Web 2.0とYahoo!検索APIの関係~井上俊一・検索企画室長が語るを読んで。
今月頭に日本語が公開されたYahoo!検索のAPIですが、なんでも1週間でIDの登録数が1000を超えたとかで、順調に登録数を増やしているようです。
ディベロッパーコミュニティを取り込んで、自社だけでは難しい様々なアプリケーションが生み出される土壌を作るという手法は、米国においてはGoogleの印象が圧倒的に強いですが、日本においてはやはりヤフーの影響力の大きさを感じます。
もちろん、それはAPIに関するドキュメントを日本語で公開したり、ヤフーの人たちが検索会議のようなイベントを通じて開発者のコミュニティと直接交流する機会を持ったりという努力の成果と言っていいでしょう。
早速、便利なサービスが数々生み出されていて、利用者としては心強い限りです。
ちなみに記事を読んでいて個人的に非常に気になったのは井上さんの下記の発言。
「大きなCPからヘッドコンテンツをバーンと買ってドーンと見せる会社だから、テールという発想が今まではなかった」と井上氏。ただし、ロングテールな検索の世界ではヘッドばかりというわけにもいかない。小さなコンテンツであっても必要なコンテンツにヒットするのが検索エンジンの理想だ。「ユーザーが作成したテールコンテンツに主流が移っていく。これは自然な流れだ。テールコンテンツにリンクをどんどん張ったり、見せてあげるようにしたい」
ヤフーのようないわゆるポータルサイトが対称にしていたヘッドコンテンツに対し、Googleがロングテールをベースに自社の市場を拡大したというのが、ネット事業においては良く比較論で出ます。
確かに米国においては、Googleが大きく先行にしたことによりロングテールはGoogleの独壇場の感は強くあるのも事実です。
ただ、日本市場においてはまだ実はそういった差はついていません。
ヤフーがヘッドコンテンツにおける圧倒的な存在感も基に、ロングテール市場もまとめて押さえてしまうということは、十分ありえるシナリオのような気もしてきます。
(現在のところはAPIの利用条件など、課題もいろいろあるようですが)
現在のところは、日本におけるコンテンツマッチ広告は、Google Adsenseの独壇場ではありますが、先日VectorにOvertureのコンテンツマッチ広告らしきものが出ているのも見ましたから、この分野の競争も時間の問題のような気もします。
なんだか相変わらず上手く考えがまとまりませんが。
ロングテールとヘッドコンテンツ。
この二つの手法の間にあるビジネス的な葛藤のようなものを、もしヤフーが上手く乗り越えることができると、日本市場だけはヤフーの寡占状態がまだ当分続きそうな感じもするのは、私だけでしょうか・・・
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