いよいよ、WISH2010の開催もあと10日ほどに迫ってきてしまいました。
いしたにさんとモダシンさんに「徳力はもっとブログ書け」とインタビュー誌面上から公開追求されてしまった(汗)のもありますし、せっかく先日インプレスさんにWISHの背景についてインタビューしていただいたのもありますので、ちょっとここで自分のWISH2010に対する思いをまとめておきたいと思います。
・第2回「WISH2010」開催~オーディション形式で新サービスをプレゼン
最近はすっかりマーケティング周りの仕事ばかりしている私ですが、実は私が本当に好きなのは最新テクノロジーであり、最新テクノロジーを使って作られているウェブサービスや端末の数々です。
前職のアリエル・ネットワークで、マーケティングをかじっていた際には、最近すっかり更新出来ていない「ワークスタイル・メモ」というブログで、日々海外の最新ウェブサービスやソフトウェアを分析し、レビューを書くのが仕事でもあり趣味でした。
そんな日々を送っていてとても気になっていたのが、海外のウェブサービスはリリースしたときに結構大手のブログに露出することが多く、スタート直後に結構な利用者を集めているケースもあるようなのに、日本ではそういうスタートダッシュに成功するケースがあまり見られないという点。
もちろん、海外では最初から案外ちゃんと資金を調達しているベンチャーが多いのに対し、日本では個人運営のサービスとか業務の時間外に開発されているサービスが多いような印象も強いので、単純比較する意味はないとは思うのですが。
それにしても、やっぱり自分自身、米国の最新事情に注目しすぎて、日本のサービスをちゃんと見ていなかったなぁという反省があります。
そんな中、昨年慶応KMDで伊藤穣一さんのDigital Journalismの講義にゲスト出演した際に、非常に印象に残った一言があります。
(Photo by Fumi)
正確には憶えてないのですが、それは、
「ビジネスモデルがあってユーザーがいないサービスはほぼ間違いなく失敗するけど、、ユーザーが100万人いてビジネスモデルがないサービスの方が成功する確率は間違いなく高いよ」
という趣旨の発言でした。
多分、授業の前に伊藤穣一さんがツイッターのビジネスモデルってどうするの?って参加者の方に聞かれた時だったと思うんですが、まだ当時ツイッターも日本で流行るかな?ぐらいのステータスで、全く収益を上げていなかった頃でした。
ツイッターにビジネスモデルがないこと自体を指摘されたときには、伊藤穣一さんも正直苦笑いに近い表情だったのですが、上記の発言の際には目が真剣だったのをよく覚えています。
一般的には、新しいサービスを立ち上げる際にはビジネスモデルとセットで考えるのが当たり前だと思います。
事業としてやる以上、ある程度の収益をあげなければ開発者も生きていけませんし、最初は趣味で楽しくて無料で提供出来ていても、長期間サービスを継続するためには、当然ある程度の収益は必要なはずです。
ただ、冷静に歴史を振り返ってみると、本当に革命的なサービスって、実はサービス開始当初は逆に、ビジネスモデルが無い無いと指摘されているケースが多いような気がしてきます。
Twitterも、ついこの間までは、どうやって収益を上げるのかと心配されていましたし、YouTubeもGoogleに買収されるまで毎月巨額の赤字を垂れ流していたと言われています。
mixiやGREEもなんだかんだ黎明期にはビジネスモデルが無いと指摘されていましたし、Googleでさえ検索連動型広告が開発されるまでは、せいぜいB2Bで検索機能をサービス提供するぐらいのイメージしか持たれていない会社でした。
それが、利用者が増える過程でビジネスモデルが見つかった途端に、強烈な利益率をたたき出す企業に変身することがあるわけです。
Googleや、mixi、GREEについては言わずもがなですが、最近のケースで言うと、例えば位置情報サービスのFoursquareもスターバックスなどの企業のプロモーションをビジネスにしようとしているようですし。
昔は、単純な位置情報のゲームに見えていたコロプラも、サービス開始当初はビジネスモデルは無かったものと想像してますが、今や利用者も100万人を超え、東京メトロとタイアップするなど、様々なビジネスモデルを模索しています。
ニコニコ動画も長らく赤字体質を指摘され続けていましたが、いまや黒字化したそうですし、クックパッドもサービス開始当初から考えると想像できないほどの優良企業になっています。
でも、ほとんどのサービスは、なかなか100万人にユーザーが届くまで長時間辛抱できないですし、その前にそもそも諦めてしまうことの方が多いように思います。
そういう意味で、結構ウェブサービスに取って重要なんじゃないかな、と思うのが利用者が臨界点に達するまでのスピードを、加速させてあげること。
もちろん、日本だけでそんなに簡単に利用者100万人まで行くサービスを開発することはできないと思いますが。
もし仮に10万人まで利用者が到達するのに5年かかるところを、2年半で到達できれば、サービスの収益化が見えるまで辛抱しなきゃいけない時間が半分になることになります。
現在は、ツイッターやブログのおかげで、私たち利用者自身も、そんなサービスの利用者増加に小さいながらも貢献することは可能なはず。
WISH2010は、そんな利用者がサービスを応援するという行為が普通になる、一つのきっかけになれば、と思っているわけです。
とはいえ、そんな私の妄想は、イベントに参加いただいたり、Ustreamを見ていただく皆さん一人一人の協力がなければ、絶対に実現されません。
是非、8月28日(土)に時間が空いてるよ、という方は、イベントにご参加頂ければ幸いです。
(本日より、無料チケットの申込も開始しましたが、懇親会に参加できる方をできるだけ優先して席を確保したいと思っていますので、夜の懇親会も参加できるという方は、早めに前売りチケットをお求めください。)