複数アプリ、横串でつなぐ KDDI連合起爆剤に を日経MJに寄稿しました。

 本日、日経MJ「奔流eビジネス」に寄稿しているコラムが掲載されましたのでお知らせします。
 今回は先日発表されたKDDIのシンドットアライアンスを取り上げてみました。
 私自身もNTT出身と言うこともあり、ちょっとバイアスが入ってしまうのですが、通信会社の存在意義が土管化してしまいがちな昨今のウェブ・スマホ環境において、今回のKDDIのポジション取りはスマホ時代の通信会社の役割として面白いアプローチだなと感じています。
 今後、他の通信会社がどう反応するのかも注目したいです。
複数アプリ、横串でつなぐ KDDI連合起爆剤に


 10月16日、KDDI(au)とインターネット関連企業11社が共同発表したニュースが業界で大いに話題となった。「Syn.(シンドット)アライアンス」と命名されたその新連合は、合算で月間4千万人以上の利用者をつなぐ、スマートフォン(スマホ)向けアプリのネットワーク化ともいえる取り組みだ。
 スマホアプリはこれまで、1つの目的に1つのアプリというのが基本形だった。パソコンではグーグルやヤフーなどがメール、カレンダー、地図、ニュースなど複数のサービスを提供。ウェブ上では各機能がワンクリックでつながり、強い相乗効果を生んでいた。だがスマホでは、こうした大手のサービスでさえ機能ごとにアプリを1つずつ用意し、利用者にダウンロードしてもらう構造がずっと続いてきた。
続きは日経新聞のサイトでご覧ください。
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Yahooスマホガイドの悪質バイラルメディア追及レポートが凄すぎて、もはや日本では誰も自らを「バイラルメディア」と名乗らなくなりそうな件について

 なんか、Yahooスマホガイドって、初心者向けスマホ解説サイトなのかなと思い込んでたんですが、実は違法コピペ糾弾サイトだったんですね。 
 という印象を持つぐらい、ハードな訴訟体験レポートがYahooスマホガイドに上がって話題になってます。
悪質バイラルメディアにはどう対処すべき? BUZZNEWSをフルボッコにしてみた – Yahoo!スマホガイド
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 まだ読んでない人はとにかく是非読んでください。凄い記事です。
 これぞ真のジャーナリスト。
 めちゃめちゃ大作です。 
 おまけに、この記事が上がったのは昨日だというのに、もう今日の夕方には執筆者のヨッピーさんのインタビューつきの記事がねとらぼに掲載されるというスピード感。
ヨッピーさんインタビュー:BUZZNEWSが記事の盗用で謝罪、和解金支払いへ バイラルメディアを追い詰めたライターの執念と戦略 (2/2) – ねとらぼ
 なんでも、ねとらぼの記者の方に9月頃から事前に話を共有されていたようですから準備が良すぎます。本当に本気で怒ってたんでしょうね。
 実際問題、日本では昔から違法コピペ問題は、SEO目的のコピーサイトとか、2チャンネルまとめブログとか、いろんなところで話題になってきたんですが、あまり一般の人の目につくことはありませんでした。ただ、それが悪質なバイラルメディアの乱立によって、この手の話題がソーシャルメディア経由で多くの人の目につくようになり、いよいよ臨界点に来ている印象です。
 この手の話は、訴訟社会のアメリカだと、とっくの昔に訴訟沙汰が大量に出ていたのかもしれませんが、日本だとやっぱり面倒だから誰も訴えようとしないんですよね。
 それをこれだけの時間と手間をかけて和解金支払いの実績まで作ったヨッピーさんには本当に心からお疲れさまでした、と拍手を送りたいです。
 これによって、違法コピペは訴訟で負けて金を払う羽目になる(実際には和解ですが)という前例が作られたわけで、この意義は非常に大きいと思います。

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NewsPicksと東洋経済オンラインの「選択」から考える、メディア企業生き残りのための選択肢

 ここ数ヶ月、スマホニュース系アプリの台頭もあり、メディアの地殻変動の話題でで事欠かないですが、毎日新聞で興味深いメディアキーパーソンのインタビュー連載が展開されてます。
 特に個人的に興味深かったのは、こちらの東洋経済オンラインの新編集長である山田さんのインタビュー記事。 
キーパーソンインタビュー:「ニュース重視」にシフトした東洋経済オンライン、狙いは 山田俊浩さん
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 東洋経済オンラインというと、NewsPicksに転職した佐々木さんが編集長として就任し、4ヶ月で一気に他社をPVで抜き去ってトップになったことで有名です。
なぜ東洋経済オンラインは4カ月でビジネス誌系サイトNo.1になれた?編集長に聞く
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 ただ、今回の山田編集長のインタビューでは「前編集長時代にリニューアルを行い、週刊東洋経済からの転載記事の力によって2013年3月には5301万になったのですが、そこをピークに長期間、停滞していた。」と、いう指摘がされています。
 正直、個人的にも鳴り物入りで佐々木さんという名物編集長が抜けた東洋経済オンラインは、その後停滞しちゃうのかなと勝手に想像してたんですが、実は全く逆で、山田新編集長になってから方針変更してPVもUUも伸ばしてるんですよね。
 その方針の象徴として山田さんが語っているのが「ブログ的な記事はなるべく少なめにして、ジャーナリスティックな記事に大幅にシフトしています。一時期かなり多くなっていた、取材に基づかないブログ的な記事は、あまり入れないようにしている。」
 要は東洋経済オンラインの強みは、会社四季報の取材のために担当企業に張り付いている記者であるということを再確認し、その取材力で勝負する方向に舵を切り直し、PV重視ではないことを社内に宣言し、結果的にPVもUUも佐々木さん時代のピークの数値を安定して超えられるようになった、ということのようですから立派です。
 以前の東洋経済オンラインのPV重視アプローチについては、以前下記のような記事も話題になってましたが、ある意味山田さんのアプローチは下記の記事に対する返答にもなっている気がします。
PV数10倍増でも「東洋経済オンライン」が失敗する、たった1つの理由
 なかなかメディアの方の取材で「前任」との比較をここまで攻撃的に語るインタビュー記事にはお目にかかったことはありませんが、非常に興味深いです。

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バイラルメディアという言葉は、いつからパクリサイトや劣化コピーメディアのことになってしまったんだろう。

ちょっと前ですが、LINEの田端さんのインタビュー記事が話題になってました。
バイラルメディアは二重の意味でダサい NewsPicks
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歯に衣着せぬ田端さんならではの、痛快インタビューなんですが、バイラルメディアについても「ほとんどのバイラルメディアはどこかで見たような記事の劣化コピーである点。もうひとつは、経済合理性がないというか、儲からない点。」の二点から二重にダサいと一刀両断しています。
「だから読者も欺いているし、お金を出させているという意味で出資者や投資家も欺いている。」とまで言ってますからね。バイラルメディア全部をある意味、詐欺師扱いです。
実際、ちょっと前にバイラルメディア同士の記事のパクリ合いみたいな抗争が話題になっていたのを山本さんがYahooニュースでまとめてました。
バイラルメディア界隈で仁義なき戦いが勃発中(山本 一郎)
そういう意味で、日本ではバイラルメディア=劣化コピーメディアというイメージが徐々に確立されつつあるように感じます。
でも、そもそもバイラルメディアは劣化コピーメディアだから、パクリサイトだから、と一言でバイラルメディアブームを片付けてしまうのは、それはそれで間違うと思うんですよね。

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やまもといちろうさんのブログ記事の件名が辛すぎて、お昼ご飯も喉を通らない件について

いつも、とくダネ!で拝見しております。
いやね、絶対やまもとさんが怒るのは分かってたんですよ、分かってましたよ。
でも、この記事タイトルはないですよ。辛すぎますよ。
アジャイルメディア・ネットワークは倒産するべき: やまもといちろうBLOG(ブログ)
そりゃやまもとさんが影響力あるのは誰もが認めてますよ。
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何しろ、いまやあのとくダネ!の常連コメンテーターですからね。
朝やまもとさんが出演しているのを見るたびに、息子に「あの人パパの友達だよ」と自慢してから会社に出社している私がここにいるわけですよ。
もはや芸能人ですよ、VIPですよ、影響力ありますよ、やまもとさんは。
そりゃどこのイベントでも普通に申し込めば確実にVIP扱いで招待してもらえるんでしょうよ。
でも、こっちだって今回みたいなブロガーイベントを本気で運営してるわけです。
やまもとさんの記事がネタであることを分かりつつガチでマジレスすると、うちはファン重視、アンバサダー重視でやっているので、有名人だからって、自動的に当選とかにできないわけですよ。
別に誰でも良いから有名ブロガー呼んでくれ、みたいな10年前のブロガー集客仕事みたいなのだったら、逆にやまもとさんに頭下げてきてくれという話ではあると思います。
でも、うちも景品配り商売なんてやるつもりないから、本当にブロガーイベントを楽しんで一緒にアンバサダーとして今後も応援してくれそうな方を毎回悩んで悩んで選考しているわけです。
当然、今回もやまもとさんが応募してくるから社内が色めき立つわけです。
影響力凄い人だし面白いから当選させようという話も出てくるわけです。
落としたらきっと怒って批判されるから怖いという話も出てくるわけです。
でも、こちとら本気でファン重視アンバサダー重視というコンセプトに人生かけてるわけで、コグレさんが登壇してくれるお陰で、ちょっと有名な人が応募してくれたからって、これまでのファン重視の姿勢まげて、テレビに出てる有名人は自動的に当選とかするわけにいかないわけです。
たった25名のブロガーイベントでも、そこから生まれる企業側とファンのコミュニケーションがマーケティング活動に良い影響をもたらしてくれると信じてやってるわけです。
知り合いだからって、有名人だからって、いつものうちの基準で選考するべき所は選考させて頂きたいわけです。
他にもたくさん泣く泣く落選にさせて頂いている人がいるわけで、やまもとさんのことだから、落選にすると、きっと面白がってこうやってブログに書かれますよ、というのが落選連絡する前から当然の結果として想像できても、だからといって、こういう時だけ、ブログで批判されるのが怖いから優遇するとかできないわけです。
そもそも、やまもとさんのブログを振り返ってみても、いろんな企業とバトルしてる記事とか、ネット上の炎上ネタのウォッチ記事が中心じゃないですか、コグレさんの旅行の話とか楽しんでブログに書いてくれそうな雰囲気全くないわけですよ。
今回のイベントが、ネットの炎上を議論するブロガーイベント、とか、ブラック企業発掘ブロガーイベントとかだったら、そりゃやまもとさんが間違いなく一番に当選です。
でも、当選しても落選しても、今回みたいな皮肉記事を書くわけでしょ、皮肉のスペシャリストなんだから。
それだったら、楽しんでくれそうな人を優先して当選させて頂きたいわけです。
まぁそういう意味では、こういう記事書かれるのも覚悟の上だったわけですけど。

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ユーザーの「今」を狙え 広告戦略の精度向上 を日経MJに寄稿しました。

 先週金曜日に、日経MJ「奔流eビジネス」に寄稿しているコラムが掲載されましたのでお知らせします。
 今回は先月開催されたadtech Tokyo2014の振り返り記事を書いてみました。
 adtechに関しては、私も昔「徳力基彦の「はじめてのad:tech tokyo講座」 ~技術ギライの広告マンと、広告ギライの技術マンへ」というコラムを書かせて頂いたことがありますが、初期のころに比べるとイベントの規模が非常に大きくなったので、エッジさとかコミュニティ感は薄れてしまった感じは当然ありますが、一方で縦割りの業界の境界線を越えて、俯瞰的にマーケティングについて考えるのに向いているイベントだなと改めて思います。 
ユーザーの「今」を狙え 広告戦略の精度向上


 日本の広告・マーケティング業界で最大級のイベント「アドテック東京2014」が9月中旬に開かれた。筆者自身もスピーカーの1人として参加したので、今年の印象を振り返りたい。最も注目されたキーワードを挙げるなら、やはり「モーメント」になるだろう。
 キーノート(基調講演)スピーカーとして来日した米ツイッターのグローバルブランド責任者、メリッサ・バーンズ氏をはじめ複数の講演者がこのキーワードに言及したこともあり、その後に展開されたセッションでもたびたび使われた。
 モーメントを直訳すると「瞬間」という意味となる。ユーザーの重要な瞬間(モーメント)に企業がいかに関わっていくべきかが現在のマーケティングでは問われているテーマだ。
続きは日経新聞のサイトでご覧ください。
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