もはや、日本でタイムマシン経営を成立させるのは無理か をTechCrunchに投稿しました。

techcrunchjapan2.png 以前、ご紹介したように、現在、TechCrunch Japanのライターチームの一員として記事を投稿させていただいています。
 今回は、先月参加したジオメディアサミットに刺激を受けて、日本におけるいわゆる「タイムマシン経営」の今後について考えてみました。
 ご興味のある方は是非どうぞ。


先日ジオメディアサミットに、急遽パネリストとして参加する機会があった。当日の詳細は、下記のTechWaveのレポートに掲載されていたUstream配信のアーカイブをご覧頂ければと思うが、そのパネルセッションで出たgumiの国光さんの発言で興味深かったのが、「もう日本でタイムマシン経営は無理」という発言だ。
タイムマシン経営というのは、ソフトバンクの孫さんがネットバブルの頃に唱えていたキーワード。アメリカの最先端事例をコピーして日本にすぐに持ってくれば、アメリカと日本には数年の時差があるのでそれによってあたかもタイムマシンで未来からサービスを持ってきたかのごとく、サービスを成功させることができるというコンセプトだった。
ネットバブルの時代には、米国Yahooを参考にしたヤフージャパンの成功を筆頭に、イートレード証券など、複数の米国の成功モデルが日本に持ち込まれたし、実際その後の日本のネットベンチャーの成功には、米国の成功モデルをブランドごと輸入して日本法人を立ち上げるパターンや、米国の成功モデルを日本向けにコピーしたサービスが多い。

OrkutやFriendsterの流行を参考にサービスを開始したmixiやGREEも、ある意味タイムマシン経営といえるし、現在日本でトップのブログサービスとして認知されているAmebaブログも、サービスとしては海外に比べると数年遅れで開始されたサービスだ。数年遅れで日本でサービスを開始しても、十分に間に合うという意味で、まさにタイムマシン経営が可能だった時代だったといえるだろう。
ただ、このタイムマシン経営による成功パターンは、実はブログやSNSを最後に途絶えつつある。
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日本でFacebookがブレイクするために必須と思われる 5つのポイント をTechCrunchに投稿しました。

techcrunchjapan2.png 以前、ご紹介したように、現在、TechCrunch Japanのライターチームの一員として記事を投稿させていただいています。
 今回は、先月の「日本でFacebookの地位を獲得するのは、やっぱりmixiか、それともGREEか。」に続いて、日本におけるFacebookの可能性について考えてみました。
 ご興味のある方は是非どうぞ。


先月、日本でFacebookの地位を獲得するのは、mixiかGREEかという記事を書いたが、その記事への反応として想像以上に多かったのは、日本でもFacebookがmixiやGREEを抜いてトップの地位を獲得するのでは?という反応だった。

現在のグローバルでのFacebookの勢いを考えれば、当然そういうシナリオも考えられるが、個人的にはmixiやGREE等の既存の国内SNSがよっぽど展開を失敗しなければ、そのシナリオは難しいのではないかと考えている。
グローバルで圧倒的首位を占めるサービスが、日本において意外に苦戦すると言うのは今に始まった話ではない。世界最大手のオークションサイトであるeBayも、2002年に日本から撤退した過去を持っているし、米国でダントツの検索シェアを誇るGoogleも日本ではヤフージャパンの後塵を排し続けている。
SNSの世界においても、ソフトバンクが出資して鳴り物入りで設立されたMyspace日本版が、現在のところも日本での認知向上に苦しんでいる印象が強い。
特にSNSにおいては、いわゆるネットワーク効果が他のサービスよりも更に強くはたらいてしまうため、すでに特定の世代でコミュニケーションインフラになっている国内のSNSを、これからFacebookがひっくり返すのは容易なことではない。
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日本でFacebookの地位を獲得するのは、やっぱりmixiか、それともGREEか。 をTechCrunchに投稿しました。

techcrunchjapan2.png 先日、ご紹介したように、現在、TechCrunch Japanのライターチームの一員として記事を投稿させていただいています。
 今回は、先日の「mixiは、mixi日記成功の呪縛から解き放たれることはできるか。」に続いてmixiとGREEの立ち位置について振り返ってみました。
 ご興味のある方は是非どうぞ。


先日、mixiがFacebookのようなタイムラインを導入するべきではないかという記事を書いたが、この視点で日本のSNS市場を見た上で、当然もう一つ忘れてはいけないプレイヤーがいる。それがGREEだ。
mixiとGREEというのは、そのサービスの開始時期や生い立ちが非常に似ていることもあり、サービス開始から6年がたとうしている今でも、直接的なライバルとして比較されることが多い。SNSというサービスのくくりからも、それはある意味当然と言えるだろう。
ただ、現時点においては、mixiとGREEは本質的には全く違うサービスと考えた方が良い。その利用者数こそどちらも1500万を超え、ある意味日本のネットのインフラ的サービスという印象のある数になってきているが、基本的なサービスの使い方を聞く限り、実際の利用者の意識は大きく異なるようだ。
誤解を恐れずに言い切ると、mixiがいわゆる人と人の関係性を表すソーシャルグラフを押さえ、利用者同士のコミュニケーションのインフラとして機能しているサービス。一方、GREEは、グリゲーに代表されるようにソーシャル性をもったアプリやゲームを楽しむためのサービスだ。いわゆるソーシャルグラフを元にしたコミュニケーションサービスとしての競争に、GREEは一度mixiに敗れた経緯がある。(私自身、5年半前のmixiとGREEの激しい利用者数競争においては、GREE派だった過去がある
その後、GREEはモバゲーの成功を参考に、モバイル向けのゲームを中心にしたサービスに大転換を実施。アイテム課金をてこに見事な成功を収めて、一度敗北したmixiを時価総額でも抜き去った。これが、良く語られるmixiとGREEの競争の歴史だが、このように文章で書くと単純に直線での競争でmixiとGREEが競っているように聞こえてしまうだろう。
しかし実はmixiとGREEはこの5年で全く異なる領域に到達しているのが現実だ。イメージとしては下記のような感じだろう。
mixi_gree1
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mixiは、mixi日記成功の呪縛から解き放たれることはできるか。 をTechCrunchに投稿しました。

techcrunchjapan2.png 先日、ご紹介したように、現在、TechCrunch Japanのライターチームの一員として記事を投稿させていただいています。
 今回は、最近ちょっとTwitterの影響で、ネット業界では影が薄くなりつつある印象もあるmixiの考察レポートを書いてみました。いや、本当にmixiさんには今後がんばってネット業界を盛り上げて欲しいです。
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最近は、すっかりネット界の話題がTwitterに独占されている印象もあるが、個人的に日本のネットの今後を占う上で、特に注目しているのがmixiの動向だ。昨今のTwitterの盛り上がりもあり、あまりネットのイノベーター層の会話で取り上げられることが少なくなった印象もあるSNSだが、世界的にはとにかくFacebookの伸びが凄い。
あれだけTwitterが盛り上がっていると言われる米国の動向をGoogleトレンドで見てみると、実はTwitterの伸びは頭打ちになっていると言われる一方、Facebookは着実な伸びを示しているのだ。(もちろんTwitterはより携帯経由のアクセスが多いと思われるので、Googleトレンドの検索数だけでは一概に言えないが)
twitter_facebook
当然、日本においてこのFacebookの地位を確保するのに一番近いのはmixiということになが、Googleトレンドで検索数の推移を見る限り、話はそう単純ではない。
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「Amebaなう」の真のライバルは、Twitterではなくアメブロだ をTechCrunchに投稿しました。

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 今回は、「AmebaなうはTwitterにとって、かなりの強敵になり得るんではなかろうか」の続きとして、Amebaなうの考察レポートを書いてみました。
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10月にサービス開始を明言して話題になったサイバーエージェントのTwitterクローンである「Amebaなう」が、10月8日に携帯版、10月10日にPC版と続いてリリースされた。
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私自身、過去に個人ブログで「AmebaなうはTwitterにとって、かなりの強敵になり得るんではなかろうか」という記事を書いた経緯もあるし、この2社の今後の戦いはグローバルのデファクトスタンダードになっているサービスと、日本のネット事業者のサービスの戦いという意味でも興味深いので、実際にサービスを使っての感想をまとめてみたい。
Amebaなうの機能自体は、APIが公開されていないために外部アプリが全く存在しないことを差し引いても、メッセージの保存期限が1ヶ月だったり、フォロー数が500人で制限されていたり、一つ一つのメッセージのPermalinkが存在していなかったりと、正直Twitterとは比べるべくもない。
サービス開始初期に、かなり基本的なセキュリティのトラブルも発生するなど、システム面でのスケーラビリティだけでなく、セキュリティ面で懸念する声もある模様。現状においては、地球の神経システムを目指しているTwitterとは、ビジョンも思想も全く違うサービスだといえるだろう。
ただ、この点は開始してからまだ2週間もたっていないことだし、今後変更される可能性はあるので、現時点で評価するのは酷というものだ。
逆に、細かいAmebaなうの機能自体を見ると、日本人向けにTwitterの分かりづらい点をうまく修正してきている印象を受ける。@によるコミュニケーションを、Reというよりメールの返信に近い形にし、コメント一覧を手軽に表示できるようにしているし、投稿方法は面倒な印象があるものの画像添付ができるようになっているのも興味深い。日本のケータイ文化向けに絵文字に対応しているのも地味に重要なポイントだろう。
ただ、気をつけなければいけないのは、Twitterとの戦いにおいては、機能差というのは実はほとんど意味を持たないということだ。過去を振り返ってみると、「Twitterクローン」と言うのは、カテゴリとしての名称が存在する割には、完璧というほど類似サービスが駆逐されてきた歴史を持っている。
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2009年の究極のウェブは「モバツイッター」。 をTechCrunch に投稿しました。

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 今回は、先日参加した忘年会議2009の究極のウェブランキングのレポートを書いてみました。
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bounenkaigi先週末の12月12日に、日本のネットコミュニティの恒例行事とも言える忘年会議2009が開催された。
忘年会議では毎年「究極のウェブ」を読者投稿から選んでいる。
過去の究極のウェブランキングでは、2004年の段階でmixiが1位に選ばれるなど、一般的な投票企画とは異なった一足先の未来を感じさせるツールがピックアップされるので有名だ。
残念ながら、忘年会議の開催は今年で最後になるため、究極のウェブランキングの発表も今年が最後になるようだが、最後にふさわしい独特のトップ10が発表されたので、ここで紹介しておこう。
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(Photo by masakiishitani
[jp] 2009年の究極のウェブは「モバツイッター」。忘年会議2009で究極のウェブトップ10が発表に。 の続きを読む