■毎日ブログを書かないと人気ブロガーにはなれない?
ちなみに一番最初に今回の結果はある程度予想できていたと書きましたが。
それを踏まえて今回の投票企画でもう一つの狙いとして追加したのが2問目の「印象に残ったブログの記事」を聞く質問でした。
つまり毎日ブログを書いていなくても、ごくたまに強烈に印象に残る記事を書く人がいるだろう、そういう人を発見しようと言う目的で実施された2問目ですが・・・実は大失敗でした。
必須回答にしていなかったせいもあり、ほとんどの方に回答いただけなかったばかりか、「どの記事か思い出せない」「記事が見つけられない」という回答も多くあり、機能しなかったのです。
要は企画の仕方が悪いのですが、実に残念でした。
(最近はRSSリーダーも徐々に普及しつつありますし、ソーシャルブックマークのような、記事単位を記録する仕組みも充実してきていますから、今年はそういったサービスを提供する事業者に是非記事単位の表彰をしてもらいたいなぁと他力本願に思ったりしたのですが・・・
R30さんにも「来年のアルファ・ブロガー投票企画は、ブロガーで選ぶのではなく、エントリで選ぶ形式を取ってほしい。」と提案されてしまったので、ちょっと考えます、はい。)
■アルファブロガーに選ばれるには・・・?
そういう意味で、今回のアルファブロガーに選ばれた方々を改めて振り返ると、やはり頻繁に更新をされている方が多いようです。
トップだった切込隊長ブログも毎日のように幅広い話題が投稿されていますし、百式は毎日欠かさず更新されています。ネタフルに至っては一部のニュースサイトよりも日々の投稿記事が多いほどの更新量を誇ります。
更新が多ければ読者としても毎日見に行く甲斐がありますし、自然と記事の数も増え検索にひっかかる確率も、興味のある記事にあたる確率も上がりますから、これはやはり重要な要素でしょう。
また、ブログを開始した時期が早い方が多いのも特徴的です。
ブログを書いている人が少ない時期に始めていれば、当然他のブログから引用されたり注目を浴びる可能性も高くなるわけで、これはある意味当然の要素ともいえますが、逆に情報発信が好きであったり、得意であったりするので早期にブログに取り組まれたということも言えるのかなぁと想像しています。
ただ、R30::マーケティング社会時評においては、この名前でブログを再開されたのが昨年後半ですから、内容ややり方によっては開始時期が遅くとも読者を集めることが可能なようです。
(この辺りのコツは是非ご本人に紹介していただくとして)
■アルファブロガーは知り合いが多い?
もう一つ個人的に気になった要素としては、どのアルファブロガーの方も、やはり非常に個性的でキャラがたっている方が多いと言うこと。
実名でブログをかかれている方が多いのも、その要因の一つになっていると思いますが、匿名でブログを書いている方の場合も、文章やコメントに対するやり取りからその人の人となりが想像できる場合が多いように思います。
また、選ばれた方同士が実は知り合いというケースも非常に多いようです。
知り合いであればお互いの記事を読んで、引用する機会も多いでしょうから、これも当然と言えば当然なのかもしれませんが、いろんな人と交流したり議論したりするのが好きな人が多いのかなぁという印象も有ります。
特に、それを更に強く感じたのが、先日急遽開催することになったアルファブロガー交流会です。
一部の方から「飲み会ぐらいしないの?」と言われたので、参加してもらえるならやってみようかと恐る恐る企画した飲み会だったのですが、予想を上回って多くの方に参加していただくことができました。
レポートが大変遅くなっていて申し訳ありませんが、次回は当日の様子をご紹介したいと思います。
アルファブロガー投票企画を振り返って(2)
(前回からの続きです)
■ブログはBlogと違う?
現在の日本のブログブームについて考える上で、企画の前に良く周囲で話題になったのが、米国のBlogと日本のブログの違いです。
米国においては大統領選挙においてBloggerが重要な役割を果たしたり、MicrosoftやSun Microsystemsなど大手企業の社員も実名で情報発信をするなど、情報発信の手段としてのBlogの位置付けはある程度確立されつつあるように見えます。
では、日本はどうか?というと。
確かにブログブームではあるのですが、主に注目を浴びているのはどちらかというと芸能人ブログであったり、読み物として面白いブログが中心のように感じていました。
もちろん、それらのブログも重要だとは思うのですが、FPNとして興味があるのは特にビジネスやテクノロジーの未来を占う上で参考になりそうなブログです。
はたして、そういうブログは日本にどれぐらいあるのだろう?というのが根本的な疑問でした。
■ブログって何のこと?
ちなみに、個人的には、今後の個人が開設するブログは、おそらく大きく3パターンぐらいに分かれてくると考えています。
まず一番目に、数として多くなると思われるのは、mixiの日記のような家族や知り合いなど身近な人に対してのコミュニケーション手段としての日記的なブログ。
次に、物販などのアフィリエイト収入を目的としたオンラインショップ的なブログもある程度増えるでしょう。
これにもちろん、純粋なテキストによる情報発信を目的としているブログがあります。
ビジネスやテクノロジー系の情報発信をするブログは、しょせんこの情報発信系ブログのさらに一部にしか過ぎないわけです。
おまけに、これに企業が運営するビジネスブログや、キャンペーンブログなども増えてくるでしょう。
これを全て「ブログ」と読んでいると、やっぱりブログについての議論をするときに混乱が多いですよね。
日記系のブログや、商品アフィリエイトのブログをイメージしている人に、ブログによるネットジャーナリズムの話をしても、ピンと来ないわけです。
■アルファブロガー
そんなときに目に飛び込んできたのが、Ad Innovatorの織田さんが書かれていたアルファブロガーという単語です。
米国と日本のブログを囲む状況の違いや、世間に与える影響力の違いは何となく分かってはいたものの、いわゆる日記的なブログの「人気」ブロガーと、ビジネスやテクノロジー系の皆が有名ブロガーの位置付けを分ける上でも、この単語は良いのでは?と勝手に盛り上がり、アルファブロガー投票企画をやってみようということになったわけです。
アルファブロガー的な人々が認知されて、そういうブログが注目されれば、後に続く人も増えてくれるのでは?という短絡的な希望もあったりしました。
もちろん、肩肘はらずに始められるのがブログの良い所なので、別にそれぞれの人がアルファブロガーを目指そうと、最初から意識して始めてもらう必要は無いのですが。
少しでもそういう書き手が増えるきっかけになればなぁというのが、今回の企画のもう一つの思いだったわけです。
アルファブロガー投票企画を振り返って(3)へ続く
アルファブロガー投票企画を振り返って(1)
先日実施したアルファブロガー投票企画には、皆さんからいろんなトラックバックやコメントを頂きました。
すっかりお返事が遅くなってしまいましたが、改めて今回の企画のきっかけやねらいをご紹介しながら、企画の反省も兼ねて振り返っていきたいと思います。
■今回の結果は当たり前?
皆さんの反応で一番多かったのが、この反応ですね。
世祓いでは「ま、ワシが選んだ3人はそれぞれ選ばれているし、それ以外もほとんど読んでいる所なんで、順当な結果とは言えそうだ。逆に、これだけ意外性に欠けてしまうと、敢えて選ぶまでも無かったか、という気もしないでもない。」と書いていただいていますが、まさにおっしゃるとおり。
誤解を恐れずに書きますと、実は今回の投票企画を実施するにあたり、アルファブロガーのトップ20が大体今回の結果のようになるだろうというのは、ある程度予想されていました。
例えば、Feed MeterのランキングやBloglinesのSubscriber数を見れば、今回の結果がそれほど大きくずれていないのが分かると思います。
投票と言う形では、読者数の数を超えた投票が入ることは普通ありえないので、多分こういう結果になるんだろうなぁという思いはあったのです。
Moleskin Diaryでは、今回の結果を受けて「日本のblog界は高尾山であった」と書かれていますが、ブログの黎明期からブログをウォッチしている方は同じ感覚をもたれたと思います。
ここで紹介したいのが、HPO:個人的な意見にあるべき乗の法則のアニメーションGIFです。
最初は低い小山だったものが一気に頂上に伸びていきますが、べき乗の法則によると、一般的にはこの頂上にいる人は頂上のまま上に伸びていくそうです。
つまり、山が高くなっていても、実は裾野が広がっているだけなので、頂上の景色はあまり変わらないんですよね。
■ビジネス系のブログは評価されない?
それでもあえて投票の形で実施したのは、他に方法が無いと言うのもありますが、今回アルファブロガーに選ばれたある方と、以前メールをやり取りしていてメールに「〇〇さんのような有名ブロガー」と書いたら、「私なんか有名ブロガーでもなんでもないですよ、数あるブログの賞とか記事に取り上げられたことも無いし」とお返事をいただいたことが影響してます。
個人的には、その方は確実に有名ブロガーだと思っていたので、これには正直驚きました。
確かに一般的な人気ランキングでは、ビジネス系の濃いブログはどうしても読者数がニッチなので埋もれてしまいがちです。
これは、切込隊長Blogでエキサイトブログニュースのランキングを例に「海外ニュースの翻訳や芸能ニュースが定番で上のほうに来るなかで、書き物として完成度の高い極東ブログがランキングに入ることはほとんどありません。」と書かれている通りですね。
それなら、ビジネス系やテクノロジー系の濃いブログが表彰される企画をやってみようというのが、今回のアルファブロガー企画の最初のきっかけだったりするのです。
そんなこんなで恐る恐る始めてしまった投票企画でしたが、皆様のご協力を頂いた結果、アルファブロガーのトップ20は、ブログをはじめて読み始めたビジネスマンにお勧めできる良質なブログが揃ったと考えています。
WEB屋のメモのように「私は織田浩一さんのAd Innovatorはチェックしていたがその他は全く。受賞サイトは当然だけれどどれもレベル高い。」と新たに発見していただいた方や、crescent moon in western skyのように「知らないサイトもあるから、チェックしておこう。」という方が少しでもおられるならば、企画の意味は少しはあったのかなぁと振り返っています。
■日本のブログ界は書き手不足?
ただ、切込隊長Blogで「イレブンに挙げられたブログの書き手はブログがあろうがなかろうが初めからネット社会でそれ相応の知名度を獲得していた古強者が多く、ブログが流行し始めて一年以上が経過したいまでもあまり優れた書き手が出てきていないと言うのが現状です。」と書かれていたり、RichStylesで「ブログブームといいながらどちらかというと「アメリカで流行っているから飛び乗れ」的なところから始まっているからこれだけ時間がたってもいい書き手がなかなかでてきていないのではないかと思う。」と書かれているように、ブログブームの割には書き手がそれほど増えていないのも事実です。
まさかの日記で「一般的にはBlogを沢山読んでいる人っての自体がかなりアレな気も。普通の人(定義は微妙ですが)がBlogを読んでいる図ってのが、まだどうもイメージできないです。」と書かれているように、ブログはまだまだ一部でしか流行っていないんだなぁと再確認した思いもあります。
はたして、今のブログブームは結局「ブーム」にすぎないんでしょうか?
アルファブロガー投票企画を振り返って(2)へ続く
(文責:徳力)
音楽配信も価格比較もブログもヤフーで。
ヤフー、音楽配信サービス開始へ – CNET Japanを読んで。
ここしばらくヤフーの新サービス攻勢がすごいですね。
1月31日に「Yahoo!ブログ」β版がスタートしたと思ったら、2月4日には新検索サービス「Y!Q」を公開。2月17日には「Yahoo!商品検索」のベータ版を公開して、昨日の有料ダウンロード型音楽配信サービス「Yahoo!ミュージックダウンロード」の2月中開始発表という矢継ぎ早。
おまけにnobilog2によると次は「米国で行われているような本格的なLocal Search(地域情報検索)か、あるいはSocial Network Serviceか?」と予想されています。
とてもじゃないですが、私のブログのペースではウォッチしきれません。
この新サービス発表を振り返って、やはり改めて感じるのは、日本のインターネットサービスがヤフーを外しては語れないと言うことですね。
このタイミングでの有料音楽ダウンロードサービス参入は、近々参入が予測されるiTunesMusicStore対抗のものでしょうし、Y!QはGoogleのAdsense対抗、Yahoo!商品検索は価格.com対抗の模様です。
ITmediaに掲載されているYahoo!ブログの河村プロデューサーのインタビューには「ヤフーは、オークションなど業界トップのサービスをたくさん持っている。Blogもトップにしたい」と発言が引用されていますが、それ以外のサービスについてもおそらく思いは同じでしょう。
インターネットの主流サービスは、もれなくヤフーが提供すると言う強い意思が感じられるサービス展開です。
もちろん、いくらヤフーが日本のトップポータルとはいえ、後発で先行するサービスを抜きされるかどうかは個別の戦術の問題になります。
例えば有料音楽ダウンロードについては、Yahoo!はATRACでサービス提供をするようですが、現状の音楽端末の出荷台数は何と言ってもiPodとの連携をうたえるAppleが有利。価格帯もiTunesが本国に近い根付けをすると厳しい感じがします。
ブログについてもブームが踊り場を迎えている感もありますから、今からトップを狙うには新たにブログ利用者を開拓していく必要があるでしょう。
ただ、ヤフーが日本のインターネット利用者に対して大きな影響力を持っているのは間違いないですから、はたして各サービスでどんな展開をしてくるのか注目したいです。
ちなみに、タイミングの良いことに次回のアカデメディアはYahoo!をスポンサーにした検索会議2005だそうです。
ヤフーの今後が気になる方は、是非参加してみてはいかがでしょう?
アスクジーブス、Ask.jpでグーグル越えを狙う?
アスク ジーブス、Ask.jpを正式稼動–検索結果を保存するMy Askなど新機能 – CNET Japanを読んで。
先日、アスクジーブスがBloglinesを買収してちょっとした話題になっていましたが、いよいよ国内でもAsk.jpが正式サービスを開始したようです。
CNETの記事によると、アスクジーブスジャパンの塩川社長は「グーグルの検索結果に満足しないユーザーがAsk.jpを利用する傾向があるとの印象から、「あとはヤフーを利用しないユーザーを取り込めば、2番手に入ることも可能」と強気だ。」とのこと。
正直なところ検索関連は素人に近いので、いまいちAsk.jpの何が凄いのか良く理解できてはいないのですが、国内2番手に入ると言うことは現在2番手のグーグルを抜くと言うことですから、かなり強気な発言ですね。
Ask.jpを使って見たところ、特徴は「スマートファインダー」と呼ばれる絞込みのヒントとなる語句の表示機能と、「エキスパートリンク」と呼ばれるリンク集サイトの抽出機能のようです。
スマートファインダー機能とは、例えばブログを始めたいときに、最初から「ブログ 無料 サービス」とか複数語句で検索しなくても、「ブログ」と一語句でとりあえず検索すれば「無料レンタル」などという候補が複数表示される機能。
エキスパートリンク機能は、その語句の関連に強そうな「無料ブログレンタル一覧」などのサイトリストが並ぶ機能のようです。
Google検索に慣れた人間からすると、ちょっと回りくどい気もしますが、そう言われれば日本の検索市場はディレクトリ方式から始まったヤフーが単独トップ。
自分で検索すると言うよりも、人が勧めてくれる候補を選べばよいと言う意味では便利な気もしますから、アスクジーブスがグーグルに追いつく可能性も無くは無いのかもしれません。
しかし、果たして現在の検索サービスに慣れた人たちが、なだれをうってAsk.jpに移るかと言うとそれほどの魅力はまだ無いように感じます。
グーグルの登場時には、一般的な検索サービスではページ単位で適切な情報が「探せない」という明確な問題がインターネットに存在し、それを埋めるサービスとしてグーグルが急速にシェアを拡大しました。
おまけに、グーグルの躍進の原動力は、実はYahoo!など様々なディレクトリ型検索ポータルの補助に利用されたことがあったりします。
そういう意味では、
はたして今それほどの問題意識が利用者側にあるのか。
Ask.jpがその問題意識を埋めてくれるサービスなのか。
各ポータルが自前の検索を持とうとしている現在に単独の検索エンジンが機能するのか。
個人的にはまだどうにも良く分かりません・・・
ちなみにAlexaのサイトランクで見ると、本国のask.comは85位。
Yahoo!、MSN、Googleのトップ3は置いておいても、先日話題を呼んだAmazonのa9は1578位ですから、良い位置につけてはいるのかもしれませんが・・・どうなんでしょう?
Skypeスターターガイドにコラムを書きました。
ASCIIから本日発売されたSkype社公式のSkypeスターターガイドに、コラムを書きました。
1680円でスターターガイドにイヤホンマイクが何と二つもついてくるお買い得なムックですので、イヤホンが無くて困っている人は是非どうぞ。