松坂のジャイロボールに見るネーミングの価値

 MAJOR.JP | MLB コラム – 松坂のスライダーはジャイロボールなのか?(前編)を読んで。
 今年からメジャーリーグに渡った松坂ですが、最近米国のメディアでは松坂の魔球「ジャイロボール」に話題が集中しているそうです。
 すっぽ抜けたボールをジャイロボールと勘違いしたり、インタビューのたびにいつ投げるのかと聞かれたり、報道も完全に過熱気味。
 東京新聞の記事なんかによると、ジャイロボールとは、「スライダーの兄弟球。ちょっとの向きの違いでスライダーになったり、ジャイロになったりする」ということのようですが、要は「日本円で六十億という高額な落札額が、まずファンを驚かせ、『一体、どんなすごいピッチャーなのか』という興味に応えてミステリーボールという言葉が出てきた」というところが背景にあるようで、松坂もわざとか面白がってか話を濁すので余計に盛り上がっているようです。


 しまいには「ジャイロボールは宇宙から来たボール」なんて見出しもついたりしてますから、まぁもはや都市伝説みたいなものでしょうか。
 この話を聞いて改めて感じるのがネーミングの価値。
 なにしろ「ジャイロボール」ですよ。
 名前だけ聞くと、いかにも魔球という印象ですが、実はこれ何もメジャーにあわせて松坂が最近投げ始めたものではなく、日本でも投げていたボール。
 要は名前がついただけ。
 ただ、スライダーの回転軸が変わった球とか何とか言われても誰も興味を引かないところが、ジャイロボールといわれると気になってくるのが人情というものなわけで。
 これはやはり命名した人をほめるべきでしょう。
 (とはいえ、実際の命名自体は5年以上前らしいので、松坂の力も大きいわけですが)
 なんだかWeb2.0って何だ?と騒いでいた、一昔前のことを思い出してしまいました。
 Web2.0も、ある意味既に始まっていたインターネット上の一連の出来事を総称したキーワードだったと思いますが、このキーワードによって、インターネットが第二フェーズに入ったのが明確に表現され、いまや大企業も含めて「Web2.0を何かやれ」とかいう世界になってしまうわけで。
 自分も、アルファブロガーとか、マジックミドルとか、海外のバズワードにすぐに飛びついてしまう典型的なタイプですが、ネーミングやキーワードの重要性を改めて感じる今日この頃です。