2006年5月28日

革命メディア ブログの正体 (伊藤 穣一 他)

革命メディア ブログの正体 ブログやFlickrなど、最新サービスの伝道者として有名なあの伊藤譲一氏が本を出したと聞いたので、早速買ってみました。
 伊藤譲一さんにお会いしたことは無いんですが、今の会社に来た初期のころに、飲み会で御手洗さんに伊藤譲一さんがしていたという「素人が作り出した無料のコンテンツの可能性」の話をしてもらい、大いに刺激を受けたという経緯があります。

 ただ、書籍を買ってから気づいたんですが、著者に名前が連なっている伊藤さんとTechnorati創業者の執筆部分は2章だけで残りはデジタルガレージチームによる共著。
 さらに副題でテクノラティの名前が出ているように、どちらかというとテクノラティを中心としたブログの世界観本という方が正しいようです。
(買う前に気づけという話ではあるんですが) 

 個人的に本を読んで印象に残ったのはやはり伊藤譲一さん執筆の第一章の部分。
 ブログやWeb2.0のような最近のインターネットの盛り上がりというのが、どういうことを背景にしているのかという点を整理して理解することができます。

 特に興味深いのは今のWeb2.0は初期のインターネットのころに理想とされていた本来のインターネットに戻ってきているという視点。
 もともとはインターネットはオープンなものだったのに、インターネットバブルの時にIT関連企業が大企業化したことでインターネットのイメージが本来と違うものになってしまっただけ、現在はもともとの思想に戻ってきているという指摘はなかなか興味深いものが有ります。
 最近、インターネットバブル前に書かれたレポートとかを読んでも、古い感じがしないのはそういうことかもしれません。

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2006年5月19日

見える化-強い企業をつくる「見える」仕組み (遠藤 功)

見える化-強い企業をつくる「見える」仕組み 最近、話題になっている「見える化」の本です。
 会社のブログで、見える化のまとめ記事を書いたのですが、こちらにも読書メモを書いておきます。

 書かれていることは非常に基本的な話ではあるのですが、改めて具体的に自分の身の回りに落として考えると、実はこういう視点で自分が仕事をできていないというのを痛感させられる本です。

 個人的に非常に印象に残ったのは、IT偏重による落とし穴。
 自分自身、システムやソフトウェアで企業やビジネスマンの生産性向上をするというのが目的なわけですが、どうしてもソフトウェア会社なだけに手段をPC等のIT手段に頼ってしまいがちです。

 本質的には問題の改善ができれば良く、何もかもIT化する必要は無いわけで、そういう意味では、はてなのようにデジタルの先端にいるようで意外に仕事をアナログに処理している会社っていうのは正しいなぁと思ったりします。

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2006年5月 9日

ブルー・オーシャン戦略 (W・チャン・キム)

ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する ブルーオーシャン戦略は、新市場を創造する戦略をテーマとしている書籍です。

 副題に「競争のない世界を創造する」と書かれているように、競争自体を無意味なものにする未開拓の市場〈ブルー・オーシャン〉をいかに創造するかというテーマについて体系だって解説されており、非常に参考になります。

 特に個人的に気になったのはブルーオーシャン戦略は「価値を高めながらコストを押し下げる」という点。
 一般的にはついつい「価値とコストのあいだにトレードオフの関係が生まれる」と考えてしまいがちですが、差別化と低コストをともに追求するというコンセプトは、興味深いものがあります。
(個人的にはブルー・オーシャンの対義語となるのが、血みどろの戦いが繰り広げられる既存の市場〈レッド・オーシャン〉というのが、なるほど納得という感じでした。)

 まぁ、こういった理論については実践できてなんぼというところですから、読んで分かった気になっているだけでは駄目なんでしょうけど・・・
 
 新事業に携わる方には是非お勧めしたい本です。

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2006年4月30日

手帳ブログのススメ (大橋 悦夫)

「手帳ブログ」のススメ FPNでもお世話になってるシゴタノの大橋さんが、このたびブログ本を出されました。
 光栄なことに献本を頂きましたので、感想をメモしておきたいと思います。

 副題に「日々の記録から成功を引き出すブログ術」とあるように、この本ではビジネスパーソンがブログを「手帳ブログ」としてビジネスツールとして活用することで、いろんな効果があるというのを教えてくれる本です。

 私も以前に、ブログは自分のために書くべき、みたいは話を書いたことがありますが、タレントや社長みたいにいきなりブログを始めれば読者がある程度ついてくれるという人ではなく、普通のビジネスパーソンがブログを活用するのに、このアプローチは結構参考になるような気がします。

 個人的に改めて気になったのは、自分のブログを読み返すという行為。
 これまで、比較的自分は書き捨てている傾向が強かったので、自分が書いたものを改めて後で読むというのはちゃんとやれていなかった気がします。

 大橋さんにちょっと似てるカワイイキャラの四コマ漫画が、ところどころに散りばめられていて楽しみながら手帳ブログ術を学べる本です。
 ブログを始めてみたいけど、続ける自信がないという方にお勧めですね。

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2006年4月27日

グーグル - Google 既存のビジネスを破壊する (佐々木 俊尚)

グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する  文春新書 (501) 先日感想自体はブログに書いたんですが、読書メモを書いてなかったので改めてメモ。
 
【関連リンク】
グーグルは、破壊者か、全能の神か (tokuriki.com) 
すべてを一度懐疑していく (404 Blog Not Found)
書評「ウェブ進化論」と「グーグル Google」。そしてメディアビジネスの競争構造の変化。 (FIFTH EDITION)
書評:「グーグル 既存のビジネスを破壊する」 (R30::マーケティング社会時評)
「グーグル Google 既存のビジネスを破壊する」佐々木俊尚 (ガ島通信)

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2006年4月19日

Life Hacks Press で GTDを学ぶ

Life Hacks PRESS ~デジタル世代の「カイゼン」術~ Life Hacks Pressは、日本のLife Hack(ライフハック)第一人者である百式の田口さんが、濃い執筆人を集めて執筆したライフハック専用ムックです。
 発売当日に読んだんですが、会社のブログにメモを書いたっきりで自分のブログに感想を書くのを忘れていたのでメモしておきます。

 やはり、このムックのお勧めは何と言っても田口さん執筆のGTD特集です。
 GTD(Getting Things Done)自体は、以前に読書メモも書いた「仕事を成し遂げる技術」というタイトルで日本語版の書籍も出ているのですが、田口さんは以前からこの本が原書に比べて読みづらいというのを嘆いていました。
 そういう意味でも、書籍を読まなくてもこのムックの特集を読めばGTDのポイントは大体抑えることができる濃い特集になってます。

 それ以外にもGoogleの活用術から、プレゼン術やマインドマップ、ブログやソーシャルブックマークの活用法など、いま注目の技をまとめて読むことができますので、お買い得の一冊です。

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2006年4月10日

アテンションエコノミー (Attention Economy) (トーマス・H・ダベンポート)

アテンション! アテンション!という邦題になっていますが、現代は「Attention Economy(アテンションエコノミー」昨年あたりからブログでも話題になっているキーワードです。
(書籍自体を出版したときは、こんなキーワードが流行ると思わずにアテンション!というタイトルにしたんでしょう。今だとドラマの本と勘違いされてしまいそうですが。)

 個人的にも、今年はアテンション・エコノミーというキーワードに注目したいと思っていたのですが、何だか分かったような分かって無いような感じになってしまっているので、改めて本を買って読んでみました。
 

 何でもkwmrさんによると、このコンセプト自体は97年頃から話題になっていたものだそうで、この書籍を読んでも、考え方自体は別にそれほど目新しいものではないことに気づかされます。

 書籍でも「アテンションはビジネスや個人にとって、真の意味での通貨となった」というくだりがありますが、実際、これまでも、テレビ広告の視聴率やバナー広告のPVなんかが、このアテンション通貨にあたる評価指標だったわけで、そういう意味では既にわれわれはとっくにアテンション・エコノミーに生きていたということかもしれません。

 で、その重要性はインターネットの登場により間違いなく増しているわけですが、個人的には書籍に書かれていた「視聴者のアテンションには限りがあり、ゼロサムの戦いになる」というくだりが気になっています。

 情報量が爆発的に増えているのに対しアテンションは有限であるために、企業側はこれまでのような物量投下で無理矢理アテンション獲得を増やすというよりは、ターゲットに対するきめ細かいフォローが必要になってきている気がします。
 そういったシーンではロングテール的な細かいニーズに対応したコンテンツの価値が上がってくるはずで、最近、Google Adsenseによってウェブサイトを持っている個人が、ある程度手軽にアテンションを換金できるようになっているのも当然の流れという感じもしてきます。
 (なんだか上手くまとめることができませんが)

 書籍の中では、広い意味でのアテンション・エコノミーについてだけではなく、その中で生きるわれわれ個人や、組織にとってアテンションがいかに重要かというのを事例と共に説明してますので、アテンションエコノミーというキーワードが、分かったような、分かってないようなという感じになっている方にはお勧めです。

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2006年4月 6日

一回のお客を一生の顧客にする法 (カール スウェル)

一回のお客を一生の顧客にする法―顧客満足度No.1ディーラーのノウハウ 3年ぐらい前に、社外取締役の人に薦められて購入した本です。
 (その後デザイン等を一新して再度販売されているようです)

 当時に読んで、何となく分かったような気分になっていましたが、あらためて読み返してみて、自分がいかに基本的な顧客サービスの姿勢がなっていないか考えさせられてしまいました。

 まぁ、日本では「お客様は神様」という表現があるように、アメリカに比べると無料の過剰サービスが基本のような国ではあるので、多くの人はこの本を読んでも当たり前のことだと感じるのかもしれませんが。

 顧客サービスについて悩んでいる方にはお勧めの本です。

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2006年4月 3日

The Wisdom of Crowds (みんなの意見は案外正しい)

「みんなの意見」は案外正しい 邦題の「みんなの意見は案外正しい」というタイトルだとぴんと来ない人も多いかもしれませんが。
 原題はThe Wisdom of Crowds(ウィズダム オブ クラウド)。ウェブ進化論でも話題になった群衆の英知というキーワードのもととなった書籍です。
(実は2004年に出版されていて、直後にHYamaguchiさんがレビューして話題になっていたりするんですが、翻訳されるのに2年近くかかっているんですね。)

 本書でも書かれているように、これまでの一般的な常識というのは「群衆」「大衆」というのは比較的あまり良いイメージでは使われません。極端に言うと、烏合の衆とか愚民とかいったキーワードにみられるように、大衆は能力のある個人には劣ると考えられがちです。
 ところがこの本では、多様な集団や群集が到達する結論は、「一人の個人よりつねに知的に優る」という一見これまでの常識に逆行する説を提示しています。

 ウェブ進化論においても、最後に梅田さんがあちら側とこちら側という考え方と組み合わせるもう一つの軸として提示していたのが不特定多数無限大を信じるかどうかというポイント。

 この部分をどちらとして物事を考えるかというのは、結構大きな違いを生んでくるような感じがします。
 本書では、群衆が個人よりも賢くなるケース、賢くならないケースについて具体的な事例を並べて解説してくれており、Wisdom of Crowdsがいまいち分からないという人にお勧めです。


 ちなみに、個人的に気になったのは中盤に出てくる「マタイ効果」の話。
 「有名な科学者の研究はさほど有名でない科学者の研究に比べて、膨大な数の引用がなされる。」という科学者の論文における「名声のパワー」の事例を紹介しているのですが、最近のブログ界も同じことが起こっている気がして、この認知と質のアンバランスの問題を技術によって解消することができるのかどうかが気になるところです。

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2006年3月28日

明日は誰のものか (クレイトン・クリステンセン)

明日は誰のものか イノベーションの最終解 イノベーションのジレンマで有名なクレイトン・クリステンセン氏の最新刊です。(とはいえ、もう発売されてからかなり経っているのですが)
 会社の人に借りた時の読書メモを投稿するのを忘れてましたので、今更ながら投稿です。

 今回の「明日は誰のものか」は、イノベーションのジレンマやイノベーションへの解に比べると、比較的引いた視点のように感じます。
 最初にイノベーションのジレンマを読んだときのような衝撃は当然望むべくも無いのですが、何となく1冊目2冊目を読んでもしっくり来なかった方に逆にお勧めかもしれません。
 いろんな産業の事例が並んでいて、どれかはきっとヒットするはずです。

 個人的には通信産業の事例がたくさんあったので、あらためて分かりやすく理解することが出来ました。

 最近、インターネットの普及を背景に、超低価格なイノベーションが次々に出てきている感覚がありますが、はたしてこれらは、破壊的なイノベーションとなって既存産業の市場をひっくり返していくのかどうか、そのときの産業のあり方とは、国はどうするべきなのか、と改めていろいろ考えさせられる一冊です。

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