無線LAN共有サービスのFONがインフラただ乗り論に火をつけそう

ITmedia News:個人の無線LANを開放、世界中を“サービスエリア”に──「FON」が日本進出を読んで。
 GoogleやSkypeが出資をしたというので話題になった無線LAN共有サービスのFONですが、4月11日に日本参入を発表しましたね。
 Skypeは利用者のPCを活用することで、電話交換機網的なネットワークをインターネット上に形成し、無料の電話サービスを実現しましたが。
 この無線LAN共有サービスのFONは利用者の無線LANをお互いに利用しあうことで、利用者が無料で利用できる面的な公衆無線LANサービスを実現することを目指しているサービスです。
 無料の公衆無線LANサービスと言えば、バッファローが中心に取り組んでいるフリースポットというサービスがありましたが、フリースポットがどちらかというと店舗等の集客目的なのに対し、FONはあくまで利用者同士の協力によるオープンソース的なプロジェクトです。
 何でも、昨年11月にスタートしてから、すでに144カ国に2万9000人が登録をしているとか。
 まぁ、この数字だけ見ても果たして流行っているのかどうなのかはイマイチ判断できませんが、日本国内の登録者は46人との事なので、これから始まるというところでしょう。
(ちなみにフリースポットは、すでに3663拠点あるようです)
 
 
 公衆無線LANサービスと言えば、ヤフーやライブドアがサービス展開をしているもののイマイチ盛り上がらない鬼っ子サービスと化していますが、FONの場合に気になるのはサービスが流行るかどうかということよりも、やはり「インフラただ乗り」問題の行方でしょう。
 すでにUSENが展開する動画配信サービス「GyaO」やIP電話サービス「Skype」のトラフィック急増をきっかけに、通信会社の経営陣からよく発言されるようになっているインフラただ乗り論ですが。
 このFONの場合は、通信会社からするとインフラ自体を勝手に共有されてしまうわけで、GyaoやSkypeのようなアプリケーションよりも、さらに神経を逆撫でされるモデルです。
 もちろん、現状のFONのモデルはあくまで他人のアクセスポイントに無料で接続するには自分のアクセスポイントを無料で開放する必要があるので、FONのおかげで回線契約者やISP契約者が激減するという話では無いのですが、まぁやっぱり自分のインフラを勝手に共有されてしまうのは気に入らない話でしょう。
 また、Rauru Blogによると、バックボーン網の負荷がより深刻な問題になるのではという懸念もあるようですし、そもそも、ISPの規約上、利用者は勝手に自分の回線を他人に提供してはいけないのではないかという話もあるようです。
 まぁ、デジタルガレージの伊藤譲一さんなんかがバックアップして日本参入を発表しているぐらいですから、どこかのISPとある程度水面下で話がついているのかもしれませんが・・・
 注目したいと思います。