ネット動画配信は成功するのかしないのか

フジテレビ、番組の有料ネット配信を本格化–提携複数もライブドアおあずけ – CNET Japanを読んで。

 フジテレビと日本テレビが立て続けに番組の有料配信に関する発表を行っていますね。

 ネットを通じた動画のネット配信、いわゆるビデオオンデマンド的なサービスは、インターネット以前のいわゆるマルチメディア時代からキラーコンテンツだと言われ続けて未だに大きな成功例が無いまま現在に至っている感があります。

 何と言っても、良く言われるのは「ネットの動画配信は採算が合わない」という点。人によってはインターネットで動画配信は流行らないとばっさり切る人も多いようです。

 ただ、個人的にはこの部分はあくまでいつか技術が解消する点だと信じてます。
 実際、ネットを通じた音楽配信についても同じような議論があった時代がありました。インターネット初期に音楽配信をビジネスにしようとして数々の事業者が失敗したり、鳴かず飛ばずだったりしましたが、それを踏み台として現在のAppleのiTunesの成功があります。

 動画配信においては、音楽ファイルに比べてもはるかにファイルサイズが大きいというハンデがありますから、そもそも設備投資が巨額になるため採算ラインが高くなります。
 おまけに関係者に話を聞いた感じだと、これまでネットで配信されていた動画コンテンツは、ISP事業者やポータル事業者がかなり高額で仕入れてしまったため、更に自ら採算ラインを上げてしまっていたのが実情だったようです。

 インフラも高いし、仕入れ値も高いでは、まぁもともと成功する確率は下がってしまうわけで、そりゃあ失敗するよなぁと言う話ですが、その失敗がトラウマになって再挑戦する意欲を失っている事業者も多いようですね。
 

 ただ、ここに来てUSENがGyaOで無料動画配信を行ったり、民放の主力が本格参入と風向きが変わって来ている感じがあります。
 そもそも、コンテンツホルダー自体が自主的に事業を行うのであれば、コンテンツの仕入れ値についてはコントロールが可能なわけでそもそも優位なわけで、そこに配信技術の向上によるコストの低下が追い風になっているのでしょうか。

  
 ちなみに、個人的には配信時のインフラの安定性が高く求められるストリーミング配信よりは、非同期で再生できるダウンロード型配信の方が有望だと思っていますが、日本ではフジといいUSENといい、ストリーミング配信が主流のようですね。

 フジテレビはISPと提携することで、インフラの安定度を確保する形で配信するということなんでしょうが、どうなんでしょう?

 iPodとiTunesの組み合わせの成功例にならうのであれば、現在急速に普及しつつあるHDDレコーダーに有料でコンテンツをコピーできるモデルを組み上げた方が良い様な気もするんですが・・・難しいのかな・・・

“ネット動画配信は成功するのかしないのか” への4件のフィードバック

  1. HDDレコーダーも
    寿命問題が顕在化するリスクがあります。
    HDDって本来は一時的な保管手段ですが
    永久的に保存するようなイメージをユーザーに
    与えてしまいましたから、他の手段を考える必要がありますね。

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