P2P ソリューション:大容量コンテンツ配信 BitTorrent(おまけ)

2004/8/25にjapan.internet.comに掲載されたコラムです。


本当は BitTorrent については前回で終わる予定だったのですが、ちょうどいいタイミングで新しいニュースが入ってきたので、紹介します。

先日、BitTorrent を活用して「普通のメールと同じぐらい簡単に、 4GB のファイルを送れるようにしよう」というプロジェクトが始まったのです。

■簡単に 4GB のファイルを送れるか?

そもそも 4GB がどれくらいのサイズか、というのはピンと来ない方も多いかもしれませんね。

例えば今話題を呼んでいる iPod mini が 4GB、 1,000曲の音楽を取り込むことができます。また、一般的な映画の動画が 1GB 程度と言われていますから、 3つから4つの映画のサイズということができますね。

とにかく膨大なサイズです。

では、メールで通常送付できる添付ファイルのサイズはどれぐらいでしょうか?

最近のほとんどの企業は 1MB~2MB 程度を上限にしているところが多いですね。

無料で大きなファイルを送付できると人気を呼んでいる宅ふぁいる便ですら 40MB ですから、その100倍のサイズということになります。

大容量の Web メールとして話題を呼んだ Gmail ですら最大容量が 1GB ですから、 4GB というのはとてつもない量です。

このように、大容量のファイルのやり取りというのは、非常に手間やコストのかかるものが多いのが現状です。

そこで、今回話題になったのが BitTorrent を使って「普通のメールと同じぐらい簡単に、4GB のファイルを送れるようにしよう」というプロジェクトです。

■BitTorrent の配信部分を簡単にできるか?

前回は BitTorrent の概要だけを説明しましたが、 BitTorrent は大容量のコンテンツを大量に配信することにフォーカスしています。

そこにフォーカスしすぎたこともあり、実は配信側は結構手間がかかるという課題を指摘されているのも現状です。

そこに目をつけたのが Downhill Battle という NPO で、この BitTorrent の配信の手間がかかる点を解消して簡単にしよう、というプロジェクトを現在 Battle Torrent という名前で進めているのです。

彼らのコンセプトに Blog との比較の例えが出てきます。

Blog という誰でも簡単に Web サイトを作れる技術ができたことにより、現在個人レベルでの情報発信が一気に進み、個人と既成メディアの力関係が変わりつつある、と言われています。

もし、大容量コンテンツを誰でも手軽に配信できるようになれば、音楽家や映像を作成できるアーティストは誰でも、自分の作品を手軽に世の中に配信できるようになり、利用者やアーティストと既成事業者の力関係が大きく変わって、面白い世の中になるのではないか、というのが、Downhill Battleのコンセプトのようです。

もちろん Downhill Battle 自体は、音楽事業者に対抗する位置付けがかなり明確な組織ですので、このプロジェクトがどのような方向に進んでいくのかは、まだ漠然としているところがあります。

ただ、本当に 4GB ものファイルを手軽にやり取りできる時代が来ると、インターネット文化にもまたひとつ大きな変化が来るかもしれません。