[P2P]アリエル・ネットワーク小松社長インタビュー を読んで

CNET Japan Blog – 情報化社会の航海図:Winny事件とP2Pの未来:アリエル・ネットワーク小松社長インタビューを読んで。 

 結構前のインタビューだが、最近Googleの記事などを読んだり、知人と議論して改めて振り返って考えるところがある。


 このインタビューでWinny事件の話の裏でテーマになっているのは、Googleに代表される中央集中型(セントラル)とP2Pのような分散型(ローカル)についての議論だ。

 現在のところは、明らかにGoogleに代表されるセントラルチームの圧勝感が強い。
 P2PといえばNapsterやWinnyなど不正ファイル交換ソフトの訴訟問題がクローズアップされるばかりで、ビジネスとして大成功している事例は無いのが現状だ。

 Googleがこのまま集中システムに磨きをかけていくと、すべてのシステムは中央側のシステムで動作するようになるのだろうか?
 本当にGoogleの天下がこれから訪れるのだろうか?

 正直なところ、まだ自分にはGoogleの凄さが肌身にしみていないところもあるのだが、どうしてもGoogleがインターネット上の課題をすべて解決するとは思えない。

 実は昨日、yublogの川崎さんとそのあたりの話をする機会があった。川崎さんと言えばJnutellaで知られる国内P2Pの第一人者だが、既に川崎さんなりにGoogleを横目で見ながら、P2Pという言葉の定義すら突き抜けて違うアプローチを模索されていた。
 
 詳細はもちろん川崎さんの著作権なので(?)ここでは書けないが、川崎さんと話して感じた点は二つ。

1:Googleのアプローチだけが全てではない
 当たり前の話でもあり、こうやって書くと非常にだいそれた雰囲気も漂うが。
 中央集中型の検索技術をコアにした処理技術なり、文書の整理手法というのは、あれはあれで素晴らしい。メールのソリューションの一つにはなるだろう。
 でも全てがそれで処理できるわけではない。

2:P2Pという言葉、技術が一人歩きしてないか
 参照した記事で小松さんも言っているが、純粋なP2Pという言葉や技術だけに囚われるとGoogleの対極にあるようなイメージだが、実際には違う。
 別にサーバー型の技術も組み合わせればよいわけで、現在のウェブサーバー型のシステムがホストコンピュータ的なアプローチであることを考えれば、クライアント側を有効活用してメリットがあるケースはいろいろあるはず。
 P2Pという言葉に縛られると、そもそも利用者が必要としていることを見誤る可能性もある。

 まぁ、まとまっていないが、なんとなくそういう印象をもった。書いてみると実に当たり前の話だ。
 どうも長いこと、P2Pだけを取り扱うコラムを書いていたせいで、思考が硬直化しているのかもしれない。

 一度少しSNSやBlogなどネットに起こっている最近の出来事を大局的に振り返ってみたいと思う。