フルブラウザ搭載FOMAが登場–NTTドコモ、901iSシリーズを発表 – CNET Japanを読んで。
いよいよ、FOMAにもフルブラウザが標準搭載される時代がやってきましたね。
電話にメール、デジカメにゲーム、音楽配信からテレビ電話までと、その適用範囲を急速に広げ続ける携帯電話ですが、もうここに至っては携帯「電話」と呼ぶよりは携帯「PC」と呼んだ方が正しいのかもしれません。
ただ個人的には、フルブラウザ搭載が携帯電話業界にとって良いことなのかどうかは良く分かりません。
日本の移動通信事業者は、世界的に見ても非常に強い権力を持っていると言われています。
その権力の源泉の一つとなっているのが、プラットフォームとしての閉鎖性。
例えば、ドコモのiモード利用を例にすると。
携帯電話 メーカー(とはいえドコモ専用)
通信インフラ もちろんドコモ
ISP これもドコモ
ブラウザ これまたドコモ
ポータル またまたドコモ
サービス やっと各事業者(とはいえドコモ専用)
という具合で、見事なまでに閉鎖的。
顧客が携帯でサービスを利用しようと思ったら、ほとんど通信事業者であるドコモが握っているものを利用しないといけないというのが現状です。
これが固定通信の場合には、例えばNTTを利用したとしても。
端末(PC) 何でもOK
通信インフラ NTT
ISP 別に何でもOK
ブラウザ 何でもOK
ポータル 何でもOK
サービス 何でもOK
と、通信事業者は何の権力も持たないのが普通。
改めて書いてみると、この差の大きさには驚きますね。
ただ、これがフルブラウザが普通になってくると、携帯電話の閉鎖モデルにはブラウザから下に穴が開くはずです。
これまで多くの利用者はサービス検索にドコモのポータルに頼るしかなかったのが、普通のPCで利用しているポータルを利用することができるようになります。
さらに、月額数百円の利用料を課している携帯電話向けサービスサイトは、無料の通常のインターネットサイトとの競合を迫られることになるでしょう。
例えばニュースサイトや地図検索、電車の時刻検索など、情報を有料で提供している場合は、よっぽど携帯電話向けの使い勝手で勝負しないと厳しくなるでしょうし、将来的には待ち受け画像、着メロ、ゲームなどの携帯専用コンテンツも、通常のインターネット上の無料の世界に引きずられる可能性は高いと想像されます。
利用者がお金を払うのが当然だったモバイルサービスの世界も、これまでの利用者がお金を払わないのが当然のインターネットの世界と同化するのでしょうか?
もちろん事業者は、そうならない道を模索するでしょう。
実際、auにしてもドコモにしても、正規のフルブラウザでの利用においてはパケット定額制の適用をしていません。
なんとか固定インターネットとの同化を避けようと言う意思は感じられます。
ただ、リリースから4ヶ月で有料顧客1万人を集めたと言われるjigブラウザや、エキサイトとの提携を発表したScopeなど、ダウンロード型フルブラウザの場合には、実質パケット定額の範囲内で利用できてしまうのが現状。
もちろん、まだフルブラウザとはいえ、PCなみの使い勝手には程遠いですし、わざわざブラウザをダウンロードして利用する人の割合と言うのはまだまだ低いでしょうが、もし利用者が携帯に標準搭載のフルブラウザで、フルブラウザのメリットを知ってしまうと・・・
なんだか、有料サービス提供事業者にとって終わりの始まりのような気がしてしまうのは私だけでしょうか。
ドコモさんが「901iS」シリーズを発表!!
昨日のNEWSですが、フルブラウザ搭載機や手ぶれ補正機能搭載機、SD-Audio対応機などがラインナップされた新FOMA「901iS」シリーズを発表されました。
今回発表されたのは「D901iS」、「F901iS」、「N901iS」、「P901iS」、「SH901iS」の計5機種。
さらっと新機能など
FOMA901is
「FOMA901is」に関連するブログ記事から興味深いものを選んでみました。ぜひ…