世界の駅の乗降客数ランキングで日本が上位を独占するほどの人数を毎日安定してさばけているのは、鉄道会社だけの手柄では無いという視点

 昨日、「NHKの震災ビッグデータ特集で取材を受けて、ツイッターのログとしての価値を身をもって感じてしまった話。」という記事で、取材を受けた経緯の話を書きましたが、今日はついでにその取材の時に最も印象に残った話を書いておきたいと思います。
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 NHKの取材写真の後ろをよく見ていただくと銀座線が映っていることから分かるように、あの取材は溜池山王の地下鉄の駅のホームで実施されています。
 当然、地下鉄のホームの中での撮影と言うことで、当日は東京メトロの広報の方が同行されていました。
 NHKの番組中では、雪がふる中、私が駅に向かって歩いて行く様子が実際に放映されていましたが、あれ以外にも地下鉄に乗るシーンとか、地下鉄に乗ったまま駅を通り過ぎるシーンとか、地下鉄自体の撮影とか、多数のシーンを撮影してるんですよね。
 NHKさんの取材は本当に丁寧だなぁと毎回思います。
 
 という話は置いといて。
 個人的に、今回、東京メトロの広報の方と話していて興味深かったのが、ブログ記事のタイトルに書いた話。
 
 地下鉄の広報の方に話を聞く機会とか滅多にないので、撮影の合間とか移動時間に、いろいろ質問をさせていただいていたのですが。
 個人的に気になって聞いたのが、過去にネットで話題になっていた世界の駅の乗降客数ランキングの話。
列車の年間乗客数ランキングにほとんど日本がランクインしている
 かなり話題になっていたのでご存じの方も多いと思いますが、こちらのグラフを見る限り、世界の駅の乗降客数のランキングのトップ50って、ほとんど日本の駅が占めてるんですよね。
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 軽く25位までの駅名を転記させていただくとこんな感じ。
1新宿(東京)
2渋谷(東京)
3池袋(東京)
4梅田(大阪)
5横浜(神奈川県)
6北千住(東京)
7名古屋(愛知県)
8東京(東京)
9品川(東京)
10高田馬場(東京)
11難波(大阪)
12新橋(東京)
13天王寺(大阪)
14秋葉原(東京)
15京都(京都)
16三宮(神戸)
17大宮(埼玉県)
18有楽町・日比谷(東京)
19西船橋(千葉県)
20目黒(東京)
21大門・浜松町(東京)
22上野(東京)
23押上(東京)
24パリノール(パリ、フランス)
25台北駅(台北、台湾)
 1位から23位まで日本の駅が独占していて、24位にようやくフランスのパリ、25位に台湾の台北が入ってくるという、誰が見ても笑ってしまう状況です。


※動画もあるので興味のある方はこちらもどうぞ。

 データの信憑性の議論もあるようですが、実際問題、世界的に見て日本の地下鉄や鉄道の発達ぶりは異常なほどです。
 記事の冒頭に載せた鉄道の路線図も、地下鉄の路線図も凄まじい複雑さですし、本数もメチャメチャ多いですよね。
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 ただでもこんなに大勢の人間をさばかないといけないのに、日本の地下鉄とか鉄道とかって分刻みどころか数十秒単位で時刻表が組んであるらしく、東横線とか1分遅延しただけで車内アナウンスで謝罪していたりしますし。
 
 日本の鉄道会社の方々って本当に大変だし、凄いですよね、という話をしてたんですが。
 
 その話を聞いて、東京メトロの広報の方が話されていたのが。
「でも、日本でこれだけの乗降客数を毎日さばくことができているのは、乗客の皆さんの協力があってこそなんですよ。」
 という視点。
 
 正直、そういう視点で考えてみたことがなかったので、この発言はなんだか眼からウロコでした。
 確かに冷静に考えてみると、朝のラッシュアワー時の整列乗車とか、超満員の社内からも降りる人がいるときにはちゃんと入り口側の人は降りて道を開けるとか、ああいう行動って意外に大事なんですよね。
 大昔に北京で地下鉄に乗ったときに、全員が同時に入り口に殺到して文字通り押し合いへし合いで乗るしか無かった記憶とか、インドネシアのジャカルタのラッシュアワーで、自ら前に進まなければバスに永遠に乗れないんじゃないかと言う状況に遭遇した記憶とかが蘇ってきましたが、そういう状況になると余計なトラブルとか小競り合いで電車やバスがさらに遅延したりするんですよね。
 
 当然、マイカー通勤とかしている海外の人たちからしたら、日本の通勤ラッシュの駅員が乗客の背中を押してパンパンに詰め込んでいる写真とか、哀れみの象徴でしか無いのかもしれませんけど、ああいう状況でも毎日黙ってトラブルを起こさないように、周りに迷惑を掛けないように行動している私たち乗客というのも、ある意味世界に誇る鉄道システムの一部なんだな、と、ついしみじみと感動してしまった次第です。
 実際、震災の時にも、この地震が発生したのが日本で無ければもっといろんなところでパニックとか起こっていたはずだ、という議論がありましたが、確かにあの日、自分自身が東急東横線の運転再開を出くわしたときの写真とか振り返ってみても、整然と並んで誘導に従う日本人の姿がそこに見えてきます。


 「日本でこれだけの乗降客数を毎日さばくことができているのは、乗客の皆さんの協力があってこそなんですよ。」
 そんな言葉を胸にこの動画を見ていただくと、また何か違うモノが見えてくるかもしれません。

Adam Magyar, Stainless – Shinjuku (excerpt) from Adam Magyar on Vimeo.