2006年5月23日

アメリカではいよいよ電話サービスも無料化が始まるらしい

スカイプ、米国とカナダで「SkypeOut」の無料キャンペーンを実施 - CNET Japanを読んで。

 先日、スカイプが米国でスカイプアウトを無料にするというニュースが話題になっていました。
 日本の利用者からすると、アメリカ限定じゃなくて日本でも無料にしてほしいと思うところだと思いますが、どうやらアメリカ限定というのが味噌のようです。

 あきらかにこの無料サービスのきっかけとなっているニュースがこれ。

 AOL『AIM』ユーザーに無料の電話番号を提供する新サービス


 日本ではほとんど話題になりませんでしたが、これは大きいニュースです。

 AOLというとどうしても日本では認知度が低いのでネット界での影響力も軽視されがちな印象があるんですが、アメリカのメッセンジャーに占めるシェアはいまだにAOLメッセンジャーが4000万人でシェアトップ。
 それに対してスカイプは600万人。


 そんなAOLがスカイプインにあたる電話番号取得サービスAIM Phonelineを、利用者に無料で提供し始めたわけですからインパクトは大きいです。
 しかもこの電話番号取得サービスは、ボイスメールも無料でセット。

 つまり、スカイプが、スカイプアウトと並ぶメインの収益源にしているスカイプインとボイスメールという有料サービスを無料で提供してしまうわけです。
(以前、スカイプカンファレンスで講演させていただいたときには、Googleが無料でやるんじゃないかと予想してたんですが、残念ながら外れですね。まぁでもGoogleもAOLに10億ドル投資して、Google TalkとAIMの相互乗り入れもあるのではという話なので当たらずとも遠からずということで。)


 スカイプインもボイスメールも無料というとすごい話に思えますが、実際にはスカイプインを一年契約しても支払いは5000円程度ですから、IMの利用者を一人獲得するのにかかる広告費を考えると、この規模の事業者にとっては実は安い経費なのかもしれません。 

 まぁ、こうなってくるとまさに体力勝負ですね。
 スカイプもeBayがバックについていますから、当然黙っているわけも無く、今回の対抗策となったようです。

 この戦いがどこまで飛び火するのかは良く分かりませんが、何しろAOLグループとeBayグループというトップクラスのネット企業の戦いですから、いよいよ電話サービスも、Hotmailやインスタントメッセンジャー同様、利用者獲得のための無料サービスという扱いになってくる可能性も十分ありそうな感じです。


 そう考えると気になるのは、日本でこの手法を取ってくるのは一体誰かということでしょうか。
 順当に考えるとソフトバンクグループのYahooメッセンジャーというところですが、どうなることか・・・

2006年5月18日

ウィニー女 一斉テストで、あなたの情報漏えい度をチェック?

 昨日、フジテレビのココリコミラクルタイプですごい企画を見てしまいました。
 その名も「ウィニー女 一斉テスト」

 なんでもウィニーの情報漏えい問題にからめて、ウィニー女=情報漏えい女=口軽女なんだそうです。
 おもわずメモってしまったので、興味のある方はどうぞ。

■ウィニー女 一斉テスト 全11問
1.耳ダンボになりすぎて仕事が手につかない
2.TPOをわきまえず発言することがある
3.筆談ができない
4.最近話に入れてもらえない
5.よく口止め料を貰う
6.ひとこと多い
7.「正しくは・・・」が口癖だ
8.酔うと記憶をなくす方だ
9.世話好きなところがある
10.ブログに実名が並んでいる
11.言い訳が下手だ


 実は、先日アスキーの情報漏えい対策セミナーで講演させてもらったときに、安部官房長官の「ウィニー使わないで」会見以降、これまで主流だった「Winny」という英語での検索に加えて、「ウィニー」というカタカナでの検索が急増しているので、今後は素人の事件がもっと増える可能性があるのではないかという話を紹介したのですが。

 なんだか民放におけるウィニーの取り扱いというのは、話題を突き抜けて完全にネタになってしまったようです。
 (下記にGoogle Trendsのグラフを参考まで貼っておきます)

■「Winny」の検索数推移
winny.gif

■「ウィニー」の検索数推移
winny2.gif


 セミナーの前に、平成教育予備校で浅草キッドの水道橋博士が「ウィニーで問題が漏洩してるんですよ!」って発言したのが使われてただけでも衝撃を受けてたんですが。
 番組の企画の一つに堂々と使われるようになるとは、完全にウィニーという単語はマスに到達したということでしょうか。

 この勢いだと今年の流行語大賞は「ウィニー」か「情報漏えい」あたりが入りそうな雰囲気ですね。


 そういえば、冒頭のウィニー女 一斉テストの番組での結果ですが。

2位が同率6点で眞鍋かをりと坂井真紀。
1位が7点の加藤夏希だそうなんですが。

 なんでも加藤さんは「ブログに実名が並んでいる」が当てはまるとかで、アップのショットにテロップで「Winny!」とかかれてました。
 皆さんもご注意を。

 ちなみに、次回は負け犬一斉テストだそうです。

2006年5月17日

VAIO Type Uに見るハードウェアとソフトウェアの可能性

 アカデメディアの「デジタルスタイル会議」に参加してきました。

 詳細のレポートは参加者の方の皆さんからあがってくると思うので、そちらを見ていただくことにして、個人的な感想をメモしておきます。

 今日の目玉は本日発表されたばかりのVAIO Type U
 ちょっと遅れてしまったので全部は聞けなかったのですが、開発者の方から開発経緯だとか製品にかける思いのプレゼンがありました。

 ミッキーのファンタジアをイメージしたスティックの操作感や、クリックしたときのアイコンの反応をバビル2世のロデムをイメージしたとか、ソフトウェアレベルの操作感にも深いこだわりを見せておられたプレゼンで、実に楽しそうにプレゼンをされていましたが。
 個人的に特に印象に残ったのは、ハードウェア開発の可能性の幅広さ。


 自分も仕事ではソフトウェア開発に携わっているわけですが、どうしてもソフトウェアだけの視点で開発を行うと、PCや携帯電話などの端末の制約が最初から頭の中にあるために、必要な機能を検討する段階から現在の端末の仕様を前提とした企画になってしまいがちです。

 それがハードウェアも一緒に開発できるとなると、実現できることは実に幅が広くなるんだなーというのが正直なうらやましい(?)感想です。
 今回のVAIO Type Uにしても、開発者がこだわっておられることは、WiFiやブルートゥースなどの機能の実装や素材の質感や手触り、スライドのフィーリングまで、実現できることは実に多彩です。
 私たちがアイデアを考えるにも、価格さえ無視すれば実現できることはたくさんあって楽しい会議でした。


 当然、ハードウェアの開発はソフトウェアとは全く違う難しさや課題があるわけで、誰もが手軽に参入できる分野ではないわけですが。

 今更ながらに考えてみると、ソフトウェアとハードウェアが切り離されているのってPC独特の文化。
 その関係でどこのメーカーも似たような感じのパソコンが並んでいる印象が強い分野でもありますが。

 今後は、ハードウェアと、ソフトウェアやユーザーインターフェースまでメーカーがコンセプトを持って開発する、VAIO Type Uのようなこだわりコンピュータみたいなもののニーズとか重要性って言うのが、もっと増してくるのではないかと思える会議でした。

 当日のログがueBLOGで公開されてますので、ご興味のある方はどうぞ

2006年5月12日

YouTubeを支えているのはやっぱり資金力みたい

YouTubeのネットワークコストは月1億2000万: suadd blogを読んで。

 Forbesの予測によるとYouTubeの回線コストは月100万ドルに達しようとしているようです。

 100万ドルってさらっと言われると「ふーーん」ぐらいの感じですが、日本円に直すと1億円以上。
 今後アクセス数が少なくとも現状維持されれば、年間13億円以上のお金が回線費用に消えていく計算になります。


 先日、「YouTubeにみるチープレボリューションの凄さ」なんて記事で、サーバーとかのコストが急激に低下しているからYouTubeのようなモデルが実現できるのかと勝手に想像して書いてましたが、この金額を聞くとちょっと印象が変わってきます。

 前の記事に、直也さんと、小飼さんから必ずしも大容量コンテンツだからサーバーのコストが高いとは限らないという指摘を受けたので、サーバー自体のコストはそれほど高くないのかもしれないんですが。

 ネットワークのコストだけで年13億円。
 従業員が25人だそうですから、一人平均年収400万円と低めに試算しても年1億円。
 賃料だサーバー代だとなんだかんだ考えると、年15億円以上の支出はある計算になってしまいます。


 4月にSequoia CapitalがYouTubeに800万ドル(約9億円)の投資をして話題になってましたが、この9億円すら8ヶ月程度で食いつぶす計算です。

  もちろん、年15億円以上支出があっても、収入があれば問題ないんですが、YouTubeの収益源といえばようやく最近Google Adsense等の広告を掲載し始めた程度で、まだまだそれほど大きな収入の目処は立っていないはずです。


 おまけに日本人の利用率が米国なみなんてデータもあるそうですから、米国の広告主からすれば日本人が閲覧している広告の効果は相当低くなるわけで、日本人の違法利用のために回線コストを負担してるみたいな話になってしまいますね。
(日本語ページを提供して日本人向けの広告を取れれば良いのでしょうけど)


 この計算だと今年末までには資金調達なり買収なり何かしらの動きがありそうな感じです。

 ただ、そういえば、海部さんが先日「再び、Web2.0とインフラの制約に思いを馳せる」という記事で、Flickrを買収したYahooが困り果てているという話を例に出して「なるほど、だからだーれもYouTubeに手を出さないワケだ」と書いていたのを思い出しましたが、確かにこれは買収する側にとっても判断が難しいギャンブルですよね。

 はたしてYouTubeは金の卵なのか、年15億円以上の金食い虫なのか。


 まぁ、Googleも創業後しばらくはたいしたビジネスモデルが無かったという話ですから、YouTubeもそのプロセスと思えば、ギャンブルとしては悪くないのかもしれませんが。
個人的にはワーナーと提携して話題になったBitTorrentあたりがP2P技術をうまく活かして、このCGMの分野に出てこれれば面白いのではと思いますが・・・)

 
 それにしても、やっぱりこのスケールのギャンブルができるというのにアメリカの懐の広さというかベンチャーへの旺盛な投資意欲を感じてしまいますね。

 日本でも、ソフトバンクとかUSENぐらいなら、この規模の先行投資をするかもしれませんが、ベンチャーキャピタルでこの規模のギャンブルをするのは日本ではなかなかお目にかかれそうに無いですね。


 先日、フジテレビが似たようなサービスを始めるといって話題になってましたが、はたしてどういうシナリオを想定しているんでしょうか?

2006年5月10日

はてなブックマークで売られたケンカは買うべきか?

ekken♂:はてなブックマークに反論が出来ないなんて誰が言ったんだ?を読んで。

 最近、はてなブックマークのコメント機能に関して、いろんなところで議論が盛り上がってきているようですね。

 上記のekkenさんの記事では、はてなブックマークで言われっぱなしが嫌なら「反論しちゃえば良いじゃないか」とばかりに具体的な反論方法がいくつも解説されていますし、トラックバックでkaienさんが「はてなブックマークのコメントに対して反論しづらいのは、単純にその文章が短いから」ではないかと指摘していたり、赤枕さんが「del.icio.usはツールであることを目指しているのに対して、はてなブックマークはコミュニティであろうとしている」という指摘をしていて、なるほど面白いです。

 そういえば、かなり前にHeartligicの小林さんがはてなブックマークのコメントが荒れやすいのを「割れ窓理論」で説明していましたが、確かに荒れているときのはてなブックマークのコメント欄は、書かれた方からすると暴力的に感じることもありますね。
  

 実は、私も一時期はてなブックマークの厳しいコメントに耐えられず、はてなブックマーク恐怖症になったことがあります。
 
 ブログからトラックバックとかで突っ込まれれば、またトラックバックで反論したりとか、そのブログのコメント欄に出かけていったりとか、議論のしようがあるわけですが、はてなブックマークだと一方的に言われっぱなし。
 なにしろ、一応1時間とか時間かけて書いた記事を、あっさり「中身が無い」とか「面白くない」とかバッサリきられたら、そりゃショックですしケンカ売られているような気分にもなりますよね。

 おまけに、自分自身、叩かれるのに強いタイプではないので、過去の胸に突き刺さるコメントの恐怖が忘れられず、せっかくたくさんの人にブックマークしてもらえたのが分かっても、ブックマークのコメント一覧を怖くて見に行けない時がありました。
(まぁ、そんな愚痴をSix Apartの飲み会か何かでこぼしていたらモダシンさんなら「そんなんならブログやめちまえ」とか言われてしまったわけですが。)


 そんな時に考え方を変えるきっかけになったのが、otsuneさんに教えてもらったブラックマジックの話

 詳細は上記の記事を読んでもらえればと思いますが、要は、どんな人でも議論でも一言でバッサリ相手を傷つけることは可能なわけで、そういうコメントを全部まじめに気にしてても仕方がないですよ、と。

 まぁ、たしかにそう言われればそうですよね。


 ちょうど先日、梅田さんも「総表現社会と村上春樹の言葉」という記事で、批評家の評論は読まないけれど、インターネットの読者の意見を全部読む村上さんの「「誤解がたくさん集まれば、本当に正しい理解がそこに立ち上がる」」という台詞を紹介されてましたが、こちらもなるほど納得です。

 どうしても、私たちは個人個人から言葉で攻撃されると反論したくなってしまうわけですが、自分がフィードバックとして受け止めるべきは、一人一人の厳しいコメントとかではなくって、全体としての空気のようなものなのかもしれないなーと思ったりします。


 さらにもう一歩、無理矢理アテンション・エコノミーな視点で考えてみると、厳しいはてなブックマークのコメントを残してくれた人も、わざわざ時間を割いて自分のブログを読んでくれた人なわけで、さらにわざわざブックマークしてコメントするほどの時間を割いてくれているわけで。
 上記のブラックマジック的な嫌がらせコメントはまぁ置いておいても、それ以外の人はわざわざ貴重な時間を割いてこちらのブログの批評をしてくれているわけですから、厳しい批評にしても誤解から生じた非難でも、売られたケンカではなく、自分を成長させてくれるアドバイスとして受け止めるべきなのかなーと、そんな風に思う今日この頃です。


 まぁ、そもそも自分がブログを書いているのは、文章を書く練習だったり、他の人にいろいろ教えてもらいたかったりするわけで、せっかくのブログに対するフィードバックに目を通さないなんて本末転倒な気もしますし。

 ということで最近は、なんとかはてなブックマーク恐怖症を克服し、はてなブックマークのコメントをできるだけ「前向きに」全部チェックするようにしています。


■はてなブックマークの批判コメントに対する個人的な心構えはこんな感じ。

・はてなブックマークのコメントを一通り見る
・たくさんコメントがあったら、全体の雰囲気を見る
・全体として厳しいコメントが多かったら、大いに反省する
・一人だけ厳しいコメントだったら、その人の他のブックマークを見る
・他も全部ブラックマジック系だったらスルーする。
・自分にだけ厳しいコメントだったら反省する。
・必要だったら反省を活かして、ブログで前の記事をフォローする記事を書く。
 

 でも、やっぱり胸に刺さるようなキツイコメントを見ると、その日一日凹んでしまったりするので、お手柔らかにお願いします、はい。
 

2006年4月28日

ページビュー見直し論で考える1ページビューの価値

メディア・パブ: やっぱり変だよMySpace,ページビュー見直し論へ発展へを読んで。

 メディア・パブによると、SNSのMySpaceのPVがMSNを抜いてYahooに追いつこうとしている状況だそうですが、それをきっかけにページビュー見直し議論が活発になるのではという指摘がされています。

myspacevsmsn.png

 何でも、MySpaceが怒涛のページビューのわりに2億ドル程度の売上しかあげられていないそうで、288億PVもあるサイトとしては低すぎるんじゃないの?というのが発端になっているとか。
 まぁ、288億PVとか2億ドルとか言われても実感が湧かないところではあるんですが、まぁページビューが水増しされているという指摘の根拠は確かに想像できます。


 普通のニュースサイトであれば、1記事に対して行われる行為は「読む」というある程度想像できる範囲の「1ページビュー」ですが。
 これがSNSのようなコミュニケーションの発生するサイトの場合は、自分の日記を書いたり、コミュニティに書き込みをしたりという行為の最中も1ページビューにカウントされることになっているはずです。
 
 例えばmixi日記の場合であれば、日記にコメント記入→確認→処理後メッセージ→戻ると、それだけで4ページビュー。
 もちろん、この間に広告に注意が移るのであればその広告の価値は当然あるわけですが、まぁ普通は操作中はあまり視線も寄り道はしませんよね。

 でも、これをAjaxで画面遷移無く実現すると4ページビューが1ページビューになっちゃうわけですから、ページビュー保証のバナー広告で生きている事業者からすると実はAJAXは期待の技術というよりも迷惑な技術かもしれなかったりします。


 もちろん、こういう話はニュースサイトであっても同じで。
 例えば、長い記事を複数ページに分割するか、1ページに出してしまうかというポリシー次第でページビューに与える影響は大きいはず。
 でも、同じ記事を1クリックで読めるニュースサイトと、2クリック必要だったニュースサイトではサイトの価値が半分になってしまうというのも変な話です。
 (もちろん、読みやすさの視点からページ分割は必要だとは思いますが)


 まぁ、それ以前に同じ1ページビューでも、果たしてその相手がたまたま迷い込んできてしまった1ページビューなのか、ターゲットとなる読者の1ページビューなのかで価値は大きく違うはずですし、オンラインショッピングする気満々の人の1ページビューと、暇つぶししているだけの人の1ページビューもまた違います。
 なので、ページビューで見ること自体に意味があるのかというのは昔から議論があったところではあるんですが、じゃあ他に良い指標があるのかと言われるとなかなか悩ましいところですね。

 サイトの滞留時間というのをあげる人もいますが、ブラウザがタブ化している現状だと開きっぱなしというのはよくある話ですから微妙な感じがしますし。
 じゃあJavascriptか何かでマウスがアクティブな状態かどうかを見ておくかというと、何かそれも本末転倒な感じ。


 そもそも昔から、メディアのアテンションの価値を計る仕組みとしては、イベントの動員人数から、新聞や雑誌の販売部数、テレビの視聴率までいろんなものが試行錯誤されてきているわけですが。
 入場料や販売部数の水増し申告なんてのは昔からよくある話でしたし、テレビの視聴率も一部のサンプルを元に決まる仕組みで昔からいろんな批判に晒されてますし。

 インターネットがアテンションを測定しやすいメディアであるのは間違いないものの、所詮、その手の数値なんて、そんなもんだと最初から思って、あくまで一つの指標と割り切って使うべきというところでしょうか。

 
 人によっては、そもそも指標自体がある程度あいまいだから、広告ビジネスは儲かるんだという視点もあるようですが・・・

2006年4月26日

自分はやっぱりWeb1.0な人間かも、と思う10の瞬間

今日から始める! Web 2.0超入門講座  ~初心者でもよくわかる「これからのWeb」のすべて~を読んで。

 ちょっと前の記事になりますが、INTERNET Watchで、heartlogicの小林さんが「Web 2.0を実感するために、ユーザーが経験すべき10のこと」の改訂版記事を書かれていました。

 確かに、このリストをこなしていけば、なるほどWeb2.0を実感できそうだという良いリストになっています。
 まだ見てない方は是非読んでください、お勧めです。


 ちなみに、このリストを改めて眺めていて個人的に思い出したのが昔書いた世代論の話
 そもそも、当時ブログ三日坊主の繰り返しだった自分が、継続して真面目にブログを書くようになったのは、いまでいうところのWeb2.0的な世代と知り合うようになって、自分とその世代の間の意識の差に気づき「このままじゃネット世代に置いていかれる!」と、ある意味恐怖したのがきっかけです。
 
 あれから、2年。
 
 自分としてはかなり努力してWeb2.0的な人たち、ネット世代な人たちに追いつこうとしてきたつもりですが。
 やっぱり、自分ってWeb1.0的だなーとか、PC世代だなーと思ってしまう瞬間があります。

 そんなわけで自戒の念もこめて、小林さんの真似して「自分はやっぱりWeb1.0な人間かも、と思う瞬間」をリストにまとめてみました。
 

その1:mixiの足跡機能がどうしても気になる
 やっぱり、自分の行動が記録されるという感覚にどうしてもなれることができません。おかげで、気軽にmixi内を見て回ろうとできない自分がいたりします。
 仕事中にmixiにログインするには、当然かなりの勇気が必要です。
(これがモバイルだと意外に気楽に見て回れたりするのですが)


その2:会社のブログと個人のブログは当然別物
 U30世代の人たちは会社のブログと個人のブログが一体化している人が多いようですが、自分はどうしても感覚的に仕事モードとプライベートモードを一緒にすることができず、会社のブログ個人のブログを、別々に立ち上げてしまいました。本音と建前がある人間ということでしょうか・・・
(まぁ、会社でも個人でもブログを持っている方が変という話もあるんですが)


その3:チャットソフトを仕事中は落としてしまう
 もちろんチャットソフトは仕事でも便利ではあるんですが、どうしてもチャットが入るとすぐに返事をしなければいけない錯覚に襲われるので、苦手です。
 おまけにプレゼンス情報を知られるのも、なんとなく苦手なので、ついついチャットソフトは落としてしまい、起動するのをそのまま忘れたりします。やっぱりメールが一番です。


その4:タイムリーにブログの記事がかけない
 自分の筆が遅いのと、考えがまとまるのに時間がかかるせいもあり、他のブログがもりあがっている話題に一周遅れで参加している自分がいます。
 もちろん、参加したイベントのレポートを当日に書くなんて絶対無理です。


その5:タイムリーにトラックバックもできない
 その4の延長ですが、せっかくトラックバックをもらっても、返事を考えている間に、その人のブログが他の話題に移っていて、今更感を感じてしまいトラックバックで上手く議論できたことがありません。
 でも、スパムトラックバックでも喜んでしまう自分がいます。
 

その6:ソーシャルブックマークはプライベートモードで使ってしまう
 せっかくソーシャルブックマークを使っても、自分がクリップした記事一覧を見られるのが何となく恥ずかしいので、ついついブックマーク一覧を非公開にしてしまいます。 
 それなら、ソーシャルブックマーク使う必要ないじゃん、と言われても当然反論できません。


その7:Flickrは写真のバックアップスペースとして使っている
 実は、背伸びしてFlickrの有料アカウント契約をしていたりするんですが、過去の旅行の写真を一通り放り込んで満足してしまい、Flickrの醍醐味らしいソーシャルな機能とか、ブログとの連携機能とかほとんど使いこなせていません。
 これだったら有料ストレージを契約して、そこにコピーしても一緒だったのではと思ったりします。


その8:mixiコミュニティよりMLの方が便利と思ってしまう
 最近、何かとクローズドな活動でもmixiのコミュニティが使われる機会が増えているのですが、それなら別にメーリングリストにすれば良いのに、とつい思ってしまう自分がいます。
 mixiのコミュニティにメール配信機能をつけて欲しい今日この頃です。


その9:Podcastingの録音が始まるとめっきり無口になる 
 ブロガーの集まりや飲み会で、最近よくいきなりPodcastingの収録が始まることがあるのですが、ICレコーダーのスイッチが入った瞬間に超無口になってしまう自分がいます。
 おしゃべりは好きなはずなんですが・・・・あの恐怖感というか真っ白感というのは何なんでしょうか。
 録音中は話を私に振らないで下さい。


その10:いまだにWeb2.0が何か説明できない
 はい、致命的です。


 とりあえず、その6のソーシャルブックマークだけは、最近公開するようにしてみましたが、果たしてそれ以外の壁を乗り越えられるのはいつになるのやら・・・
(そもそも、リスト自体がWeb2.0にほとんど関係無いのでは?という説もありますが)

 自分がWeb2.0に慣れた頃にはWeb4.0ぐらいになってそうで心配です。

2006年4月21日

やっぱりライブドアの技術力は結構すごいらしい

ライブドア、新RSSリーダー「livedoor Reader」ベータ版を公開 - CNET Japanを読んで。

 livedoorから新しいRSSリーダーがリリースされました。
 最初ニュースを見たときは、あれ?ライブドアってBlogリーダーなかったっけ?とか思ってたんですが、どうやら完全にゼロから作り直した模様です。

 宮川さんがブログでべたぼめしてたので、試しに使ってみたのですが、確かに凄いです。

 デザインもお洒落な感じですし、操作性やレスポンスも良い感じ。
 一通り欲しい機能は揃っていますし、レートを使ったフィードの段階評価やピンによるまとめ読み機能など、気合入ってます。
 私は個人的に相変わらずBloglinesを使い続けているんですが、これは乗り換えを真剣に考えさせられる一品です。ただ、ライブドアはいつものIDを取り損なっているのが微妙なんですが。
(ちなみに、処理中のときに人のアイコンが走っていて、失敗するとorzっぽいアイコンになるあたりのセンスを見るかぎり、最近入った最速の人が関わっていそうな感じですがどうなんでしょう。)


 ライブドアショック後、ひとしきりマスメディアから虚業だ何だとバッシングを受けていたライブドアではありますが、以前にITmediaで「こんな時だからこそ安定したサービスを」という記事でも描かれていたように、実は急増するトラフィックを淡々とこなしてきた技術者集団でもあります。

 インスパイア系のサービスが多いイメージもありますが、livedoorフレパがGREEのユーザー数を超えたなんていう話があるのを見る限り、ライブドアショック後もあいかわらずlivedoorIDの登録数は伸びているようですから、今回のlivedoor Readerのような良いサービスを継続して生み出すことができて、USENとの良いコラボレーションができると、案外早くに輝きを取り戻すことができそうな気もしてきます。

 お蔵入りになった球団名「ライブドアフェニックス」のごとく、新生ライブドアがライブドアショックから不死鳥のようによみがえることができるのか、注目したいところです。

2006年4月19日

グーグルは、破壊者か、全能の神か

グーグルGoogle―既存のビジネスを破壊する[R30]: 書評:「グーグル 既存のビジネスを破壊する」を読んで。

 すでに、多くの濃いブロガーの間で書評と議論が展開されていますが、私も話題の「グーグル 既存のビジネスを破壊する」を発売前に読ませていただくことができましたので、自分なりの感想を書いておきたいと思います。

 書籍についての具体的な書評は、冒頭のR30さんをはじめとする論客にお任せするとして。
 個人的な率直な感想としては、この書籍「グーグル」は現在のGoogleの立ち位置を、自分の中で整理するのに非常に役に立つ本でした。


 この数ヶ月、自分なりにずっと引っ掛かっていたのは、書籍の帯にも使われている「Google、破壊者か、全能の神か」というような議論。

 昨年、自分でも「Googleはネット世界の創造神なのか破壊神なのか」とか「Googleが次に破壊する市場はどこか」とか、Googleの破壊を意識した記事を書いたことがあります。
 Googleがあくまで一企業である以上、そういった神学論争的な議論をしても意味がないのは分かっているつもりではいるのですが、そういう議論をしたくなるのがGoogleという会社の特徴でもある気がします。


 今回、佐々木さんの「グーグル」を読んで改めて思うのは、Googleを中心としたネット企業が巻き起こしている、富や情報や既得権の再配分の規模の大きさ。
 既存の大手マスメディアから、駐車場やメッキ工場まで、これまでの価値感を逆さにしてしまうような規模で、これまでの「持てる者」からこれまでの「持たざる者」にパワーのシフトが起こっている感覚があります。
 
 当然、そんな規模のパワーシフトは、持てる者であった既存事業者からすれば破壊にしか見えないわけですが、持たざる者だった小規模事業者や個人からすれば、新たなビジネスチャンスの創造と言えるわけで。
 Googleを中心としたインターネットの未来についての議論が専門家の間で空回りしやすいのは、こういったパワーシフトのどこに自分がいるかで、それに対する視点が全く異なるからというのも大きい気がします。


 まぁ、どうも達観している人からすると、この辺りのパワーシフトの議論というのは本来はインターネット自体がもたらす変化として10年前に議論されていたビジョンだったようですので、ようやく本格化したというところでしょうか。

 そういう意味では、Googleもインターネット全体の中の一企業でしかないわけですが、そのインターネット時代の新しい価値感を体現する象徴として、Googleが実際の力よりも(期待と不安をこめて)大きく捉えられていて、神扱いされやすい感じもしないでもありません。(佐々木さんは司祭という表現をしていましたが、なるほどという感じです。)


 ちなみに、そんなことを考えていて改めて気になるのは、今後Googleの立ち位置はどう変化するのかという点。

 極端な例で例えてしまえば、躍進する過程のGoogleのポジションは、民衆から搾取することで大金を稼いでいた悪代官から富を奪い既存の秩序を破壊することで、民衆に富を還元している弱きを助け強きをくじくロビン・フッドやねずみ小僧のようなもんです。

 そういう意味では、Googleが利用者から人気があって、既存事業者から煙たがられるのは当たり前かもしれません。


 ただ、そのロビン・フッドが統治者の側になったときに、果たして民衆である利用者はどういう反応をするのかというのが個人的には気になります。

 やれBMWやサイバーエージェントがGoogle八分にあったという話であれば、まだまだ強いもの叩きで盛り上がれるわけですが。
 書籍に書かれていたような、Adsense狩りにあってアカウントを問答無用で抹消されたとか、自分のサイトが検索ロジックの変更で検索上位から消えてしまったとかいう話が頻発してくると、Googleに対する改革者としての期待が、統治者への不満や不信のようなものに変わってしまう可能性は十分あるわけで、改革者のポジションがいつのまにか統治者のポジションになってくることは十分考えられます。

 その時に、Googleはどこまで今のビジョンやブランドや立ち位置のようなものを維持することができるのでしょうか?


 まぁ、もちろんまだまだGoogleの「強い者叩き」の対象となる企業はたくさんありますから、まだまだしばらくはGoogleはロビン・フッドのポジションでいられるでしょうし、そもそも日本のインターネット市場の統治者はヤフーですから、また議論は全然別になってくるんだと思いますが。
 なんにしても、ここ数年のGoogleやそのライバルたちの動向からは目が話せそうにありません。


 それにしても、最近ブログで書きたいことはたくさんあるのに、持ち前の筆の遅さも手伝って、全ての話題に乗り遅れている感がある今日この頃です。

 ということで、濃い書評を読みたい方はこちらをどうぞ。

すべてを一度懐疑していく (404 Blog Not Found)
書評「ウェブ進化論」と「グーグル Google」。そしてメディアビジネスの競争構造の変化。 (FIFTH EDITION)
書評:「グーグル 既存のビジネスを破壊する」 (R30::マーケティング社会時評)
「グーグル Google 既存のビジネスを破壊する」佐々木俊尚 (ガ島通信)


グーグルGoogle―既存のビジネスを破壊するグーグルGoogle―既存のビジネスを破壊する
佐々木 俊尚


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

2006年4月14日

無線LAN共有サービスのFONがインフラただ乗り論に火をつけそう

ITmedia News:個人の無線LANを開放、世界中を“サービスエリア”に──「FON」が日本進出を読んで。

 GoogleやSkypeが出資をしたというので話題になった無線LAN共有サービスのFONですが、4月11日に日本参入を発表しましたね。


 Skypeは利用者のPCを活用することで、電話交換機網的なネットワークをインターネット上に形成し、無料の電話サービスを実現しましたが。
 この無線LAN共有サービスのFONは利用者の無線LANをお互いに利用しあうことで、利用者が無料で利用できる面的な公衆無線LANサービスを実現することを目指しているサービスです。

 無料の公衆無線LANサービスと言えば、バッファローが中心に取り組んでいるフリースポットというサービスがありましたが、フリースポットがどちらかというと店舗等の集客目的なのに対し、FONはあくまで利用者同士の協力によるオープンソース的なプロジェクトです。

 何でも、昨年11月にスタートしてから、すでに144カ国に2万9000人が登録をしているとか。
 まぁ、この数字だけ見ても果たして流行っているのかどうなのかはイマイチ判断できませんが、日本国内の登録者は46人との事なので、これから始まるというところでしょう。
(ちなみにフリースポットは、すでに3663拠点あるようです)
 
 
 公衆無線LANサービスと言えば、ヤフーやライブドアがサービス展開をしているもののイマイチ盛り上がらない鬼っ子サービスと化していますが、FONの場合に気になるのはサービスが流行るかどうかということよりも、やはり「インフラただ乗り」問題の行方でしょう。

 すでにUSENが展開する動画配信サービス「GyaO」やIP電話サービス「Skype」のトラフィック急増をきっかけに、通信会社の経営陣からよく発言されるようになっているインフラただ乗り論ですが。
 このFONの場合は、通信会社からするとインフラ自体を勝手に共有されてしまうわけで、GyaoやSkypeのようなアプリケーションよりも、さらに神経を逆撫でされるモデルです。

 もちろん、現状のFONのモデルはあくまで他人のアクセスポイントに無料で接続するには自分のアクセスポイントを無料で開放する必要があるので、FONのおかげで回線契約者やISP契約者が激減するという話では無いのですが、まぁやっぱり自分のインフラを勝手に共有されてしまうのは気に入らない話でしょう。

 また、Rauru Blogによると、バックボーン網の負荷がより深刻な問題になるのではという懸念もあるようですし、そもそも、ISPの規約上、利用者は勝手に自分の回線を他人に提供してはいけないのではないかという話もあるようです。

 まぁ、デジタルガレージの伊藤譲一さんなんかがバックアップして日本参入を発表しているぐらいですから、どこかのISPとある程度水面下で話がついているのかもしれませんが・・・
 注目したいと思います。

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