プレスブログ的なサービスは企業には案外お得なのかも

 womma.jp3回目 – threepennie’s blogを読んで。
  先日、WOM勉強会の感想で「プレスブログで頑張れば、1ヶ月で5000円稼げるらしい」というプレスブログで書く側の話を書きましたが、当然同時に注目されるのは企業の側です。
 実際のプレスブログのクチコミ効果については、threepennieさんが「ファンでもないのに記事を書く、強制ではないけど、それにどれくらいの効果がある?」と指摘されてるとおり、それほどコストパフォーマンスが良いとは思えません。
 勉強会でも指摘されてましたが、一人300円払って、仮にその記事を平均3人の人が読んでくれたとしても一人当たり100円払っていることになります。
 読者一人当たり100円払って記事を読んでもらってるとしたら、えらく高いコストです。


 当然、全員が記事に興味を持つとは限りませんし、仮に記事を読んでくれた人が全員リンクを記事のクリックしてくれたとしても1クリックあたりのコストは100円ですから、普通のキーワードならGoogle Adsenseにでも広告を打ったほうが安いはずです。
 もちろん、そこからクチコミが広がっていくなら広告効果はあがるわけですが、そこはthreepennieさんが指摘されているように、経験のこもっていないクチコミなんてたいした影響力が無いはずで、とてもこの手のサービスにそれほど効果があるとは思えません。
 ただ、冷静にプレスブログ的なサービスを考えると、企業担当者にとっては実は効率が良い手段なのかもという気がしてきます。
 何しろお金を払えば、その分確実に500~1000件の「ブログ記事」を獲得することができます。
 真のクチコミマーケティングが失敗すれば、まったく話題にならないのに対し、プレスブログ的サービスでは基本的に失敗はありません。
 お金を払った分だけ記事を書いてもらったという成果が出るわけで、担当者からしたらこれほど失敗のリスクの低い手段は無いでしょう。
 いくらやらせ記事とはいえ、記事を書く人は少なくともそのサービスを認知してくれるわけで、500人~1000人にはサービスを知ってもらえることになります。おまけにプレスブログの場合は最大16万人に告知のメールが送付できるわけで、下手なメールニュース広告より認知度を挙げる効果はあるかもしれません。
 さらに、個人的にはこれが最も大きいと思いますが、最終的にこれらの記事がSEO効果を生むことになります。
 一度に1000の被リンクを得ることができれば、いくら無名ブログからでもある程度の効果があるはずで。
 ある意味このSEO効果だけでも、お金を払う価値があるかもしれません。
 おまけに、下手な自動被リンクの仕組みに比べて、プレスブログ的サービスではリンクを貼っているのは人間です。
 いきなり1000件以上似たような記事が出現するというのは、無名企業ではありえないとはいえ、自然発生のクチコミでもありえなくはないですから、GoogleやYahooのような検索エンジンサービスも、スパム行為として自動対策するのも難しそうです。
 
 この手のサービスがブロガーへの報酬以外にいくら費用がかかるのか知りませんが、数十万程度であれば、それほど効率が悪くない気もしてきます。
 まぁ、こうなるとクチコミマーケティングではなく、あくまで一括ブログ記事広告執筆+SEO対策サービスでしかないのですが。
 実際、先日の河野さんの講演資料なんかを見ていると、実にそうそうたる企業がプレスブログのクライアントして並んでいるのが分かります。
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 テスト的な実施という企業もあるのでしょうが、勉強会では。ある類似の企業のサービスはサービス開始にあたって見込み顧客となる企業が既に200社もいるという話までありました。
 
 TechCrunchからは「やらせブログ」のウィルス、とウィルス扱いされていたり、プレスブログという名称に対して本職のプレスやメディア関係者の方から評判が悪かったり、規制の話や炎上の話なんかもありますから、まだまだ議論は続きそうではあるのですが。
 なんだかんだいってこの手のサービスは、しばらく企業担当者からは人気を集め続けるような気がします。