メディア・パブ: GoogleのDoubleClick買収,システム依存の検索広告事業だけではダメを読んで。
先週の、GoogleによるDoubleClick買収の金額には驚きました。
ネット系の先端の人に話を聞いていると、DoubleClickはあまり評判が良くない印象があったのですが、なんだかんだいって買収金額は31億ドル。
pop*popでも紹介されていましたが、その金額たるや高いといわれたeBayによるSkype買収の上を行き、あのYouTubeの倍の価値があることになります。
凄いです。
それにしても、一時期、MicrosoftによるDoubleClick買収が決まったように記事を見て印象を受けていたのですが、結局はGoogleの資金力が勝ったということでしょうか。
Ad Innovatorによると、アナリスト向け会見で準備不足を露呈していたようで、とにかくMicrosoftに取られるぐらいなら高値でも構わないと無理矢理競り落としたのではないかという経緯も見え隠れします。
メディアパブでも、今回のGoogleのDoubleClick買収は、DoubleClickの営業力がターゲットだったのではないかという分析をされていますが、個人的にも納得です。
実際、DoubleClickぐらいのシステムであれば、現在のGoogleの広告ネットワークを考えれば、それほど難しいものではないはずです。
(おまけに、John Battelleのブログによると、GoogleはDoubleClickの買収が失敗したときに備えて、DoubleClickキラーとなるシステムを用意していたとかいないとか・・・)
そういう意味では、ウェブ広告事業で全く存在感が無いMicrosoftに比べれば、GoogleにとってDoubleClickというのはシステム面では必要不可欠な存在ではなかったはず。
それでも、31億ドル(しかもキャッシュで)という緊急の買収に動いたのは、DoubleClickの人材やクライアントとのリレーションをライバルに奪われるぐらいならという思いがあったことは想像に難くありません。
何でもかんでもエンジニアが作り出したソフトウェアやシステムが自動でやっている印象の強いGoogleですが、今回のDoubleClickによる営業人材の獲得といい、最近のGoogle Apps Premier Editionにおける人手での有料サポートサービスの提供といい、徐々に人手によるサービスに力を入れざるを得ない事業領域の割合が増えつつある気がします。
一方で、2005年に買収したモバイルSNSのdodgeballの創業者二人が、ブーイングのジェスチャー写真でGoogle退社を発表して話題になったりしていて、これまであまり見られなかったエンジニアによるGoogleバッシングの芽も少し出てきた感じもします。
(まぁ、このdodgeballに関しては、二人にも問題がありそうなので特殊なケースかもしれませんが)
はたしてGoogleは、営業やサポートなどの社内人材割合が増えても、その遺伝子を変えずにこれからもGoogleとして、事業領域を広げ続けていくことができるのか、今後注目したいところです。