携帯電話業界に迫り来る巨大いん石、孫正義氏 – CNET Japanを読んで。
前回の書き込みのあと、CNETで上記の記事を見つけた。
一般的なメディアの記事では、固定通信事業参入とか法人事業強化というのが中心だが、個人的にはどうも釈然としなかった。もちろん通信事業において法人向け売上の利益が重要であるのは周知の事実だ。
だが、日本テレコムの法人営業力はそれほど高いと思えないし、法人顧客の意識からするとソフトバンクの買収が更に法人顧客の流出の引金になる可能性も高いと思えてしまった。
上記の記事を読んでからいろいろ考えたが、確かに携帯電話業界が次のターゲットと考えると、日本テレコム買収には別の意味が含まれているかもしれない。
現在の通信業界で固定通信と移動通信のシームレスなサービスを提供できるのはKDDIグループだけである。
日本テレコムはJフォンをボーダフォンに売却してしまったし、NTTグループはサービス分離の圧力が強すぎてとてもNTTドコモと東西地域会社の連携など認められそうに無い。
しかもそのKDDIグループすら固定通信分野を切り離そうと考えているらしい。
ここに逆にソフトバンクが固定電話と携帯電話が連携したサービスを格安で提供してきたらどうだろう。
Yahoo!BBの利用者同士であれば無料で固定でも携帯でも通話できるとしたら・・・利用者はそんなサービスなら喜んで今の契約から乗り移りはしないだろうか?
もちろん現在の移動通信事業の現状では夢の話でしかないが、TD-CDMA方式の移動通信と公衆無線LANサービスにはその可能性があるといわれている。
そして、ソフトバンクはその両方のサービスにすでに手を出しているのだ。
今回、この二つのサービスに関して、日本テレコム買収でソフトバンクは両方とも新たなオプションを入手している。
まず、公衆無線LANサービスに関しては、前回の書き込みに書いたとおり、日本テレコムはJRの駅というコアスポットを押さえている。
これまでYahoo!BBモバイルはJRの駅のホットスポットでは使えなかったが、今後使えるようになるのは間違いない。
日本人の行動の中心にある鉄道を押さえることができるのは公衆無線LANサービスとしては大きいのではないだろうか。
さらに冷静に考えてみたら、日本テレコムはイーアクセスの株式を20%程度保有しているはずだ。ソフトバンクは日本テレコムを買収することによりイーアクセスへの出資を20%自動的に手に入れたわけだ。
このイーアクセスは例のTD-CDMAの事業免許取得でソフトバンクと並んで脚光を浴びている事業者だ。TD-CDMAの免許は周波数帯の関係で2社程度に配布されないのではないかと言われているが、ソフトバンクはあと30%のイーアクセスの株式をどこかから入手してくれば、上手くすれば2社分・最低でも1社分の事業免許は確保できることになる。
そう考えると、ソフトバンクが短期にプレミアムを払ってまで日本テレコム買収に動いた理由も、何となく正当化できるような気がしてきた。
これは私の考えすぎだろうか?