[P2P] Winny開発者逮捕で波紋、P2Pの将来に懸念も

p2pWinny開発者逮捕で波紋、P2Pの将来に懸念もを読んで。

 このニュースに関しては、現在数え切れないBlogに取り上げられており、いまさら私ごときがコメントするようなニュースではない。


 インターネット上の大体のコメントは、中立的に事実を伝えるものを除くと
 逮捕に批判派:ソフトウェア開発の未来を心配
        もしくは既存音楽業界に批判的
 逮捕に同感派:ファイル交換に興味なし
 というトーンが多かったように思う。

 ただ P2PコミュニティJnutellaを運営する川崎さんのblogを読むにつけ、自分でも何か意見を記しておく必要を感じてしまったので、知識不足なりに意見を書いておくことにする。

 個人的には今回の逮捕劇自体は大きな意味は持たないと考えている。逆にいうと今回の判決でシロクロはっきり出るなら、その方が違法の線引きが日本においてもはっきりされるため、後々意義がある結果になるのではないかとも思ってしまっている。

 もっとも重要なのは裁判の結果がどう出るかだ。
 警察側がどのような勝算に基づいて、もしくはやむを得ず逮捕したにせよ、今後の展開に最も影響するのは最終的な判決である。
 もし、判決が無罪となれば逆に日本のソフトウェア開発者は晴れて開発の自由を手にすることになるだろう(もちろんWinnyのような違法性の強いソフトであれば、今回のような圧力は当然続くだろうが)

 欧米では「ビデオ録画機が海賊版の製造に使われても、録画機自体は違法ではないのと同様」という判決が多いように認識している。
 これが日本ではどうなるのか。

 個人的には、日本はこの区分がこれまで非常にグレーだったと感じている。Winnyに関してもなんとなく違法だが止めようが無い、どこまでが悪いか分からないので利用者も何が悪いのか分からないというグレーな状況が続いていたように感じている。今回の判決で明確になるのであれば、結果的に日本のインターネット業界にとってはプラスになる可能性は十分にあると思う。
 
 もちろん、今回の判決が警察の思惑通りに出るのであれば、上の理想とは逆の結果になる可能性は高い。
 何かの道具を開発して、その道具の使い道が結果的に違法になったとする。その開発者がその責任をとらなければならない可能性があるという判決が出てしまえば、この国の開発者に与える影響は非常に大きいだろう。

 そんな国で誰が新しいものを開発することに挑戦するのか?というメッセージを発することになってしまうのだ。日本でソフトウェア企画に携わる一人としてそんなことは正直想像したくも無い。
 まぁ、もしそうなったらCnetの梅田さんの提案するように技術者はみんなシリコンバレーに渡ったほうが良いかもしれない。
 

 個人的には、今回逮捕された47氏が有罪になった場合、釈放後にどうなるかに最も興味がある。
 昔なつかしのWarGameのように国防総省のシステムに侵入した少年は、その後国を救うヒーローになれるのだろうか。

 少なくともそのチャンスが与えられるのであれば、この国もそれほど捨てたものではないと思えるのだろうが、どうもこの国では普通に現場復帰は難しいように思えてしまう・・・