ちょっと一時期ネイティブアドの話題ばかり取り上げていて、人に会う度にネイティブアドの質問をされてしまうので、最近は少し自重していたのですが。
すごい興味深いデータを5月に教えてもらったのに、すっかりブログで紹介するのを忘れていたので、今更ながらご紹介します。
・Spending On Native Ads Will Soar As Publishers And Advertisers Take Notice
それがこちらのグラフです。
大きい画像はリンク先の記事でご覧になって頂ければと思いますが、ネイティブアドの米国の市場規模をBI Intelligenceが予測したものです。
米国のネイティブアド市場が綺麗に右肩上がりに伸びていく予測になっているのが一目瞭然のグラフで、すでに2015年でネイティブアド市場が100億ドルを超えてます。
つまりは米国のネイティブアドの市場規模が1兆円を超えている、というのも、ようやくネット広告費が1兆円を超えて話題になっている国の人間としてはぶったまげるわけですが。
さらに注目したいのはその内訳。
2015年のネイティブアド市場規模約100億ドルのうち、75億ドルを締める緑色は「ソーシャル」、つまりFacebookやツイッターなどのソーシャルメディアのインフィード広告なんです。
日本ではネイティブアド=記事広告と思っている人に未だに良く遭遇しますし、一般的には日本ではそっちの方が残念ながら主流派なんだと思いますが。
このグラフでその手の記事広告って赤色の「スポンサーシップ」で、実は2番手ですらなく3番手なんですよね。
2番手は「ネイティブスタイルディスプレイ」ですから、いわゆるバナー広告の代わりにネイティブアドを表示するタイプでしょう。
個人的には、記事広告タイプのネイティブアドがバズフィードを中心に急伸したことが日本のメディア業界で多いに話題になり、日本のメディア業界の人のネイティブアド=記事広告という印象を強めたと感じてます。
なにしろ2014年にはバズフィード売上1億ドル突破してるらしいですからね。
Adsense収入とかステマ記事の収入目当てで違法コピー記事乱立してる日本のコピペバイラルメディア系とは成功の規模感が全く違います。そりゃ影響受けますよ。
でも、実はそれでもバズフィードのような記事広告タイプのネイティブアドは、米国のネイティブアド全体の1割程度しか占めていないわけです。
以前アドタイの「ネイティブアドの定義は、Googleの検索連動型広告の歴史から考えれば簡単だ」というコラムで、ネイティブアドにはGoogleの検索連動型広告や、ソーシャルメディアのインフィード広告も入っているという話を紹介したことがありますが。
このグラフを見れば見るほど、ネイティブアドというカテゴリーが米国で注目されるようになったのは、FacebookやTwitterのようなソーシャルメディアにおいて彼らがバナー広告からネイティブアドにシフトしたことで、通常のメディアもそれを参考に自らが提供できるネイティブアドの形を試行錯誤した結果、バナー広告枠もネイティブ化され、記事広告形式のネイティブ広告が注目され、という流れなんじゃ無いかなと言う気がしてきます。
先日シェアスルーの日本参入が発表され高広さんが代表になって話題になってましたが、日本にもシェアスルーとかアウトブレインのような広い意味でのネイティブアドの主要プレイヤーが本格参入してくることで、日本ならではのネイティブアド=記事広告という不思議な誤解が早く解かれると良いなとつくづく思う今日この頃です。
ということで、今日は久しぶりにブログ書いたせいか、なんか長文の調子がでないのでこの辺で。