「Googleニュース」登場の衝撃 を読んで

「Googleニュース」登場の衝撃を読んで。

 早いもので、Googleニュースの日本語版が開始されてもう一ヶ月になる。


 最初にGoogleニュースについて取り上げたときには、記事掲載を拒否しているのは一部の新聞だけだったような雰囲気だったが、どうも勝手掲載だったようだ。
 いつのまにやら大手で掲載されるのは朝日新聞と日経新聞だけになったらしい。
 (現状のニュースソースの一覧はceek.jpでまとめられています

 以前に「準備着々、報道機関ライブドア を読んで」でも書いたが、最近ますますメディア産業というものも一つのコンテンツ産業として見れば良いのでは?との思いが強くなってきている。

 記事というコンテンツを「つくり」、何らかの方法で利用者に「提供する」というイメージだから。
 音楽というコンテンツを「つくり」、何らかの方法で利用者に「提供する」のと同じように考えれば良いような気がする。
(ちょっと極端すぎるかもしれないが) 

 今回のGoogleニュースに対する反応も、各メディアが自分のコアをどちらと思っているかで変わってくるような気がする。

 記事を「つくる」のがコアだとすれば、その記事の提供先がGoogleニュースのような形で増えるのはウェルカムのはずだ。
 逆に記事を「提供する」のがコアだとすれば、インターネット上のメディアという軸では、Googleニュースをライバルとみなさざるを得ないだろう。

 「つくる」機能と「提供する」機能の両方を持っている既存大手メディアの「持てる悩み」がこれからより深くなるような気もする。 
(つくる側の機能がブログとの競合でどうなるかという話は、Unfogettable Daysの「ブログジャーナリズム/ブログメディアの特徴」で丁寧にまとめられています。こちらはまた別の機会に考えたいです。)

 
 ちなみに湯川さんのブログでは「グーグルニュースのコンピューターは、短時間に同じテーマの記事がどれだけ多く出ているかなどといったことを重要度の判断基準にしている。つまり記事を出す報道機関が数多く存在していて初めて成り立つ仕組みだ。現在のグーグルニュース日本語版のように大手が2,3社しか参加しないようではうまく機能しない。」と書かれている。

 実はこの点については、個人的には少し疑問があったりする。
 これまでの大手新聞の記事は、それほど各誌で大きな違いを見せていたんだろうか?
 案外、最新記事レベルであれば、現状のニュースソースでそれほど変わらないサービスを提供できてしまったりしないのだろうか?

 もちろん私も、グーグルニュースが既存メディアの役割を全て置き換えられるとは思っていない。
 先日週刊アスキーの編集長をされていた福岡さんにお聞きしたときは、やはり見出しの編集能力が重要だと話されていた。特に日本語は漢字の選択やひらがな・カタカナなど英語に比べて見出しの自由度が高いから、より一層編集者の裁量が影響するようだ。
 このあたりはグーグルニュースのような自動的な仕組みではカバーするのはかなり難しい。 

 まぁ所詮まだサービス開始から一ヶ月。
 この議論の結論が見えてくるのはまだまだ先の話でしょうね。

 どうなるのかなぁ・・・