月額2900円で5月から–ウィルコム、音声定額サービスを正式発表 – CNET Japanを読んで。
先日、NTTドコモがPHS事業からの撤退を発表したばかりですが、同じPHS事業者であるウィルコムは、逆に積極的な攻めに出てきました。
まぁ、音声通話定額制の導入自体は2月にリーク記事が出ていましたから、家族内通話無料ぐらいはやってくるだろうなぁと思っていましたが、どうもいきなり全端末を対象とする音声定額サービスを開始するようです。
何でもバックボーンのNTTのISDNから光ファイバへの切り替えの目処がついたのが大きく影響しているそうですが、ドコモの撤退でイメージが悪化しかねないPHSサービスのブランドを好転させるには十分過ぎる打ち手という印象です。
個人的に驚いたのは、基地局展開も2006年3月に人口カバー率99%を超えると言う点。
いつのまにか着々とエリアを広げていたんですね。知りませんでした。
まぁ人口カバー率というのはあくまで「人口」であって「日本の土地」ではないので、当然山奥などでは電波は入らないのですが。都市を中心に生活している人なら十分なレベル。
長電話をすることが多い人にとっては、実に魅力的なサービスと言えるでしょう。
最近特にメディアの方や通信業界の方と話をすると、実はモバイルの本命はウィルコムじゃないか、なんて話をすることが多かったのですが、ますます目が離せない存在になりましたね。
ちなみに、現時点ではウィルコムの利用者は所詮300万程度。
自分が電話をする相手もウィルコムに変更してもらわないといけませんから、いきなり顧客が携帯電話からウィルコムに大量に流出することは少ないかもしれません。
ただ、中国では携帯電話の市場を、低コストを武器にしたPHSが、徐々に侵食し始めているという話もありますし、日本で同じ事がおこらないとは言い切れません。
先日、モトローラのSkype搭載で、携帯電話業界も三途の川を渡るか、という記事を書きましたが。どうもSkypeの無線対応を待つまでも無く、今回のウィルコムの音声定額サービスが、携帯電話事業者にとってのパンドラの箱になりそうな雰囲気です。
もちろん他の携帯電話事業者は、間違いなくしばらく静観の構えを見せるでしょうが、顧客の流出が止まらないボーダフォン辺りがたまらず追随したりすると、歯止めが利かなくなりそうな予感がします。
これで、ウィルコムをソフトバンクが買収して、BBフォンとの相互無料通話を実現してしまったりすると、更にえらいことになってしまいそうですが・・・
番号ポータビリティの導入を控えて、携帯電話業界は当分目が離せそうにありません。