2006年1月 4日

アテンション・エコノミーというキーワードで見る2006年。

 CNETで「オピニオンリーダーによる2006年展望」という企画が組まれてます。

 どの記事も興味深いのですが、個人的に注目したのはインフォテリアの江島さんの「 アテンション・エコノミーの本格化 」という記事。


 アテンションエコノミーという言葉は、昨年の中ごろにアットマーク・アイティの樋口さんのブログ経由で知ってからずっと気になっている言葉です。
 (この記事については、昨年末にPDFファイルバージョンが公開されています。必見です。)

 言葉の定義や詳細は江島さんや樋口さんの記事を見ていただければと思いますが、ポイントは、情報の発信はインターネット経由で低コストで無限に近くできるようになったのだけど、受信側のアテンションは結局有限なので、このアテンションをいかに獲得するかに価値が移ってきているという点でしょう。

 ぱっと読むと、当たり前のように見えるかもしれませんが、実はこれまでの経済というのは情報の発信側に重きがあった経済。
 情報は貴重で、入手するのは大抵有料。
 他の人が知らないことを知ったり考えついたりした場合、大抵の人はじっと黙ってその知識を知っていることを価値としようとしていたはずです。


 それがインターネットによって、多くの情報が無料に近いコストで入手できるようになり、知っていることを隠すことに意味がなくなりつつあります。
 もちろん真にネットに出てこない情報という分野はまだまだあるのですが。
 ちょっとしたビジネスモデルや新サービスは考え付いたことを黙っていたところで、どこかで誰かが思いついてブログなりなんなりに書いてしまうので、自然とその情報自体は価値を急速に失っていきます。

 この経済圏でアテンションを誘導できるGoogleが力を持っているのは多くの人が書いているところですし、APIやフィードでデータをオープンにすることにより、周辺の顧客や開発者のアテンションを巻き込んでいくというスタイルが増えてくるのも、この流れと合致するように思います。 

 今後は、del.icio.usやはてなブックマーク、diggのようにインターネット上の情報を集合知の形で抽出することでアテンションを集めるサービスというのがますます注目されていくことでしょう。


 ちなみに、ここで、個人的に気になってくるのが、この流れが果たしてクローズな情報にどういった形で反映されてくるのか。

 

情報技術におけるイノベーションの歴史は、常に個人にパワーを与える技術がブレイクスルーとなって始まり、次第に小規模グループ、そしてエンタープライズで使えるものへと発展していく道のりを繰り返してきた。あらゆる技術はオープンに始まり、クローズへと向かう。ブログの次にソーシャルネットワークや Wikiが流行したのは単なる偶然ではない

 上記のように江島さんも書いていますが、個人的にも今後重要なのはある程度情報をクローズにできる技術だと考えています。
(まぁ、オープンなインターネットはGoogle、Microsoft、Yahooの3強の陣取り合戦の様相を呈しているから、もうあんまり面白くないというのもあるんですが。)

 アテンション・エコノミーにおいてアテンションを得るのが重要だというのは理解できるものの、ではインターネット上にオープンできない情報は、どのように共有すべき相手と、共有していくべきなのか。
 
 個人におけるクローズ情報は、当面mixiのような利用者が多いサービスの独壇場となるのか、それとも状況別に複数のサービスを使い分けるようになるのか。
 
 企業内や組織内においても、現在のインターネットと同様のアテンション・エコノミー的な文化を作るべきなのか。
 それともそういうクローズな情報については相変わらず情報量が少ないから、これまでの情報を知っている人が有利という状況は基本的に変わらないのか。

 なんだか頭が混乱して仕方が無い今日この頃ですが、今年はこの「アテンション・エコノミー」というキーワードで、もう一度いろいろと考えてみたいと思っています。

2005年12月28日

日本市場だけは、ロングテールもヘッドコンテンツもヤフーのものに?

Web 2.0とYahoo!検索APIの関係~井上俊一・検索企画室長が語るを読んで。

 今月頭に日本語が公開されたYahoo!検索のAPIですが、なんでも1週間でIDの登録数が1000を超えたとかで、順調に登録数を増やしているようです。
 

 ディベロッパーコミュニティを取り込んで、自社だけでは難しい様々なアプリケーションが生み出される土壌を作るという手法は、米国においてはGoogleの印象が圧倒的に強いですが、日本においてはやはりヤフーの影響力の大きさを感じます。

 もちろん、それはAPIに関するドキュメントを日本語で公開したり、ヤフーの人たちが検索会議のようなイベントを通じて開発者のコミュニティと直接交流する機会を持ったりという努力の成果と言っていいでしょう。

 早速、便利なサービスが数々生み出されていて、利用者としては心強い限りです。


 ちなみに記事を読んでいて個人的に非常に気になったのは井上さんの下記の発言。

「大きなCPからヘッドコンテンツをバーンと買ってドーンと見せる会社だから、テールという発想が今まではなかった」と井上氏。ただし、ロングテールな検索の世界ではヘッドばかりというわけにもいかない。小さなコンテンツであっても必要なコンテンツにヒットするのが検索エンジンの理想だ。「ユーザーが作成したテールコンテンツに主流が移っていく。これは自然な流れだ。テールコンテンツにリンクをどんどん張ったり、見せてあげるようにしたい」


 ヤフーのようないわゆるポータルサイトが対称にしていたヘッドコンテンツに対し、Googleがロングテールをベースに自社の市場を拡大したというのが、ネット事業においては良く比較論で出ます。
 
 確かに米国においては、Googleが大きく先行にしたことによりロングテールはGoogleの独壇場の感は強くあるのも事実です。


 ただ、日本市場においてはまだ実はそういった差はついていません。
 ヤフーがヘッドコンテンツにおける圧倒的な存在感も基に、ロングテール市場もまとめて押さえてしまうということは、十分ありえるシナリオのような気もしてきます。
(現在のところはAPIの利用条件など、課題もいろいろあるようですが)

 現在のところは、日本におけるコンテンツマッチ広告は、Google Adsenseの独壇場ではありますが、先日VectorにOvertureのコンテンツマッチ広告らしきものが出ているのも見ましたから、この分野の競争も時間の問題のような気もします。


 なんだか相変わらず上手く考えがまとまりませんが。

 ロングテールとヘッドコンテンツ。
 この二つの手法の間にあるビジネス的な葛藤のようなものを、もしヤフーが上手く乗り越えることができると、日本市場だけはヤフーの寡占状態がまだ当分続きそうな感じもするのは、私だけでしょうか・・・

2005年12月26日

mixiは平日、たまごっちは休日に検索されているという事実

【忘年会議2005 Sponsored by Yahoo!検索】Yahoo! JAPANの検索データから浮かび上がるトレンドとヒットの法則を読んで。

 一週間以上前の話になりますが、17日の土曜日に忘年会議に参加してきました。
 

 ちなみに、毎年恒例の「究極 Web サイト BEST5」はこんな感じ。

第5位 アキバ Blog
第4位 コトノハ
第3位 sidefeed
第2位 最速インターフェース研究会
第1位 はてなブックマーク

 今回は発掘が目的ということですから、知らないサービスも多いかもしれませんが、はてなブックマークの1位については、ほとんどの人が文句ないところでしょう。
 昨年受賞したmixiは、今年大ブレイクしましたから、来年のはてなが注目されるところです。
(ちなみに、無敵会議のサイトで、優勝記念品贈呈とあわせてはてなブックマーク誕生の裏話が掲載されてます。)

 
 その他の当日の詳細については、たつをさんを中心に参加された皆さんが書いてるレポートを見ていただければと思いますが。


 個人的に、非常に印象に残ったのはYahooの関さんのプレゼン。
 
 何でも、Yahooの検索データを解析するといろんなことが見えて来るそうで、よく検索されている有名人ブログや、話題と検索の関係性などを細かく紹介してくれました。

 詳細は記事にも書いてありますが、個人的に、特に興味深かったのは、「たまごっち」の検索行動について。


 なんでもmixiの検索は、平日に多く休日に少ないという特徴が見られて、逆に「たまごっち」では平日よりも休日が多いそうです。
 
 てっきり、インターネット検索なんてmixiに限らず何でも平日の方が多いもんだと思っていたのですが、そういうわけじゃないんですね。
 休日の方が検索行動が多くなるキーワードがあるというだけでもなかなか興味深いものがありました。

 
 これまでは、テレビ番組の反応だとか、CMの効果とか人間の行動の把握みたいなものは何となくリサーチに頼るしかありませんでしたが、インターネットによっていろいろと可視化する余地が出てきている感じもします。


 考えてみたら、ヤフーの人たちはこういった検索データを、あんなことやこんなことにも使えるわけですよね。
 うらやましすぎます。

 まぁ、そうは言っても半端じゃないデータ量でしょうから、素人が解析しても何も役にはたたないんでしょうけど・・・

2005年12月25日

音楽配信mF247は、ぼったくらないのが本質らしい

音楽配信サービスのmF247が、「儲かる仕組み」を外す理由 - nikkeibp.jp - インタビューを読んで。

 8月に「コピー自由の無料音楽配信サービス」と発表されて話題を呼んだ「music forecast 247(mF247)」が、20日にいよいよサービスを開始しましたね。


 個人的には、mF247は無料音楽配信ということだけでなく、ソニー・ミュージックエンタテインメントの元代表取締役社長だった、丸山茂雄氏が仕掛けているという点に注目していました。

 それが先日、ランチで遭遇したという不思議なきっかけで、冒頭の日経BPの山中さんが社長の丸山さんにインタビューする場に、同席することができました。
 
 
 ちょっと舞い上がっていたこともあり、インタビューの邪魔をして失礼な質問に走ってしまったのですが、個人的にmF247に対してひっかかっていたのがビジネスモデル。

 音楽は無料で配信、売れたときのレベニューシェアもせず、収入として上がるのはアーティストが音楽を登録する際に発生する1万円だけ。
 なんだかアーティストからお金を取るモデルって言うのは、どうなんだろうと思ってしまっていたのが事実です。


 それが、どうも話を聞いていて、自分が完全に勘違いをしていたことに気がつきました。
 mF247の現在のモデルは、「どんどん儲かりそうな仕組みを外した」ためにできた仕組みだったんですね。
 
 最低限の「コストが発生する部分」については、お金をもらうけど、それ以外については基本的に無料という仕組み。
 上前をはねる仕組みも、審査料を取る仕組みも、とにかくぼったくる仕組みは排除。


 そう言われて改めてmF247の仕組みを見てみると、その姿勢は実にインターネット的。
 詳細はインタビューを読んでもらえれば伝わってくると思いますが。

 音楽が好きで好きで、儲からなくてもいいから皆に聞いてほしくて仕方が無いアーティストと、音楽が好きで好きで新しい音楽を探し続けている視聴者のために、音楽が好きで好きで仕方が無い人が作ったメディアというところでしょうか。


 個人的には、テキストコンテンツにおいてブログが実現したことと同じような、アマチュアがインターネットを通じてセミプロとして認定されるという新しいステップアップの流れが、音楽においてもこれから出てくる可能性が十分あると思っています。

 ただ、音楽産業の構造は私の想像をはるかに超えて、レコード会社中心に作られていて、相当難しいらしいという現実があったのも事実。
 現に、これまでレコミュニやYAMAHAのプレイヤーズ王国など、類似のコンセプトを持ったサービスからは、意外にヒットが生まれていないという現実があります。


 でも、レコード会社側の立場で長年音楽産業を見つめてきた丸山さんが、180度立場を変えて、インターネット的な取り組みを始めているという点には、大きな変化への期待を持ってしまいますね。
 
 今後のmF247の展開に注目です。

2005年12月22日

ラーメンとヤフーとブログで真骨頂?

Yahoo! JAPAN - ラーメン特集2005 - 誕生! 「濃厚豚骨醤油ラーメン 真骨頂」を読んで。

 先日、ヤフーの企画から誕生したラーメン「真骨頂」をブロガーで集まって食べるという不思議な集まりに呼んでもらいました。

 
 なんでもこのラーメン「真骨頂」、タレやスープ、名前などを
ヤフーのサイト上で投票を行って決定し、ラーメン花月の実際のメニューを作ってしまっおうという視聴者参加型の企画から生まれたそうで。
 その投票総数たるや、のべ138万票。

 さすがヤフーというべきか、さすがラーメンというべきか。
 実にスゴイ数字です。

 視聴者投票で選ばれたユニットという意味では、ラーメン界のモーニング娘とでも、言ったところでしょうか。(ちがうかな)


 当日の様子は、すでに参加した皆さんのブログにアップされていますので、そちらをご覧いただければと思いますが。

ネタフル Yahoo! から生まれたラーメン「真骨頂」を試食したよ
モテゼミ Yahoo!とラーメン花月の「真骨頂」
webdog ラーメン花月の濃厚豚骨醤油ラーメン 真骨頂
Modern Syntax Yahoo! JAPAN-ラーメン特集2005
日本全国・見たいもんはみたいぞの会 荻窪の花月でラーメン食ってます。 
Milano::Monolog 真骨頂の試食会にお呼ばれして来ました

 
 個人的に、この企画スゴイなーとつくづく思ってしまったのは、投票の結果からラーメン花月の実際のメニューを作ってしまっただけでなく、カップラーメン(東洋水産)とスナック菓子(ジャパンフリトレー)まで同時に作ってしまい、全国のコンビニに展開してしまっているところ。

 なにしろ投票の結果が出たのは9月末。

 それから1ヶ月で11月上旬にはラーメン花月の試食会が開催され、12月12日にはカップラーメンとスナック菓子が発売されてしまっているわけですから、商品開発期間はなんと2ヶ月ちょっと。
 花月やメーカーの担当者の方々が直面したであろう苦労たるや、想像するだけで涙が出ます。

 
 しかも、今回の企画は、そういった製品発売だけで満足することなく、試食会の様子をウェブに掲載してみたり、Yahoo!ブログの書き手から「真骨頂」ラーメンについての記事を募集して一覧で載せてみたりと、ネット連動企画ならではの仕掛けが盛りだくさん。

 さらには、私たちが呼ばれたブロガーラーメン試食会(?)の模様も、テレビ東京の「ガイアの夜明け」の取材チームのテレビカメラつきというおまけまでついていて・・・・(ネットを使った口コミマーケティングの取材だそうです)
 ヤフーさんの王道からお遊びまで押さえた完璧な企画展開に、感心して口がふさがらない一日でした。

 それにしても、ネットの企画でここまで出来るようになったということに改めて新しい可能性を感じてしまいます。
 今後も、きっといろんな企画が出てくるんでしょうね。
 楽しみです。


 ちなみに、ラーメン自体のお味は個人的には非常に満足。
 写真の見た目からはカナリ濃そうな印象だったんですが、意外にあっさりと食べられて、思わずスープまで完食してしまいました。
(おかげで翌日は嫁さんから、強烈ににんにく臭いと大クレームをもらってしまいましたが(笑))
 ヤフーさん、花月さん、ごちそうさまでした。


 それにしても、参加された皆さんの即効のモブログ投稿や、カラフルな写真(webdogにはビデオまで!)に彩られたブログ記事に、すっかり自分のセンスの無さを痛感してしまったり。
 なにより、アップが遅くてすいません(汗)

2005年12月21日

アルファブロガーを「もっと」探せ-投票企画への投票

アルファブロガーを「もっと」探せ-投票企画についてを読んで

 ちょっと遅くなりましたが、企画側でもあるので、責任を持って投票しておきます。
 皆さんも、是非投票してくださいね。



(1)職場の同僚に、「仕事やキャリアに役立ちそうなブログを3つだけ教えて欲しい」と頼まれました。 あなたはどのブログを薦めますか?

・ブログ名1 Life is beautiful
 個人的にも、ソフトウェア産業に働く人間としても、完全に外せないブログになっています。

・ブログ名2 Log The Endless World
 深い考察には毎回降参です。
 でも、お願いですからもう少しブログ書いてください、という希望も込めて。

・ブログ名3 いい感じ
 diggを最初にスゴイと教えてくれたのはこの人でした。
 そのアンテナの高さと視点の深さには脱帽です。


(2)友達や家族に、「何か『面白いブログ』を教えてくれない?」と言われました。 あなたはどのブログを薦めますか?

・ブログ名 「俺」のターン
 
 ブログ界の最新動向をつかむには、ここを読むしかないでしょう。
 ちょっとブログ始めての人には難しいかもしれないけど・・・
 

ブログの書き方に正解なんて無いと思う

【ジャパンブロガーカンファレンス】「ブログは自分を伝えるブランドに」有名ブロガーがブログの魅力を語るを読んで。

 先週金曜日に開催されたジャパンブロガーカンファレンスですが、インプレスに詳細のレポートをアップしていただいています。


 思わず自分が言いだしっぺで始まったイベントですが、本当に多くの方のご協力を頂き、当初のプランを大幅に上回る規模で実現することができました。
 手伝っていただいた皆さん、参加していただいた皆さん、本当にありがとうございました。

 ブログのイベントをやっておいて、終わってからしばらく自分がブログを書けなくなるぐらい頭が空っぽになってしまっていたのですが、改めてレポートを読みながら、言いだしっぺとして今回のカンファレンスで何をやりたかったのか、振り返ってみたいと思います。

 
 ここ最近、All Aboutのガイドをやっていたり、ブログの本なんかを書いたりした関係で、ブログの書き方を質問されることが良くありました。

 「やっぱりブログは実名で書く『べき』なんですか?」とか「ブログで非難を『しちゃいけない』んですよね?」とか「ブログって毎日書か『ないといけない』んですよね?」とか。
 
 ブログを書いたことの無い人から見ると、ブログには正しいルールがあるかのように思っている人が多いような印象があります。
(実際、自分もブログを始めた頃はそうだったわけですから、何も偉そうなことは言えない訳ですが。)

 
 でも、多分、そんなルールって無いんですよね。

 この辺の感覚は、ブログをどういうツールと思うかで大きく変わってくる気がしますが。
 個人的には、ブログをコミュニケーションのツールだと広く捕らえているのもあり、べき論とか、いけない論は無意味に感じます。

 もちろん、ある程度のやっちゃいけないことってのはあるとは思うんですが。
 コミュニケーションの視点で見ると、ブログって言うのは基本的に自由なツールのはずです。

 
 そもそも、コミュニケーションの仕方って、当然人によって全然違いますよね。
 
 面と向かって相手に悪口を言わないようにしている人もいれば、毒舌を売りにしている人もいるし。
 常に喋り続けている人がいると思えば、たまにしか口を開かないんだけど、ずしんと響く発言をする人もいる。

 いろんな話題を話す人もいれば、一つの話題をとことん掘り下げる人もいる。


 そうやって考えれば、ブログも人によって千差万別っていうのが当たり前のはずです。


 当然、ブログをメディア的に位置づけている人からすれば、ブログの書き方にもある程度のルールが生まれてくるでしょう。
 特に実名で書いている場合には、失うものも大きいですから「悪いことは書かない」というルールを作るのは合理的です。
(もちろん、切込隊長のように、実名のまま歯に衣着せずに「けなす技術」を確立する猛者もいます)


 アクセス数が重要だと考えるのであれば、毎日更新というのは重要な手段ですし、そうすることによって、自分のペースを作るという効果もあるでしょう。
 ブログに人気が出てくれば、コラムを書いてくださいとか、コンテンツ自体を書籍にしましょうなんて話も出てきて、ますますメディア化したり。

 ただ、これもあくまで一つのパターンであって、唯一のブログのゴールではないはずです。

 
 逆に、相手に常に議論を吹っかけ続けるというのも、コミュニケーションの一つのパターンとしては、これもまたアリでしょう。
 コミュニケーションが成立するならば、実名でも匿名でもたいした違いは無いわけで、時と場合に合わせてスタイルを変えるのもアリなはずです。 

 1日に何回もブログを更新する人がいるのも普通なら、別に一ヶ月に一回しかブログを書かなかったとしても、何も恥ずかしがる必要は無いはずで。
 
 さらには、自分のスタイルだけじゃなくて、コミュニケーションの対象を誰と位置づけるかで、文章の書き方も大きく変わります。
 人に伝えたいならそのように書かないといけないし、自分のメモなら自分だけに分かる言葉で良いわけです。


 結局、ブログを自分にとっての何と位置づけるかで、ブログの書き方も、スタイルも、何もかも大きく変わってくるということで。

 そこには唯一の正解なんて無いはずですよね。


 今回のカンファレンスは、そんな疑問から始まったイベントでした。
 時間も無いのに、あえてカラーの違うパネルを3つも突っ込んでしまったのは、そんなわけです。

 そういう意味では、もうそんなことは分かっているよっていう方や、個別のブロガーの話をもっと聞きたかったという方にとっては消化不良な部分もあったかもしれませんね、すいません。
(そういう方は、是非今後ブログを通じてそれぞれのブロガーの方々と交流していただければ幸いです。)


 でも、個人的には、3つのパネルのそれぞれに個性的なスタイルや刺激的な裏話を聞きながら、ブログって人によって本当に使い方やコンセプトがバラバラで、実に面白いツールだなぁと、あらためて心から思った一日になりました。

 ブログを始めようと思っているけど、なかなか踏み切れなかった人や、ブログ燃え尽き症候群になってしまった人、そんな皆さんにも少しでも何か刺激がある一日だったら、イベントの言いだしっぺとしては幸いです。

 
 何だか変な感想レポートになりましたが、最後に齋藤さんに頂いた、出たばっかりの書籍「Blog on Business」からシックス・アパート創業者の一人であるミナ・トロットの言葉に深く共感したので引用しておきます。

「ブログとはコミュニケーションです。コミュニケーションが進化し続ける限り、どんどんブログも進化していくでしょう。」(ミナ・トロット)

 自分なりのコミュニケーションのツールとして、気楽にブログを使えば良いのかな、と思ったりする今日この頃です。

2005年12月14日

マイクロソフトもWindows Live Messengerで電話事業参入へ

マイクロソフト、まもなく「Windows Live Messenger」のテスト開始へ - CNET Japanを読んで。

 マイクロソフトのWindows Live Messengerのテストがそろそろ開始されるようです。
 Live Messengerは、いってしまえばMSN Messengerなんですが、これまでのテキストチャットソフトから、音声も含めた総合コミュニケーションツールになっているのが特徴。


 特に通信業界に影響が大きいのは、Live Messengerには、一般電話に電話ができるVoIP機能が入ってくる、と見られていることでしょう。
 先週の7日にはヤフーが「Phone Out」および「Phone In」の名称で有料VoIPサービスを提供すると発表していますから、これでスカイプだけでなく、マイクロソフトとヤフーも一般電話と通話のできるソフトウェアを保有することになります。

 GoogleもGoogle Talkこそ、一般電話との通話機能をまだ保持していませんが、既に広告経由の電話サービスである「Click-to-Call」のテストを開始しており、実質電話サービスには参入済み。

 さらには、いつのまにやらソニーも米国で無料VoIPサービスを開始していたりします。


 スカイプがスカイプアウトを開始した頃は、マイクロソフト等の既存企業は通信企業が優良顧客だから、電話事業に参入するのには躊躇するだろうなんて声もありましたが、今は昔ですね。

 もはや、インターネット時代の音声コミュニケーションの主導権争いは、完全に業界を超えたグローバルな戦いに移行している感があります。

 
 さらに興味深いのは、この新しい電話の戦いのメンバーに通信事業者の名前が全く出てこないこと。
 イノベーションのジレンマとは良く言ったものです。

 そうは言っても、当然現在の電話サービスを握っているのは既存通信事業者なわけですから、何らかの形で関わってくることとは思いますが・・・(マイクロソフトのWindows Live Messengerでは、MCIなどの通信事業者がパートナーとして有料VoIPサービスを提供する可能性が高いようです)
 少なくともこれまでの「電話屋」の定義は、根本から見直さないといけないようですね。

 
 なんだか数年後の電話関連事業を巡る環境が一体どうなっているのか。
 全く想像がつかない状況になっていそうな気がします。

2005年12月13日

Web2.0企業の成功とは、Web1.0企業に買収されること?

ヤフー、「del.icio.us」を買収--ウェブ検索は「人力対アルゴリズム」の勝負へ - CNET Japanを読んで。

 ソーシャルブックマークの代表的存在だったdel.icio.usがヤフーに買収されましたね。

 del.icio.usは、もともと個人で開始したサービスだったのが、4月に資金調達を行って、比較的中期的にビジネスを展開するようにも見えたのですが、ヤフーから良いオファーをもらったということでしょうか。


 それにしても、ヤフーといえば3月にFlickrを買収したのが記憶に新しいところですが、Web2.0まわりの企業を買収するのに明らかに力を入れているようですね。

 以前CNETに、ティム・オライリーのWeb2.0に関するレポートが絵掲載されていましたが、改めてそこに掲載されてあるWeb2.0の代表例として出されているサービスを眺めると感慨深いものがあります。

 そのリストは下記のような感じ。

Web 1.0 --> Web 2.0

DoubleClick --> Google AdSense
Ofoto --> Flickr
Akamai --> BitTorrent
mp3.com --> Napster
Britannica --> Wikipedia
websites --> blogging
evite --> upcoming.org and EVDB

 改めて各サービスについて振り返ってみると。

 Google AdSenseは、当然Googleのサービス。
 Flickrとupcoming.org、そして今回del.icio.usをYahooが買収。
 GoogleもYahooもBlogサービスは保有している上、WikipediaにはGoogleもYahooも支援を申し出、と。

 なんと、両社と今のところ関係が無いサービスは、BitTorrentのようなコンテンツ配信ぐらいという状態です。


 以前、「いい感じ」の「2つのシナリオ」という記事で、Web2.0的なポイント・ソリューションを提供する企業が主流ポータルに買収されるシナリオについて言及されていましたが、何だかそっちに流れは行ってしまっているような感じを受けます。
(とはいえ、買収に走っているのはYahooだけなんですが)


 まぁ、正直な話、個人的には未だにWeb2.0をどう理解したらいいのか良く分かっていなかったりするのですが。
 この買収の結果だけを並べてしまうと、Web2.0というキーワードは、まるでYahooをたきつけて、これらの企業を買収させるためのバズワードだったかの印象さえ受けてしまいますね。

(その辺りの話については、はてなのnaoyaさん弾さんの議論の方が興味深いので、そちらを参照していただくとして。)
 

 ただ、メディア・パブによるとWeb2.0で名前が挙がるようなCGM関連サイトではトラフィックが急増しているのが明らかにグラフから見て取れるとの事ですから、世の中がWeb2.0的なものに注目するという状況は、今後もしばらく続きそうです。


 The Best Web 2.0 Software of 2005なんてものもあるそうですが。
 はたしてこれらのサービスが大手に買収されるという流れがしばらく続くのか、独立で成功するサービスが出てくるのか、はたまたほとんどがブームに終わってしまうのか・・・
 しばらく注目したいところです。

2005年12月 9日

mixiが2ちゃんねるを名実共に超えた日?

「Web of the Year 2005」の年間総合大賞は「mixi」にを読んで。

 mixiが恒例のWeb of the Year 2005で年間総合大賞を獲得しましたね。
 話題賞でも電車男を押さえて1位。コミュニティ部門でも2ちゃんねるに次いで2位と堂々たる受賞です。

 おまけに同日にユーザー登録数が200万人を突破したと発表するおまけつき。
 「mixiの利用者が3000万人を超える日はいつか?」なんて煽り気味の記事を書いたのがつい4ヶ月前ですから、このペースには舌を巻くしかありません。

 このサービスが2年前の今頃にはまだ存在していなかったわけですから、なんともインターネットの移り変わりの早いこと早いこと。2年後がどうなってるかなんて想像もできないですね。


 ちなみに、個人的に気になったのがmixiと2ちゃんねるの位置関係。
 例えば、INTERNET Watchの記事でも、昨年と今年の記事を比べると、こんな感じ。

「Web of the Year 2004」の授賞式、ひろゆき氏ら著名人が集まる
Web of the Year 2005授賞式、mixi笠原氏や2ちゃんねる西村氏らが登場


 mixiのコミュニティが盛り上がりを見せ始めた頃、「mixiのコミュニティのおかげで、2ちゃんねるで書いていた人がどういう人だったか良く分かりましたよ」なんて言っていた人がいた記憶がありますが、たしかに同じコミュニティ部門とはいえmixiと2ちゃんねるはその性質がかなり違います。


 2ちゃんねるが基本的に書き捨ての名無しさんの集団なのに対して、mixiは実名かどうかは別としても全員一応固有のidを利用。
 当然2ちゃんねるでは、書いている人たちのバックグラウンドはほとんど分かりませんが、mixiだと友達のつながりや所属コミュニティ、日記などでその人の背景をかなり想像することができます。


 また、2ちゃんねるは、今年も電車男だけじゃなくエイベックスのま猫問題に、最近はVIP STARと話題を振りまいていましたが、その匿名性ゆえにマスメディアには悪の権化的に扱われることが多く、ネットを知らない人にはネットの怖さの象徴みたいな感じになっています。
 当然、2ちゃんねるを利用している人たちは、ネットリテラシーが高いと想像されるところです。


 その点、mixiが興味深いのがネットとあまり縁がなかった人でも、意外なほどあっさり虜になるところ。

 なにしろ、ものすごいのはユーザー登録数が200万人を超えてネットリテラシーの低い人が増えてきていると想像されるにもかかわらず、数十万人規模だった1年前と同じく「最終ログインが3日以内のユーザーの割合が約70%」のまま。
 これはすさまじいことです。

 まぁ、ユーザー登録200万に対しIDが220万を超えているようですから、退会率が10%ぐらいあるらしいという点を差し引いても、このログイン率の高さは脅威ですよね。


 ためしにAlexaのグラフで、mixiと2ちゃんねるのトラフィックを比較してみましたが、最近ちょうどリーチでも順位が入れ替わったようです。(ページビューではすでに1月ぐらいに抜いています)

 まぁ、Alexaを使っている人へのリーチなので、IT系中心だとは思いますが。
 なんにしてもAlexaによると、すでにmixiは世界で55番目のサイトになっているというのですから、スゴイ伸び率ですね。(2ちゃんねるは122位)


 今回のWeb of the Yearで2ちゃんねるがmixiを押さえて1位だったように、当然2ちゃんねるは、これからもいろいろ話題を振りまいてくれることでしょう。

 ただ、インターネットコミュニティの代表事例が、匿名掲示板の2ちゃんねるだけだった時代はそろそろ終わり、一般人も巻き込んだmixiがもう一つ新しいインターネットのイメージを作ってくれそうな感じがします。(とはいえ、当然mixiでも、これからいろいろなトラブルや問題が増えてくるとは思いますが・・・) 

 
 さて、はたしてYahooはこれを見て、そろそろ自社のSNSを始めるんでしょうか、それともmixi買収に動くとか・・・ないかな・・・
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