UNIQLO MEETS CORTEOで体験した、企業とファンが共に作るコンテンツの価値

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 先月2月17日に、原宿新ビッグトップで開催された「UNIQLO MEETS CORTEO」のイベント「THE COLOR SHOW TOKYO」にご招待頂きました。
 完全に周回遅れのレポートになってしまいますが、感想を書いておきたいと思います。
 (プレス受付の写真利用の契約書に、2月17日なのに間違えて3月17日と書いてしまい、写真を使うに使えなくなってしまっていたというのは言い訳です。)
 UNIQLO MEETS CORTEOというのは、ユニクロがシルク・ドゥ・ソレイユとコラボレーションすることで実現した、オンライン上のコンテンツ。
 「UNIQLOCK」をはじめ、「UNIQLO JUMP」や「UNIQLO TODAY」など、Webを活用した様々なキャンペーンに挑戦しているユニクロの新しいチャレンジの一つです。
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 個人的にも、「「UNIQLOCK」がロングヒットを続ける理由とは」というコラムを書いているようにユニクロさんのキャンペーンに非常に興味がありますし、以前にシルク・ドゥ・ソレイユのドラリオンを見させて頂いてすっかり虜になった人間なので、この二つのコラボというのは非常に印象深いものがあります。
 当日の雰囲気や、コルテオの演目の写真については、既に多くのブログで書かれているので、下手っぴな私の写真よりも、そちらを是非ご覧いただければと思いますが。
 個人的に非常に印象に残ったのは、なんといっても当日の会場の一体感。


 もちろん、ユニクロとコルテオのコラボとはいえ、そこは世界最高を自負するシルク・ドゥ・ソレイユ。
 演目の間にユニクロの洋服を宣伝するとか、そういうテレビ番組でありがちな宣伝行為は一切するはずはありません。
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 実はこの当日のコラボイベント「THE COLOR SHOW TOKYO」で実施されたのは、会場をユニクロに一日貸し切りにして、ユニクロが招待した顧客だけが参加できるようにし、その参加者にユニクロからカラフルなストールがプレゼントされたという点だけ。
 あとは、基本的に通常の講演とおそらく全く一緒です。
 特に参加者が一斉にユニクロの社名を叫ぶとか、決まったポーズをするとかも一切無く、参加者からするとこんな自由で良いの?とびっくりするぐらい、実に自由なコラボでした。
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 ただ、とても印象的だったのが、最後の演目が終わったときに、自然と会場全体でスタンディングオベーションがされたこと。
 壇上のパフォーマーからも「素晴らしい観客だね(というような意味の英語)」という声がちらっと聞こえてきたほどで、日本であんな一体感のあるスタンディングオベーションを見たのは私も初めて。
 今考えても、あの会場には不思議な連帯感があったと感じます。
 その連帯感の理由は、この写真を見て頂ければ分かって頂けるでしょうか。
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 なにしろ当日の会場は、右を見ても左を見てもユニクロのストールを巻いているという人たちなわけで、そもそも私のような招待客以外の人たちは、ユニクロのサイトから応募しているユニクロのファンの人たちであり「仲間」なわけです。
 
 ストールというちょっとしたシンボルでしかないのですが、そんなシンボルが表現するつながりを感じている人たちと一緒に見ているからこそ、普段はスタンディングオベーションをするのを恥ずかしく感じるような人たちも、会場の勢いで一緒に立ち上がることができたのかなーと。
 そんなことを感じたひとときでした。
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 当然、こんなゆるいアプローチがマーケティングの企画として意味があるのは、ユニクロという企業がシルク・ドゥ・ソレイユというコンテンツと近い立ち位置にあるからでしょうし、この企画を実施することがユニクロの売り上げにどれだけ貢献するかという見方をすると、直接的には関連性が薄く見えるかもしれません。
 ただ、ユニクロのサイト上で、ストールを巻いた参加者が、見事にコルテオの動画と一体化してコンテンツになっているのを見れば見るほど、なるほどユニクロがやろうとしていることは、ファンと一緒になってコンテンツを作ってしまうことだったんだと、妙に納得してしまう自分がいます。
 参加者にとっても、この夜がとても特別な夜だったことは間違いありませんし、多くのユニクロファンの人たちが、さらにユニクロに対して良いイメージを持って家路についたことでしょう。
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 もちろん参加した人は3000人にすぎませんが、シルク・ドゥ・ソレイユのファンにとっても、このサイトはユニクロのイメージを変えるきっかけになりうるでしょうし。
 ユニクロのファンにとっても、このサイトはユニクロが自分たちファンを大事にしているというメッセージとして、ファンの人たちとユニクロというブランドを育てていこうとしているというメッセージとして伝わるのではないかと思います。
 こういう1つ1つの取り組みこそが、1つ1つの取り組みでファンと交わすメッセージや、その積み重ねで生まれてくる姿勢とか印象とかイメージこそが、長い目で見ると企業にとって宝となるのではないかなと、そんなことを改めて考えさせられる取り組みでした。
(とりあえず、山口県出身者の私にとっての、地元の安売りTシャツショップだったユニクロのイメージが、今回のイベントで完全に一掃されたことは間違いありません・・・)
■ということで、当日の詳細を知りたい方は、他の参加された方々の記事をどうぞ
ユニクロ×コルテオのコラボ公演に潜入! 大技の連続に感無量 日経トレンディネット
[N] 「UNIQLO MEETS CORTEO」でのユニクロ体験レポート
POLAR BEAR BLOG: 『コルテオ』と『ZED』、どちらを観る?
29man(ニクマン): Uniqlog meets Corteo: The Color Show