今日、ヤフーの社長が交代するという驚きのニュースがありました。
・ヤフー、新執行体制へ。経営の若返りを図る～新CEOには44歳の宮坂学氏
正直、自分自身はソーシャルメディアサミットの準備で首が回ってないので、こんなブログを書いてる場合じゃない気もするのですが、このニュースはスルーできないので、とにかくブログを書いておきます。
何しろヤフーの井上社長と言えば1996年からなんと16年間にわたって、日本のインターネットのトップに君臨してきたヤフーの社長だったわけですから、まさに日本のインターネットの顔。
ソフトバンクの孫さんと同じく、このままずっと社長でも全くおかしく無いわけで、このタイミングで社長交代というのは非常に興味深いものがあります。
先月の日経新聞に、ジェリー・ヤンの退任を聞いて井上社長がショックを受けていたというような記事もありましたから、このあたりも影響していたりするのでしょうか。
・さよならタイムマシン経営 ヤフーの”親離れ”が映す日本ネット業界の岐路
インターネット初期の花形だった米国のYahoo!がいまやアメリカでは経営再建中扱いなわけですから時代の変化をあらためて考えさせられますが、やはりここで日本のネットの中心であるヤフーにはぜひ新しい変化を起こしてもらうことを期待せずにはいられません。
個人的にはヤフーの井上社長は日本のヤフーをここまで不動の存在にしたという意味で尊敬しているわけですが、ここ数年残念で仕方が無かったのが、日本のインターネットの中心であるヤフーのトップとして、日本のネットの可能性を感じさせるようなビジョンや未来像をあまり語って頂けなかったこと。
実は井上社長は、下記の記事にあるように2006年にはジェリー・ヤンと一緒に、日本でソーシャルメディアというフレーズが大して使われていなかった頃からソーシャルメディアの可能性について言及されていた時代があります。
・「ソーシャルメディアこそが次世代のインターネット」–ヤフー創業者が来日
当時、ヤフーが言うならCGMよりもソーシャルメディアというフレーズの方が流行るのかなと思って、「最初に、CGMと呼ばずにソーシャルメディアと呼ぶべきだったのかもしれない」という記事を書いたこともあったりします。
ただ、その後はあまりこうしたビジョンを語っている記事を見ることも少なくなりましたし、ヤフー自体のビジョンや未来像が一気に見えづらくなっていった印象が、残念ながら強くあります。
その背景には、ソフトバンクが2006年にボーダフォンを買収し多額の借金を背負い込んだことにより、ヤフーがソフトバンクの集金マシンとしての活動に集中しなければいけなくなったからだとか、ソーシャルメディア事業がことごとく上手くいかなかったから（実際その当時のソーシャルメディア事業の関係者は現在はFacebookの中心になっていたりしますし）とか、いろんな見方はあるわけですが。
何と言っても、ヤフーは日本においては、PCインターネットのブラックホールとでも言うべき巨大な存在で、そのヤフーが日本のネットの未来のビジョンを語ってくれないというのは日本のネットにとって非常に不幸な状況だったと思っています。
そういう意味では、今回のヤフーの社長交代の会見の横で孫さんが保護者のようにいる構図と言うのは、やっぱりネット業界の人間としてはちょっと残念で。
次にヤフーのインタビューを見る時には、ぜひソフトバンクグループのヤフーとしてではなく、日本のネットのトッププレイヤーとしてのヤフー単独での、ヤフーならではのメッセージを発してもらいたいですし。
新CEOの宮坂さんとCOOの川邊さんには、ぜひ新生ヤフーが日本のインターネットをどのように進化させていくつもりなのか、とにかく何でも良いから日本のネットのどでかい未来を語って頂くことを期待しております。
ちなみに、個人的に実は一番期待しているのは、COOに川邊さんが抜擢されたところ。
なにしろ1974年生まれの37歳でヤフーのCOOですからね。スゴイです。
川邊さんとはパネルディスカッションもご一緒したことがありますし、個人的にも非常に尊敬している経営者の一人。Gyaoで見せた手腕をヤフーでどう活かすのか、かなり期待していたりします。
・累積100億円の赤字事業を2年で黒字化した 若手社長が語る「結果を出す人」の秘訣とは？ ――ＧｙａＯ社長・川邊健太郎氏【前編】
ということで、超多忙である川邊さんがこのブログ記事を読んでくれるとは全く思いませんが、ネットの片隅から日本のネットの中心に密かに怨念のような祈りを送る今日この頃です。
いや、ほんとヤフーがどう動くかで、日本のネット業界の地位とか将来とか本当に大きく変わるので、ホントよろしくお願いしますよ・・・
