P2P電話「Skype」の最新ベータ版、SkypeInやVoicemailなど新機能搭載を読んで。
P2P電話のSkypeに、いよいよ待望のSkypeInサービスが開始です。
SkypeInとはSkypeに固定電話の電話番号を付与することがサービスで、SkypeInを契約すると利用者は普通の電話からの電話を受けることができるようになります。
つまり、これでSkypeは普通の電話と同様、他の電話にかけることも、他の電話からの電話を受けることもできるわけで、機能的には一般の電話と変わらないレベルに来たと言えます。
さらに特徴的なのが、SkypeInには留守番電話サービスが標準でセットになっていること。
SkypeはPCで利用するのが一般的なソフトフォンなので、当然PCの電源を落としているときには電話を受けることができません。
それじゃあ実用としては使い物にならないと思う人も多いことでしょう。
ところがSkypeIn契約者の場合は、留守番電話サービスがあるので、PCの電源が落ちているときには留守番電話にメッセージを入れることができます。
技術に詳しい人はP2Pなのに何でそんなことが?と逆に驚かれるかもしれませんが、種明かしをすれば簡単。
この手の新サービスは全てSkype社のサーバーが提供しているサービスなわけです。
単純に考えれば、携帯電話にも携帯電話自体の留守番電話機能と携帯電話事業者が提供する留守番電話サービスがあるのと同じ事ですね。
サービス開始当初のSkypeは、設備投資がほとんどいらないP2P技術の特徴を生かして、完全無料のソフトウェアを展開することで大勢の利用者を確保していましたが。
いよいよ、リスクを取ってサーバー投資にも力を入れ、幅の広いサービス展開を進めるようになったというのが現在のSkypeの状況でしょうか。
SkypeOut,SkypeIn,Voicemailなどは全てSkype社のサーバーで展開されるサービス。
そのほかにも今回のバージョンアップでは、Central Contacts Listという家と会社のPCでSkypeのフレンドリストを同期できるようになっており、おそらくこれもサーバーで同期を取っていると推測されます。
当初は無料で利用者を増やし、その利用者数を梃子に細かい付加サービスで収入を確保すると言う手法は、実は昔のYahoo!やGoogleの広告モデルもそうですし、最近のブログ事業者やmixiなども同じ。
そういう意味では極端に珍しい手法ではないのですが、SkypeはP2P技術を上手く活用し、その手法を電話サービスという有料が当然の世界に持ち込んだのが、コロンブスの卵だったと言えるかもしれません。
ちなみに利用者の立場からすると、PCの電源が落ちている≒どうせ席にいないので電話に出れない、ということなので、SkypeInを契約すれば個人専用電話番号+ボイスメール環境が整うわけで、いわゆる企業向けのダイヤルインとボイスメール並みの効果を得ることができます。
しかも料金はたったの年30ユーロ。
当然、これまでどおりSkypeの利用者同士は完全無料通話をエンジョイすることができますから、いよいよSkypeが既存の電話サービスに本格的に牙を剥いたと言ってもいいかもしれません。
まぁ、しかし残念なのは固定電話の番号が現在許可されているのはアメリカ、イギリス、フランス、香港のみという事実。
BBフォンなどのIP電話では日米間の電話料金は格安ですから、アメリカの番号でも使えないわけでもないですが、やはりちょっと実用には難しいですね。
当面は、海外とのやり取りが多い人向けのサービスと言えるでしょう。
(ちなみにGoing My Wayのkengoさんは早速San Joseの番号を取ったようですし、私もとりあえず申し込んでみましたが。)
総務省がSkypeに050番号を許可するかどうかは以前グレーですから、iTunesと同様、日本はしばらくネット鎖国状態が続きそうですね。(iTunesはそろそろサービス開始のはずですが・・・)
ブロードバンド大国と言いつつも、こうやって最先端のサービスから毎回置いていかれるのは、ちょっと悲しい気がします。
僕もSkypeInの番号とろうと思ったのですが、シアトルの番号206がない! ということVoicemailだけにすることにします。
ええ?シアトル無いんですか?
何ででしょうね・・・・
やっぱり州によって法律が違うアメリカならではの問題でもあるんでしょうか・・・