携帯電話の番号ポータビリティ制度導入の勝者は誰か

携帯電話の番号ポータビリティ、2006年11月より開始へ–総務省が意見募集 – CNET Japanを読んで。

 総務省が、携帯電話の番号ポータビリティ制度に関するパブリックコメントの募集を始めたようですね。

 いよいよ番号ポータビリティ制度の導入を来年2006年11月1日に控え、最近、携帯電話事業者の値下げ競争や、新規参入事業者の展開が激しくなってきている感じがあります。

 特に既存の携帯電話事業者で必死感が漂うのがボーダフォン。
 数々の割引サービスを実施して、何とかお得感を演じようという感じですね。特に、パンドラの箱と言われていた通話定額を先頭きって実施したのは、なかなか意義深い出来事でしたし(ウィルコムが既に実施していましたが)、先週には来年10月から自社の通信網を他事業者に貸し出すMVNOサービスを開始すると発表するなど、なりふり構わず多様な打ち手を打ってきている感じです。

 まぁ、ドコモがお財布ケータイやiアプリ、auが着うたフルなど端末と連動したサービスの魅力向上で、ある程度の既存顧客の囲い込みの目処をつけているのに対し、ボーダフォンの顧客は相当の草刈場になってしまうのではないかという人もいましたから、当然の展開と言えば当然というところでしょうか。

 また、新規参入事業者側も、BBモバイル、イー・アクセス、アイピーモバイルの3社にいよいよ11月9日に認可が下りたこともあり、イー・モバイルが300億円以上の資金調達を行うなど動きが激しくなってきている感じです。

 
 さて、問題はこれで実際に番号ポータビリティが開始された時に、どれだけの利用者が現在使っている事業者を変更するか、ということでしょう。要はシェアがどれだけ変わるかということです。

 個人的にはどうしても固定電話のマイラインで発生した顧客獲得合戦が思い出されてしまいます。
 あの時も利用する事業者を選択するマイラインの開始で、固定通信事業者のシェアは大変動するのではと言われていましたが、ふたを開けてみるとそれほどでもありませんでした。

 もちろん、携帯電話の番号ポータビリティは、これまで非常に難しかった携帯電話事業者変更を容易にするもので、マイラインほど影響が無いということはありえないのですが、それでも短期的には意外にシェアが変わらないかもしれないなーと思ってしまうのは私だけでしょうか。

 
 個人的な注目としては、単純な電話のシェア争いではなく、ソフトバンクBBがADSLで実現したような、競争の軸をずらした形での新サービスのシェア争いが始まるのかどうかという点があります。 
 そういう意味でも新規参入事業者が、どのようなビジネスモデルを打ち出してくるのかは非常に注目してます。
 ただ、新規参入事業者が番号ポータビリティ開始で、いきなり存在感を増すかというと、どうかなーというのが個人的な印象です。

 はたして、番号ポータビリティ開始によって、どの事業者が勝者になるのでしょうか?
 

 まぁ、実は事業者以外を含めて言うと。
 番号ポータビリティ開始による本当の勝者は、ほぼ間違いなく、サービス競争激化によって日々の支払う料金が減るであろう我々利用者と、関連広告の増加が見込まれる広告代理店とか広告媒体だろうということは、おおかた予想がつくんですけどね・・・

“携帯電話の番号ポータビリティ制度導入の勝者は誰か” への1件のフィードバック

  1. 携帯電話の番号ポータビリティ制度導入の勝者は誰か

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