、5つあるものの、目下の国民にとっての深刻な問題というのはなんといっても情報漏えい問題です。


 で、その対策も、利用者側ではなく根本的なレベルで実施します。
 
 つまり、インターネット上でのWinnyトラフィックの遮断です。
 ぷららが実施しようとしているようなISPレベルでのWinnyトラフィックの遮断を、全ISPが一斉に実施。

 この手の対策は、利用者がアンチウィルスを入れるとか、セキュリティソフト会社がWinny特需と喜ぶような中途半端なものではだめです。
 ITProの記事にも書かれているように「自分はそこそこスキルがあるからウイルスに感染することはない」と考えている人ほど危ない」わけで、利用者のリテラシーに頼っている限り、必ず誰かがウィルスにひっかかってしまいます。

 ISPレベルで遮断してしまえば、誰もインターネット経由でWinnyが利用できなくなるわけですから、ウィルスも活躍の場を失い、情報漏えいしたファイルもこれ以上広がることはなくなります。

  
 ただ、ここで当然問題になるのが「Winny利用者の権利」です。
 そこで、「Winnyを改良し、情報漏えいを防ぐことも技術的には可能と主張」している金子氏に国策として改良版Winnyを開発し、配ってもらいます。

 もちろん、改良版Winnyが現在のWinnyの変わりになるのが前提なので、ウィルス対策以外の変更はあえてしません。

 とにかく暴露ウィルスによる情報漏えいを防ぐのが目的。
 つまり、現状の適法なWinny利用者の皆さんに、改良版Winnyに移ってもらうわけです。
 で、現在のWinnyの利用はとにかく完全禁止。

 ISPによる完全遮断が難しいなら、YahooやGoogleに依頼して、旧Winnyに関する検索は全て強制的に改良版Winnyの国営サイトに誘導するようにしてしまえば似たような効果が得られます。


 とにかくそこまで徹底的にやって、Winnyウィルスによる情報漏えい問題はとりあえず解決しましょう。

 違法コピーは減らないかもしれませんが、なにしろ情報漏えい問題さえなければ、とりあえず防衛庁や企業の機密情報や私たちの個人情報が収集家の手に渡ることは減るでしょうから、一安心。
 もちろんメールベースの暴露ウィルスの問題は残りますが、まぁそれはメールソフトにがんばってもらうとして。

 あとは、のんびり著作権問題や開発者責任問題を、気の済むまで関係者の方々に議論してもらいましょう。


 そんな無茶苦茶な、と思う人も多いと思いますが、書いてる本人は結構マジメです。

 仮に、今回の問題がソフトウェアではなく、ロボットだったらと思って下さい。

 利用者の見たい映画やテレビ番組を、利用者の好きなときに映し出してくれるテレビロボ。
 著作権問題の観点から、コンテンツ事業者は大反対しているんですが、利用者には大人気で、大量に無料で配布されているテレビロボです。

 で、このテレビロボの開発者のお茶ノ水博士が、著作権法違反幇助の罪で警察に逮捕されてしまったとしましょう。
 テレビロボの改良自体は止まってしまったわけですが、これに目をつけたウィルス作者がテレビロボに感染するウィルスロボットを開発します。

 このウィルスが厄介で、利用者のプライベートなことを他のテレビロボットにしゃべりまくる恐ろしい暴露ウィルスロボ。
 防衛庁や電力会社の情報までテレビロボ経由で漏れてしまい、社会問題化しています。

 この場合、果たしてこのロボットは放置されていて良いのでしょうか?
 当然、政府はこのテレビロボを回収するための手を打つでしょうし、お茶ノ水博士に対策を指示するのではないでしょうか?

 どうもソフトウェアの世界だからという理由で、問題が自己責任で放置されているような気がしてなりません。


 もし、本当に暴露ウィルスによる情報漏えいが、安部官房長官にテレビで発言してもらわなければいけないぐらい深刻な問題だと思っているのであれば。
 いたずらに報道を過熱させて野次馬を増やすだけの対策をするよりも、Winnyの利用禁止まで踏み込んだ根本的な対策をするべきなのではと思ってしまう今日この頃です。


 まぁ、この記事は、エイプリルフール用に準備していたのが、思ったより面白くなかったので、マジメな感じにかき直してみたというのが正直なところではあるんですが。

2006年4月 3日

The Wisdom of Crowds (みんなの意見は案外正しい)

「みんなの意見」は案外正しい 邦題の「みんなの意見は案外正しい」というタイトルだとぴんと来ない人も多いかもしれませんが。
 原題はThe Wisdom of Crowds(ウィズダム オブ クラウド)。ウェブ進化論でも話題になった群衆の英知というキーワードのもととなった書籍です。
(実は2004年に出版されていて、直後にHYamaguchiさんがレビューして話題になっていたりするんですが、翻訳されるのに2年近くかかっているんですね。)

 本書でも書かれているように、これまでの一般的な常識というのは「群衆」「大衆」というのは比較的あまり良いイメージでは使われません。極端に言うと、烏合の衆とか愚民とかいったキーワードにみられるように、大衆は能力のある個人には劣ると考えられがちです。
 ところがこの本では、多様な集団や群集が到達する結論は、「一人の個人よりつねに知的に優る」とい