正直、いまだに今回の震災に対して、自分がブログに何を書くべきか、頭がまとまっていません。
ただ、やはり自分の記憶のためにも、メモはしておきたいと思います。
金曜日の最初の大地震当日、私は東京八重洲ホールで日本ダイレクトマーケティング学会さんのパネルディスカッションに出るべく打合せ中の真っ最中でした。
PCを開いていたのもあり、揺れの始まりはまだツイッターにこんなことを書き込んでいる余裕が合ったものの。
その後、あまりの揺れの大きさにパネリストの方々と揺れている最中にビルの4階から階段を急ぎ足でおりて脱出するという、二度としたくない経験をすることになりました。
今考えると、ビルの中に残った方が安全だったのかもしれませんが、あの瞬間はニュージーランドの倒壊のイメージが浮かんでしまって、ある意味パニックだったのだと思います。
その後、ご多分に漏れず帰宅難民の一員となり、東京駅から神保町のホットリンクさんのオフィスまで歩いて避難をさせて頂き、運良く運転が再開された銀座線、東横線と乗り継いであの日の多くの人の中では奇跡的に普通に家に帰ることができたわけですが。
今自分の発言を振り返ると、あのときは事態の深刻さを自分でも良くわかっていなかったのが、良くわかります。
その後の週末、自分が帰宅難民になったと言うこともあり、金曜の夜、土曜の夜、ついついテレビで震災のニュースに文字通り釘付けになってしまいました。
何しろコマーシャルによる寸断もないまま、次から次に洪水や火事の映像が流れてくるので、情けないことに私の脳みそは完全に処理能力を超えてしまい思考停止。
こういうときこそ、ブログやツイッターで何か発信しなければいけない、と思いつつも、書く言葉が全く思い浮かばず、ほぼネット利用を遮断して、テレビを見続けてしまった二日間でした。
ソーシャルメディアの価値を模索しているはずの自分が、肝心な時にテレビに釘付けである意味ソーシャルメディア断ちしてしまっていたわけですから、自分でもその皮肉に笑えてしまいますが。
自分でも何かしなければと言う思いは一応あったつもりではあるのですが。
被災地は携帯も電気もおちてるので、どうせネットで語りかけたところで届かない、と思ってしまったり。
募金の紹介も、テレビや大手ウェブサービスがやっているのを考えると、自分ごときが告知をしても大して貢献できない上に、雑音が増えるだけだと思ってしまったり。
ツイッター上での情報紹介も、津田さんや高広さんなど既にしっかりされている人がいるから、自分が同じことやっても仕方が無いと思ってしまったり。
とにかく、今回の津波の映像のあまりのすさまじさや、次々に増えてくる悪いニュースの数々に対して、自分自身の無力感に何もする気にならなくなってしまいました。
まぁ、今書くと完全に言い訳ですが、下手に自分も、最初の地震でビル待避のプチパニックを経験してしまっただけに、典型的なテレビによる情報洪水による精神的被災の一員になってしまったんだと思います。
ただ、その後、恥ずかしながら、自分の父からPrayforJapanのサイトのリンクが転送されてきて、目が覚めます。
何しろ私の父は、パソコンこそ使いこなしてはいるものの、もう70代で当然ツイッターが何だとかも良くわかっていないはず。
そんなソーシャルメディア素人の父親に、ツイッター上の発言をまとめたサイトを、ツイッターとかソーシャルメディアについて講演して専門家ぶっている私が教えてもらう羽目に陥ったわけで。
なんだか恥ずかしいような、驚くような、後頭部を殴られた感じのする瞬間でした。
結局、私はソーシャルメディアではマスメディアに張り合えないと思いすぎてて、逆にソーシャルメディアでマスメディアと同じことをやることばかりをイメージして、それに無力感を感じていたんだと思います。
何を今更という話ですが、ソーシャルメディアでできることはマスメディアとは当然違うからこそ、ソーシャルメディアに生きる人らしく、ソーシャルメディアだからできることを、淡々とやるべきなんですよね。
国民全員が知るべき事実を大量に伝播しようとするのは、やはりツイッターよりもテレビやラジオが向いてますし、だからこそネットで風説の流布がとか、テレビにも批判されてしまうんだと思います。
ただ一方でテレビで放映されていない様々な良い話や、本当に深い必要な情報は、ネットの方が充実しているのも事実ですし、今日テレビでPrayforJapanのサイトが紹介されていたように、ネット上の良い話をまたメディアの方々が見つけてマスメディアに載せてくれるという良いサイクルもまわり始めているように思います。
昨日も、kwmrさんに紹介してもらった英国大使館の逸話をRTさせてもらったら、30分も経たないうちに100人を超える人がRTしてくれてました。なんでもすでにツイッターだけで5000リンク以上されてるそうで、こういったテレビでなかなか紹介されていない話が広く伝播される土壌がツイッターに育ってきているのも感じます。
そんなこんなで、ここ一週間の私のツイッターは、できるだけ普段と同じほっとする話や笑える話、参考になる話を中心にRTしてきました。今後もその方針でやっていきたいと思っております。
震災関連のRT依頼もたくさん頂いてはいるんですが、真偽の確認の手間やフォロワーの方へのスパムリスクも考えて、今回はご遠慮させて頂いています。
ただ、最新の情報をすぐにツイッター上でも届けるという活動は、他に真剣に活動されている方が何人もおられますので、そちらの方々をフォローすることをおすすめします。
復興活動というのは、短期スプリントでは無く、間違いなくマラソンになると思います。
そう言う意味では、私は自分のできること、得意なこと、マラソンとして無理なく継続し続けることができることに力を入れたいと思います。
今回の震災が、パニックになりそうな人たちが心配しているような「日本の終わりのはじまり」ではなく、「新たな日本のはじまり」だったと思える日が来るように。
追記
AMNでも、カイさんを中心に、今回の地震の被害に対する対策で役立つサイトやツールをまとめる情報の募集や、そのまとめサイトを遅ればせながら作ってみてもらいました。
よろしければ情報の充実のために情報提供にご協力下さい。
■東北地方太平洋沖地震に関するサイトの情報を募集します
■東北地方太平洋沖地震まとめサイト