IT Media「音楽、天気、ゲーム――新機能で武装するIMソフト」を読んで。
よくIM機能について顧客や他の人と話すときに感じるのが、IMに対するイメージの問題だ。
短いテキストメッセージを、手軽にやり取りできると言う単機能だけを取り上げれば、そのメリットの部分を活用して業務のコミュニケーションコストを低減・効率化しようという議論になるのではないかと思うが、日本ではIMはコンシューマー向けのお遊びの製品と言うイメージがことさら強いように思う。
そこに影響しているのが、今回の記事で取り上げられているような、IMソフトがいまやポータル系のサイトが利用者を囲い込む手段の一つとなっているという点だろう。
電子メールソフトは、このような事業者の思惑が働く以前に技術が標準化され、相互接続が可能なオープンな形になっていたため、電子メールソフトを多機能化して自社サイトの利用者を囲い込もうと言う動きには発展しないのが現状だ。
それに対し、IMソフトは相互接続がされていないため、逆に事業者としてはIMソフトの魅力を増して利用者を増やすことが一つの目標となっている。
私のような利用者からすれば、人によってIMソフトを使い分けなければいけないのは面倒としか言いようが無いが、電子メールが代替手段として存在するため、それほど大きな顧客要望にはなっていないのも事実だろう。
その結果、IMソフトは電子メールに比べると「おまけ」的要素が強くなり、それ以外のおまけ機能がどんどん負荷されて、よりコンシューマー向けの要素が強調されていっているように感じられる。
電子メールにおいて、通常の電子メールが企業・コンシューマー問わず同一製品が利用され、ポストペットのようなコンシューマー製品が特殊な位置にあるのとは対極にあるといえる。
もし、IMソフトの相互接続がされるようになれば、利用者は使うIMソフトは何でも良くなるので、事業者に囲い込まれる必要も無くなり、電子メールと同様自分の使いやすいものを選択するようになると思われるが・・・
まぁマイクロソフトのような企業向けIMも販売する事業者側からすれば、通常のIMソフトがよりコンシューマー向けのイメージが強くなれば、企業向けIMの市場がそれだけ広がるわけだから、相互接続を無理に押し進める必要も無いのかもしれない。