Google+のアカウント停止から再開までのプロセスで考える、実名と匿名の境界線の曖昧さ

 先月発生した私のGoogle+のアカウント停止騒動ですが、ちょっとネタとしてあまりに面白かったので久しぶりにノリノリでブログを書いてしまった結果、思っていたよりも大事になってしまっていたようで、各方面にご心配頂いてすいませんでした。
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 個人的には、当時、丁度ペンネームのアカウントの人たちが次々にGoogle+のアカウントを停止されて、議論が盛り上がっていたのを横目に見ていたタイミングで、まさか実名の自分がアカウントを停止されるとは思っておらず、あまりにネタとして面白くて、勢いで強めのブログ記事を書いてしまった次第です。
 ただ、その後いろんなところで、Google+大変でしたね、と言われることが意外に多いので、念のためこちらに背景を書いておきたいと思います。


 まず、Googleジャパンの中の人にもいろいろとご迷惑をおかけしてしまったようなので、Googleの方々の名誉のために書き添えますと、アカウント停止に気づいた日にフォームから再開を申告したところ、その日の深夜には無事にアカウントが再開されました。
 本当は、カイさんよろしく、再開するまでの顛末ブログでも書こうかなと思っていたのですが、あまりにあっさり再開されたので書く気も失せてしまった次第です。
 実際に送られてきたメールがこちら。
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 特に私のアカウント停止ブログ記事が話題になったから対応が早かったとか特別だったという感じは全くなく、英語でのテンプレートメールに見えます。
 時間としては深夜でしたが、要は西海岸が朝と言うことだと思うので、朝来て担当の人がフォームの問い合わせを淡々と処理したのではないかな、と想像してます。
 ちなみに私自身はそれまでGoogle+を最初に数回投稿しただけで使っておらず、実はアカウント停止もツイッターのフォロワーの方に言われたから気づいたと言うだけなので、Google+アカウント停止で怒ったとか、迷惑したと言うことは一切ありませんでした。
 くどいようですが、単純にネタとしてあまりに面白かったので、勢いでブログを派手目に書いてしまった次第です。
 その後、実は写真投稿をGoogle+にあげて、TwitterやFacebookに転送するような使い方にチャレンジしてみるようになったので、今回のアカウント停止でGoogle+を逆に使うようになったという意味では、高度な炎上マーケティングにひっかかってしまった、と見てしまう人もいなくはないかもしれません(いないですかね)
 
 ただ、個人的に今回のアカウント停止で考えたのは、実名と匿名の境界線というのが実に曖昧でいい加減なものかと言うこと。
 例えば、現在のユーザーローカルさんが作ったGoogle+のフォロワー数ランキングを見ると、どう見ても私よりも明らかにペンネームの人が上位にいますが、そういった方々がアカウント停止にならず、私がいきなりアカウント停止された理由が、今でも正直さっぱり分かりません。
 おそらくは、Google側の自動ロジックで怪しいものを抽出するロジックがあるんでしょうけど、それで結局実名である私が停止され、ペンネームの方が停止されない、というのがGoogleにとっても実名・匿名の判定が難しい行為であることを示しているように思います。
(まぁ、正直私のアカウントなんて、ちょっと検索してもらえれば見つかる気もするので、どういうロジックなのか本当に気になるところですが)
 一方で、アカウントの再開のタイミングでは、自分を証明するものとして運転免許証のコピーか、オンライン上の記事的なものを要求されるんですが、私が入れたのが日経ビジネス・オンラインのコラム。
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 それであっさり承認されて再開されたわけですが、もし私が別の有名人の名前をかたっていて、その名前でオンライン上の記事を証明として提示すれば、それで承認されちゃうと言うことになるように見えてしまいます。
 まぁ、当然写真もあるので、名前だけではない要素もあるんでしょうけど、正直Googleが実名にこだわる意義が、逆にあまり見えてこなかったりするんですよね。
 実名が本当に実名かどうかなんて、実はあんまり意義がなかったりするんじゃないでしょうか?とか思ってしまいます。
 当然先日話題になったFacebookのスパムアカウントのように、スパマーが偽名で行動することが、サービス自体の劣化を招く面はありますから、その排除はサービス事業者としては必須だと思うんですが。
 実名かどうか曖昧な人を、自動的に排除する意味というのが正直良くわかりません。
 個人的には、「フェイスブック 若き天才の野望」に書かれていたように、Facebookは創業者のマーク・ザッカーバーグが、実名で一つのIDという世界を信じているからこそ、Facebookはあの実名至上主義のやり方で構わないと思うんですが。
 GoogleにはGoogleならではの、実名にこだわらないオンラインアイデンティティの考え方とか、スパムアカウントの排除方法というのがあるのではないかなーとぼんやり思ってしまう今日この頃です。
※ということで、徳力は現在は平和にGoogle+を使っていますという生存報告でした。
 徳力基彦 Google+