「明日のコミュニケーション」は、「明日の広告」の著者としても知られる「さとなお」こと佐藤尚之さんが書かれた書籍です。
かなり前に読んでいたのですが、遅ればせながら書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
さとなおさんは、私にとっては電通のなかでのソーシャルメディアの理解者の代表というイメージの方です。過去にAMNで主催したソーシャルメディアサミットのパネルディスカッションに登壇頂いたこともあり、さとなおさんのソーシャルメディアへの期待度の高さは理解していたつもりではあったのですが。
正直、この本を最初「明日の広告」の続編ということで、その延長と思って読み始めたところ、テーマの軸足がほぼソーシャルメディア中心になっていてビックリしました。
とはいえ、当然、いわゆるソーシャルメディア側の人間によるソーシャルメディア啓蒙本ではなく、広告業界出身である、さとなおさんならではのソーシャルメディア論になっているのがポイントです。
個人的には、ブログ時代とソーシャルメディア時代の違いなど、ソーシャルメディア側の人間である自分にとっても、さとなおさんの視点からソーシャルメディアの可能性や限界について言及されると、改めて気づかされる点が多数ありました。
特に終盤にある、マスメディアとソーシャルメディアの組み合わせの可能性の提案については、広告業界ならではの視点がいくつもありますので、冷静な視点でソーシャルメディアの可能性と限界について把握したい方にとっては、この本は参考になる点が多々ある本だと思います。
【読書メモ】
■ソーシャルメディアは、社会や文化、流行、購買などに大きく影響を与える「関与する生活者」をつなげ、強く結びつけ、その行動を加速させるプラットフォームなのだ。
■「レノンの歌で一番嫌いなのはイマジン。こうなるといいな、と頭で考えているだけではダメだ」(U2のボノ)
■ソーシャルメディアは、元からいた「実際に動く人々」をつなげ、共感で強く結びつけ、その行動を加速させる「場」なんだ。ようやく「歌う」から「動く」へ世の中が舵を切ったんだ。
■ブログ時代、影響力ある個人はバラバラに点在していた。
バラバラに動いていた影響力ある個人がソーシャルメデイアというプラットフォームでつながったのが「ソーシャルメディア時代」なのである。
続きを読む 明日のコミュニケーション (佐藤尚之) を読むと、ソーシャルメディアとマスメディアのベストな組み合わせを考える上でのヒントが見つかると思います。