[P2P]「GoogleしかGmailを提供できない」なんて誰が決めた を読んで

「GoogleしかGmailを提供できない」なんて誰が決めたを読んで。 

 横田さんがGmailについて興味深い記事を書いている。


 実はようやっと最近私もGmailのアカウントを入手した(IT関係の知り合いではなく、コンサル時代の知り合いからもらったのも意外だった)ので、その感想とあわせてこの記事を考えてみたい。

 正直なところ、前評判があまりに高かったので、凄いものを想像していたため、意外に使ってみたら「ああ、こんな感じね」というのが素直な感想だ。
 良いところもあれば悪いところもある。
 いくらGoogleがやるサービスとはいえ、神様ではないんだからいきなり完璧なサービスが出てくるはずもない。

 ただGmailの功績は「メールはこのままで良いのか?」という問いかけを私たちに対して改めてしたことだろう。
 1GBのストレージを用意すること自体は本質ではない。ライブドアが追随したようにその気になればどこの会社でもできることだ(儲かるかどうかは別として)

 Gmailは私たちのこれまでのメールの常識を揺さぶってくれた。

常識1:送信箱と受信箱
 電子メールは既存の世界の郵便と同じだから送信したものと受信したものは別。これがこれまでの常識だった。送信したものは記録は取ってはあるものの受信箱とは全く別の送信箱に入れてしまっていたのがこれまでのメール。
 これまで、この問題を解決するために自分が送付するメールのccに自分のアドレスを入れていた人も多いことだろう。 
 それがGmailでは、送信メールと受信メールがまとまってスレッドになっており、感覚としては掲示板やチャットに近い。
 ふれてみてしまえば実に簡単な話だが、それがコロンブスの卵だ。

常識2:整理して保管ではなく検索に頼る
 メールは消さずに取っておいて後から検索するものというのも面白いメッセージだ。
 たしかに私の周りにもメールが整理できない人、というのは多い。全部受信箱にメールを残してしまうので、後から探せない人たちだ。そういう人には良いソリューションになると思う。
(ただ、私のような自分のルールでメールを整理したい人間からするとGmailの検索しろといわんばかりの仕組みはちょっと納得できない。)

 
 ただ、横田さんが指摘しているようにGmailも万能ではない。
 新着メールの通知が無いのが最たるものだ。メール大好きな私にはこれは致命的だ。(今はGmailと普通のメールの両方にメールを転送して、Gmailから返事を書くという面倒な手順を踏んでいる(笑))
 モバイルでPCを持ち運んでいる人も、電波が入らないところでメールが見られないのにストレスを感じるだろう。
 1GBという容量も、添付ファイルをバリバリやり取りする人からすると実は物足りない。

 そういう意味では、いくつかの視点は非常に面白いものの、所詮ウェブメールの延長にしか過ぎないという言い方もできるだろう。
 ただ、ウェブメールとして割り切ってしまえば非常に強力だ。
 
 「先日、吉澤さんとの議論の中で出た事なのだが「ローカル環境でのメール処理は、メールを好きな場所で処理できない」という問題点がある。」
 と横田さんが書かれているように、P2Pやリッチクライアントの仕組みだと、どうしても端末に依存してしまうため、どのパソコンからでもアクセスできるというわけにはいかない。
 
 先ほどあげたGmailの弱点にしても、新着通知ソフトや、データのローカル同期ソフトのようなものが出てくれば解決される話だ。
 
 まぁ、集中側と分散側の議論はこれからも永遠に続いていくのだろう。

 
 それにしても、やはりGoogleの凄い点は、この議論を引き起こしたことにあると思う。
 検索エンジンとしてGoogleが出てきたときも、ポータルの付加価値として扱われていた検索機能を前面に押し出し、最終的に新たな広告モデルを生み出してしまった。
 今回のGmailもそうだ。
 Gmailが出てくるまで、私たちはどれほどメールソフトについて考えてきただろうか?
 こんなにやれることがいろいろあったのに。
 

 ただ、逆もまた然り。
 Googleが凄いから、Gmailが凄いからといって、私たちがここで思考停止するのは明らかに間違っている。
 まだメールソフトの新たな可能性の扉の一つが開かれただけに過ぎないんだと思う。

 横田さんのいうようにGmailのような新たなソリューションを提供できるのはGoogleだけではないはずだ。
 最近、多くの人が電子メール関連のビジネスモデルを語るようになったのは一つの流れだろう。自分も一生懸命考えなければ・・・

“[P2P]「GoogleしかGmailを提供できない」なんて誰が決めた を読んで” への1件のフィードバック

  1. 「GoogleしかGmailを提供できない」なんて誰が決めた を読んで を読んで

    「GoogleしかGmailを提供できない」なんて誰が決めた
    を読んで
    を読んで、Gmailのお話です。前置きとしては、僕はGmailなどのサービスを利用していませんし、利用するつもりもないです。理由は、同じサービスだったら、自分のサーバでやればよいと思っていることもあり

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