ONEDARI BOYSの企画で、ドラリオンのゲネプロに参加させていただきました。
ゲネプロというのは「本番通りに行われるリハーサル」だそうなんですが。
実は私、正直な話、ゲネプロという単語を聞くのも初めてならば、シルク・ドゥ・ソレイユのステージを見るのも初めて。
そもそも、個人的にはコンサートとかミュージカルとか、事前にチケットを取らなければいけないイベントは、ほとんど見に行ったことが無かった人間です。
もちろんアレグリアなり、キダムなりといったシルク・ドゥ・ソレイユの過去のステージのコマーシャルは散々目にしているのですが、なんとなく「まぁ今時のサーカスかな」ぐらいに思ってました。
ただ、そんな私のイメージがちょっと変わったのが昨年読んだブルーオーシャン戦略という一冊の経営本。
この本では、企業どうしが血みどろの競争をくり広げる市場空間を「レッド・オーシャン」、競争のない新たな市場空間を「ブルー・オーシャン」と名づけ、ブルー・オーシャンを築くことこそが新たな戦略の成功条件である、と説いているのですが、そのブルー・オーシャンの開拓に成功した代表事例としてシルク・ドゥ・ソレイユをあげていたのです。
その箇所を引用すると下記のとおり。
「シルクは一般のサーカスとも、伝統的なパフォーマンスとも趣が違い、ライバルの動静にはまったく関心を払わなかった。従来は、課題によりよいソリューションを見出して、つまり、より楽しい、より心躍るサーカスを提供して、ライバルの上を行こうという考え方が主流だったが、シルクはサーカスの楽しさと興奮はもとより、パフォーマンスとしての知的洗練度、豊かな芸術性をも追求して、課題そのものをまったく新しく設定した。こうしてパフォーマンスやサーカスの垣根を打ち破り、サーカス愛好家だけでなく、サーカスには関心のなかった大人の観客についても理解を深めたのである。」
シルク・ドゥ・ソレイユは、サーカスにしてサーカスにあらずということになります。 とはいえ、本で読んだだけだが分かったような分からないような。
アレグリアをちゃんと見に行っておけば良かった、と後悔していたというのが実情でした。
そんな中、今回ドラリオンのゲネプロの話を頂いたので、一も二も無く飛びついたわけです。
で、前置きが長くなりましたが、シルク・ドゥ・ソレイユのドラリオンがどうだったかというと。
実際に目にしたステージは、正直、想像を完全に超えていました。
ブルーオーシャン戦略を読んで、サーカスとは違うということを理解していたものの、アレグリアをモーニング娘がプロモーションしていたり、テレビコマーシャルでサーカスっぽいシーンが強調されていたので、もっと子供向けのものをイメージしていたり。
なにしろ会場のビッグトップもご覧のとおりサーカスのテント風。
ああ、やっぱりサーカスなんだと勘違いしてしまったわけです。
ただ、ドラリオンのステージを目の当たりにして自分がいかに間違っていたか、よく分かりました。
いや、これは確かにただのサーカスではありません。
レッドオーシャンではないんです、ブルーオーシャンです。
なんと表現すれば良いのでしょうか。
演目自体は、トランポリンだったり、ジャグリングだったり、空中ブランコだったり、玉乗りだったり、輪くぐりだったり、縄跳びだったりするわけです。
そういう意味では確かに分類すればサーカスなんですが。
明らかにこれはサーカスとは呼べません。
それぞれの演技が歌や音楽と絶妙のハーモニーをかもしだしているという意味ではミュージカルやオペラの要素もあるでしょうか。
さらにドラリオンというのは、東を代表する龍(DRAGON:ドラゴン)と西を代表する獅子(LION:ライオン)からなる造語ということだそうで東洋と西洋の融合が一つのテーマ。
そのため、中国雑技団を思わせる要素も随所に見られますし、ベリーダンスやアフリカンダンスも組み込まれています。
しかも、各演目を演じているのは、その道のトップ。
それこそ世界のトッププレイヤーとか元メダリストとか、そういうレベルの人たちだそうです。
でも、ドラリオンをそれぞれの言葉で説明するのは、やはり間違っている気がします。
あえて言うなら、サーカスと大道芸とミュージカルとオペラと中国雑技団とベリーダンスとアフリカンダンスを全部足して、なおかつ割らないという感じでしょうか。
全部を洗練させて掛け算しているという方が正しいかもしれません。
自分でも何を書いているのか分からなくなってきましたが。
これこそが、新しい市場を切り開いたブルーオーシャンならではの現象なのかもしれません。
これまでにない新しい市場なのだから、表現する言葉が無くてある意味当然。と開き直ってみたり。
招待で見せていただいた人間が書くのも変な話ですが。
ドラリオンは、シルク・ドゥ・ソレイユのステージをまだ見たことが無い、私のような仕事人間の人にこそ、お勧めしたいと思います。
本当のブルーオーシャンとは何なのか、というのが痛感できます。
ちなみに、ドラリオンのブログや動画も公開されているようですので、もっとましな解説が読みたい人はこちらをどうぞ。
■ドラリオン公式ウェブサイト
ドラリオン( DRALION )は、まさに怒涛のステージでした。
きのうは、ドラリオンをONEDARIするという幸運に見舞われました。 リンク:
徳力さん、うらやましい!
でも、ぼくもチケット予約してしまいましたよ。3/28。家族4人で行くので結構な出費ですが、せっかくなのでS席を取りました。シルク・ドゥ・ソレイユは念願の初体験なのですが、記事を読んでますます楽しみになりました(^^)