KDDI、子会社を統合して「KDDIネットワーク&ソリューションズ」を設立 を読んで

KDDI、子会社を統合して「KDDIネットワーク&ソリューションズ」を設立 – CNET Japanを読んで

 ソフトバンクの日本テレコム買収が、こんなところにも影響をもたらしているのだろうか。


 KDDIは子会社四社を統合して法人向け事業を強化するそうだ。
 個人的にはちょっと遅ればせながらという印象が強いが。

 私も実は昔、通信の法人営業をやっていた。
 当時はNTTに対してDDIと日本テレコムは明確に価格が安いという時代だった。
 例えば電話料金で言えば、全てのエリアでDDIと日本テレコムはNTTよりも10円安い。

 NTTは様々な割引サービス(それも複雑なもの)を投入することで、何とか顧客とのパイプをつなぎ、法人営業の充実化による人海戦術で顧客獲得競争を戦っていた。(要は私もその中の一人だった)
 それに対してDDIや日本テレコムは代理店に販売を依存していた印象が強い。

 代理店からしたら、DDIや日本テレコムのサービスは明らかにNTTより安いのが分かっているのだから、非常に売りやすかったはずだ。
 それに対してNTTの法人営業では、価格競争では本質的に勝てないのでシステムまでトータルに提案することでネットワークもNTTを選択してもらうというソリューション営業の道を選んだ、いや選ばざるを得なかったというのが私の印象だ。

 だが、時代は変わるものだ。

 Terachiさんも現在の法人事業は利益が出にくい体質になっていると指摘している。
 現在の法人向け通信サービスは完全に定価がなくなってしまい、それこそ「半値八掛け二割引」の世界になりつつあるらしい。
 結局通信事業者としても大口顧客は身を切ってでも確保しないといけないので、熾烈な価格競争に陥るケースが多いようだ。

 法人営業を代理店に依存してしまうと、この競争の俎上にすら乗れないというケースが増えているのかもしれない。
 そういう意味ではKDDIとしても、法人向け事業の強化は避けて通れない課題なのだろう。

 個人的には今後移動通信事業においても、同様の流れが出てくると考えている。
 KDDIは移動通信事業と固定通信事業を切り離すのではという憶測も流れているが、どうなんだろう。
 移動通信事業においても法人営業能力の強化は必須だと思うのだが・・・