昨日放映されたNHKスペシャルの震災ビッグデータ特集に、帰宅困難者代表(?)としてインタビュー出演させていただきました。
実は、肝心な放映時間に、次男を寝付かせようとして自分も爆睡してしまうといういつものパターンにはまってしまったため、皆さんのツイッターやFacebook上のリアクションに返事ができなかったどころか、録画を早送りで軽くしかまだ見れていないのですが。
ツイッターやFacebookの反響を見る限り、本来は仕事柄ツイッターとかソーシャルメディアの専門家としてビッグデータ側のコメントをすべき職業の私が、何故か一般人側の帰宅困難者として出ていて驚かれた方も多いみたいですので、今回の背景をこちらでご紹介しておきたいと思います。
私自身、過去にクローズアップ現代のブロガー特集で取材していただいたり、ZIPやワールドビジネスサテライトに取材していただいた経験があります。
そういう私を知っている方からすると、今回の取材も、NHKの関係者と私が知り合いだから依頼されたのではないかとか、ツイッターユーザーの代表として紹介されたのではないかと思われた方も多かったみたいですが、実は今回の機会は本当にビッグデータ側からの調査で一般人としてお声がけをいただいてます。
そもそもNHKの担当の方が最初に取材されたのは私では無く、私と一緒に震災当日に地下鉄銀座線に乗っていた@onisatoさんこと大西さん。
何でも、NHKさんが震災当日の膨大なツイッターの発言の中から銀座線絡みのキーワードで大西さんを捜し当て、ツイッターでコンタクトされたんだそうです。
で、大西さんから当時の私のツイッター上の発言や撮影した写真がTwilogに残っているのを紹介され、大西さんから私が紹介されて今回の取材に至るわけです。
そんなわけで、私自身は今回の取材がNHKスペシャルだということも良く理解しておらず、気軽な感じで取材を受けてしまったので、実際の放送を録画であらためて見て、「首都パニック」という深刻なテーマに、自分が空気を読まずにコメントしている事実に今更ビビっていたりするわけです。
(実は、取材当日やけにパニックやリスクに関する質問が多いなぁと他人事のように思っていたのですが、首都パニック特集ですもんね、そらそうですよね。空気を読まずに関係ない話ばかりしてしまってすいませんでした(汗))
今回私に白羽の矢が立ったのは、震災当日東京駅近くのセミナールームでパネルディスカッションのパネリストとして登壇していて、帰宅困難者になった後、銀座線再開の噂をツイッターで聞きつけて、神田から渋谷まで再開した銀座線に乗ったところ、超満員の寿司詰め状態で1時間近くかかってしまった経緯をツイッターに細かく記録していたからで。
おまけにTwilogを登録していたので、その日の発言を簡単に日付指定で確認できる(という事実を今回初めて知りました)珍しいキャラだったからです。
私自身も、電話で最初に取材を受けたときには3年前の出来事と言うこともあり、ほとんど覚えていなかったのが正直なところなんですが。
ツイッターの自分のログを読んでみると、結構記憶が蘇ってくるんですよね。
特に丁度車内で他にすることがなく、ツイッターに頻繁に投稿をしていたと言うこともあり、一駅毎の大体の停車時間とか混雑具合が分かったり。
今回放送で使われたこちらのツイートのように、当時の車内放送の発言を記録していたりしていたようです。
渋谷駅がパンク寸前の状態とかで、完全に溜池山王で立往生。渋谷駅に機動隊の出動を要請したとか。電車に乗りたい人が渋谷駅に殺到してるんだろうなぁ。乗ろうと押せば押すほど、実はこうやって電車が止まってしまい、ますます乗れなくなるというのに。 #kaerenai #hotto
— 徳力 基彦 (@tokuriki) 2011, 3月 11
また、NHKさんには、銀座線を降りて階段を降りる最中に、渋谷駅のあまりの人混みにビックリして階段を降りながら撮影してツイッターに投稿したこちらの写真が、当時の状況を確認するのに分かりやすかったというのも言われました。
で、改めて感じたんですが、これってツイッターならではの現象なんですよね。
多分、ブログしか無かったら、ここまで細かく当時の状況を後からまとめるなんてことは無かったでしょうし。当時Facebook全盛の時代だったらここまで何度も細かくは投稿しなかったでしょう。
LINEやFacebookのタイムラインだとそもそも検索ができないし、こうやったNHKさんが3年前のデータをひっくり返して、大西さんや私のことを見つけて取材依頼をするということも無いわけです。
何の気なしに取ってアップしていたツイッターの写真を、3年経った今になって現場の再検証のために活用するということもなかったでしょう。
その場ではこうやってログとして活用してもらうことを考えていたわけではなく、ただ単に他にやることが無かったから誰かに自分の現状を聞いて欲しくて投稿していただけなんですよね。
そういう一見無意味な発言の集積に、何かしら偶然意味が出ることがあるのが、ツイッターの面白いところなわけで。
私自身、ツイッターよりはFacebookの方をメインで使っている友人が多くなっているということもあり、最近は以前よりツイッターを見る機会が減っているのは事実ですが。
改めてツイッターというのはユニークで面白いプラットフォームだなぁと、つくづく思ってしまった機会でした。
あれほど震災直後の当時、この大震災の記憶を風化させてはいけないと念仏のように皆で繰り返していたはずなのに。
人間の記憶というものは恐ろしいもので、ふと気づくとすっかり震災を過去の出来事として忘れ去っている自分がいたりします。
3年前の膨大なツイッターのログをひっくり返して、今後の首都圏の大地震に備えようという意欲的な番組に取り組まれたNHKの方々にはつくづく頭が下がりますし。
私自身も、せっかくこんな貴重な番組に出演という機会をいただいたことですし、3年前の思いをツイッターのログから思い返して、引き続き自分にできることを続けることを意識したいと思います。
ちなみに、以前 「東北セミボラ企画に参加して考える、被災地の復興は終わるどころか始まってさえいない場所もあるという現実。」という記事でご紹介したウェブ広告研究会の東北セミボラ企画が今年も開催されるようですので、この機会にご紹介しておきます。
・日本アドバタイザーズ協会 Web広告研究会 『第六回東北セミボラ(セミナー&ボランティア)』開催