震災からの復興に、ソーシャルメディアやネットを通じて個人で貢献できることはまだまだあるはず

 昨日も午前2時に携帯電話の緊急地震速報がけたたましくなり、昨年の3月11日を思い出した人も多いと思います。
 もうすぐあれから1年になろうとしていますが、この1年という期間をどう受け止めれば良いのか、正直私自身も消化し切れていません。
 そんな中、現在経産省や三菱総研の連動してこんな企画をお手伝いしています。
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 その名も「震災復興支援サービス大賞
 文字通り、震災の復興を支援されようとしている様々なサービスやアプリをあらためて振り返り、表彰しようという企画です。
 3月11日の東日本大震災の後、ソーシャルメディア上では、さまざまな騒動やトラブルもありましたが、一方で善意の連鎖も非常に多く見られ、個人によるサービス提供や支援運動が大きな力になる、というのは私も様々なシーンで目の当たりにしました。 そのあたりは、下記のようなコラムに書いていますので興味がある方は読んで頂ければと思いますが。
大震災で明確になった~ ソーシャルメディア3つの「限界」と4つの「可能性」
嘘やデマが”生き残れない”ツイッター
きっと、私たちは日本を良い方に変えられると、実感できるようになってきた日本のソーシャルメディア
 
 その中でも非常に印象深かったのが、個人が開発したサービスやアプリが、大企業が提供しているページよりも利用者に重宝されているケースが多かったという事実。


 AMNでも東日本大震災復興関連情報まとめサイトを震災後に開発し、運営していましたが、東電の公式な計画停電情報よりも、それを加工して提供する個人のサービスの方がはるかに注目されていたり、個人のボランティアで運営されている震災情報まとめサイトが、中堅商業メディアの震災情報ページよりもはるかに充実しているというケースが多々みられていました。
 
 ただ、そうはいってもAMNのようなマニアックな会社でランキングページを提供したところで、開発者や運営者の方々に御礼や感謝の声をとどけることもできませんし、力不足を痛感していたのですが。
 今回の企画では、経産省や三菱総研の方々にご協力する形で、ある意味公式な表彰イベントを開催することができることになりました。
 3月に開発した東日本大震災復興関連情報まとめサイトの技術をベースに、投票をするためのサイトも新しく開設しています。
復旧・復興支援サイト/アプリ等調査事業
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 で、こちらをお手伝いしていて改めて感じるのが、個人の開発したサービスや情報サイトでも、企業の情報よりも役に立っているケースが多々あるということです。
 当然、大勢の開発者を導入できるであろうGoogleやYahooの提供するサービスも重要な役割を果たしていますが、一方で数人のボランティアで運営されているサービスや情報サイトも十分話題になっていることが分かります。
 もちろん、ソーシャルメディアやネット上の情報提供やツール自体が、被災地の人たちにどれだけ役に立っているかというと、真の復興のための土木作業や、人的支援にはあまり貢献できていないのかもしれませんが、関東の人が被災地にボランティアに行くための情報提供や、放射能問題の現状を把握するための情報の可視化であったり、情報やコミュニケーションの面では、まだまだいろいろとできることがあるような気がしてきます。
 震災の復興というのは、被災地の復興という意味も非常に大きいですが、精神的な意味で言うと日本全体の問題でもあり、この復興をどのように乗り越えていくかが、世界から日本がどう受け止められるかを大きく左右する大事なプロセスでもあると思います。
 震災から半年で物理的に復興している日本に外国人が感動なんていう話もありましたが、物理的な面だけで無く精神的、文化的な面でも「復興」という言葉を乗り越えて日本が震災を気に進化したと言ってもらうようになるためには、まだまだいろんな努力が必要な気がしてきます。
 「震災復興支援サービス大賞」にノミネートされるような活動がもっともっと増えるように、まずはこの一年間に貢献されていた方々をたたえ、それに続く人たちが増えるように自分自身も何かしら貢献していきたいな、と地震があるたびに、あらためて感じる今日この頃です。