これまで紹介した Skype や ThreeDegrees は海外の企業が開発したソフトウェアですが、実は日本国内にも P2P 技術を活用したサービスを提供している事業者がいます。
それが、今回紹介する、NTT 東日本の「FLET’S.NET」(フレッツ・ドットネット)です。
フレッツ・ドットネットはすでに有料サービスとして開始されています。 Skype や ThreeDegrees が未だにβ版で開発途中であることを考えると、非常に先進的なサービスだといえるでしょう。
■フレッツ・ドットネットの概要
フレッツ・ドットネットは、 NTT 東日本独自の IPv6 通信網を活用することで実現されているサービスです。
NTT 東日本というとフレッツ ADSL やBフレッツが有名なため、フレッツ・ドットネットも同様の通信サービスだと思われがちですが、フレッツ・ドットネットはそれらの通信サービスのオプションサービスになります。
ADSL や光ファイバを自宅にひいても、結局利用するのはメールとインターネットのブラウジングだけというのが、一般的なインターネットの使い方だと言われています。
そういう意味ではフレッツ・ドットネットは、せっかくブロードバンド時代になったのだからもっとネットワークで面白いことをやってみよう!という新しい取り組みだと捉えていいのではないでしょうか。
実際に、フレッツ・ドットネットでは複数の意欲的な機能への取り組みが見られます。
■フレッツ・ドットネットの特徴
フレッツ・ドットネットが利用者に対して発しているメインメッセージは、下記の3点です。
1.メールでは送れない重たいファイルもスムーズに送れる
サーバーを経由せずに PC 同士が直接接続するため、大容量のファイルも手軽に交換できるというのは、 P2P 技術の最もわかりやすい特徴ですね。 フレッツ・ドットネットでは通信事業者という特徴を生かし、フレッツ網の中だけで P2P 通信を実現します。公衆インターネットを経由しないため、非常に安定した大容量ファイル通信が実現できるというわけです。
2.たくさんのファイルを手軽に共有できる
フレッツ・ドットネットの契約者は、 100MB から 1GB のオンラインストレージを利用することができます。そのため、たくさんのファイルを手軽にメンバーと共有することができます。さらにオフラインの際にもファイルを受け取ることができるなど、 P2P 技術の弱点をオンラインストレージで上手くカバーするサービスになっています。
3.テレビ電話も簡単に楽しめる
テレビ電話機能自体は、いまやいろいろなソフトやサービスに組み込まれていますが、よく問題となるのはインターネットを経由することによる音質や画質の劣化です。
フレッツ・ドットネットでは、フレッツ網という独自網の中で P2P 通信でテレビ電話サービスが実現されるため、安定したサービスを提供できるのです。
フレッツ・ドットネットのサイト http://www.flets.com/dotnet/
(次回のコラムへ続く)