グロースハッカー (ライアン・ホリデイ)は、実はこれからの時代のマーケティング担当者の必読書といえると思います

482224993X 「グロースハッカー」は、タイトル通り最近話題の「グロースハッカー」について紹介されている書籍です。
 献本を頂いていたのですが、遅ればせながら書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 グロースハッカーについては、Googleでグロースハッカーと検索すると関連後に「サザエ」と表示されるぐらい、こちらのサザエさんのスライドが有名ですので、まずはこちらをご覧ください。

 
 グロースハッカーというと、どうしてもハッカーという語感からエンジニア向けの書籍という印象をもたれると思いますが、書籍でも「グロースハッカーは新世代のマーケティング担当幹部である」という表現があるように、口コミでユーザーを増やすことができるソーシャルメディア時代の新しいマーケティングコンセプトと思って読んだ方が良いかもしれません。
 マーケターというと広告予算を基にお金を使う、というイメージを持たれている人が多いかもしれませんが、この本で定義されているのは製品開発も含めてできるだけ低コストの方法から試してみて、徐々に拡大するアプローチ。
 真逆の立ち位置というぐらいスタンスが異なるのですが、それこそが新世代のマーケティング担当幹部であるというメッセージです。
 書籍としては薄い本ですし読みやすいと思いますが、その概念自体はかなり奥が深いと思います。
 「リーン・スタートアップ」というコンセプトもありましたが、あの本と合わせて読むとより理解が深まる気がします。
 「グランズウェル」や「マーケティング3.0」と合わせて読むのもお勧めです。
 
【読書メモ】
■グロースハッカーは新世代のマーケティング担当幹部である
■「十分な予算がない中で、スタートアップは企業を急成長させる術を習得したのだ」(ミカ・ボールドウィン)
 
■そして今彼らが作り上げた手法、新機軸、裏ワザが、われわれマーケターがこれまで学んできた手法と対抗しているのだ。


■製品開発とマーケティングを完全に別のプロセスとして行う方法はもう古い。
■「こんなやり方はもうだめだ。インターネットとソーシャルメディアのツールを使えば追跡とテストを繰り返せるし、マーケティングを改善できる。そうすれば、従来のギャンブルが必要なくなるだけでなく、そうしたギャンブルがとんでもなく非生産的であることがわかる。」
■プロダクト・マーケット・フィット(PMF)
 サービスと顧客のニーズが完全にシンクロする状態を指す。
■今やPMFへの到達はマーケターの仕事だ
■古いマインドセットを持つマーケターは、とにかく考えられるだけのあらゆる人をつかまえてこいと言う。
 グロースハッカーはこの誘惑を退け、アーリーアダプターだけを魅了するよう慎重に動く。しかも可能な限りコストを掛けない方法を探す。
■「認知より顧客獲得にフォーカスする必要がある。ある程度の規模になれば、認知/ブランド構築にも意味があるが、立ちあげ後1~2年の間は完全に金の無駄だ」(ショーン・エリス)
■ゴー・バイラルしたければ、クチコミの種を製品の中に仕込む必要があるということだ。

482224993X グロースハッカー
ライアン・ホリデイ 加藤恭輔
日経BP社 2013-12-12

by G-Tools