私がアルファブロガー投票企画を継続することにした理由

alphabloggers_logo.png 運営委員会に聞く「アルファブロガー・アワード」が目指すものとはを読んで。
 アルファブロガー・アワードについてBroadBand Watchの甲斐さんにインタビューして頂きました。
 とりとめのない話を、非常に分かりやすくまとめていただいていますので、詳細は上記記事をご覧頂ければと思いますが。 
 よく考えると、こちらのブログでアルファブロガー・アワードの告知を全くできていなかったので、記事の補足をかねて、今回なぜアルファブロガー投票企画を継続することにしたのかを、まとめておきたいと思います。
 記事の中でもはっきり書かれていますが、実は個人的にはアルファブロガー投票企画は昨年を最後に終わろうと思っていました。
 正確に言うと、2年目以降は毎年やるかどうか悩みながら、何となく継続してしまったというのが正直なところなのですが、昨年のアルファブロガー投票企画発表時にトップ40というランキング形式にしたのは、はっきりと投票企画の終了を意識してのものでした。
 やめようと思った理由は簡単で。
 アルファブロガー投票企画自体の存在意義がもう無いと感じていたからです。
 私がアルファブロガーを探せの第一回を企画した2003年12月の頃には、まだ日本で影響力の強いブログというとどこかというのはよく分からない状況だったように記憶しています。
 あれから4年の年月がたち、明らかに状況は変わっています。
 人気のあるブログを探したいのであれば、Technoratiや、feedmeter、livedoor Readerなど様々なブログのランキングがありますし、そもそもブログの数が増えすぎて、新しいブログを探したいというニーズは薄れ、個人個人が本当に必要と思うブログだけを読んでいれば良いのでは、という状況になっている気もします。
 そのあたりの話は、切込隊長や中島さんも書かれていましたが、この辺の指摘はそのとおりだと感じています。
切込隊長BLOG(ブログ): 私は「アルファブロガー」という考え方は終わっていると思います
Life is beautiful: 「ウミウシの生殖活動ブログ」とアルファブロガーの話
 今年に入り、NHKでアルファブロガーを取り上げてもらったり、そこここのプレゼン資料やプレスリリースでアルファブロガーの文字を見るようになり、もはや私ごときがどうこうするキーワードではなくなったと感じていたのも事実。
 アルファブロガー的なものが、旧来の権威者と同種に扱われることに対する違和感もありましたし、そういった権威付けに対する批判もあることは強く感じていました。
 そう言う意味では、アルファブロガー投票企画で選ばれることが必ずしも全ての方にとって良いことかどうか分からなくなってきたというのもあり、かといって、今更私個人のレベルでどうにかできる話ではない感じもあって。
 個人的にはすっかり卒業させていただく予定でした。
 昨年の企画が終わった後に書いた「アルファブロガー投票企画を終えて : tokuriki.com」という記事は、個人的には終了宣言のつもりだったりしたのです。
 そんな中、なんで継続することになったのかという話ですが。
 なんといっても大きかったのは、清田さんによる説得です。
 記事にも書かれていますが「ブロガーが主体となって良いブログを評価していこうという趣旨のコンテスト自体が珍しく、それが3年間も続いているということは非常に価値があることで、これはぜひ続けるべきだ」という話をとうとうと説かれていたのが非常に印象に残っています。
 個人的にも、アルファブロガー投票企画をやめる上で、一つ心に引っかかっていたのが、昨年のサイバーエージェントさん主催の「BLOG of the year 2006」。
 BLOG of the yearという名称だったので結果を楽しみにしていたら、選ばれたのは芸能人ブログのみ。で、唯一特別賞に選ばれた一般人ブログもドラマ化が決まっていたブログ。 
 しかも受賞者のタレントの一人が「ブログをはじめて間もない」とか「あまり更新しないのですが、これをきっかけにどんどん更新しようかなと思っています」と、とてもBLOG of the year受賞者とは思えない驚きの発言をしているという、正直私からすると悲しいものでした。
 まぁ、こういうベストジーニスト的アプローチの企画も、それはそれでアリだとは思うのですが、日本のブログがそっちだけの流れになってしまわないように、一般ブロガーによる一般ブロガーのための企画が継続されるべきでないかという話は、とくに考えさせられました。
 そこで、当初の目標が想定以上に達成されて、手に負えなくなったからやめるという後ろ向きな理由でやめるのではなく、前向きな形で継続する方向を検討してみようという風に考えを切り替えることになったわけです。
 そう言う意味で、今回のアルファブロガー・アワードでは、メインコンセプトを投票で人気ブログを探すというものから、普通の人には見つけづらい各分野の注目ブログにスポットライトを当て、ブログのお祭り的なイベントとして継続しようという形で大きく方針転換をしています。
 コンセプトが変わったという意味では、記事中に甲斐さんに指摘されたようにアルファブロガーというキーワードも捨てて、新しいイメージに切り替える手もあったのかもしれませんが。
 
 個人的には、芸能人ブログや社長ブログのような、すでに有名な人がブログを書いているという「人気ブロガー」とか「カリスマブロガー」という文脈ではなく、無名に近い個人がブログを始めたことによって、多くの人に読んでもらえるようになる可能性があるということを、「アルファブロガー」という言葉が表現してくれればと思っています。
 その結果、昔梅田さんがBlog論2005年バージョンで書いていた「大組織に属する超一流の技術者や経営者が本気でBlogを書くということも、どうも日本では起こりそうもない。」という状況が少しでも良い方向に変わってくれればな、と妄想しています。
 ちなみに、そう言う意味では、投票企画で選ばれたらアルファブロガーとか、選ばれなかったらアルファブロガーじゃないとかいうのはもう忘れていい話なのではないかとも思ったりします。
 昨年までは「アルファブロガー」を探す投票企画でしたが、今年からのはアルファブロガー・アワード。
 アルファブロガー的なブログという視点からブログが表彰されるという企画であって、お祭り的な位置づけがより強くなっている企画だと思っていただければ幸いです。
 
 アワードで選ばれた方々のブログについては、初めてブログを情報収集の対象として読んでみようと思った人が、参考にするためのリストとしてサイトにまとめていければと思っています。
 小飼さんにはブログの入れ替えをするべきだとご指摘いただきましたが、ABAのサイトでは更新が停止したブログはカテゴリから外すという形で対応していきたいと考えています。(現状は年度ごとのカテゴリには殿堂入り的に残していますが)
 
 もちろん、今回のアルファブロガー・アワードの形式がベストかどうかは分かりませんし、あくまでこれも一つのコンテストでしか無く、もっといろいろな方法があると思います。
 ただ、個人的に今回企画を継続してみて改めて意味があるのかなと思ったのは、こういった投票企画とかコンテストの過程で、普段なかなか見えてこないブログの読者による書き手に対する感謝の言葉であったり、尊敬の思いみたいなものが浮き出てくることかなーと思います。
 今回、清田さんが投票者の方々のコメントをノミネートページに反映してくれていますが、どのコメントも非常にあたたかいのが本当に印象的。
 そう言う意味では、「俺が好きなブログバトン」とか、私たちが普段読んでいるブログにたいして感謝を表明する方法は他にもいろいろあると思いますので、そういったアプローチがもっと増えると良いのかなーと思ったりします。
 
 なんだかまたしても、とりとめのないエントリーになってしまいましたが、アルファブロガー・アワードの投票は12月2日締め切りです
 この機会に、ぜひ皆さんのお薦めブログを自分のブログで紹介して、日頃の感謝の気持ちを表現しつつ、アワードの盛り上げにご協力いただければ幸いです。
 もちろん、アワードへの苦言・提言も大歓迎ですので、よろしくお願いいたします。

“私がアルファブロガー投票企画を継続することにした理由” への1件のフィードバック

  1. はぢめまして。ブリといいます。テクノラティの検索からやってまいりました。
    >しかも受賞者のタレントの一人が「ブログをはじめて間もない」とか「あまり更新しないのですが、これをきっかけにどんどん更新しようかなと思っています」と、とてもBLOG of the year受賞者とは思えない驚きの発言をしているという、正直私からすると悲しいものでした。
    これ、ホントそう思います。ブログランキングでも上位を占めるのが芸能人だったり(汗)。ブログを始めて間もなくても毎日、面白い記事を更新してたりするのもあることはあるのですがね。ただページビューが社長だったりアイドルだったりすると全く違う訳で。
    そういう影響力では無く「アルファブロガーを探す」という企画は好きです。本も読みました。ほへぇ~こんな記事が・・凄いなぁって。ブログ始めて2,3年という中級者(?)にはアルファブロガーという響きは結構ステキに感じます。ただ、影響力があるから何をしてもいい(誹謗中傷など)とは別の話ですけどね。
    更新頑張ってください。でわでわ。

コメントは受け付けていません。