2009年12月31日

エコシステム・マーケティング (江端浩人、本荘修二)

4904336399 「エコシステム・マーケティング」は、コカ・コーラの江端さんと、「大企業のウェブはなぜつまらないのか」などの著書でも知られる本荘さんが共著で書かれた書籍です。

 献本を頂いていたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。

 以前からコカコーラが運営しているコカ・コーラパークには注目していたのですが、この本に書かれている事例は正直、想像を大幅に超えているものでした。
 個人的には、企業が運営する自社メディアの重要性が今後ますます増して来ると考えていましたが、そのイメージを遥かに超えた事例をこの本では知ることができました。

 メディアに携わる方は、この本に出てくる「強力な自社メディアを持った企業がいくつか現れて、スターアライアンスのような連合をつくったら、我々既存のメディアの位置づけは大きく変わるだろう」というメディア企業幹部の言葉を重く受け止める必要があるかもしれません。
 インターネットを活用したマーケティングに携わる方であれば、是非読んでおくべき本ではないかと思います。
 

【読書メモ】

■日本コカコーラは740万人(2009年9月現在)の会員を持つウェブサイト「コカ・コーラ パーク」を中心に、さまざまなメディアやアクセスポイントを組み合わせて活用するIMCを展開している

■「マーケティング・キャンペーンはもう終わった。これからはエコシステムだ」(リシャド・トバコワラ氏 ディヌオ社CEO)

■エコシステム・マーケティングを実践するための6つのポイント
・互いを理解してパートナーシップ・モデルをつくる
・自社自信の強みと弱みを見極める
・バランスのよいパートナーを選ぶ
・消費者との新たなコミュニケーション軸を構築する
・消費者の視点からメッセージを出す
・相互のブランドを活用し、潜在的ファンを増やす

■従来のマーケティングでは、広告枠を買う、キャンペーンを行うというように、単発で一過性の施策を行うことが多かったので、短史眼的になりやすかった。
 一方、エコシステム・マーケティングでは、長い時間軸で物事を捉えていく。

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2009年12月30日

1の力を10倍にするアライアンス仕事術 (平野敦士カール)

4777109720 「1の力を10倍にするアライアンス仕事術」は、CNETでアライアンスInsightなどのブログも書かれている平野敦士カールが書かれた書籍です。

 献本を頂いていたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。

 おサイフケータイなどの立役者でも知られる平野さんならではの「アライアンス」というコンセプトをベースにした仕事術についてまとめられていますので、ついつい交渉相手を敵と思って対峙してしまう方には参考になる点がある本だと思います。


【読書メモ】

■企業と企業のアライアンスもしょせん人と人とのアライアンスである

■”自分の思考”を”みんなのもの”に転換してしまうのが、「アライアンス・シンキング」

■ブルーオーシャンになりやすいのは、「こんなのやりたいね」という前向きな思考ではなく、「なぜ、これがないんだろうね」という後ろ向きな不満なのです。

■「ランチをご一緒にしませんか?」だったら、案外うまくいきやすいのです。なぜなら、夕食以降はそれぞれ予定があったり、家で食べるなど、千差万別ですが、ほとんどの人は昼食を食べます。

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2009年12月30日

希望を捨てる勇気 (池田信夫)

4478011923 「 希望を捨てる勇気」は、アゴラなどのブログでも有名な池田信夫さんの書かれた書籍です。

 出版社から献本を頂いていたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。

 池田さんならではの視点で、日本の現状について考察されている本ですので、普段とは違う視点で日本の未来について考えてみたい方には、参考になる点がある本だと思います。


【読書メモ】

■そもそも日本人の所得は、国際的に見れば高い。「ワーキングプア」の年収が200万円でも、中国の平均賃金の5倍だ。

■事前のインセンティブと事後の正義にはトレードオフがある。
 事後の正義(事後的には正しいようにみえる判決や規制が、事前にわかっているとインセンティブをゆがめ、非効率的な結果をもたらすこと)

■過剰な雇用規制は「ワーク・ライフ・バランス」も破壊する。
 日本の労働者に残業が多いのは、彼らが働き者だからではなく、解雇規制の強いことが原因だ。繁忙期に雇用を増やすと後で解雇できないため、正社員の採用を絞って残業で業務の増減を調整するのである。

■日本の経験からいえることは、第一にゼロ金利や量的緩和は景気対策ではないということだ。景気対策としての効果はゼロになった段階で終わり、日銀が見ていたのは銀行の資金繰りだった。

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2009年12月29日

大人げない大人になれ (成毛 眞)

4478012245 「大人げない大人になれ」は、マイクロソフト日本法人の社長をされていたことでも有名な成毛 眞さんが書かれた書籍です。

 出版社から献本を頂いていたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。

 マイクロソフトの創業期をみていた成毛さんならではの人生観が書かれていますので、硬直した組織のカルチャーに違和感を感じている人には参考になる点がある本だと思います。


【読書メモ】

■世間の注目を集めるような飛び抜けた功績を残す人には、子供のまま大人になったような人物が驚くほど多い。

■ネオテニー:動物が胎児や幼児の持つ特徴を保持したまま成長する過程を指したもの
 このネオテニーという過程は、次第に一部の研究者の間で、動物全体の進化要因において重要な役割を果すものだと考えられるようになった

■私がマイクロソフト日本法人の社長を務めていた時期には、毎年全体の5%に当たる社員を最低レベルの人間からクビにしていた。(中略)よく組織改革などと声高に叫ぶことがあるが、保守的な社員を切らないことには、組織の活性化などできるはずもないと思う。

■人間が趣味や好きな事に没頭している時には、脳内で多くの化学物質が分泌されるのだという。ドーパミンと呼ばれるこの物質は、脳が「喜び」を感じたときに、脳の中心部である中脳から分泌される神経伝達物質の一種である。

■(ジェフ・ベゾスは)後に会社が大きくなったときに、「アマゾンも始まりはガレージだったんだ」と良いたいがためだけに、ガレージを出発点に選んだそうだ。

4478012245大人げない大人になれ!
ダイヤモンド社 2009-11-20

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2009年12月27日

「ツイッター」でビジネスが変わる (ジョエル・コム)

4887597517 「ツイッターでビジネスが変わる」は、米国を中心とするTwitterブームの背景や可能性について考察されている書籍です。

 献本を頂いていたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。

 この本は、POLAR BEAR BLOGの小林さんが翻訳されたということで、個人的にも身近な本なのですが、何といってもTwitterブームの震源地の米国で書かれた本ということもあり、Twitterブームの背景の考察や米国側の実例が充実しているのが特徴です。
 
 また、企業がビジネスでTwitterを活用するためのポイントやテクニックもかなり細かく書かれていますので、本気でTwitterのビジネス活用を研究したい人は是非読んでおくべき本だと思います。


【読書メモ】

■2008年11月26日 ムンバイで起きた事件を最初に伝えたのは、現場にいあわせた一般人だった。彼らはツイッターと呼ばれるウェブサイトのサービスを使い、速報を発信したのである。

■私たちはもはや、プロのライターや編集者を介さず、自分たちの間で会話することができるのである。

■いまや何かを発信するとは、参加することを意味するのである。

■(ツイッターは)更新があったら携帯電話で受信する設定にしているユーザーに対しては、書き込まれた内容がショートメッセージサービス経由で送信される。

■最初の頃、ツイッターはショートメッセージ送信にかかるコストをすべて負担していた。その後、米国、カナダ、インドの各国では、料金が割り引かれることで携帯電話会社との間に合意が得られた。

■短期間で大勢のフォロワーを得る7つの方法
・すでに知り合いの人を探す
・ブログで宣伝する
・フォロワーに報酬を払う
・専門知識を生かした回答をする
・他のソーシャルメディアを活用する
・ツイッターのアカウントをメールの署名に入れる
・コンテストを開く

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2009年12月27日

Twitter社会論 (津田大介)

4862484824 「Twitter社会論」は、「tsudaる」で一躍日本のTwitterのひとつの顔になった津田大介さんの書籍です。

 献本を頂いていたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。

 Twitter「社会」論とタイトルに銘打たれているように、Twitterの技術的な特性や可能性の話だけでなく、Twitterが日本のメディアや社会に与える影響を津田さん独自の視点で解説しているのが印象的な本になっています。

 Twitterが生み出している表面上の出来事だけでなく、その背景について考えてみたい方には参考になる点がある本だと思います。


【読書メモ】

■筆者の考えるツイッターの特徴は、大まかに分けて以下の6点だ
・リアルタイム性
・伝播力が強い
・オープン性
・ゆるい空気感
・属人性が強い
・自由度が高い

■筆者もモバツイッター解説とほぼ同時期にツイッターを利用し始めたが、モバツイッターの存在がなければ、自分がここまでツイッターにハマったかどうかわからない。

■日本語圏でも徐々にユーザーが増えていったのは、早い時期から藤川氏のような個人がAPIを利用して、ツイッター社がフォロー出来ていない部分を補ってくれたからだ。

■実はネットを流れる情報の多くはタイトルが付いている必要がない

■筆者のツイッターの基本的な使い方は以下の5通り
・いまなにしてる?に準じた日常報告
・時事ニュースやネットで話題になっていることに対する感想や解説
・日々生活している中で突然思いついた提案や教訓、冗談など
・ツイッターを使ったイベントの中継、いわゆる「tsudaる」
・自分の活動に関する告知

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2009年12月26日

Twitter革命 (神田敏晶)

4797357398 「Twitter革命」は、ビデオジャーナリストとしてもお馴染みの神田敏晶さんの書籍です。

 献本を頂いていたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。

 神田さんには、私もTwitter Night Vol.3とかでお世話になりましたが、考えたら2007年の段階で東京MXテレビでTwitter Nightを開催しているんですよね。
 日本でもかなり初期からその魅力に注目していた人の一人なのではないかと思います。
 
 そんな、神田さんならではの視点で、ツイッターの魅力を分析されていますので、前向きにツイッターの可能性を考えたい方には参考になる点がある本だと思います。


【読書メモ】

■ツイッターを、ビジネスに使えるものにしようだとか、これで何とか売上をアップさせよう、という視点だけで見つめるのはとても危険だ。

■「tweet(ツイート)が、日本語では”(鳥たちの)さえずり”と訳されている以上、人間がさえずると紹介するわけにはいかなかった。人間に取って一番さえずりに近い言葉として、便宜上選ばれた言葉が”つぶやき”だった」(デジタルガレージ枝氏)

■単なる「つぶやき」からパブリックな「ツイート」へ。
 ツイッターはただの「場所を超えた時間の共有」を目的としたSNSから、パブリックでリアルタイムな対話のツールになりつつある。

■「より多くの人々が主流メディアと言うプロの目によるフィルターではなく、ソーシャルフィルターを通じて、ニュースを選ぶようになってきた。くだらないニュースは、もう私の手元にはこない」(クリス・アンダーソン)

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2009年12月22日

ネットビジネスの終わり (山本一郎)

4569771785 「ネットビジネスの終わり」は、切込隊長BLOGでお馴染みの山本一郎さんの書籍で、以前ご紹介した「情報革命バブルの崩壊>」の続編とも言える本になります。

 献本を頂いていたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。

 一般的にネットバブルの終りについては良く語られていますが、インターネットビジネス自体が構造的な転換点に差し掛かっていることはあまり語られることがありません。
 そんなインターネットビジネスが抱えている根本的な問題を切込隊長らしく、ばっさりえぐっているのがこの本です。

 個人的にも、もうネットの中だけとか、いわゆるネットベンチャーだけを見てインターネットビジネスを語る時代は終わるだろうと感じていた人間ですが、それ以上に深刻な現実が横たわっていることに、考えさせられるところが多々ありました。

 特にメディア事業に関して印象に残っているのは、既存の新聞記者の年間コストが一人当たり2500万円近くかかるのに対して、月間10億PVのネット企業は年収450万円の人間4人で十分というくだり。
 私自身もメディア業界の片隅にいる人間ですが、このあたりのコスト感覚の断絶は、こうやって数字にされると筆舌に尽くし難いものがあります。

 特にネット関連事業に関して、来年以降の中長期プランを考えている方には、参考になる点が多々ある本だと思います。


【読書メモ】

■私たちが直面している2つの社会的な作用
・知識の分散化・小口化
・資本の高度化・集積化

■「良いモノを作ることが成功に繋がる」から
 「作り上げた良いモノを売るための仕組みを、どう構築すべきか」へ

■スウェーデンの国家予算よりも、いやまエリクソンのグループ世界売上の方が大きい

■売るための仕組み、マーケティングと実際の製品が組み合わさってはじめて「ビジネス」

■情報はタダと思いがちなネット界隈であるが、実際には取材するコスト、執筆する有識者のコスト、編集にかかるコスト、報道体制を維持するためのコストなど、さまざまな費用がかかって初めて情報産業は成り立っている。

■うがった見方をすれば、ネット時代が到来し、新聞の読者がネットに奪われているので、競ってウェブに進出して情報をネットで提供したが、そのコストをまかなうための広告事業すら黒字に転換せず、逆にウェブで見られるがゆえに有償読者離れを促進してしまい、やればやっただけ赤字を垂れ流す構造である。

■我が国では新聞記者を一人雇用するのに年間約1100万円の直接費用がかかり、社会保険やオフィス、交通費、取材費など必要なコストを含めると2500万円程度の費用がかかる
 一方、一般的なIT企業がウェブを維持するのに必要なランニング要因は年俸わずか450万円程度が相場で、PVが10億を超えるニュースサイト部門でもそれをハンドリングするのに4人程度でまわしている。

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2009年12月21日

目標による広告管理 (ソロモン・ダトカ)

4478550123 「目標による広告管理」はタイトル通り、広告の効果測定に関して書かれている書籍です。

 広告計画のバイブルとも言うべき古典だと聞いたので、勉強のために買って読んでみていたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。

 初版が出版されたのが1961年ということもあり、当然ネット以前の効果測定が中心の本になりますが、根本的な広告の効果の考え方を勉強するのに、参考になる本だと思います。


【読書メモ】

■広告のどんな結果を求めているのかがはっきりしていなければ、また、はっきりするまでは、広告の結果を測定することはできない

■特定の広告目標を最初にはっきりさせておけば、広告の結果は測定できる

■広告をマーケティング目的から区別すること
 マーケティングのほんの一部分である広告は、「ブランド選考」のような心理学的な効果を生み出すことにかかわっている。
 一方、マーケティングは、商品がつくられ、集められて、消費者あるいはユーザーに届けられるまでのすべての機能(広告も含めて)をカバーしている

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2009年12月21日

「Amebaなう」の真のライバルは、Twitterではなくアメブロだ をTechCrunchに投稿しました。

techcrunchjapan2.png 先日、ご紹介したように、現在、TechCrunch Japanのライターチームの一員として記事を投稿させていただいています。

 今回は、「AmebaなうはTwitterにとって、かなりの強敵になり得るんではなかろうか」の続きとして、Amebaなうの考察レポートを書いてみました。
 ご興味のある方は是非どうぞ。


10月にサービス開始を明言して話題になったサイバーエージェントのTwitterクローンである「Amebaなう」が、10月8日に携帯版、10月10日にPC版と続いてリリースされた。

091218amebanow
私自身、過去に個人ブログで「AmebaなうはTwitterにとって、かなりの強敵になり得るんではなかろうか」という記事を書いた経緯もあるし、この2社の今後の戦いはグローバルのデファクトスタンダードになっているサービスと、日本のネット事業者のサービスの戦いという意味でも興味深いので、実際にサービスを使っての感想をまとめてみたい。

Amebaなうの機能自体は、APIが公開されていないために外部アプリが全く存在しないことを差し引いても、メッセージの保存期限が1ヶ月だったり、フォロー数が500人で制限されていたり、一つ一つのメッセージのPermalinkが存在していなかったりと、正直Twitterとは比べるべくもない。

サービス開始初期に、かなり基本的なセキュリティのトラブルも発生するなど、システム面でのスケーラビリティだけでなく、セキュリティ面で懸念する声もある模様。現状においては、地球の神経システムを目指しているTwitterとは、ビジョンも思想も全く違うサービスだといえるだろう。

ただ、この点は開始してからまだ2週間もたっていないことだし、今後変更される可能性はあるので、現時点で評価するのは酷というものだ。

逆に、細かいAmebaなうの機能自体を見ると、日本人向けにTwitterの分かりづらい点をうまく修正してきている印象を受ける。@によるコミュニケーションを、Reというよりメールの返信に近い形にし、コメント一覧を手軽に表示できるようにしているし、投稿方法は面倒な印象があるものの画像添付ができるようになっているのも興味深い。日本のケータイ文化向けに絵文字に対応しているのも地味に重要なポイントだろう。

ただ、気をつけなければいけないのは、Twitterとの戦いにおいては、機能差というのは実はほとんど意味を持たないということだ。過去を振り返ってみると、「Twitterクローン」と言うのは、カテゴリとしての名称が存在する割には、完璧というほど類似サービスが駆逐されてきた歴史を持っている。

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