「アメリカ型成功者の物語」は超整理法で有名な野口悠紀雄氏が、シリコンバレーを中心とした地域の成功の背景について考察した本です。
あとがきを担当された滑川さん経由で献本を頂いていたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
この本は副題に「ゴールドラッシュとシリコンバレー」とあるように、19世紀のゴールドラッシュから、21世紀の現在に至るまで、サンフランシスコやシリコンバレーで起こった歴史的出来事と現在のシリコンバレーの隆盛にいたる背景を中心に描かれている本です。
最も驚いた話というのが、「19世紀のゴールドラッシュにおける最高の成功者がその理念を結実させた大学を作り、それによって、ITの世界が開けた」という話。(ジョン万次郎がゴールドラッシュがなければ日本に来れなかったかもという話も驚きましたが)
その大学というのが当然、サン・マイクロシステムズ、シスコシステムズ、ネットスケープ、ヤフー、グーグルを生み出したスタンフォード大学なわけです。

言われてみれば同じ西海岸ですからなるほどという感じもしますが、まさか歴史の教科書で学んだ出来事とインターネットがそういう繋がり方をしているとは思っても見ませんでした。
最近の「日本のWebは残念」論争にもつながる点だと思いますが、シリコンバレーというものが、こういったゴールドラッシュによって引き寄せられた人びとがつくりあげたカルチャーだとか、大学のインフラによって支えられていると思うと、そりゃ日本が10年程度でそう簡単に真似できるものではないなと思い知らされます。
もちろん、個人的には日本はシリコンバレーとは全く別のポジションにあると思うので、シリコンバレーをマネできないからといって敗北宣言をする必要もないと思いますが。
今回の梅田さんのインタビューに始まる論争で、イマイチ日本とアメリカ(特にシリコンバレー)の根本的な違いがピンとこなかったという方には、非常に刺激になる点が多い本だと思います。
【読書メモ】
■カリフォルニアのゴールドラッシュが多くのヒーローを生んだ条件
・自然条件
カリフォルニアの金脈は、地表近くに露出していた
・政治的条件
当時のカリフォルニアは、メキシコ領だった。つまり、政府が事実上存在しない自由の天地だったのである
■日常性への執着
あまりにスケールの大きな問題に直面した場合に、思考が停止する
■(ゴールドラッシュにより)「失敗はあたりまえ。恥ずべきことではない。失敗したらもう一度挑戦すればよい」という考えが、この地に根付いた
■(ジョン万次郎もゴールドラッシュで砂金取りに従事した)
カリフォルニアでの稼ぎがなければ、彼は日本に帰れなかったかもしれない。そうなれば、日本開国の歴史もだいぶ違うものになっていた可能性がある。
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