レモンジーナ品切れ騒動にみるヒット商品のワナ を日経新聞電子版に寄稿しました。

本日、日経新聞電子版に「レモンジーナ品切れ騒動にみるヒット商品のワナ」というコラムを寄稿させて頂きました。
飲料や食品の流通側の構造については、正直私は素人に近い方だと思いますが、今回の件に関しては明らかに極端な誤解の方に印象が流れてしまっていて、一部大手メディアすらあまり裏側を調べずにネット上の批判をそのまま紹介して誤解に輪をかけてしまっている印象が強くあり、問題意識を持っていました。
そんなところ、丁度日経新聞さんからオファーを頂いたのでお引き受けした次第です。
私のコラムにしては珍しく限定公開記事になっていますので、簡単に私が考えている今回の騒動のフローをこちらで紹介するとこんな感じ。


今回のレモンジーナに関しては土の味がするというネガティブな批判も混じっていたために、製品を飲んだことがない人からすると。
・レモンジーナは土の味がするという批判が話題になる
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・飲んだことのない人がレモンジーナは美味しくないのかなという印象を持つ
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・批判も呼び水にもなって、試し買いが増えて店頭からの発注が増える
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・店頭からの発注が増えたので、メーカーとしては出荷停止にする
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・レモンジーナの出荷停止がメディアで話題になる
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・飲んだことのない人が、レモンジーナは美味しくない商品なのに何で売れるの?と直感的に 疑う
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・店頭在庫が残っているお店の写真がネットで共有される
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・飲んだことのない人が、レモンジーナはやっぱり美味しくないから売れ残ってるんだ、(メーカー側の出荷停止なんだけど)売り切れというのはウソだ。と思い込む
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・ソーシャルメディア上に品切れ商法批判のコメントが増える
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・メディアが品切れ商法批判のコメントを元に、「品切れ商法との批判が高まっている」と報道する
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・飲んだことのない人が記事を見て、メディアも書いてるし、やっぱり品切れ商法なんだと、さらに思い込む
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・ヨーグリーナでまた品切れになってしまい、サントリーが謝罪会見をひらく羽目になる
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・サントリーが謝罪している写真をみて、飲んだことのない人が、やっぱりサントリーは悪いことをしていたんだ、と確信する
と、商品がヒットするという幸運と、出荷停止が店頭での品切れと誤解されるという不運が複数重なって、誤解のスパイラルに入ってしまいったのかなと感じています。
個人的な視点での分析になりますが興味がある方は是非ご覧下さい。フィードバックも大歓迎です。
レモンジーナ品切れ騒動にみるヒット商品のワナ
4月に入り、サントリー食品インターナショナルの飲料商品「レモンジーナ」と「ヨーグリーナ」が発売直後に立て続けに品切れとなり、大きな話題となった。同社は、両飲料を安定的に供給できないという理由から出荷停止を決断した。その一方で、”大量の商品が陳列されている店がある”という消費者の書き込みがソーシャルメディア上で拡散、メーカー側の発表と異なるため「品切れ商法ではないのか」という批判が巻き起こった。
こうした”発売直後に品切れ”という現象は、今年2月に発売した「華もち」(ハーゲンダッツ)や、2014年4月の「トムヤムクンヌードル」(日清食品)などでも発生している。改めて分析すると、短期間での品切れ発生とメーカーへの批判が渦巻く背景に、ソーシャルメディア時代ならではの原因が見えてくる。
 続きは日経新聞のサイトでご覧下さい
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