渡辺千賀さんのブログでEconomistのIT特集が取り上げられています。
AOLのCD-ROMの話も面白いのですが、個人的に気になったのがVoIPについての記事。
電話のように「話し始め・話し終わり」が明快にあるものではなく、ambient communicationとなる、と。常時接続した状態で、話があると、ぱらぱらとテキストのインスタントメッセージのやり取りが始まり、ヒートアップしてくるとワイワイみんなで音声で話し合い、まただんだん静かになる。リアルなオフィスのような状態になるわけだ。
ブロードバンドで常時接続が当然になると、現在のIMのような始まりも終わりも明確でない隣の席との雑談のようなコミュニケーションが、増えてくるようになるそうです。
そういえばと思い出したのが、先日取り上げた松村さんの「脳を繋ぐテキストチャット、空間を繋ぐビデオチャット」という記事と、Skypeの初期に導入事例として書かれていたある人のブログ。
その人は、誰もいないデータセンターに出かけて行って作業することが多い仕事なんだそうですが、それまではトラブルに遭遇したり分からないことが発生するたびにオフィスの同僚に携帯電話で電話をして聞いていたそうです。
しかしSkypeを使うようになってからは、その同僚とつなぎっぱなし。
データセンターだから回線状態も良好だし。
無言で作業をお互い続けながら、質問があるたびに「ちょっといい?」とまるで隣にいるかのように作業を続けることができる、と喜んでいました。
それを読んだときは「特殊な事例だなぁ」と思っていたのですが、今回のような記事を読むとそうでもなさそうです。
(ちなみに、昔Goodpicの金子さんが「Skypeは友達ルーター」という記事を書いていたのを思い出しました。ちょっと視点は違いますが、イメージは友達ルーターですね。)
私は昔IT系のコンサルで、フリーアドレスのオフィスで働いていたことがあります。その会社では自分の席が決まっておらず、それどころか自宅作業もOK。
ただ、もちろん打ち合わせがしたければ会社に出てこざるを得ないですし、そもそも自宅作業を本当にしているかもあいまいだったように記憶しています。
こういう新しいコミュニケーション手段が増えてくると、ああいう働き方ももっと効率的に支援できそうです。
先日書いたどこでも仕事ができる未来というのにもつながるのかもしれないなぁとぼんやり思いました。
まぁ、個人的には渡辺千賀さんと同様、「そんなみんなにつながってる状態は鬱陶しいなぁ」と思いますが。