YouTubeを支えているのはやっぱり資金力みたい

YouTubeのネットワークコストは月1億2000万: suadd blogを読んで。
 Forbesの予測によるとYouTubeの回線コストは月100万ドルに達しようとしているようです。
 100万ドルってさらっと言われると「ふーーん」ぐらいの感じですが、日本円に直すと1億円以上。
 今後アクセス数が少なくとも現状維持されれば、年間13億円以上のお金が回線費用に消えていく計算になります。
 先日、「YouTubeにみるチープレボリューションの凄さ」なんて記事で、サーバーとかのコストが急激に低下しているからYouTubeのようなモデルが実現できるのかと勝手に想像して書いてましたが、この金額を聞くとちょっと印象が変わってきます。
 前の記事に、直也さんと、小飼さんから必ずしも大容量コンテンツだからサーバーのコストが高いとは限らないという指摘を受けたので、サーバー自体のコストはそれほど高くないのかもしれないんですが。
 ネットワークのコストだけで年13億円。
 従業員が25人だそうですから、一人平均年収400万円と低めに試算しても年1億円。
 賃料だサーバー代だとなんだかんだ考えると、年15億円以上の支出はある計算になってしまいます。
 4月にSequoia CapitalがYouTubeに800万ドル(約9億円)の投資をして話題になってましたが、この9億円すら8ヶ月程度で食いつぶす計算です。
  もちろん、年15億円以上支出があっても、収入があれば問題ないんですが、YouTubeの収益源といえばようやく最近Google Adsense等の広告を掲載し始めた程度で、まだまだそれほど大きな収入の目処は立っていないはずです。
 おまけに日本人の利用率が米国なみなんてデータもあるそうですから、米国の広告主からすれば日本人が閲覧している広告の効果は相当低くなるわけで、日本人の違法利用のために回線コストを負担してるみたいな話になってしまいますね。
(日本語ページを提供して日本人向けの広告を取れれば良いのでしょうけど)
 この計算だと今年末までには資金調達なり買収なり何かしらの動きがありそうな感じです。
 ただ、そういえば、海部さんが先日「再び、Web2.0とインフラの制約に思いを馳せる」という記事で、Flickrを買収したYahooが困り果てているという話を例に出して「なるほど、だからだーれもYouTubeに手を出さないワケだ」と書いていたのを思い出しましたが、確かにこれは買収する側にとっても判断が難しいギャンブルですよね。
 はたしてYouTubeは金の卵なのか、年15億円以上の金食い虫なのか。
 まぁ、Googleも創業後しばらくはたいしたビジネスモデルが無かったという話ですから、YouTubeもそのプロセスと思えば、ギャンブルとしては悪くないのかもしれませんが。
個人的にはワーナーと提携して話題になったBitTorrentあたりがP2P技術をうまく活かして、このCGMの分野に出てこれれば面白いのではと思いますが・・・)
 
 それにしても、やっぱりこのスケールのギャンブルができるというのにアメリカの懐の広さというかベンチャーへの旺盛な投資意欲を感じてしまいますね。
 日本でも、ソフトバンクとかUSENぐらいなら、この規模の先行投資をするかもしれませんが、ベンチャーキャピタルでこの規模のギャンブルをするのは日本ではなかなかお目にかかれそうに無いですね。
 先日、フジテレビが似たようなサービスを始めるといって話題になってましたが、はたしてどういうシナリオを想定しているんでしょうか?

“YouTubeを支えているのはやっぱり資金力みたい” への2件のフィードバック

  1. Gy●Oはじめたときは年a few億でネットワーク整備できて「意外と安いな」でしたが、蓋を開けた後のネットワーク周りの強化ぶりを見るに、今は月1億近くはかかっているのではないかなあ。
    Gy●Oはビジネスモデルはみえている(=ブロードバンド民放)ので、集客(≒アクティブユーザーの量と質)とそれに担保されたクライアントがつくまで辛抱だ…なんですが。ただ、会社から発表された事業計画を見るに、売上予測は焦りすぎといおうか甘いといおうか。振り返れば光ファイバー事業もそうでしたが(笑)

  2. コメントありがとうございます。
    やっぱりそっちもそういう感じなんですか・・・
    動画ビジネスはコストの桁が違うということなんでしょうね。
    個人的にはどこが勝ち残るのか非常に楽しみです。

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