2005年7月21日

「テレビ」会社にとってオンデマンド配信は必要ない?

[R30]: テレビ番組のアフィリエイト、何で誰もやらないの?を読んで。

 実は先日、ひょんなことからテレビ東京さんに取材していただく機会をいただきました。

 なんでもP2Pの著作権がらみの話を土曜日のワールドビジネスサテライトで取り上げる予定とのこと。
 テレビに取材してもらうなんて滅多にないことなんで、これは知り合いみんなに教えなきゃ。と思っていたところ、ふと不安に。

 そもそも、テレビの取材ってどういう形で取り上げられるかも分からないどころか、本当に自分の発言が使われるかどうかも分からないわけです。


 本来なら、自分で内容を確認してから知り合いに教えたいところですが、テレビニュースなんて放送されるのはあくまでその日だけ。
 新聞や雑誌の記事なら、後でコピーしてFAXで送るという手も無くはないですが、テレビの動画ニュースではそれも難しかったりします。
 最初に取り上げた記事でR30さんが書いているみたいな、番組データを有料でいいからオンデマンド配信できる仕組みが、今週土曜日だけでいいから欲しくなってしまったりします。
(ということで、興味がありましたら是非今週土曜日のワールドビジネスサテライトを見てみてください、という宣伝でした。どういう感じで使って頂けるかは分からないんですが・・・(汗))


 ちなみにR30さんの記事を読んで、あらためて以前高広さんが、コンテンツの摂取形態には、ライブ、タイムシフト、オンデマンド、デリバリーの4種類しかないと発言されていたのを思い出しました。
 現在のテレビって基本的にライブしかないわけですが、そこはR30さんが指摘するように「テレビにはテレビというチャネルしかない」というのが、大きく影響していたように感じます。
 テレビ局の事業は、「コンテンツを電波でライブ配信してなんぼ」と考えている限り、それ以外の方法を考える必要が無いわけですよね。


 ただ、今回取材を受けて驚いたのは、テレビ局の方々が、このライブという一回だけの放送のために、かけている手間の大きさ。
 今回の私の取材だけでも事前打ち合わせとセミナー会場、実際の取材と3回も時間を割いていただきましたが、実際に電波に乗るのはしょせん数十秒程度でしょうから、実に贅沢な話。

 貧乏性の私からすると、せっかく時間をかけて作成したコンテンツなんだから、二度三度とおいしい仕組みを作れば良いのに・・・とか思ってしまうんですが、結局のところライブ配信だけで十分儲かるからあれだけのコストをかけられるということなのかもしれませんね。
 儲かっている限りは、無理して他の事業をやらないというのは、ある意味では悪い選択肢ではないような気もしてきます。
 (あくまで現状の事業の利益が維持できるという前提においてですが)


 まぁ、実際問題、オンデマンド配信が事業として定着するまでには相当時間がかかりそうな印象もあります。
 音楽配信も、各事業者が様々な方式でバラバラとやっていたときは、ほとんど鳴かず飛ばずでしたが、今の動画配信事業の状態はその当時を彷彿とさせます。

 先日「ネット動画配信は成功するのかしないのか」というのを書きましたが、そういう意味では湯川さんが「求められているのはネット配信じゃなくてオンデマンド」という記事で書かれているように「フジテレビや日テレがやろうとしていることは、その方向に向けての最初の一歩ということになる。この段階では大きな収益を上げることは不可能だろうから、今後はコンテンツ提供者の囲い込みが焦点になるはず。」というのが現状の正しい認識なんでしょうね。


 音楽配信においては、Appleが圧倒的な品揃えの豊富さと、1曲1ドルという低価格、さらにiPodという配信インフラの3点セットで一気にブレイクした感があります。
 動画配信においても、同様の3点セットが必須になるだろうとつくづく感じてしまいますが、はたして動画配信がそういうポイントを迎える時には誰が業界をリードするんでしょうか・・・やっぱTivoかな・・・

 (ちなみに先日の記事へのコメントで教えていただきましたが、HDDレコーダー版iTunesのようなモデルは東芝やパワードコムが共同で「ひかりdeDVD」というサービスを試していたりするそうです。これって評判はどうなんでしょうね?)

競合事業者への転職を本当に契約で阻止できるのだろうか?

マイクロソフト、グーグルを提訴--主要研究者の引き抜きをめぐって - CNET Japanを読んで。

 マイクロソフトがGoogleに転職した元幹部を訴えたそうですね。

 先日、マイクロソフトの広報ブログ責任者がスカイプに移ったニュースを紹介しましたが、「ここ数カ月の間にも複数の著名なMicrosoft社員がGoogleに移っている」そうで、どうもマイクロソフトはすっかり草刈場になってしまっているみたいですね。

 マイクロソフトも堪忍袋の尾が切れたのか、今回はGoogleと元幹部を競合禁止制限事項の違反にあたると訴えているようです。


 なんでも、根拠となっているのは、その元幹部の方がマイクロソフトに入社するときに交わした契約書。
 非競争事項と呼ばれる機密情報を入手できる立場にある社員を直接競合する事業者に転職しないように約束した項目がポイントになるようです。

 そういえばこの手の契約って良く聞きますが、実際に訴訟でどの程度防げるものなのかは良く分かりません。

 
 そもそも、ヘッドハンティングを受けるというのは、その人材に何かしら魅力があるからなはずですが、一般的にその魅力って総合職でもない限り業界の専門知識が大きく効くはずで。
 そういう意味では、そもそもこの手の主要人材の場合、転職先って同業種しかありえないような気もします。
 実際、社員がお客さんごと競合に移ってしまったなんて話は、別に良く聞く話ですよね。

 まぁ、今回のケースはマイクロソフトからするとよっぽど許せないケースということで訴訟に至ったんだと思いますが。
 ネット業界なんて、ほとんどの会社が競合のようにみなすことができますから、もしこの手の条項が厳密に適用されると、主要人材は入社時の踏み絵で一生縛られる・・・みたいな話になりかねないような・・・それはないですかね。

 
 ただ、こうやって訴訟とか振りかざして北風政策で縛ったところで、結局のところ出て行く社員は出て行くでしょうから、いかに社員が残りたがるような魅力的な会社でいることができるかというのが、これからどんな会社でも重要なポイントになってくるんだろうなぁ・・・と思ってしまいました。
(最初からそれができれば苦労はしないんでしょうけど)

2005年7月15日

ネット動画配信は成功するのかしないのか

フジテレビ、番組の有料ネット配信を本格化--提携複数もライブドアおあずけ - CNET Japanを読んで。

 フジテレビと日本テレビが立て続けに番組の有料配信に関する発表を行っていますね。

 ネットを通じた動画のネット配信、いわゆるビデオオンデマンド的なサービスは、インターネット以前のいわゆるマルチメディア時代からキラーコンテンツだと言われ続けて未だに大きな成功例が無いまま現在に至っている感があります。

 何と言っても、良く言われるのは「ネットの動画配信は採算が合わない」という点。人によってはインターネットで動画配信は流行らないとばっさり切る人も多いようです。


 ただ、個人的にはこの部分はあくまでいつか技術が解消する点だと信じてます。
 実際、ネットを通じた音楽配信についても同じような議論があった時代がありました。インターネット初期に音楽配信をビジネスにしようとして数々の事業者が失敗したり、鳴かず飛ばずだったりしましたが、それを踏み台として現在のAppleのiTunesの成功があります。


 動画配信においては、音楽ファイルに比べてもはるかにファイルサイズが大きいというハンデがありますから、そもそも設備投資が巨額になるため採算ラインが高くなります。
 おまけに関係者に話を聞いた感じだと、これまでネットで配信されていた動画コンテンツは、ISP事業者やポータル事業者がかなり高額で仕入れてしまったため、更に自ら採算ラインを上げてしまっていたのが実情だったようです。

 インフラも高いし、仕入れ値も高いでは、まぁもともと成功する確率は下がってしまうわけで、そりゃあ失敗するよなぁと言う話ですが、その失敗がトラウマになって再挑戦する意欲を失っている事業者も多いようですね。
 

 ただ、ここに来てUSENがGyaOで無料動画配信を行ったり、民放の主力が本格参入と風向きが変わって来ている感じがあります。
 そもそも、コンテンツホルダー自体が自主的に事業を行うのであれば、コンテンツの仕入れ値についてはコントロールが可能なわけでそもそも優位なわけで、そこに配信技術の向上によるコストの低下が追い風になっているのでしょうか。

  
 ちなみに、個人的には配信時のインフラの安定性が高く求められるストリーミング配信よりは、非同期で再生できるダウンロード型配信の方が有望だと思っていますが、日本ではフジといいUSENといい、ストリーミング配信が主流のようですね。

 フジテレビはISPと提携することで、インフラの安定度を確保する形で配信するということなんでしょうが、どうなんでしょう?


 iPodとiTunesの組み合わせの成功例にならうのであれば、現在急速に普及しつつあるHDDレコーダーに有料でコンテンツをコピーできるモデルを組み上げた方が良い様な気もするんですが・・・難しいのかな・・・

2005年7月14日

公衆無線LANサービスは3年ぶりに日の目を見るのか

NTTグループ、公衆無線LANサービスのインフラを統合 - CNET Japanを読んで。

7月1日には、ソフトバンクBBが2002年5月からの3年を越える長期にわたった試験サービスをようやく終了して商用サービス開始を検討する旨のリリースを出していたと思ったら、今度はNTTグループが複数あって分かりづらかった公衆無線LANサービスのインフラを統合するというニュースです。
(ただ、よく読むと最大のスポット数を誇っているはずのNTTコミュニケーションズのホットスポットは別のようなので、NTTグループで完全統合というわけではなさそうですが)

ソフトバンクの商用サービス開始に当たっては、Broadband Watch編集部ブログで甲斐さんが、「先ごろ発表されたライブドアの公衆無線LANサービス「D-cubic」の影響があったのでしょうか」と書かれていますが、ライブドアが公衆無線LANサービスのD-cubicを発表してからはや一ヶ月がたとうとする中、確かにどう見ても刺激を受けたとしか思えない展開ですね。


何しろ公衆無線LANサービスの事業開始ブームが通信事業者を中心に巻き起こったのは、もう3年も昔の話。
ライブドアのリリースまでは、公衆無線LAN業界はほとんど無風に近い状態が長いこと続いて来ましたから、このタイミングでソフトバンク、NTTグループと動きが出てきているというのは誰がどう見てもライブドアの影響でしょう。

ちなみに、海外では世界の公衆無線LANサービスをまたいで使えるBoingoという事業者がSkypeと提携しモバイルIP電話サービスを発表して注目を浴びていたりもしますし、ここに来て俄然公衆無線LANサービスが熱い感じですね。


まぁ、斜めに見れば今回も3年前と同様、話題だけに終わってしまう可能性もあるわけですが、公衆無線LANサービスに個人的にちょっと期待してしまうのは、やはり標準規格がすでにある程度成立している点。

現在の日本の携帯電話事業は、基本的に端末からサービスまで垂直統合型で一社提供になっていますから、キャリア毎に利用者は完全に取り込まれてしまうものです。

ところが、これが公衆無線LANサービスであれば、利用者が利用する端末は事業者独自のものではなく、業界標準に準拠したものを柔軟に利用することが可能。
同じ端末で違う事業者のサービスに手軽に変更したり、複数のサービスを併用するということが可能なわけです。


例えば、NTTドコモの利用者が、今使っている電話番号や携帯電話端末、それに利用しているサービスそのままにauに変更することはできません。電話番号は来年ナンバーポータビリティによって移動が可能になりますが、しばらくは端末等は事業者独自という路線のままでしょう。

それが、公衆無線LANサービスの場合には、仮にライブドアのD-Cubicを使ってSkypeで電話サービスを利用していた人は、ヤフーBBやNTTグループの公衆無線LANサービスに切り替えたとしても利用している技術は大体同じですから、普通はそれまで使っていた端末やSkype等のサービスはそのまま利用することができるようになります。

実際、上記のBoingoというサービスは、世界の公衆無線LAN事業者のサービスをローミングするようなサービスで、標準規格が決まっているWiFiならではのサービスだといえるでしょう。


これって事業者の視点から見ると、ADSLのような固定通信事業と同様に、利用者が強く事業者が儲からないビジネスになりそうなので、避けて通りたい道だとは思いますが・・・

ちなみに、ライブドアのD-Cubicに関連して日経コミュニケーションズで公衆無線LANの特別編集記事が掲載されていますので、興味のある方はこちらをどうぞ。

2005年7月12日

SNSって出会い系サイト?人脈管理ツール?それとも・・・?

悲劇的なgooリサーチ結果--SNSは認知も利用もされていない - CNET Japanを読んで。

 CNETの記事がインパクトのあるタイトルだったので、思わず釣られてしまいましたが、gooリサーチがSNSの利用実態に関する調査結果を発表したそうです。

 記事のタイトルの「利用もされていない」というのに引っかかったのですが、どうも内容を見るとそれは誇張のようですね。
 SNSのサイトのログイン率は週2~3日以上アクセスする人が7割程度と非常に高い数字になってますし、継続して利用したい人が84%以上と明らかに利用は激しくされています。

 どうもCNETの記事タイトルは、SNS利用者の「大半が少人数の登録にとどまっている」というところから「利用もされていない」となったようですが、ITmediaでは同じリサーチの記事が「SNSユーザーの3分の1が「毎日アクセス」」とトーンが全く逆。
 同じリサーチで、ここまでタイトルが違うと、ちょっと笑ってしまいますね。 


 そういえば、以前「SNSを利用したくない人が8割という結果」というのを2月に書いたのを思い出しました。

 まぁ、そもそもあまりこの手のリサーチは信じていないのですが、そのときのデータと比べると、ちゃんと利用経験がある人は3.8%から8.8%に増えてきてます。
 2月当時のmixiの利用者が当時30数万人が、現在100万人弱と考えるとおっとびっくり、意外にトレンドをちゃんと捕らえているとも言えそうです。
 (livedoorフレンドパークがGREEを超えているのはどうにも信じられませんが・・・意外に増えてるんでしょうか?)

 
 ちなみに、2月のリサーチでもSNSを利用したくない人が8割、今回のリサーチでも利用したくない人が7割超。
 SNSというサービスは、実に未体験者には嫌われるサービスなんだなぁと思って気になったのが、リサーチの時のSNSについての表現。

「友人・知人を紹介することで人脈を拡大することができるサイトである。登録(参加)には既に参加している人から招待メールを受け取ることが必要で、この点が従来のコミュニティサイトと異なる点だ。サイト上では自分のプロフィールや写真を公開できるほか、『小学校の卒業生』など特定のコミュニティに登録して人を探したり、見つけた人にメッセージを送るなどの機能がある。多くのサイトは無料で参加できる」

 うーーーん。
 これは出会い系サイトか人脈拡大ツールみたいですね。

 この説明だと、確かに誰も利用したいとは回答しないような・・・


 ただ、そう思って改めて考えてみると「SNSって何?」って聞かれたとき、とっさに一言で説明できる人ってほとんどいませんよね。

 実際、私の周りでは「えっ?この人もmixiにはまったりするんだ?」という人が、次々にmixiに取り込まれていったりしてます。
 しかも、その対象は年配の男性からITが苦手な女性まで、かなり幅広い感じもしますし、どうも良く見ていると、その人によってSNSの活用方法が全く異なるらしいという印象です。
 
 人によっては人脈管理ツールだし、人によっては出会い系サイト(?)だし、人によっては実名(仮名)2ちゃんねるだし、人によってはオフ会検索ツールだし、人によっては誕生日管理ツールだし、人によってはプライベートブログ(日記)だし、人によってはRSSリーダー代わりだし、人によっては写真アルバムだし。

 結局、SNSの魅力というのは、そういう誰にでも何かしら使い道があるところなのかもしれませんね。

2005年7月 8日

やっぱりブログ事業で儲かるのはビジネスブログらしい

CJICレポート4:個人ユーザー間で広がるブログをビジネスにも活用--シックス・アパート - CNET Japanを読んで。

 先日のCNET Innovation Conferenceのレポートが次々にアップされています。

 当日は、上記のシックス・アパートの関さんのワークショップには参加できなかったのですが、ブログをビジネスに活用したユーザー事例を複数紹介されていたようですね。
 この短期間に実に様々な事例が増えているようで、改めてビジネスブログがきているのを感じます。

 ちょっと前にブログブーム関連の話題を書いたことがありますが、改めて足腰が強そうなブームだなぁと思うのがこのビジネスブログ。
 

 いわゆる個人にブログサービスを提供するブログ事業というのは、結局のところほとんどの事業者が無料サービスの提供競争で全く儲かっていないイメージがあります。
 そもそも、個人向けブログサービスというのは新しい事業ですから、ゼロから市場を作る辛さもあることでしょう。


 それに対してビジネスブログ事業は、すでに攻めるべき既存市場があります。
 それがウェブ制作会社の市場と、これまでの高価なCMSの市場。

 なんでも先日プロバイダの人に聞いた話によると、一昔前のCMSはちょっと見積を取るとすぐ数百万・数千万の世界だったそうですが、それに比べればブログのシステムは非常に安価。
 普通の会社がホームページを作る場合も、リンクを張り替えるだけで5000円とかいう時代がありましたが、いまやブログを使って数十万円でホームページ製作を請け負う会社もあるぐらいです。

 まさにビジネスブログは、これまでの既存サービスに対する低価格の破壊的イノベーションなわけです。
 システムに詳しい人からすると、ブログのシステムなんかにお金を払うなんて無駄だという話も聞きますが、企業の視点からすると確実にコストダウンになるわけで、あの価格は十分安いというのが市場拡大のエネルギーになっているということでしょう。
 

 低価格なだけでも十分なのに、さらにRSSによる更新通知だとかコメントとかトラックバックによるコミュニケーション機能だとか、SEO効果に口コミ誘発なんてのまで見込めてしまうわけですから、それはもう最強ですよね。
 
 まだまだ現在はブログのシステムがカバーできる範囲は狭いかもしれませんが、ブログ事業者が本格的にホームページ用のシステム展開を始めれば、中小企業を中心に多くの企業のウェブサイトがブログ系のシステムを使ったものに・・・なんて未来になっても不思議ではなさそうです。

 ちなみにビジネスブログが何か良く分からない人には、この本が参考になります。

ビジネスブログのつくりかた 集客・営業・顧客サポートまでこれひとつ!
ビジネスブログのつくりかた 集客・営業・顧客サポートまでこれひとつ!

2005年7月 6日

P2Pファイル交換ソフトの法律論議を武器産業で例えてみる

PtoP有罪判決で期待されるPtoPビジネス利用の促進 - CNET Japanを読んで。

 先週、CNETでP2Pに関するコラムを書く機会を頂きました。

 写真を見て、改めて自分の顔のデカさを再確認してしまったりする今日この頃だったりしますが、滅多にない機会だと思うので、残念ながらトラックバックもついてないことですし、自分のコラムにトラックバックしてみたりします。

 ファイルを違法にコピーして広げてしまう、ファイル交換サービスの存在自体がそもそも業界にとって悪なのかという議論については、CNETで森さんが詳細について解説したコラムを書かれていますから、そこを是非読んでいただくとして。


 今回、このファイル交換ソフトをめぐる法律論争を眺めていて思ったのは、結局産業の綱引きというのはこういうことかもしれないなぁ・・・ということ。


 例えば、誤解を恐れずに今回のファイル交換ソフトのケースを、ライフルのような銃器のケースと比べて見ると。

 ファイル交換ソフトは、音楽業界にとって致命的になる可能性のある「著作権を無視したコピー」を簡単に実現してしまう危険なツール。
 ライフルは、「人殺し」という人類にとって最悪の犯罪を簡単に実現してしまう危険なツールです。


 WinnyやGroksterのような業界非公認のファイル交換サービスは、例えて言うなら、個人の改造拳銃や無許可の拳銃密輸業者。
 SNOCAPやMashboxは国公認のライフル製造事業者というところでしょうか。

 どちらの事業者も、作っているものは同じようなもののように見えますが、大きく異なるのは法律(というか既存の仕組み)を守ろうとしているかどうか。
 完全な善や悪なんてものは、やっぱりなかなか存在しないので、この微妙なラインを時代に合わせて区切るのが法律というものなんでしょうね。


 で、その法律のラインというのは、やっぱり産業間のつなひきで決まっていくものなのでしょう。
 マイケル・ムーア監督の「ボウリングフォーコロンバイン」を見た日本人なら、きっと「アメリカでも武器の販売を禁止すれば良いのに」と思うと思いますが、結局そうできないのは武器産業の綱引きが強いから。
 殺人事件の発生を減らそうという大儀はわかるものの、やっぱり銃器販売自体はやめられないという話でしょう。
 だから政府公認の事業者にはOKを出す。


 その視点で今回のファイル交換ソフトの議論をみると、結局のところ綱引きが強い業界の思惑が影響した感じがしてきます。
 イノベーションを止めないために、開発者責任を問わないというベータマックス裁判の大儀は理解できるものの、やっぱり行き過ぎは良くないよね、という話。
 結局、こちらも政府(音楽業界?)公認の事業者にはOKを出すという流れになるんでしょう。


 もちろん、ファイル交換と殺人の道具を比較すること自体が無意味なんですが。結局のところ法律の線引きなんてそういうものなんだなぁと感じてしまったりします。

 ただ、難しいのは国によってこの法律の線引きが異なる点。
 結局一国で禁止したところで国境を越えて簡単に類似のサービスを利用できてしまうわけで、果たしてこのインターネット時代にどこまで国がコントロールできるものなのかは良く分かりませんが・・・

2005年7月 5日

はてなブックマークがヤフーやGoogleと戦う日?

ヤフー、「My Web 2.0」のテスト版公開--ソーシャル検索機能を追加 - CNET Japanを読んで。

 少し前の記事になりますが、米ヤフーがソーシャルブックマークサービスを組み合わせたパーソナライズ検索機能を公開していました。
 
 遅ればせながらこのMy Web 2.0とはてなブックマークを比べながらいろいろ試してみて、今更ながらにソーシャルブックマークの可能性に気づかされた気がしています。

 なんといっても、最近テクノラティのようなブログ検索サービスを使っていて感じるのが、ブログ情報の増加による検索コストの増大。


 つい一年前は、ブログを書いている人なんてそれほどいなかったので、キーワードで検索しても主だったブログ記事を一通り見つけることができたのですが、最近は検索しても読んで良かったと思う記事に出会うまでが一苦労。
 特にドコモとかビジネス以外でもメジャーな会社の関連記事を検索してしまうともうオシマイ。あまりに言及が多くて、価値のあるブログ記事なんて見つけられません。


 ところが、今更ながらに気づいたのですが、はてなブックマークで検索すれば、そもそも誰かがブックマークした記事しかデータベースに存在しないわけで。
 最初から、誰かが価値があると認めた記事、ある程度価値のある可能性の高い記事が必ず検索でひっかかることになります。

 そういえば、と思い出したのがスラッシュドットのモデレート機能。スラッシュドットでは、掲示板のコメントに対して、メンバーがお互いに評価のスコアをつけることで、コメントを評価付けしています。
 で、利用者は自分がスコアいくつ以上のコメントしか見ないという選択ができるわけで、実に良くできた仕組みです。
(ちなみに匿名コメントは最初のスコアが0なので、デフォルトでは表示されないようになってます)


 で、あらためてソーシャルブックマークを考えてみると。
 良く考えたらこれって、ネット上の記事すべてに対して利用者全員がモデレートしあってる仕組みなわけですよね。
 下手なブログ検索より、実はソーシャルブックマーク検索の方が、濃い記事にめぐり合う可能性は高いわけです。
 
 何といっても大きいのは、全くブックマークされていない記事というのが最初から対象にならないこと。
 自然と人力によって価値がある(であろう)ページだけがソーシャルブックマークには収集されているわけで、記事へのリンクだけのブログや一行コメントのブログは自然と入らない仕組みになります。


 通常の検索エンジンは、大量の情報の山の中から、いかに検索している人に役立つ情報を浮き立たせるかということに注力します。その代表がリンクの数を基にしたGoogleのPageRankの仕組みなわけですが。
 ソーシャルブックマークは、すでに役に立つものだけが人力で集められたシンプルな人気ランキングの状態が出来上がってます。
 どちらが効率が良いかというと、どうも後者の方が効率よい情報収集ができるような気がしてきます。
 

 そういう意味では、ソーシャルブックマークサービスは、ブックマーク機能として利用するよりも、ブログ検索エンジンとして利用するのが正しい利用法なのでは・・・とか思えてきてしまいました。(現在のはてなブックマークだと、検索結果がブックマーク数順だけみたいなので、新着順とかもあると便利かも)

 そう考えると、日本のソーシャルブックマークのデフォルトになりつつあるはてなブックマークが、将来GoogleやYahoo!などの検索エンジンと競合するのを想像しても、おかしくないような気がしてくるのは私だけでしょうか?


 まぁ、Googleがdel.icio.usを買収するのでは?という憶測もありますし、日本のYahoo!も同様のサービスをそのうちリリースすることでしょうから、もちろん一筋縄ではいかないと思いますが。

 個人的には数少ない純日本発の企業であるはてなに頑張って欲しいところです。

2005年7月 1日

クールビズを超える究極の猛暑対策は在宅勤務?

今夏も欧州全土で猛暑--ロンドンでは在宅勤務者が急増 - CNET Japanを読んで。

 それにしても暑いですよね。
 本来なら梅雨のはずなのに、そんな季節感はどこ吹く風。
 ここ数日はまだましなものの、先週末の暑さには倒れるかと思いました。

 「クールビズ」とやらが無理やり流行らされたおかげで(本当に流行っているのかどうか知りませんが・・・)カジュアルな格好をしていても言い訳しやすくなった今日この頃ですが。

 欧州では、クールビズどころか、猛暑の影響で在宅勤務が増えているそうです。

 
 なんでも、ロンドンは「地下鉄は暑いし、ダイヤも乱れている。市内に向かう主要道路は渋滞しているし、会社についても空調の効きが悪い。さらに混雑時には電車の運賃が加算される。」そうで。
 暑い上に電車の運賃まで加算されては、そりゃあ在宅勤務したくなるよなぁと納得です。


 そういわれてみると、日本も冷房28度とかやるだけでなく、思い切って6月~9月の間は「金曜日は在宅勤務の日」と、日本中のオフィスを休みにしてしまった方が省エネには効果あるような気がしますが、どうなんでしょう。
 週に一日ぐらい家でやれる仕事あるような気がするんですけど。

 まぁ、でもそれだと結局家の冷房代かかるから、省エネってわけにはいかないか・・・ 

2005年6月30日

GREEはこのままmixiの後を追っていくのだろうか

グリー、携帯電話用サービス「GREEモバイル」を開始 - CNET Japanを読んで。

 GREEにも携帯電話用サービス「GREEモバイル」が登場のようです。
 ライバルであるmixiのmixiモバイルが開始されたのが2004年9月のことですから、ほぼ一年遅れでの携帯電話対応となります。

 一時期は、SNSサービスの代名詞という座をmixiと激しく争っていたGREEですが、いまや利用者が80万人も越えて近々100万人を窺おうとしているだろうと推測されるmixiに対し、GREEの登録者は18万人強。

 ちょっと見ない間にえらく差をつけられてしまったものですね。
 自称GREE派だった人間としては、ちょっと寂しいものがあります。


 ちなみに、個人的にはGREEを名刺管理サービス的(+誕生日お祝いシステム的)に捉えていましたが、最近目につくのはGREEの急速なmixi化です。
 GREEにも「あしあと機能」がついて激しい議論が巻き起こったのも記憶に新しいところですが、日記機能といい、今回のGREEモバイルといい、いまやGREEとmixiの機能的な違いを見つける方が難しいぐらいの印象があります。

 一年前にGREEとmixiの事業上の立ち位置の違いを考えたことがありましたが、その後GREEも個人の趣味のサービスから会社の事業へと変貌し、やはり同じ方向性を目指すのが得策と判断したということでしょうか。


 実際、個人的な利用方法としても、相変わらずGREEの方が友人の登録数は多いものの、最近は明らかにmixiにログインする回数の方が多くなっています。
 何しろ面白そうなイベントの企画がmixi内でされてしまうのが致命的。
 イベントの日程調整から、告知から、事後のレポートまで、全部mixiで完結されちゃったら、定期的にログインせざるを得ません。

 一度、非常に興味のあるイベントをスルーしてしまってからは、コミュニティのチェックを欠かせぬ日々になってしまいました。
 まぁ、mixiの3日間以内のログイン率70%という脅威の数字の理由も納得です。


 そういう意味では名刺管理サービス的だったGREEの方は、友達を確認したいときだけログインする程度になっちゃいますから、結局ログインするのは誕生日のお祝いメッセージを書くときぐらい。
 広告だとか、PV勝負のビジネスをするのであれば、GREEもmixiの後を追うのは論理的なのかもしれません。

 ただ、ここまで利用者の熱量のようなものに差が出てしまうと、今からGREEがmixiに単純に追いつき追い越すというのはなかなか難しいようにも思えますが、どうなのでしょう?


 少なくともここしばらくSNSのようなものを激しく利用するのは結局多くても3百万人ぐらいでは?という意見もあるようで、もしそうだとしたら、mixiがいまその3分の1を抑えようとしていることになってしまいます。
 

 ただ、GREEは田中さんをはじめ、元CNET編集長の山岸さんなどタレントが揃っているイメージがありますし、このまま単純な2番煎じに甘んじているとも思えないのも事実。
 ほとんどの機能がmixiと揃ってきた今、どういう違いを打ち出してくるのか、注目したいと思ってます。
(ただ、やっぱり同じようなSNSを二つ管理するのは面倒くさいけど・・・)
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