「携帯電話事業は必ず参入する」と孫社長~ソフトバンクの株主総会を読んで。
株主総会ですらアピールの場にしてしまうのが孫さんらしい。
先日取り上げた森さんのブログにつながる発言がこれだろう。
ソフトバンクグループの今後の展開として孫社長は「21世紀のライフスタイルカンパニーを目指す」と宣言。短期間で伸びるがブームが去れば売れなくなってしまう商品ではなく、人々の生活様式そのものを変えてしまう製品やサービスを提供していく考えだという。
ライフスタイルカンパニーとは、ちょっと定義が幅広すぎる気もするが、少なくとも自社の事業を「通信」や「インターネット」に定義していない点で注目に値する。
結局のところ通信やインターネットは、人々の生活、コミュニケーション、情報入手などのインフラにしか過ぎない。
その先に何がくるかを考えずに、通信サービスとしての速度や価格競争だけに陥ってしまったら、本質を見誤るのは間違いない。
そういう意味で、もともとが通信事業者でないソフトバンクのポジションというのは興味深い。
発言の中では上手く国の政策を持ち上げている(おそらく今後も国を敵に回さないための手だろう)が、ソフトバンクが遅れていた日本のインターネット普及を現在の地位に持ってくるのに大きく貢献したことは間違いない。
そのことに対する自信や自負もあるだろう。
いよいよTD-CDMAの実験も開始したようだし、携帯電話事業への参入、光ファイバサービスへの準備ができていることも明言した。
携帯電話事業者も含めた全ての通信事業者に、改めて宣戦布告といったところだろうか。
これまで国や法律の規制やルールの中だけで戦ってきた通信事業者が、「みてくれは下品な」やり方すら辞さないソフトバンクのような新興事業者といかに対峙していくのか。
本人が言っているように”ほら”の世界かもしれないが、孫正義の”ほら”は「ひょっとしたら」と思わせるから面白い。