先日、最近のステルスマーケティング騒動に対する個人的な考えをブログに書きましたが、その傍ら横目に見ていてさすがニコニコ動画だなぁと思っていたのがこのキャンペーン。
最近の「ステマ」騒動にかぶせて「ニコニコ新春ステマ祭り」と完全に、ステマをネタにしちゃってます。
まあ、要はニコニコ広告の名前変更機能を使えば、スポンサーとして表示されるユーザー名を変更できる機能があるので、それを使えば広告主の名前を変更して「ステルス」ができるということだそうです。
個人的にも、最近の「ステマ」という言葉のはやり具合は完全にネタ状態で、意味がなくなりつつあると言う印象はありますから、そこにこうやってキャンペーンを重ねてくるのは、上手いなぁと感心しているのが正直なところ。
まぁ、これだけ企業も事業者も「ステマ」と指摘されるのを怖がっているにも関わらず、あえて正面からステマを名乗るのがさすがニコニコ動画ですよね。
ただ、あえて空気読まずにマジレスしてしまうと、やっぱり「ステルスマーケティング」や「やらせ」という単語を、ネタにしてしまうのは良くないのではないかと思います。
ニコニコ動画が提供している広告サービスは、実際には広告と分かる場所に分かるように表示されますから、そもそもが「宣伝と気づかれないように宣伝行為をする」ステルスマーケティングではなく、広告と明示されている明確な広告商品です。
広告主の名前を変えられるという機能は、身分を隠せるという意味ではステルスと言えばステルスかもしれませんが、実際には広告エリアに表示されている時点で、利用者からすれば誰の名前で書かれていようが「広告」と認識して判断できるわけで、一般利用者のふりをして、事業者がやらせ書き込みをする悪質なステルスマーケティングとは明確に異なります。
その商品を自ら「ステマ」と名乗り、元祖ステマサービスです、とまで名乗ってしまうのは、ステマの定義を混乱させて、ステマが悪い事なのかどうかも曖昧にしてしまう結果を導きかねません。
私も現在のステマ騒動にはうんざりしているので、ネタにしてしまって早く終わらせてしまうと言うのは、一つの選択肢としてありだなとは思うのですが、やっぱりここは「ステルスマーケティング」自体は消費者を騙そうとする恥ずかしい行為だと明確に定義して、ステルスマーケティングを選択する事自体がリスクが高いという雰囲気をちゃんとつくる必要があるんじゃないかと思います。
まぁ、実際問題として、人によってはテレビは全部やらせだ、という人もいますし、同様にネットの書き込みは全部ステマだ、という人も今回の騒動で増えてしまうでしょうし、実際に増えてしまったんでしょうけど。
ネタだろうが、勘違いだろうが、ニコニコ動画はステマの温床でしょ、と思われてしまうと、せっかくのニコニコ動画の良さを自ら殺いでしまうことになりますし、まじめに書き込んでくれているユーザーがいるのにもったいないなーという気がします。
まぁ、正直このタイミングでステマをネタにできるニコニコ動画に嫉妬しているというのが正直なところだったりするわけですが、せっかくならそのネタにするセンスを、悪質なやらせ書き込み事業者が明確になったり、悪質なステルスマーケティングを実施した広告主が恥ずかしくなるような方向に使って頂きたいなと思う今日この頃です。