[P2P] P2Pを理念から追う「KAIN P2Pコンソシアム」

p2pNext today ダブルスラッシュ:P2Pを理念から追う「KAIN P2Pコンソシアム」を読んで。 

 NPO法人KAINとは桐生地域情報ネットワークの略だそうだ。NPOとしてP2Pのコンソーシアムを結成し、P2P技術の可能性を研究している。


 何でまた桐生なんだと驚く人も多いだろうが、ここの委員長をされている方が業界では知るひとぞしる有名人だと聞いたことがある。

 なにしろ委員に並んでいるのは大学や企業以外に総務省に経済産業省の名前まであるのだから、影響力の大きさが何となく伝わってくるというものだ。

 まぁそれは置いておいてNextTodayの横田さんのBlogで興味深いのは「P2P」に対する姿勢の点だ。
 どうしてもP2P技術をベースにサービスや事業を考えると、P2P=技術という構図で物事を捉えてしまう。この点は私も一応P2P関連の事業に携わる人間として非常に耳が痛い。
 そもそもはコミュニティなり事業がありきで、そこに技術をどのように組み合わせれば良いかという観点で考え、そこで初めてP2P的な仕組みなりサーバー的な仕組みなりが出てこなければならないのだろう。

 そういう意味ではKAINの取り組みは、地域情報化というテーマに「たまたま」P2Pが適していると感じたというアプローチであり、実は非常に正しいアプローチなのかもしれない。

 以前SIOnetの開発者である星合さんとは、お話をさせていただいたことがあるが、KAINのようなまじめな取り組みをきちんと支援されているのがさすが星合さんというか、さすがNTTというか、という感じである。

 Winny事件の真っ只中での船出となったが、Winnyをきっかけにこのような地に足がついたP2Pの取り組みも取り上げられるようになってくればP2Pに対する社会の姿勢も変わってくるのだろうか。
 まだメディアの取り上げ方は静かなようだが、今後に期待したい。

[IP電話] 有線ブロード、番号ポータビリティ対応の法人向けIP電話サービスを開始 を読んで

phone有線ブロード、番号ポータビリティ対応の法人向けIP電話サービスを開始を読んで。

 ようやく有線ブロードでも番号ポータビリティ対応が始まったようだ。
 と思ったら法人向けのサービスだけのようだ。


 番号ポータビリティとは、電話番号をそのまま移動できると言う仕組みだが、すでにKDDIが光電話で提供中だ。今使っている電話番号そのままで乗り換えられるのだから、ADSLのIP電話のような変な050の番号に恥ずかしがることなく堂々とIP電話にしてしまえるのだが、なんで個人向けはまだ対応しないのだろう?

 どうも切替時にNTTの工事が発生するか大きな手数料を取られているような気もするが・・・

 
 それにしても個人的に驚いたのはインプレスで紹介されていたもう一つの記事だ。
 「FCC、米国で電話番号ポータビリティを一挙に拡大 」とある。

 なんでも米国では番号ポータビリティは携帯電話内、固定電話内だけでなく、相互に交換が可能らしい。
 「番号自体に“所有権”という考え方が出てきたことから、今後は番号から所在地を推定することが困難になることが予測される」とのことだ。
 なんでもかんでも「権利」というのがいかにも米国らしいが、これで電話がかかってきてもどこからどんな状況の人がかけてきたのかを推定することが難しくなるわけだ。

 ますます電話機に登録してある人の電話にしか出づらくなりそうな気がする。
 日本でもこういう時代が来るのだろうか?

[IM] 米Yahoo!、「Yahoo! Messenger」最新版を公開~ラジオやゲーム機能搭載

im米Yahoo!、「Yahoo! Messenger」最新版を公開~ラジオやゲーム機能搭載を読んで。

 まだ日本語版は出ていないがYahoo!Messengerの最新版が公開された。


 ラジオにゲームにアバターに、と面白機能が満載のようだが、本当に使いこなせるのだろうか?
 個人的には普通のメッセンジャーの機能で満足してしまっているという面もあるので、メッセンジャー自体が娯楽ツールになることに対してはちょっと違和感がある。

 まぁ確かに表情アイコンなんかを使うとコミュニケーションも楽しくなるから、アバターが代わりに挨拶してくれればメッセンジャーのタイピングでのコミュニケーション上の行き違いなんかも和らぐシーンがあるかもしれないが。

 それにしてもインプレスによると日本のヤフー曰く、それぞれの最新機能について「いずれは提供する予定で、技術的にも問題はない。ただし、国内の環境を考慮すると、米国の最新版で実現した全ての機能を提供できるどうかはわからない」とのことだそうだ。

 国内の環境を考慮するとっていうのはどういうことなのだろうか?
 特に今回の機能追加に日本独自で問題になるような機能は見当たらないが。
 ネットワーク環境は日本の方がブロードバンド率も高いと思うし、機能が使えない環境があるとも思えない。

 穿った見方をすると、日本国内ですでにバッティングするサービスがあるから提供できないということなのだろうか?
 独自展開の米国Yahoo!とソフトバンクと共同歩調の日本ヤフー。こんなところにその環境の違いが出てくるというのであればなかなか興味深い。

[P2P] Winny事件という誤謬の原点

p2pWinny事件という誤謬の原点 – CNET Japanを読んで。 

 CNETコラムで森さんがWinny事件についてまとめていた。
 私個人の意見も森さんの意見にかなり近いところがあるので、メモもかねてまとめておく。


 森さんのご指摘のとおり「ITやメディアのサービスの合法性について十分に議論がなされていないという」というのが、現在までこの問題をややこしくしているように思う。
 今日あった飲み会でも同じ議論になったのだが、日本独特の文化なのかもしれないが、どうも日本では「臭いものにはふたをする」という感じで、このような議論に手をつけない場合が多いように感じる。

 yublogで川崎さんもEFFの必要性を指摘していたが、米国に比べて日本では利用者側の立場にたって意見を公の場で述べるというシーンがあまり見られない。
 大抵の場合、そのような活動をすると先鋭的な活動家と見られ、異端児あつかいされるのがオチだ。

 Winny事件の後、かなりの議論がBlogを中心にネット上に表明されているが、それすら世の中的には一部のテクノロジーおたくの人たちの議論でしかないのが正直なところだろう。

 ACCSやJASRACからすると、その手の人種を相手に議論をしても意味がないと感じているのだろう。
 非常に残念なことだ。

 個人的には、アクセス回線の高速が実現された今、日本はブロードバンドコンテンツの配信ビジネスを世界に先駆けて成功させることができる土壌が整ってきていると感じている。しかし、一般的にコンテンツ事業者が興味を持って取り組んでいるように思えないのは気のせいだろうか。

 音楽配信事業こそ、ここに来て複数の事業者が事業開始を宣言するようになったが、これは残念ながら米国でのiTunesの成功を見て真似しているだけのようにしか思えない。
 一気にこの流れを動画のようなコンテンツにつなげることを考えてくる事業者は出てこないものだろうか。

 利用者の立場からすると、Winnyから入手できず、正式なコンテンツ事業者からも手軽に入手できる手段が無いとすると、第二・第三のWinnyが出てくる土壌ができているだけのように感じてしまう。
 (また逮捕してもらえば良いと考えてくるのかもしれないが)

 なんでもかんでも米国追随のサービスでやるのではなく、モバイルの分野でも実現したようにブロードバンドの世界も日本が世界をリードするようになって欲しいと切に感じてしまうこのごろだ。

[コラボ] シトリックス、ウェブ会議サービスのプレビュー版を配布開始へ

coraboシトリックス、ウェブ会議サービスのプレビュー版を配布開始へ – CNET Japanを読んで。 
 Flashを販売しているマクロメディアがウェブ会議をやるかと思えば、パソコンの遠隔操作のシトリックスもウェブ会議サービスをやるようだ。


 まぁ、確かにパソコンの遠隔操作とウェブ会議等でよく機能の一つとしてあげられるアプリケーション共有は同系統の仕組みだから、そもそも自社の技術力を生かしやすいサービスではあるのかもしれない。

 米国ではWebExという会社がウェブ会議サービスでは有名だと認識しているが、その市場にこう次々と参入を表明する企業がいるということは、それだけ有望な市場だと認識されているということだろうか。
 日本での注目度と比較すると非常に温度差があるように感じる。

 やはり、なかなかアメリカ大陸を横断して会議をするわけにもいかないアメリカと、手軽に東京に集まってしまう日本の違い。さらにはヘッドセットに対する抵抗感の違いなど、日本とアメリカにはかなりの違いがあるということだろう。

 ちなみに、CNETの記事を見る限り、米国ではこれまでこの手のサービスは電話と同様の分刻みの課金体系が一般的のようだ。
 日本ではこの手のサービスは月額固定料金が普通だが、米国ではウェブ会議サービスを電話の代わりに使っているようなイメージなのだろうか。

 時間ができたらもう少し細かく調べてみることにする。