WiMAXはモバイルのADSLになるか、WiFiの二の舞か

WiMAXを使った鷹山の新通信サービスの勝算(前編) – CNET Japanを読んで。

 WiMAXの詳細にわたる記事が前編、後編と分かれてCNETに掲載されています。

 業界関係者以外には、ほとんど話題にならないWiMAXですが、個人的にはどうしてもADSLの登場初期と、印象がかぶって仕方がありません。

 ADSLが東京めたりっくによって提供され始めた当時、既存通信事業者の反応は冷ややかなものでした。
 「数年待てばFTTHになるから、すぐに意味なくなるのに」という感じで。

 それがその後ADSLは、Yahoo!BBの登場もあって急速に普及し、NTTグループもたまらずフレッツADSLを提供したりFTTHを値下げする羽目になったのは記憶に新しいところ。

 その視点で、WiMAXの周辺を見ると、既存の移動通信事業者の反応は「すぐに3.5Gや4Gの時代になるから、すぐに意味なくなるのに」という感じにも見えますが、どうなのでしょう・・・?

 もちろん、ADSLが短期間に躍進できた鍵は、規制緩和によりNTTグループから低コストでメタルケーブルのインフラを入手できたこと。
 ゼロからインフラを構築するWiMAXは、当然不利な位置にあります。

 ただ、海外の状況を見ると英国においてT-MobilとTelabriaが、米国ではAT&TもWiMAXの実証実験を行うと表明しているそうで、端末や設備に関しては実は追い風。
 さらに鷹山は記事にあるように東京アステルのPHSインフラを持っていますから、ゼロから事業を開始するのに比べるとはるかに筋が良かったりもします。
 
  
 もちろん、課題もたくさんあります。
 最大の懸念事項は、やはり鷹山の実行能力でしょう。

 CNETの記事にもありますが、実は鷹山はその昔(と言っても3年前ですが)、東京アステルを買収したときに、PHS・WiFi・ポケベルを組み合わせた新しいIP電話サービスを立ち上げるとぶち上げたことがあります。
 
 このニュースも、業界の間では少し話題になりましたが、いろいろあったらしく、その後サービスが実際に提供されることはありませんでした。
 もちろん、今回はそのリベンジということでしょうが、狼少年にならないためには、今回のサービスは確実にリリースする必要があるでしょう。

 まぁ、そうは言っても、今でこそYahoo!BBで通信事業の一角を占めるソフトバンクも過去に一度スピードネット構想をぶち上げて失敗したことがありますし、電力会社の電力線インターネット構想もかなり長いこと実験レベルでしか出てきませんから、通信事業で新規参入が上手くいかないのは良くある話。
 
 今回の鷹山のWiMAX事業が、前回の失敗を教訓にして堅実に展開されているのであれば、ひょっとするとひょっとするかも・・・
 と思ってしまうのは私だけでしょうか?

“WiMAXはモバイルのADSLになるか、WiFiの二の舞か” への2件のフィードバック

  1. AMDとインテル

    日本AMDがインテルを提訴したようだ。
    で、いくつか記事を見てみたのですが、明らかにインテルが
    独禁法違反的だと感じます。
    東芝、ソニー、日立に対して巨額の資金提供を行い、すべてのPCにAMD製CPUを採用させないようにした
    NECに対して巨額の資金提供

  2. WIMAX ~無線LANより広範囲に電波

    本日4月22日の日本経済新聞 朝刊に興味深い記事が載っていました。無線LAN(構内情報通信網)より幅広い範囲に電波が届く新しい高速無線通信技術の実用化にメドが立ったというのです。「WiMAX」(ワイマックス)と呼ぶ技術で、米インテルと富士通が対応半導

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